1. BTRAXのCEOによるサンフランシスコ・デザイントーク
  2. 【第58回】全ての企業に今こそ..
2024-08-16 31:02

【第58回】全ての企業に今こそ「サービスデザイン」が必要な理由とは?

🗣 トーク概要

  • サービスデザインとは?
  • UXデザインとサービスデザインの違い
  • 任天堂やSFにあるCapital one 銀行の例など
  • 良いサービスを生み出すには?
  • ブランドプロミス (約束)

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全ての企業に今こそ「サービスデザイン」が必要な理由』by Mizuho


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🎙 出演者

Brandon Hill (CEO & Founder, btrax) ⁠X⁠

Mizuho Maeda (Service Designer, btrax) ⁠X


🏢 会社概要

btraxは "We design the future by bridging the gaps" をビジョンに、2004年に創業したサンフランシスコ発のデザイン会社です。これまで日本、アメリカなど諸外国を含め300社を超える企業様に向けてUXデザインを軸に最適なユーザー体験を生み出し新たな価値の創出に貢献してきました。

詳しくは弊社⁠⁠⁠ホームページ⁠⁠⁠から。


【サービス内容】

弊社では新規サービス、プロダクト立ち上げのためのグロール視点での市場リサーチからブランディング戦略、サービス、プロダクトのUI/UXデザイン、新規サービスのマーケティング戦略から施策実行までをサポートしています。


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サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコと東京に拠点を置くデザイン会社、BTRAXのCEO、Brandonと、デザイナーのスージーが、日本で働くデザイナーや、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、様々なトピックについて深く話します。
本日は、うちのスタッフがゲストで参加していただいてますけれども、自己紹介をお願いします。
サービスデザイナーの水穂と言います。普段は東京オフィスで働いていて、今たまたまサンフランシスコオフィスで、デザイン志向研修のファシリテーターとして来ていて、一緒に収録させていただいてます。よろしくお願いします。
そうなんですよね。うちの会社は東京とサンフランシスコで行き来することが多くて、水穂さんも今プロジェクトで、普段は東京にいるけれども、ここ数ヶ月はサンフランシスコでワークショッププロジェクトをやっていると。
今日はテーマがサービスデザインに関してなので、まさにサービスデザイナーという役割をしていただいている水穂さんにその辺を詳しく聞ければなと思います。
じゃあまずサービスデザインって何かっていうところから行こうかなと思うんですけど。デザインっていろいろ領域があって、グラフィックデザイン、ウェブデザインとかUIデザイン、UXデザインとかあると思うんですけど。
サービスデザインって最近ちょっと聞くこと多くなったと思うんですが、聞いたことあるけど、ぶっちゃけ中身が何かわからないことが多いので、どんなものなのかっていう概要とか説明できます?
サービスデザインは簡単に言うと、ユーザーの体験、顧客体験のデザインと、それに加えて提供する側の組織の組織体制と仕組みまで、そこまでを含めてデザインするようなデザインの考え方というか手法になります。
なので、プロダクトを作ったり新しい新規の事業を作ったりっていうところにも携わりますし、それに加えて社内の何かイノベーションが起こるような開発を作っていくとか、そもそも新規事業が生み出していけるような組織に変えていくみたいな、そういったところまでアプローチするのがサービスデザインかなというところです。
なかなか難しそうだ。結構エリアが広いんですね。
そうですね。
実はこのポッドキャストで結構前に僕がプロダクトとサービスの違いみたいなテーマで話したことがあったんですけど、ちょっとおさらいで、世の中にプロダクトと呼ばれるものとサービスと呼ばれるものがあって、
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実はここ最近だとスタートアップのサービスをプロダクトって呼んだりとか、アプリとかそういったものをあえてプロダクトって呼んでたりするケースもあれば、サービスとプロダクトの境目っていうのが結構薄くなってきたかなと思うんですけど、水穂さん的にプロダクトとサービスの違いとかって簡単に説明できたりしますか?
そうですね。もしかするとブランドンさんの話とも重なっちゃうかもしれないですが、やっぱりサービスのほうがより体験の一連の流れ全体を扱ってるというか、そこにフォーカスのポイントが広いみたいな、そんなイメージはありますね。
プロダクトってどうしても物単体とか、アプリなりソフトウェアなりそれ単体のことをプロダクトって指しがちな気がするんですけど、サービスって言うとそもそもその物なら物を買う前にどうやって調べて、どういうふうに購入する場所に行って、それをどんなふうに買って、使うときどんなふうに体験をして、最後それを人にシェアするなのか。
あるいは物が壊れるところだったらそれを修理しに行ったりとか、トラブルがあったらカスタマーサポートに連絡するとかいろいろあると思うんですけど、そこ全体を捉えて一つの一連の価値の提供というか、そういうふうに捉えている物をサービスっていうふうにより広く捉えて、ただの物だけじゃなくて周辺の物まで含めて表現することが多いかなというふうには思いますね。
なるほどね。それって聞くと一瞬、ユーザーエクスペリエンス、UXデザインの中のUXと同じように感じるんですけど、違いはあるんですか?UXとかCXとかですね、カスタマー比較体験とか。
サービスデザインっていうとやっぱり、もちろんお客さんの体験で言うと今言ったような流れになるんですけど、そこの違いとしては、より提供する企業の組織の在り方だったりとか、そういう一連の顧客体験を提供するのに必要になる。
例えば、組織の作りもそうですし、それが提供しやすいような体験を従業員にも作ってあげるとか、そもそもそういうサービスが提供できるような形で会社のカルチャーもそういうふうに必要かもしれないですし、オペレーションの在り方とかマニュアルとか、そういったものも整えるっていうのが特にサービスデザインでいう大きなサービスの区切りに含まれてくるところかなと思いますね。
でも、ものすごい広くなるんですよね。
そうですね。
商品だけ、その周辺だけじゃなくて、それに関わる組織、チーム、カスタマーサポート、販売、包括していく感じ。
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そうですね。めちゃめちゃ守備範囲広いですね。
そうなんだ。じゃあサービスデザイナーの役割もかなり広い。組織改革とか、マインドセット構築とかも含まれる?
そうですね。そこがむしろすごく土台になる大事なポイントというか、やっぱりそういう土台がないところにいきなりデザイン志向なり、サービスデザインの考え方いきなり持ち込もうとしても、なかなか難しいというか、そもそもデザインって必要なんだっけみたいなところに戻っちゃいがちだったり、イノベーションって本当にいるの?みたいなことになりがちなんですけど。
まずサービスデザイナーの第一歩目をもし選ぶとするならば、そういう企業のフード作りみたいなものとかカルチャーを変えていくっていうところに、まずサービスデザイナーとしてアプローチするっていうのが一つ私たちのミッションかなと思いますね。
素晴らしい。なんか僕が考えたより意外と広かった。
それって何だろう。ざっくり言って水尾さんから見ると、アメリカの企業カルチャーの方がサービスデザイン向きになってたりするとか、日本は結構プロダクト寄りが多いとか、なんかその辺ってどう思ってます?
そうですね。やっぱりそういったサービスとして何か商品というのを認識してリリースしてるっていう観点だと、どうしてもUS企業の方がより目立ちがちかなとは思ってますね。
それこそUberとかもそうですし、日本だと車の何か移動って考えた時に、トヨタとかホンダとかいろんな有名メーカーが日本にもあって、
でもそれって今のところはあくまで車というものを売って、もちろんそこの中のカスタマーサービスとかあるんですけど、基本的には物の販売であるっていうところがあると思うんです。
アメリカの場合は、車がもはやみんな持ってて当たり前っていう環境の中で、本当にその体験をもう1回考えた時に何か目的地に移動したいという時に、
じゃあまず車を、人によっては免許とって車を買って、エンジン入れてガソリンチェックして、マップ調べて目的地行ってとかっていうその一連の体験を考えた時に、果たしてそれがベストな移動体験のあり方なのかというと、
必ずしもそうじゃないというか、渋滞巻き込まれたり駐車場全然なくて探したりとかって結構不快な体験にむしろ分類されると思うんですけど、
そういう時に、US 企業からすると、じゃあそもそも移動がめちゃめちゃペインであるっていうところにまずスタート地点として立って、
じゃあ本当にあるべき移動の最適な体験って何だろうっていうのを問い直して、ああいうウーバーという移動の体験だけをサービス化して売るみたいなものが出てきたのかなというふうに思うので、
09:07
そこはすごく大きな違いかなとは思いますね。
本当ね、なんか今聞いててちょっと思ったんですけど、日本企業って物作りがちだなと思ってて、その理由の一つが何だろうな、
物には価値を感じるが、体験にお金を払う文化がまだまだ多くないかなと思ってて、ほらサービス残業って言葉があるぐらいにサービスイコールタダみたいな、
サービスしときますみたいな、言葉の時点でサービスに具体的な価値を見出してないようなコンテキストが多いかなと思ってて、
アメリカってご存知の通り無形なサービスにもものすごいお金を、チップ文化がまず一つそうだし、
物が具体的なフィジカルな物が手に入らなくても、体験に対してお金を払う文化が日本よりも深く根付いてるかなと思って、
そこがサービス化されたプロダクトとか、デジタルサービスとかに対してユーザーが価値を感じお金を払う文化になっているのかなと聞いてて思いました。
そうですね、それもすごいあると思いますし、最近改めて学び直して知ったところで言うと、日本企業でもそのことに対して尚更向き合っているような企業だと、
サービスデザインの考え方で、プロダクトだったりサービス作っている会社もあるなとちらほら多くはないかもしれないですけど、有名な例だとニンテンドーとか、
ウィーとか、最近はニンテンドースイッチとかを生み出している会社、もちろんゲーム機を作ってはいるものの、
彼らの作ろうとしている価値って、それこそユーザーを観察してどんなものを求めてるんだろうかって抽出してみた結果、
家族の仲を悪化させない存在としてのゲーム機だったりとか、親が安心して子供に渡せるゲーム機とか、そんなコンセプトで作って、
なので彼らが何を売っているかというと、何でしょう、いわば家族の仲を良くするための体験とか、
っていう方向で、最近のニンテンドースイッチだと見守りの機能とか、親が管理するっていうよりも話のきっかけになるような形で提供されたりとかあるので、
ゲームってより体験チックなものに近いかなと思うんですけど、特に物っていうよりそういう体験に主眼を置いてきたような企業だと、
日本企業の中でもちらほらとそういう好事例は出てきているのかなと最近思っています。
今の例は面白いですね。これも実は以前のこのエピソードの中の一つで、
12:01
NintendoのWiiっていうのを取り上げさせてもらってて、価値をゲームをプレイするだけじゃなくて、
家族で楽しむことで家族の絆が深まるみたいなところまで想定したコンセプトっていう感じの話で、
それが総合的なサービスになっているのかなと。
これもう一個僕実は最近体験したサービス化されたプロダクトでビジネスがすごいイノベーティブなビジネスモデルだなと思ったものが一つあって、
ほらアメリカってテーマパークってたくさんあるじゃないですか。
日本にも輸入されているテーマパークいくつか有名なところがあるんですけど、
僕この前ちょっと休暇取ってユニバーサルスタジオに行ったんです。
いいですよね。
日本だとユニバーサルスタジオジャパンですけど、
僕が行ったのはカリフォルニアのユニバーサルスタジオハリウッド。
いわゆる本家のところっていうか、実際に映画スタジオがあるところ。
そこでいくつかアトラクションとかある中で、
ハリーポッターのエリアがあって、行ったことあります?
あります。本場のハリウッドにも行ったことあります。
僕あんまり疎くてその辺の事情っていうのが久しぶりに行ったんですけど、
ハリーポッターの杖売ってるのよね。
杖いろんな種類、もう50種類くらいあって、
それをハリーポッターの映画の中のワンシーンを再現したアトラクションがあって、
その後買えるんだけど、その時に説明を受けて初めて知ったんですけど、
その買った杖でエリアの中のさまざまなところで、
実際に魔法をかけて物を動かせたりとかするようになってて。
杖ってこの前行った時、だいたい1本60ドルなんだよね。
結構しますよね。
60ドルって今日本だと1万円くらいじゃん。
おもちゃの杖みたいな1万円って結構えげつない値段なんですけど、
それでランド内の複数のところのポイントポイントで魔法をかけると火が出たり、
おもちゃが動き出したりとか演奏が始まったりする、
そのハリーポッター体験を自分でできるってなった瞬間に、
その杖っていうプロダクトの価値がものすごい上がるわけさ。
これ杖の製造コストって全く変わってないんだけど、
その体験を与えた瞬間に欲しくなるユーザー心理が爆上がりしたために、
60ドル安いぐらい感じちゃうわけ。
それって同じものを作っていながら、ユーザーに対してプロダクト以外の体験価値を与えたことによって、
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プロダクトの価値が上がり、ものすごい売れるっていう。
サービスデザインの観点から、ものすごい考えさせられた。
そういうのって、やっぱりアメリカのエンタメ企業だな、
ハリーポッターはイギリスですけど、ユニバーサルはアメリカで、
そういうのを考案して実践してビジネスにしてるって、やっぱすごいなと思ってて。
日本の会社って、任天堂は近い形でやってるけど、
それ以外って、そこまで商品と体験を融合させることによって価値をアップさせて、
付加価値で売って楽しませるっていうのできてるところ少ないかなと思って。
杖をよりリアルに高級感出して作るっていうのはすごい得意だと思うんですけど、
その先端にLEDのリフレクターっていうのが付いてて、
ポイントポイントでLEDのレーザーみたいなのが飛んでると思うんですけど、
そこに当てて反射させるとセンサーが受け取って動くっていう仕組み。
単純な仕組みなんだけど、そのリフレクターを付けた瞬間に、
おもちゃの杖が本当に魔法の杖に変わる瞬間を体験したんです。
これ大阪でも同じことをやってるらしく、
聞いてる方で行ったことある方とか興味ある方行ってみると非常に納得できるんだろうなと思ったんですけど、
そういうのがサービスデザインのビジネスに対する貢献かなと。
ちょっと個人的な話ですけど、最近見つけたものがありますけど。
みぞはさんのときに他に何か、Uberの例とか任天堂ありましたけど、他に何かあります?
最近チェックして気になっているのは、
まずUS側と日本側両方で似たようなものを最近見かけたんですけど、
US側はサンフランシスコでも有名なCapital One Cafeの事例が結構面白いなと思って、
あれまさにサービスデザインで作られてるんですけど、
Capital Oneってアメリカでも大手の金融の銀行の会社なんですが、
銀行ってある意味どこでもサービス一緒と言えば一緒というか、
みんな安心にお金を預けられたらどこの銀行だろうとあんまりみんな気にしないと思うんですけど、
それって銀行としては差別化しないと生き残っていけないわけで、
っていうときに彼らが考えたのは、ユーザーにとってお金ってそもそも何だろうなとか、
どういう存在なんだろうなみたいなところから問い直して、
結果できたものが銀行とカフェを融合したようなコワーキングスペースっていう、
それがサンフランシスコにあって半年ぐらい前に私も行ったことがあるんですけど、
本当にすごくカジュアルな誰でも行けるような空間で、
時にちょっと金融系のお金の相談をしませんかみたいなイベントだったりとか、
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それも営業地味な感じじゃなくてちょっとワークショップみたいな感じでツールとか使いながら、
将来設計をガチで窓口でやるっていうよりも、
カフェっていう空間で気楽にやるみたいなのが出てるんですけど、
それすごい好きだなと思ってて。
思ってたらついこの前、日本でも三井住友銀行が、
それこそ渋谷かどこかで似たような本当にカフェと銀行を融合したような空間を作りました、
みたいなのができたっていうのをたまたまSNSで見て、
同じようなコンセプトなのか、ちょっと私もまだ行ききれてないのでそこにチェックしたいなと思ってるんですけど。
多分それ、キャピタルワンカフェをベンチマークにして作った気がしていて、
キャピタルワンカフェって実はもう5年くらい前にオープンして、
僕もオープン直後に行ったことあるんですけど、
まるでスタートアップのコワーキングっぽい雰囲気ですよね。
むしろ銀行感がほとんどなくて、
言われないとわからないぐらいですよね。
わかんないよね。
僕もたまにダウンタウン行って、時間潰すときとかに迷って、利用料かからないじゃん。
別にお金使わなくてもお茶飲まなくてもいいじゃん。
空いてる机に座ってフリーワイファイ使って30分ぐらい作業して、
それで次行くみたいなのも便利じゃん。
気楽に行けるんで、あれはそうだよね、
日本でも銀行の店舗の意義っていうのが最近結構クエスチョンになってる中で、
ああいうことするっていうのがいいよね。
そうですね。
あのモデルって実はTモバイルっていう携帯のキャリアの会社もやったりとかしてて、
Tモバイルラウンジみたいなの作ってて、
で、某日本の広告代理店とかから僕相談を受けたこととかあって、
ちょっとリサーチしてきてくれませんかって言って、
テレコム系のクライアントのためにいくつかAT&TとかTモバイルとかがこぞってラウンジやってるんで、
何回かそういうとこいくつか回って写真撮って、
店員さんに話し聞いてレポートまとめたりとかあったんですよ。
それを日本の会社さんに提案して、似たようなことを日本でやりませんかって企画なんですけど、
今あった金融銀行のカフェスペースっていうのは、
多分そんな感じで日本にも行ってるんじゃないかなと思ってましたね。
そうですよね。
いろんなメーカーもそうですし、金融とか通信とか、
いろんな業界が多分もうサービス化だったりとか、
今までの戦い方だけではもうジリギリになってしまうというか、
そんな状況にあるんだろうなとすごい思います。
なるほどね。
日本企業って、さっきからちょこちょこ話してるんですけど、
ものづくりが得意なんだけどことづくりがまだ上手にできてないところが多い中で、
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どういうプロセスで、何をやっていくとよりサービスデザイン的な概念でものを作れるかとか、
サービスを作り出せるかって、水澤さん的にプロの視点からありますか?
そうですね。
何から始めたらいいのかとか、どこが改善ポイントかとか、その辺。
サービスを作るっていう観点だと、もちろんユーザーを調査してとかそういうのはあるんですが、
それってステップ1かなと思っていて、その手前にステップ0として、
企業のカルチャーづくりというか、そもそも結構デザイン思考的なプロセスとか、
サービスデザインのプロセスって、ユーザーインタビューとかやって、インサイトを抽出して、
あんまりウォーターフロー型になかなか一直線にはいけないというか、
いろいろ立ち戻りしながらやり直しながら試して、いい失敗を重ねながらなので、
そもそも失敗を許容できる組織じゃないとできないとか、
多少の柔軟なスケジュールが許されるとか、いろんなチャレンジが許される環境じゃないと、
まずステップ1にすらいけないみたいなところがあると思うんですよね。
なので、まずそこを受け入れられるような土壌にしていくために、
それはもちろん経営層もそうでしょうし、現場の視点もそうだと思うんですけど、
まずそこの土台づくりから必要なのかなとは思いますね。
それ実は、さっきのキャピタルワンカフェの話で言うと、
実はキャピタルワンって結構レガシーな巨大金融機関なんですね。
で、キャピタルワンカフェを作ったきっかけって、僕が知っているのはね、
実はその前にキャピタルワンスタジオっていうデザインスタジオを作ったんですよ。
このオフィスからすぐ近くにあるんですけど、
デザイン会社を買収して、そこのチームをもとに新しいものを作り出すということで、
マインドセット変革とプロセス変革をするためにデザインスタジオをキャピタルワンで作って、
そこで僕、そこで働いている友達がいたので聞いたら、
金融機関だからコンプラ的にできないことってたくさんあったじゃないですか、セキュリティとか。
そういうのを全部緩くして、そこだけはオッケーにする、
地外保険的なサテライトオフィスみたいなのを作って、
実際行ってみたらもうスタートアップのオフィスなんですよ。
完全に吹き抜けで、キッチンがあって、ソファーがあって、
全然金融機関に感じないスペースで、
採用も主にスタートアップ経営の人たちばっかり採用。
そこで生まれたアイディアの一つがキャピタルワンカフェだったらしい。
それって毎日セットって話があったんですけど、
日本の企業がよく言う、それ儲かるんですか?みたいな。
キャピタルワンカフェって、儲かるんですかって言われたら儲かんないじゃん。
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だって全く売り上げがコーヒー以外ないんだから。
それじゃない長期的にロイヤリティを上げるとか、
お客満足度を上げるみたいな、エモーショナルな部分での貢献だと思う。
そういうのを日本の企業ができたらいいなと思ってましたね。
そうですね。長期的に根気強くやらないといけないかもしれないですけど、
それで気づいたブランドとか、それでいった熱狂的なファンって、
逆に言うと早々離れていくものではなかったり、
すごい将来の資産にはなるところなので、
いかにそこに投じていくかというか、
それが難しいところではあるんですけどね。
でもそこはすごい大事なポイントだなと思います。
それ実はあれなんですよね。
Apple Storeもそうなんですよね。
Apple Storeって店舗じゃないですか。
世の中がどんどんEコマースに流れているこの時代に、
あえて店舗にしたっていう、
Appleの10年以上前だと思うんですけど、
その判断ってすごくて、
あえてコストが高く、人件費もかかる、
ストア型で物を売るって、
多分その時代にどんどんストアを減らして、
オンライン販売に移行してた時代に、
逆行してやった結果、
ロイヤリティ上がったりとか、安心感とか、
それこそ総合的なサービス体験を提供したことで、
Appleの人気が上がって売り上げが上がって株が上がって、
20年くらいで多分その結果が出てると思うんですけど、
やるならそれくらいのビジョンでやったほうがいいですね。
そうですね。
Apple Storeも本当それぞれの店舗の個性があって、
今でもどこ行っても人でいっぱいじゃないですか。
それだけ人を引きつける魅力とか、
しかもそこにAppleのビジョンというか、
美意識みたいなものがたくさん現れていて、
だからこそApple Storeが好きで、
しかもだからこそプロダクトも好きみたいな、
そういう愛着みたいなものとかあって、
やっぱりデジタルでちょろっとビジュアル見せてとか、
それだけだとやっぱり醸成しきれないものがあるので、
より深い次元で訴えかけてる感じがします。
なるほどね。
じゃあそろそろ最後の質問にしようかなと思うんですけど、
ヒットするサービスを作る手法、
そんな簡単には言えないと思うんですけど、
何かあったら知りたい人すごく多いと思うんですけど、
どう思います?
ここはそうですね、
誰もが悩むポイントだと思うんですが、
私もビトラックス来る前に新規事業を日系の大企業の中でやっていて、
その経験だったり、ビトラックスの中のプロジェクトだったりとかでも思うのは、
難しいんですけど、ヒットするサービスを作ろうってするのは難しいというか、
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なかなか難しいところあると思うんですけど、
何かそれって作ってからヒットさせるように売るからヒットしないんじゃないかなと思ってて、
ヒットすることを確認してから売ればヒットするじゃないですか、約束的に言うと。
何かそれがすごい大事かなとは思っていて、
しょうがないというか、メーカーたるものを計画的に商品を作ってとか、
サービス業でもそうかもしれないですけど、
決まりきった手順の中でやるしかないというところはあると思うんですが、
本来であればそうではなくて、ちょっとちっちゃくでも試しながら、
これって本当に売れるんだろうかって思った瞬間に素早く顧客に当ててみて、
刺さる刺さらないを確認したり、ちょっとずつブラッシュアップしていって、
これはもう熱狂的にないと喜ぶ人が出るなっていう。
あとはこのまま正しく作れば売れるよねっていうところまで持って、
もう絶対ヒットすることが分かってから売ればそれは絶対ヒットするので、
何かそういうプロセスに変えていくっていうのがすごく有効なんじゃないかなとは思います。
なるほどね。まさにそれが今ワークショップ型でやってる目標の一つですよね。
そうですね。
デザイン志向的だったり、リーンスタートアップ的だったり。
はい。
ユーザー視点で巻き込みながら手応えを感じて、
ある程度のヒットの脈がありそうであればスケールさせていくっていう。
はい。
そういうやり方ですよね。
そうですね。
作ってからやるんじゃなくて、売りながら作るじゃないけど試しながら作るみたいな。
そういう世界観でやるっていう。
そうですね。はい。
素晴らしい。
じゃあ、
これって私もやりながらすごい思うところですけど、
最初に立てたこれ売れるだろうっていう仮説、9割9割外れるので。
ああ、そうなんだ。
もうその前提で絶対、絶対って言ったらあれかもしれないですけど、
ほぼほぼ当たらないかもしれないなっていう想定で、
じゃあ当たるようになるまで先に、
じゃあ当たるなら当たる、当たらないなら当たらないで確認しながらブラッシュアップしていった方が
よっぽど成功の角度が高まるなっていうのはすごい経験から思います。
なるほどね。
この辺だったらアメリカ西海岸だったらそれがスタンダードになってるんですけど、
日本の場合はプロダクト企画考えるときにまず収支予測表みたいなの作ったりするじゃないですか。
あれやっちゃうと結構厳しいですよ。
そうですね。失敗がやっぱり許されなくなってくるので、品質のいろんな基準とか。
大事なんですけど、初手からそれやるとだいぶ難易度上がっちゃうなって。
そうだよね。
わかりました。
じゃあ結構僕も今回知らなかったことを学べたんでありがとうございました。
はい。
ということで、うちの会社ビートラックスでサービスデザイナーをしている水尾さんに出演していただいて
サービスデザインのお話をいただきました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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また、サンフランシスコデザイントークは番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。
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最後までお聞きいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。
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