【国際欄 #21】桁違いの石油供給途絶。それでも「なんとかなっている」理由(ゲスト:小山堅さん)
2026-10-27 34:01

【国際欄 #21】桁違いの石油供給途絶。それでも「なんとかなっている」理由(ゲスト:小山堅さん)

News Connect国際欄、今回のゲストは、日本エネルギー経済研究所顧問の小山堅さんです。ホルムズ海峡の事実上の封鎖から8か月、石油危機の現在地を解説いただきました。世界の原油とLNGの2割が通るチョークポイントが止まったことの意味、過去の石油危機との違い、私たちの暮らしへの影響など、今回のホルムズ海峡危機についておさらいできる回です。


▼ゲストプロフィール

小山堅(日本エネルギー経済研究所顧問)
1959年,長野県生まれ。早稲田大学大学院経済学修士修了後,1986年に日本エネルギー経済研究所入所。英ダンディ大学にて博士号取得。The OPEC Award for Researchを受賞。日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員などを経て現職。著書に『エネルギーの地政学』『地政学から読み解く! 戦略物資の未来地図』『大転換期の国際エネルギー秩序』などがある。


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佐々木真奈美(経済キャスター)

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サマリー

経済キャスターの佐々木真奈美が、小山堅さんとホルムズ海峡の事実上の封鎖が8か月続く石油危機について話す。海峡は原油が1日約2000万バレル、LNGが年間8000万トン通る世界最大級のチョークポイントで、イランは政権打倒を狙う攻撃と受け止めたことで、エネルギーを人質にする対抗策に出たと小山さんは説明する。湾岸諸国のエネルギー施設も攻撃を受け、海峡では探知装置を外したタンカーや船から船への積み替えで輸送が続いている。今回の供給途絶は、1973年の約430万バレル、1978年の約560万バレルを大きく上回る一方、危機直前に市場に余剰原油があり、在庫を取り崩せたため、現時点では何とか持ちこたえている。

ホルムズ海峡封鎖の意味と発生の背景
こんにちは。経済キャスターの佐々木真奈美です。 News Connect 国際欄のお時間です。
今回のゲストは、日本エネルギー経済研究所顧問の小山堅さんです。
今年2月28日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃し、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖しました。
あれから8ヶ月、世界の原油のおよそ2割が通る海峡が止まると、私たちの暮らしに何が起きるのか、小山先生に2週にわたってお話をお聞きします。
それでは本編をどうぞ。
ゲストは、日本エネルギー経済研究所顧問の小山堅さんです。小山さん、今日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
小山さんはエネルギーの専門家でいらっしゃいますけれども、ちょうどですね、今日収録日が本の出版日でもいらっしゃるということで、先ほどお伺いしました。
どのような本を出版されたんですか?
21世紀の石油危機、暮らしと経済の行方というタイトルで、岩波新書で本を出すということができました。
まさにホルムズ海峡の封鎖が起きて、石油問題が大変な状況になったということで、石油のテーマで書いてはどうかということを岩波書店さんから提案していただいて、
その時に話をしたらですね、石油をメインにして岩波新書を書いたというのは、1980年代ぐらいまで遡らないとないということで、
そうなんですね。
今回はそれに匹敵するような本当に大きな出来事に、ちょうどタイミングを合わせて書くことができてよかったなと思っています。
私そもそもそれこそ、原油ってなんでこんなにみんなが世界である意味取り合っているのか、要するに不足してどう困るのか、
もちろんなんとなくわかってはいるけれども、根本についてやっぱり曖昧だった部分っていうのがすごく明白になったかなと思います。
今いろいろと世の中で、今日もそうですけど、このエネルギーとか石油に関することを話題として取り上げますけど、ニュースが増えているので、
根本理解にすごいつながる一冊だなというふうに感じました。
今日はぜひその本の内容も含めてお話を伺えたらと思います。
よろしくお願いします。
お願いいたします。
では本題に入っていきますけども、今日は特にホルムズ海峡の封鎖についてですよね。
2026年の10月時点でも事実上の封鎖が続いているわけです。
そもそもこのホルムズ海峡って原油の石油の要所だっていう話として聞きますけども、どれくらい石油にとっては重要な場所なんですか?
中東という地域は石油の生産へ輸出、世界の中で一番重要なところなんですが、
その重要な石油の輸出が基本的にはこれまではこのホルムズ海峡を通過してタンカーで運ばれてくるっていうところなんですね。
海峡という言葉である通りですね、海がわりと狭い地域になってまして、幅は30キロぐらい、タンカーが通れるところはもっと狭い、
よくチョークポイントっていう言葉を使うんですけれども、非常にアイロ、狭くなっている場所っていう意味なんですね。
そこを石油でいうと1日あたり2000万バレル、液化天然ガス、我々はLNGってよく言いますが、このLNGで年間8000万トン、これがタンカーで通ってます。
どちらもですね、世界の全体の供給力のうちの2割ぐらいに相当するということで、世界最大の交通量があるチョークポイント、これがホルムズ海峡だということになります。
やっぱりこの2割って考え方によっては、たった2割かとも考えられると思うんですけど、非常に重要なんですか?
これほど一箇所にですね、供給量が集まって通っている場所っていうのはないんですね。
ですから、今回本当に事実上の封鎖っていうのは起きちゃったんですけども、これが封鎖されてしまうと、誰かがそれを肩代わりして生産してくれるとか供給してくれるっていうことができないんですね。
ですから、止まってしまったところからもうこれは大変だっていうことに世界中がなってしまった。
日本もそうなんですけど、これ世界の問題としてまさかこんなことが起こるとはっていう、そういう事態が起きてしまったということですね。
そういう意味でホルムズ海峡ってすごく重要な場所なので、今までこのような封鎖って歴史上なかったんですか?あったんですか?
歴史的に見てみるとないんですね。
なかったんですね。
実は皆さん、今ご質問にあった通りですね、それだけ重要なんだから海峡封鎖ってあったら大変だなという心配はみんなしてました。
心配をする時にですね、一番具体的な心配の種というか元は海峡の反対側をすべて握っているイランが、もし海峡を封鎖してタンカー取れないようにしたらこれは大変なことなんじゃないか。
これ常にみんな頭の中にあったんだけども、同時にですね、いやちょっと待ってと。
もしその冷静に合理的に考えたら、特にイランの立場に立って合理的に考えると、海峡を封鎖してしまうとですね、これは間違いなくアメリカが強力な軍隊を送ってきて、ホルムズ海峡の封鎖を解除して、
しかもそれをやったイランを倒してしまう。つまりイランの体制を打倒してしまう。だからイランが封鎖をしたら最終的には自分で自分の首を絞めるってことになるんで、
封鎖するぞって脅しはかけるけども、実際にはやらないだろうっていうのが常識になってたんですね。危ないかもしれないけど、まず合理的な判断をするっていうことに限りにおいては、これは起こらない。これが今回の封
鎖が起こる前までの常識でした。
なるほど。そういった意味で今までもスレスレというか危ういような状況はあったけども、実際に本当に踏み切るっていうことは何とか防げていた。
今回はそれが防げなかった。その大きなきっかけは何が違ったんですかね、今までと。
いろんな見方はありますが、私自身はですね、今回アメリカとイスラエルの攻撃が始まったのが2月の28日なんですけども、攻撃開始の直後にトランプ大統領がビデオ投稿をしてるんですけども、SNSに。
そのビデオ投稿の演説の内容が今回の封鎖を引き起こしたと私は思ってます。これはどういう内容かというと、一言で言えばアメリカの軍事攻撃が終わった後、イランの国民は立ち上がって政府を掌握せよという呼びかけを
してるんですね。
これは一言で言えばイランの政権を打倒せよと言ったということになるわけで、イラン側からしてみるとですね、今回の戦争は単なる戦争、軍事攻撃、例えば核施設を壊すとかそういうんじゃなくて、自分たちを倒す
ための戦争だと認識したわけです。
ということはイラン側からしてみれば、生き残るためには何でもあり、要するにこれまで禁止で持ってたものをフルにでも使わない限りは生き残れないっていうことになったんだと私は思ってます。
ですから軍事的にまともにイランはですね、アメリカやイスラエルに勝てるはずがないんですね。軍事力にものすごく差があるんで、そうなるとイランができるのはエネルギーを人質に取る。これはこれで非常に強力
なので、これを武器にしてこの8ヶ月アメリカと戦ってるってそういうことになったというふうに私は思ってます。
特にその大統領がトランプであるっていうところも大きかったんですかね。直前にはそれこそベネゼーラとの一見もありましたし、実際に本当にこういった武力に踏み切るんだなっていうことがトランプであれば口先だけ
じゃないっていうところはイランも分かって。
そうですね。実際に昨年もですね、昨年つまり2025年においてもアメリカとイスラエルはイランに軍事攻撃してるんですね。その時は核開発施設を壊すっていう軍事作戦だったんですね。これと政権打倒のための戦争
っていうのはやっぱりイランからしてみると受け取りが違うわけです。
その戦争にアメリカ本当に乗り出してきたっていうことになったところが今回のホルムズ海峡危機の大きな原因なんじゃないかなと私は思ってます。
なるほど。遠い国、日本にいるとどちらもただ空爆をして攻撃を仕掛けてる。それは前にもあったことじゃないかっていうような感覚がどうしても持ってしまいますけども、今回イランにとってはそれだけじゃないと。
本当に自分たちの国が危ぶまれるかも。政権が危ぶまれるっていう状況になったので禁じ手であるホルムズ海峡の封鎖っていうところに至ったと。
ただここでイラン側が封鎖するっていうのとアメリカ側がいわゆる逆封鎖みたいなこともありましたよね。
そうですね。イランからしてみると経済の運営にとってみるとやっぱり石油輸出をしてそこで収入を得るっていうのは大変重要なわけですね。
ですからイランが自分の石油をですね国際石油市場で売ってしかも今原油価格が高くなりましたから高い収入が得られる。
これで選票を調達できているという状況であればこれはなかなか戦争に肩もつかない。
となればイラン経済を締め上げて体制を本当に圧力をかけるためにはやっぱりイラン側が売っている石油も封鎖しなきゃいけないということになってアメリカは逆封鎖を始めたということですね。
湾岸諸国への被害と危険な輸送継続
なのでイランにとってもある程度自滅行為でもあるわけですよね。
それだけ今回の攻撃っていうのがですね本当にこれまでアメリカがやってきたあるいはイスラエルがやってきた軍事攻撃とは異なるレベルあるいは異なるフェイズの戦争を仕掛けてきたということだと思うんですね。
ちょっと余談ですけどもオルムズ海峡も封鎖も禁じてなんですけどもう一個イランがこれまであんまりやってなかった禁じてっていうのがあってそれは近隣のワンガンの参与国サウジアラビアとかカタールとかUAEとか
こういったところをものすごい勢いで軍事攻撃をした。
これまではですねイランとワンガン参与国は時々対立構造あるんですけどもやっぱり同じ中東の中にいるんで最終的には一緒にやっていかないといけないから最も重要なエネルギーインフラなんか攻撃はあまりしないとする
にしてもほどほどのある程度モデレートな攻撃しないっていうのが常識だったんですけどこれも変わりました。
もうすごい攻撃が実際に行われて例えばカタールっていう世界第2位のエレンジン輸出国の輸出能力が2割も壊されてしまって直すのに5年かかるっていうような見方もあるぐらいなんですね。
そうなるとなので近隣諸国的にも困ったもんだなーっていうことはずっと長らく感じてるわけですよね。
もちろん石油が入らない石油を輸入に依存している日本のような国にとっても困ったという状況ですけど参与国にとっても困ったという状況。
大変困った状況になったと思います。
ワンガンの参与国はひょっとすると今回の戦争において最も重大な被害を受けた国の一つになるかもしれません。
例えばドバイっていうようなところを皆さんも聞きになったことあると思うんですけど。
私も旅行で行ったことあります。
高層ビルが隣立してすごい経済的に繁栄してそういう開発ができたところなんですけども。
すごかったです本当に高層ビルが。
それができた一つの大きな理由は安全だったんですよね。
そうですね。
でも今回の戦争で安全なのかっていう疑問がついてしまったわけですから中東のビジネス全体別に石油とかエネルギーだけじゃなくて
ビジネスがやっぱり相当安全を問われるっていうことになってしまってこれは本当に大変だと思いますね。
さらにホルムズ海峡ですけどもイラン側が嫌いを設置してるっていうことを言ってますよね。
なので結果ホルムズ海峡が今後何らか見通しが明るくなって解放ってなったとしても
なかなか簡単にタンカーって通れないんじゃないですかね。
本当の意味の正常化には相当時間かかると思います。
ただ実はこの8ヶ月も戦争が続いているとですねいろんなことが実は起きてるんですね。
例えば実質的に封鎖っていう言葉を私も使いますし多く使うんですが
最近はですね実は結構ホルムズ海峡をタンカーは通ってるんですよ結構。
どうやって通ってるかっていうとタンカーが通行するのが検知できないように
そういう装置を全部外してそして石油を積んだタンカーが湾の外に出て
そのタンカーから例えば日本とかですねアジアの国々が持っていくためのタンカーに積み替えて
それで持ってくるっていうのをやってるんですよ。
だから前と同じように大量に安定的には輸送できてないんですけど
とにかくもうみんな必死なんですよね。
だから完全に閉鎖されてるわけではないというのも実態で
それはこの8ヶ月戦争が続きタンカー通行がものすごい問題を抱えている中で
いろんな工夫が行われているっていうのも実態です。
でも危険とかなり隣り合わせですよね。
隣り合わせですね。だけどそれでもやらなきゃいけない。
今ちなみに船の積み替えをやってるオペレーションはシップとシップって言ったりするんですけど
船から船に積み替えて例えば日本に持ってくると
こういうようなこともやらづらいないんですね。
過去の石油危機を上回る供給途絶
なるほど。いろいろとホルムズ海峡の現状についてお話を伺いましたけども
続いては以前あった石油危機と今どのようにちょっと違うのかということを伺っていきたいと思います。
これまでいろんな名称で石油危機とかオイルショックって言われるようなことが過去あったかと思いますけども
今までの石油危機と今回の石油危機
何が小山さんから見て明らかな違いだと思われますか。
一番わかりやすい例で言うと
途絶した石油の供給量は今回のホルムズ海峡危機は桁違いに大きいということなんですね。
第一次石油危機これ1973年に発生した中東での戦争と
アラブ参入国が消費国に対して石油を売らない金融っていうのをかけたことによって起きた危機なんですけども
この時の途絶量はだいたい430万バレル程度
その5年後1978年にイランで革命が起きて
これは第二次石油危機と言われるんですけども
当時世界4位だったと思いますけどもそのイランの石油生産が全部止まっちゃったんですね
この時の供給途絶量が560万バレルまで
ところが今回はさっき申し上げたとおり2000万バレル
全体の供給量のうち2割ですって申し上げたんですけども
第一次第二次石油危機の時は全体の供給量のうちの1割未満です
ですからまさに桁が違う供給途絶が発生したっていうところは大きなポイントだというふうに思います
桁が一桁違うわけですもんね
その期間の長さはどうなんですかね
期間の長さはほぼ過去の危機に匹敵するっていうものになります
この供給途絶量で実はホロムズ海峡危機が起こるまでの歴史の中で一番大きかったのは
2019年にサウジアラビアの石油施設が攻撃を受けた時
これが570万なんですけども
この時は供給途絶が実際に起きたのは1日か2日
1日か2日
だからそれですぐ直ったんですね設備が
ですから瞬間的な途絶量は大きかったんだけども期間が短かった
今回はその2000万バレルの石油やあるいは8000万トンのLNGの通行が
8ヶ月にわたってまともにうまくできないっていう意味では
やっぱり本当に恐ろしい供給途絶が起きたっていうことは言えると思います
それだけ大きな供給途絶が発生しましたと
過去の石油危機と比べ物のないくらい大きいですけれども
在庫とロシア産原油が支えた市場
なぜ今のところ何とかなってるのか大変なんですけど何とかなってるのかっていうのは
いろんな理由がありまして一つは今回の危機はですね
発生する直前までは実は原油価格ずっと下がり続けていて
石油の市場には石油が溢れてたっていう状況でこの問題が起きたんですよ
ところが第一次石油危機の時は危機が起こる前から
要するに価格がずっと上がり続けるつまり需給が逼迫していて
大変だ大変だっていうところにこのクライシスが発生しちゃったっていうのが違いがあるんですね
今回の場合は石油が市場にたくさんありましたって申し上げたんですけども
たくさん余ってた石油を何とか取り崩して
この危機の間8ヶ月食いつないできたっていうことがあるんですね
逆に言うとその8ヶ月間で食いつないできたおかげでですね
その石油の在庫っていうのはものすごく減ったんですよ
だからここから先はこの減った在庫の状況でもって
これからいつ解決されるかわからないこの危機の状況に対処していかなきゃいけないっていうことになってしまったっていうことが大きいです
むしろ余ってたっていうお話もされましたけども
でもウクライナとロシアの戦闘もずっと続いているわけですよね
そこで例えばロシアのエネルギーは輸入しないっていう制裁も同時にずっと続いているかと思います
それでも余っていたんですね
グライナ戦争が起きてロシアの石油が金融になった
これはこれでエネルギーの歴史の中で非常に重大なことなんですが
実はこれそのものが供給途切を全く生み出してないんですね
どういうことかというとロシアさんの石油を買わなくなったのは日本とかヨーロッパとかアメリカで
日本とかヨーロッパが買わなくなった分をそのまま中国やインドが買ってるんです
そういう話ですよね
ですから世界全体の供給量っていう観点で見ると全く変わってない
だからロシアの石油は国際石油市場に流れ続けている
っていうのがこの4年間の大きな流れであると見ていただいていいのかなと思うんです
それと今回のホロムズ海峡危機みたいに実際に供給が本当に止まっちゃったっていうのとは違うんです
日本の中東依存とアメリカ産原油
でもじゃあそういった意味では西側諸国で自分でエネルギーを取れないところっていうのは
ちょっと今ロシアの方もダメだし中東の方もダメだしっていうところがあると
若干危機感っていうのは高い
大変ですね
わけですよね
もともと日本が中東原油を原油輸入のうちの93%
2025年は93%だったんですけど
なんでこんなに高いのかっていうと
実はウクライナ戦争が起こる前までは日本はロシアの原油を結構輸入してたんですね
だけどG7の一員としてロシア産の石油は買わないと決めた時
どこから他に買えるかというと中東しかなかったんですよ
だから93%とか直前は96%まで上がってましたから
ほとんど全て中東に頼るっていう風になったのも
ロシア産の供給が日本にとってみれば手に入らないものになってしまったということも大きいんです
なんか日本にとっては冷静に考えるとかなりまずい状況が続いてるわけですよね
一方で実は産油国トップはアメリカなんですよね
そうですね
私やっぱり原油というとそれこそ中東のイメージが非常に強かったので
産油国トップってアメリカなんだっていうことを改めて認識した次第だったんですけど
じゃあアメリカからもらえばいいんではっていう話にならないんですか
実際に今回の危機が起きてから日本をはじめとして中東原油に頼ってた国は
みんなアメリカに行って一生懸命買ってるっていう状況です
アメリカはですね1970年代ぐらいまでは世界最大の産油国であり続けたんですけども
だんだんとその生産量が落ち込んでいって輸入国になっちゃってたんですね
ところがそれが2000年代の半ばからシェール革命っていう言葉があるんですけども
アメリカのシェール血岩層の中に含まれている石油を取り出すことができる新技術を活用して
生産量がめちゃくちゃ増えた
でサウジアラビアやロシアを抜いてトップの産油国になったっていうのが今の実態なんです
今回面白いのはやっぱりアメリカは自由経済の国なので
例えば日本が石油売ってくれって頼みに行くとですね
いいよといくら払うのということになって
要するに高く買うマーケットにちゃんとアメリカは売ってくれるっていう
そういう市場なんですね
だから今回の危機が起きてからアメリカは石油の輸出を実は200万バレルぐらい増やしてるんですけども
そのうち50万バレルは自分の国の石油の生産量が増えた分で増えてる
残りの150万は自分の国の備蓄とか在庫を取り崩した分が輸出に回ってるんです
つまりより高く買ってくれるお客様に国内の石油が回ってったっていう
非常にアメリカのビジネスらしい
そのおかげで日本とか変えたんですけども
そういうことが起きてるんですね
でもなんかアメリカ国内の人にとっては
自分たちの備蓄を取り崩してまで他国に売るんだっていうようなところありそうです
なぜかというとアメリカも結局ガソリン価格が上がったりして
アメリカ国民たちも結局ガソリン価格これ以上上がるなぁ物価高反対とか
そういったことが中間選挙の争点の一つにもなっているわけですよね
ですからあまりにガソリンや特に最近は経由の値段
これは農業収入にとってみればトラクターの燃料だったりとかするんで
そういったものの値段が国内で上がっちゃうとですね
って何やってるんだっていうことになるんですね
ですからアメリカから石油の輸出がもうそんなに出てこなくなるんじゃないか
という心配も実はあるんですよ
アメリカでもさすがにそこは限界もあるわけですよね
国内の価格が上がるっていうのはアメリカのトランプ政権だけじゃなくて
いかなる政権にとってもこれは大問題なので相当そこは注意を払っていくことになるだろうなと思います
ナフサ不足と石油化学の目詰まり
もちろんアメリカに限らず日本も今回の問題で私よくニュースでも耳にしたのがナフサですよね
本当にナフサはよく聞くようになりましたし
まだスーパーマーケットに行くとパッケージにちょっとモノクロのものが置いてあったりして
あのナフサショックって当時言われてましたけど
今あれは日本ではもう過ぎたこと大丈夫なことになってるんですか
一時の本当にこれはどうなるんだっていう本当にパニックじゃないですけども
ちょっとそれを感じさせるような大変な状況は収まったと思います
ただ根本的な問題はまさにホルムズ海峡からの供給が止まってしまって大変な事態になった
これが解決されてるわけじゃないので問題がもう全くなくなったということではないんです
日本の場合はナフサこれは石油化学製品を作るための原材料なんですけども
このナフサっていうものをどうやって手に入れてるかというと国内で原因を生成して
そのナフサという形にして石油化学工場に渡す
かナフサそのものを輸入してきて工場に渡すか
この両方があるんですね
実はその製品輸入でナフサっていうのが供給の中心で
しかもそのうちの最大の部分は中東から来てたんです
それが今回止まってしまった
原油っていうのを生成するとナフサとかガソリンとかいろんなものが同時に出てくるんですけども
作る側からすると一番高く売れて儲かるものをたくさん作りたい
これ当然です
そうするとどうしてもガソリンをみんなたくさん作るんですよ
ガソリンが一番高いんですね
だからその分そうやって生産をするとナフサはそんなに出てこなくなっちゃうんですね
輸入の方も入ってこなくなる
国内の供給もなかなか出てこない
そうするとナフサが滞っちゃうんじゃないか
ナフサの供給が滞ると石油科学のいろんな材料がすべて滞るんじゃないか
ということになって目詰まりということになったんですね
これ考えてみるとある意味で言うと当たり前で
どんな産業や企業でもみんな同じだと思いますが
自分たちが工場を運営して事業をやっていく上で
絶対必要だなっていうものがあるとすると
これが手に入らなくなったら大変だと
じゃあちょっと今回は売るのを少し控えとこうとか
ちょっと余分に少しだけいつまで買っとこうってなりますよね
最終消費者でも同じだと思うんですよ
それが今回この石油科学ナフサをめぐるサプライチェーンのすべてにおいて起きてしまったので
目詰まりつまり全体量とするとそれなりにあるんだけども
手に入りにくくなっちゃう
これを何とかするためにはまずはちゃんと供給をできるだけ全体で確保します
そうなってますよっていうことをちゃんと知らせて周知して
一個一個いろんな会社や企業のところに行って
こういう状況になってるから大丈夫ですよって言って
安心感を持ってもらうように一個ずつやっていくっていうことをやらなきゃいけなかったんです
それは何とかここまでその対策でとりあえずはこれもしぬいできてる
でもビジネスの原則から見たらやっぱりなるべく高いものに生産したいし
売っていきたいしっていうのは当たり前ですよね
原油価格から電気代への波及
小山さんの本でもやっぱり石油と暮らしは本当に非常に密着してるというお話はたくさん出てきていまして
他にも挙げるとしたらそれこそ電気代も石油とは密接に関係あるもの
関係日本の場合は特にある
火力発電でやってますからね
ただ石油の火力発電っていうのは日本では極めて少ないんですよゼロじゃないんですけど
火力発電の中心は天然ガスLNGを使った火力発電でその次が石炭火力です
石油本当にわずかなんですね
だけどそれにもかかわらずなぜ電気代と石油の関係が重要かっていうと
火力発電の中心のLNGは値段の決まり方が原油価格で決まっちゃうんです
原油を輸入してきて輸入した値段が決まるとそれをもとにして
3ヶ月か4ヶ月ぐらいのタイムラグを伴ってLNGの値段が決まる
LNGの値段が決まるとまた若干のタイムラグを伴ってこれ発電に使ってますから電気代が変わるということになっていて
日本の場合はこの間原油価格が上がってきた
これはドル建ての原油価格の上昇だけじゃなくて円安もありましたから
要するに電気の値段がじりじりと上がってきてるっていうことになってるんですね
なるほどそういった直接的理由ではなくて間接的に影響を受けてるんですね
ですし世の中のそういった原油の価格っていうのが商品先ものとかの中心にあって
それぞれ他のエネルギーとかいろいろなコモディティとかの価格も若干影響がかなり
おっしゃる通りです
受けてるってことなんですね
長期化する危機のシナリオ
まだまだね戦争の終わりが見えない中で私たちどれくらい危機感を持っていたらいいんでしょうかね
正直に言って本当に分からないっていうところがいっぱいあるんですね
今の状況でこれから先のイランを巡る状況がどう展開するか
これ予測が難しいんでいくつか場合分けシナリオみたいのを作って私考えてるんですけども
現状ですとねこの軍事的な衝突が時折というか頻繁に起こり時には激しい押収になる
だけど全面戦争にはいたらないっていうのが今の状況なんですよね
一言で言うと全面戦争でもないし平和でもないこの状況が続いていくっていうことになるとすると
やっぱり知性学リスクが残りますから現有価格はそのまま高止まり
これが一番のメインのシナリオです
実はその対局が2つあって要するに事態が正常化に向かう
和平協議が行われて問題を解決するためにみんなが努力してハッピーエンドに向かいますっていうやつと
全面戦争に戻っちゃう
このどちらもですねこれを本当に左右する決断はトランプ大統領のものになる
トランプ大統領がどう考えるのかなかなかわからないですよね
突然イランとの戦争はこれにて仕方やめって言って終わりになるかもしれませんし
また再び3月4月のような全面戦争に戻るかもしれない
これは特に週間選挙が終わった後一体どうなるのかなっていうのはわかりませんから
特にその全面的な戦争に戻るようなシナリオですと
現有価格がどれほど上がるかっていうのは検討もつかない状況ですね
その意味で日本我々の日々の暮らしや経済にとっては相当心配な状況も今あるということかなと思います
なのでイランがどれくらい核開発とかのめるかってことですよね
アメリカの要求をね
一方でトランプ大統領もそれこそ中間選挙の前に終わらせて
自分の支持率回復につなげるんじゃないかっていうのは
ずっとこう巷で言われていたシナリオでしたけど
なんだかどうやらそれはもう不可能ということになり
本当に終わりが見えない感じがしてきましたよね
これはですので来年以降もおそらくエネルギー危機っていうのはポイントになりそうだなというふうに感じました
ぜひですね次回以降もさらに詳しくお伺いできたらと思います
小山さん今日は大変ありがとうございました
どうもありがとうございました
ニュースコネクト国際ランお相手は笹木まなみでした
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それではまた次回お会いしましょう
34:01

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