それぐらい、現代の企業においてデザイン整備重要ですよということが、具体的な数字で表れているんですね。
これって、今説明した内容って最近のレポート、ここ数年目のレポートなんですけど、
そもそもデザイン志向とかデザイン経営みたいな言葉が注目され始めたのって、
今からちょうど20年前から10年間にかけて行われたリサーチが起爆剤だったと言われてまして、
これもアメリカのリサーチ会社が行って、今ではハーバードビジネスレビューに載っている有名なリサーチグラフっていうのがあって、
10年間、アメリカの株式市場の企業のS&Pインデックスっていう代表する企業の株価の変化と、
その中でもデザインを重要視しているデザインセントリックカンパニー16社の株価の違いを比較した結果、
デザインを重要視している企業の株価の上がり率が228%高かった。
2.3倍株の伸びが高かった。
アップルもそこに入ってますし、イントゥイットとか、ナイキとか、S&Pとか、P&Gとか、スターバックスとか、ウォルト・ディズニーとか、
そういう会社が入ってるんですけれども、そういう会社の方が株が上がったよっていうことで、
それまではなんとなくデザインはいい方がいいんじゃないとか、
デザイナーとかデザイン好きの人にとっての趣味みたいな範囲で思われてたデザインっていう領域が、
ビジネス的考え方をしている人、ビジネスマンとか経営者とか、投資家とか、株式市場に関連する人たちが、
数字を見せられてそのインパクトに驚いて、一斉にデザイン志向がもてはやされ始めたっていう、
それがきっかけだったりします。
それぐらい数字でも経営に対してのインパクトがある。
これが日本だと意外と実感しにくいんですけど、世界的に見ると実際、特にアメリカとかではそうなっている。
日本で実感しにくい理由は、僕の仮説としては営業が強すぎて、デザイン性が高くない商品でも営業でご利用して売ってるっていう文化とか、
あと系列っていう仕組みがあって、僕もそんなに詳しくないんですけど、三菱系とか住友系とか、
そういう元財閥の系列にひも付くサービスプロバイダーとか、あとはSIRとかテクノロジー会社とかがあって、
そこが作り出すソフトとかサービスのクオリティがそこまで高くなくても、
いわゆるしがらみみたいなもので営業ができちゃうっていうことがあるらしいですね。
でもその時代はもう終わるので、デザイン性これからちゃんと担保していかないと厳しい戦いになるぞっていうのは、
多くの企業もすでに気づいているし、我々がお付き合いさせていただいている日本のクライアントさんもそれを課題として、
一緒に社内にデザインをインストールするっていう活動をやっております。
じゃあ具体的にどういうふうにやるのっていう話なんですけど、
5つのレベルに分けました。
1つ目、2つ目、この順番でやっていけばクリアしていくといいんじゃないかっていうのを。
非常に中身はシンプルかつ単純で、そんな簡単なことなのって思うぐらいの話になるかもしれないんですが、
意外とできていないのでやりますね。
1つ目は単純すぎてびっくりするんですけど、
作り出す商品サービス、社内ドキュメント等の見た目を重要視するということですね。
社内ドキュメントの見た目。
社内ドキュメントも自分たちが作り出す商品やサービスの見た目をちゃんと改善するようにしようということですね。
これ馬鹿らしくなくて、
ドキュメントの見た目がいいっていうのは、レイアウトが揃ってたりとか、文字が読みやすかったりとか、
画像がちゃんと入っているとかっていうのは、理解しやすくなるし、
テンプレート化させて、次から変更する点を減らすことができるので、
業務のコスト削減、時間を削減できたりとか、コミュニケーションをしやすくなるんですよね。
細かい文字で何を書いているかわかりにくいよりも、画像で意味が伝わる方が社内コミュニケーションも取りやすくなったりするので、
ミスコミュニケーションが減るとか、実際に商品とかサービスのユーザビリティが高いとかってなっていれば、
顧客の満足度も上がるし、
実業であれば、お客さんの目に入るものをちゃんときれいに整えていくことで、顧客満足度も上がるんですね。
ということで、顧客も喜ぶし、社員も喜ぶし、ブランド価値も上がるということで、
僕も普段から気にしている、見た目を良くしていきましょう。
社内ドキュメントってどこまでの社内?
インターナルの社員の中でしかシェアしない。
ものも含めっていうことですね。
うちの会社でも社内ドキュメントもある程度、スライドとかもきれいにするようになるべくしようとするじゃないですか。
あれってコミュニケーションコストを下げる価値が僕はあると思っているからとか、そういうことですね。
あとはブランド意識をちゃんと持てるとか、そういったものです。
なので、そこは意識して社内全体でやっていくといいんじゃないかなと思っていますね。
それが一つ目の手法ですね。
二つ目が、世界には2種類の人間しかいない。
デザイナーかデザイナー以外かという考え方をすると、
デザイナーに、
エクストリームですね。
今の冗談ですね。
デザイナーに、社内の非デザイナーの人たちに対してのデザイン的マインドセットを広げていく活動をするということですね。
うちの会社がよく企業さんにワークショップをやるのはこの活動なんですけれども、
以前にデザインドリブンカンパニーの代表の一つであるintuitというシェリコンバレーのレガシーIT企業があるんですけれども、
そこにデザイン志向を広げたデザインチームのリードの人とお話をしたときに、
まずやったことがCEOから始めて、そこから社員全体に毎週デザインワークショップを提供して、
デザインとはとか、デザイナー的考え方とかというのを広げていく。
そこでスケッチを描いたりとか、アイデアを可視化したりとかして、
社内全体にデザインの重要性とか価値とかメリットを広げていく活動を1ヶ月2ヶ月じっくりやったらしいんですね。
そういうことをやると、自分はデザイナーじゃないんでよくわかんないっていう人をなくすということですね。
みんながデザインの価値の分かる会社にしていくということをやると、
必然的にそこから生み出される商品やサービス、カスタマーサポート等々のクオリティーが上がるらしいんですね。
うちもモットーでしたっけ?
そうですね。みんなデザイナーっていう。
みんなデザイナー。We are all designersですね。
失礼しました。
We are all designersっていうモットーがあるので、それを掲げています。
デザイナーって別にデザインをする人だけじゃなくて、デザイン的マインドセットを持っている人もデザイナーと呼んでいいのではないかという考え方。
テクニカルスキルじゃなくて、思考のマインドセットに。
そうです。おっしゃる通りです。
それを広げていくのがいいんじゃないかなと思っていますね。
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3つ目が、少しずつ業務にデザインを落とし込むのですが、デザインドキュメントを作りましょうということなんですね。
うちの会社でももちろんデザイン会社なのであるのですが、デザインシステムやデザインガイドライン、ブランドガイドラインと呼ばれるものがありまして、
これはうちの会社のデザインのルール、ブランド可視化のルールをドキュメント化する。
形式はPDFでもいいし、ウィキみたいなのを使っているのですが、社内のスタッフの人たちが何かをするときに参照する。
うちの会社は使うべきフォントはこれで、色はこれで、写真の雰囲気はこれで、みたいなガイドラインが名誉分化してある状態。
あとは、外部パートナーと仕事をするときも一回それを見てもらうことによって、商品の開発とか管理とかする際の参考にしてもらいながらやれば、
ブレが少なくなるので、ブランドの統一化ができるし、顧客の認知度が上げることができる。
例えば、アップルとかディズニーみたいな会社って、そこはすごい厳しく決められているはずなんですね。
うちの会社では、これはやっていいけど、これはやっちゃダメっていうガイドライン。
特にやっちゃダメがすごいあるはずなので、
うちが今まで仕事をした中で、スクウェアっていう会社があって、
ペイメントの。
ペイメントの、ジャック・ドーシーっていうツイッターのファウンダーが始めた会社。
ここは、すごいデザインのこだわりが強くて、
特にシンプルにするっていうことに対しての執念がとてもあって、
うちがスクウェアの日本向けのブランドローカリゼーションをやった際に、やっちゃダメ事項が多すぎて、
日本向けにこういう風にやった方がいいよっていう、
日本って結構市場が特殊なので、ローカリゼーションで結構変更点が生じるんですけど、
ガイドラインにダメっていうことをやることがすごくダメな会社だったので、
そこをどうするかっていうので、
ちょっと日本向けのガイドラインを追加で作ったぐらい、
ドキュメントを作ったぐらいなんですね。
でも一回それをやると、やっていいこととダメなこと、
特にダメなことが名分化されていれば、変なことにはなりづらいということで、
それを作ることが3つ目のレベルでやるっていうことがいいかなと思いますね。
確かに。
ウィキにも、弊社のウィキにも、カラーパレットとポンストと全部決まってるんですけど、
デザイナーじゃない人がプレゼントを作るときとかも、
すごく参考にしているみたいで。
いいことですね。
全体的に統一感も出るし、
ブランドのウィートラックス感っていうのが出やすいなっていうのを
よくやってます。
それはとてもいいと思います。
それがあると、揉めなくていいんですよ。
何か作った後に、それ変えてとかやっちゃダメとか、
毎回その場その場でやってると議論が発生しちゃって、
何でですかとか説明しなきゃいけなくなったりすると、
ポスト時間がかかるので、ここに書いてあるでしょ、書いてないことはやっちゃダメなんだよっていうのを一回定めて、
でもそれをしばらく放置すると、またそこがアウトデータで古くなるので、
定期的に更新は必要なんですけど、ガイドライン自体。
それがあると非常に効率化とブランドの統一性が図れるっていうのがレベル3ですね。
レベル4がちょっと難易度が上がってくるんですけど、
企業の活動でいろいろなことをすると思うんですけれども、
商品サービス作りから社内プロセス作ったりとか、あとはビジョンの作成とかまで、
それ何かを作り出すときにデザインプロセスを活用するっていうやり方。
どういうことかというと、デザインプロセスって何やねんって話なんですけど、
コンセプト作ってプロトタイプ作って、それをテストして、ユーザーテストをして、
ABテストとかして、そのデータを元に改善するっていうやり方なんですけど、
それを各活動に対して行う。
ユーザーリサーチをしてパセツ立てて、プロトタイプテスト版作って、
それをテストして、効果測定して、改善したものをリリースするっていう。
デザイン志向ってそういうようなプロセスだと思うんですけど、
それをちゃんと社内外の活動に仮説検証ありきのやり方でやっていくっていうことですね。
1つ目のエピソードでもちょっと話した、会議室だけのトップダウンの議論だけでは見えないことが多すぎるので、
仮説立てしてプロトタイプでテストして、情報、データを集めて改善していくっていうやり方をなるべく多くの活動に採用する。
デザインじゃなくても使えますからね。
そうなんですよね。
結構社内の業務改善プロセスとかにも使えたりとか、
例えばオフィスのレイアウトとか、社内ルール作りとかでも使えるし、
うちの会社も結構細かいことで言うと、有給の取るプロセスを1つ取っても試してみたりとかして、
どれが一番スムーズだろうかっていうのをやってますね。
いろんなことがプロセス改善になってくるので、最終的にコスト削減から顧客満足度アップとか売上アップに繋がるんじゃないかなと思っていますね。
レベル4。
レベル5になるとデザインドリブンカンパニーになれるんですけど、
レベル5に到達している会社ってデザインドリブンカンパニーなんですけど、
冒頭で紹介した2200いくつかの企業団体の中で、
5%しか実は到達していないレベルの域に達している状態らしいんですけど、
このレベルの企業は戦略を作ったりとか企画を考えるときに、
マーケットリサーチ、ユーザーリサーチして、トレンドリサーチして、
プロダクトマーケットフィットを検証して、なおかつ未来予測もするっていう。
意気揚がりましたね。
ザ・デザインプロセスで物事をやる。
さっき言ったプロトタイプを作って検証するっていうのも、
結構いいレベルまでいってるんですけど、
プロダクトマーケットフィットを検証するっていうことをやるらしいんですね。
これ難しいですよね。
プロダクトマーケットフィットっていうのは、
作り出す商品が市場に受け入れられるかどうかを市場に出す前に、
何らかの方法で検証するっていう。
PMFと言われるやつですね。
スタートアップの、リーンスタートアップとかのメソッドで出てくるんですけど、
プログレムソリューションフィットとプロダクトマーケットフィットみたいなのがあるんですけど、
作り出したものが受け入れられるかどうかの検証を結構精度高くやっていくっていうことと、
あとは未来予測をしながらやっていくっていうことをやると、
時価総額の上昇とか知的財産権の獲得等々において、
メリットが非常に高いらしいんですよね。
じゃあ具体的にどういうふうにやっていくかっていうと、
現在のトレンドの認識と未来予測をする。
これまさにうちの会社がワークショップでクライアントさんとよくやっている、
現在世界的にこういうトレンドがありますよっていうのと、
今後こういうふうになりますよっていうのをちゃんと認識していって、
それを踏まえた上で、自分が作り出す商品が市場に受け入れられるかの施策をやって、
それでデザイン的視点を企業のビジョンにも取り入れるっていう、
そういうところまでいくとデザインドリブンカンパニーになるらしい。
そこが基準なんですか、デザインドリブンカンパニー。
デザインドリブンカンパニーは諸説ありますが、
経営層の中にデザイン的マインドセット及びデザイナーバックグラウンドがある人がいて、
一つ目のエピソードで話した過去ロジックだけじゃなくて、
未来予測をもとに物事を考え決めるっていうのと、
ユーザー視点、顧客視点での企業のビジョンを作れる状態になっている会社ですね。
自分たちのビジョンにあって常に新しいものを作り続ける攻めの姿勢があるっていうのと、
未来を作り出す考え方を持っていて、
未来に合わせてものづくりを、サービスづくりを経営をするっていう考え方。
過去に囚われるよりも未来視点である。
そういった面でレベル5になると、それが実現できるようになる。
そういう5つのステップになります。
まとめましょうか。
レベル1が社内ドキュメントの見た目をきれいにする。
社内ドキュメントだけじゃないですけど。
いろいろドキュメントをきれいにする。
会社の活動全体のオフィスのレイアウトから、
社内ドキュメントから商品サービスに至るまで、
見た目の重要性を認識して、それをちゃんと浸透させるということですね。
見た目が重要ですよっていうのを認識するということ。
なるほど、認識をする。