2023-09-08 35:42

【第9回】連続起業家から見たデザインの重要性 - ゲスト:井口尊仁さん

#9 連続起業家から見たデザインの重要性 - ゲスト:井口尊仁さん 


▽トーク概要 

・井口尊仁さんの人生

・btraxに参画するまでのストーリー

・btrax事例紹介: ムーンショットプロジェクト

・今後のデザイン会社のあり方


📚おすすめコンテンツ: 

  • 井口尊仁さんご登壇イベント『主催イベントBtrax Design Day で最も注目を集めたセッションをご紹介!「マイノリティ視点がイノベーションを起こす:インクルーシブデザインの力」https://blog.btrax.com/jp/bdd-inclusive-design/ 


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🎙 出演者

Brandon Hill (CEO & Founder, btrax) ⁠⁠⁠Twitter/X⁠⁠⁠

Suzy Ito (UI/UX Designer, btrax) ⁠⁠⁠LinkedIn⁠⁠⁠


🏢 会社概要

btraxは "We design the future by bridging the gaps" をビジョンに、2004年に創業したサンフランシスコ発のデザイン会社です。これまで日本、アメリカなど諸外国を含め300社を超える企業様に向けてUXデザインを軸に最適なユーザー体験を生み出し新たな価値の創出に貢献してきました。詳しくは弊社⁠⁠⁠⁠⁠ホームページ⁠⁠⁠⁠⁠から。


【サービス内容】

弊社では新規サービス、プロダクト立ち上げのためのグロール視点での市場リサーチからブランディング戦略、サービス、プロダクトのUI/UXデザイン、新規サービスのマーケティング戦略から施策実行までをサポートしています。


⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠弊社のサービス⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠についてより詳しく知りたい方は、ぜひお気軽に⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠お問い合わせ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ください。


ご視聴ありがとうございました。今後ともデザインに関するお役立ち情報を配信していきますので、是非チャンネルフォローよろしくお願いします!

サマリー

デザイントークは、日本で働くデザイナーやデザイナーを目指す方、デザインをビジネスに取り入れたい方向けの番組です。この番組では、デザインに対する深い理解やデザイナーの在り方、デザイン戦略について話しています。今回のゲストである井口尊仁さんは、連続起業家であり、デザインの重要性について熱く語っています。また、デザインの重要性について議論し、日本の多機能な製品やデザイン会社の役割を考えています。井口さんは、日本の企業に対して、アニメ企画をムーンショットプロジェクトとして提案しています。彼の世界と勝負する姿勢は、プロジェクトのデザイン力だけでなく、日本企業にとってもデザインの重要性を理解するきっかけになることが期待されています。

デザイントークの紹介
サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコにあるデザイン会社の社長が、日本で働くデザイナー、デザイナーを目指されている方、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、デザインに対するインサイトや今後のデザイナーの在り方、プロダクトや企業のデザイン戦略について、深く話します。
本日はゲストの方が来ています。
今回、ポッドキャスト初めてのゲスト出演ということで、誰ですか?
サンフランシスコではTAKAという名前を通しています。
連続起業家、オーディオメタバー、CEOを今勤めていますが、ビートラックスでムーンショットというチームを動かせていただいて、ランドムと日々格闘しています。
声が小さいから聞こえるかどうか。
大丈夫です。もうちょっと上げてもOKですね。
僕と一緒に実はビートラックスのプロジェクトも一緒にさせていただいている、僕的には超大先輩の起業家の、僕はTAKAさんと言っている、日本だと井口さんで、20年以上前から有名な起業家なんですけれども、今回出演してもらえるということでやっていきたいなと思います。
よろしくお願いします。
じゃあ、誰やねんというところからちょっと自己紹介からお願いしてもらっていいですか?
僕自身は連続起業家で5社くらいまでやっているんですけれども、もともとのバックグラウンドは哲学で、京都で哲学科の学生をやっているときにプログラムのコーディングにめっちゃ目覚めて、コーディングをやめられなくて、進捗を忘れてやっているうちに頭が腰になっちゃって。
だから目に見えるものが全部デジタルの行動に見えるという、光学機動体とかマトリックスの世界に入っちゃいまして、20歳のときですね。
そこからやっぱりデジタルで社会を変えていくということを自分のミッションだとずっと思い続けていて、そういう状態になったのは1984年なんですね。
最初の起業が1999年なので、結構自分が起業するまでに時間がかかりました。
世の中で一番知られているプロダクトというと、世界カメラという、当時ARのアプリとしては世界で一番流行った、かつほぼほぼ世界初に近いのかなと思っていて、世界が見えるようになるというアプリケーションですね。
好きなところに、現実空間にいくらでもタグが貼れるという、そういうアプリですけど、それが一番有名かもしれないですね。
その後、2013年にテレパシーという、今Apple Glassというか、Apple Vision Proがすごい注目されていますけど、
あれのご先祖様みたいなプロダクトを2013年だから10年前に立ち上げて、それはもう売却しちゃったんですけど、
だからARをやって、AR Glassをやって、直近はずっと声で人が繋がるという製品を作り続けていて、
つまり自分の一番大きい巨大なテーマは孤独の解決なので、ここもポートキャッシュをやっていますけど、
人間が声を通じて直接話し合って分かり合うということをテーマとしてずっと2016年からやってまして、
今はオーディオメタバースという会社をやっておりますけど、
とにかく人と人が声で繋がるべきだという信念で、ここしばらくずっと活躍しています。
そこから去年のちょうど夏ですね、8月からブランドンと一緒に、
ビートラックスの新規事業と言っていいのかな、新しいプロダクトとかプロジェクトを一緒にやらせてもらえることになって、
そこで僕はデザインのすごさとか可能性目覚めました。
スタートアップでテック系中心にやっていたので、デザインの考え方とか価値に全然気が付いていなかったので、
一年前一緒に始めさせてもらって、デザインってすごいなというかめちゃめちゃ可能性あるなというのを感じたし、
日々いろんなことをデザインについて学んでいます。そんな感じですね。
ありがとうございます。
あれなんですよね、僕と知り合った場所とかやりとりしているのはほぼほぼサンフランシスコでして、
今でこそ結構世の中で認知されている多拠点生活みたいなのを高田さんはずいぶん前から実はしていて、
今現時点で東京、今東京ですか?
東京一応住処は吉祥寺なんですね。あと京都に銀閣寺の方に日本のお家もありますし、
もちろんサンフランシスコのサーソーマーケットっていうツイッターとかウーバーがあるエリアにも家がありまして、今3拠点ですね。
そうですね。東京吉祥寺の寺と銀閣寺の寺の中とサンフランシスコのストリートに住んでいるという感じですね。
そういうことになりますね。寺には住んでいないけど。
全部家賃かかんないのかなと思ったんですけど。
大体かかってますね。
かかってるっぽいやつのほうですね。
かかってますね。
寺、寺、道かと思ったんで。
寺と寺と道。全部かかってない感がありますね。
かかってますね。ただではない。
屋根はある?
屋根あります。屋根はギリありますね。
なんとか雨風を忍びながらなんとか生きてますね。
おかけさまになりました。
で、なんだろうな。そもそもこれ僕も聞いたことなかったんですけど、サンフランシスコに住もうと思ったきっかけとかあるんですか?
日本の企業家って言っちゃうんだけど、90%以上って日本人でずっといるじゃないですか。別にいいんですけどね。
実際に海外とか行きたいなって思うものの、いろいろな理由で来たり住んだりできない中で、結構前から来て住んだりしてるのは目的とか狙いはあるんですか?
そもそも自分が最初に入ったSIRの会社でSEやってたのが嫌になっちゃって、マッキントッシュ買って、まだ80年代後半ですよね。
90年代になってなかったので。
だからそれこそ皆さんには想像できないと思いますけど、インターネットとか携帯電話とかああいうものがあまりなくて、パソコンも珍しかった時代にマッキントッシュに触れて、もう世界が変わったわけですよ。
むちゃくちゃすごいと思って、未来だなと思って。
で、そのマッキントッシュソフトを作る会社に転職したんですけど、そこからマックワールドでサンフランシスコに来る機会があって、サンフランシスコやばいなと思ったんですよ。
アートとか音楽とかテックがあって、みんなめちゃめちゃ前向きで、すごくイノベーティブなんですよね。
だから結構90年代にサンフランシスコの魅力にメロメロになってて、いつかここで仕事したいなと思ってましたね。
だからジョブズのおかげっていうか、マックに触れたからサンフランシスコに来たっていうのが自分の原点だと思います。
結構そういうアップルにインスパイアされて、シリコンバレーとかサンフランシスコに来たりとか住んだりする人多い中で、なかなか続かないっていうか、
出張でサクッと来たりとか、しったかで俺詳しいぜ的な人いるんですけど、
ガチで部屋借りて住んでるって少ないからね。なので、なんでかなと思って。
ここは割とブランドンと呼吸が合うっていうか、好みが合うところかもしれないんですけど、
自分はたぶんBトラックスのメンバーと比べても、たぶん一番会社からの距離が近いじゃないですか、オフィス…
ああ、物理的に?
全速力でフットバス5分ぐらいで着けるから、そもそもこの街がめちゃめちゃ大好きなんですよ。
自分の好きな街の条件は、やっぱりおいしいコーヒーが飲めることと、いい本屋があることと、自転車が乗りやすいっていうか使いやすいっていう街の条件があって、
自分のライブスタイルとか、生き方とかだけじゃなくて、
やっぱり世界中に届ける何かを発明したいし、それを世の中にもたらしたいじゃないですか。
そのためにどこにいるべきかっていうと、自分の中である意味サンフランシスコ一択なんですよ。
だから戻るっていうのがよくわかるんですよ。
え?っていう、やる気ないんだっていう。
その地域に向けてやるんですねっていう。
まあいい悪いっていうか、ひょっとしたら好みとか趣味の問題かもしれないんですけど、
世界に届けたいっていうもともとの根本的な自分の動機づけとか、生き様からすると一択なんですよね。
だから戻るっていうのがよくわからない。
まあ楽ですけどね、日本のほうが。
現代アーティストは例えばニューヨークだったりするじゃないですか。
ファッションとかアパレルだとミラノとかパリですよね。
メディアだとニューヨークとかロンドンとかね。
まあいろいろあると思うんですよ。
建築家はわりと東京が強かったりとか、北京が良かったりとかいろいろあると思うんですけど、
自分の根本的に達成したいことっていうか、やりたいことと、
生きていく場所とか働く場所って結構強く結びついてるから、
僕はもうだから、すみません、戻る人はダメだと思ってますね。
ちょっとそっちの話に行っちゃうとけっこうピーが入るんで。
ピーがね。ごめんなさい。
毒がね。ちょっとうちコンプラきついんですみません。
わかりました。申し訳ないです。
デザインとスタートアップ
スタートアップと、何だろうな。
うちってデザイン会社なんですけど、スタートアップとの距離もけっこう近いっていうか、
サンフランシスコだからってこともあって、
日米のスタートアップと個人的にも仕事的にもちょいちょい仲良くしてる中で、
高田さん的にどうですか、デザインのいけてるスタートアップ、
逆に言うとスタートアップにとってデザインの大切さとか感じてることとかあります?
いやー、それ、いい質問ですね。
すごいそれはね、大事なポイントだと思うんですよ。
で、チャットGPTとかめちゃめちゃよくできてますよね。
うん。
全く他のことをさせないじゃない。
チャットしかさせないじゃないですか、あれって。
あー、インターフェースがね。
そう。
はいはい。
日本のYahooとか楽天とかよく言われますけど、
Googleって検索窓しかないじゃないですか。
そうですね。はいはい。
で、チャットGPTチャットしかできないじゃないですか。
あんなにものすごくファンクションとか拡張性があるのに、
チャット以外させないですよね。
うん。
だから、なんだろう、
まあ分かんないですけど、
その世界を変える何かっていう時に、
例えばシリコンバレーの感覚で言うと、
それは一つのメタファーで言うとさ、
釘とかさ、ネジとか、
なんかこうすごく、なんて言うかな、
メタ化されたっていうか抽象化されたっていうか、
磨き抜かれたっていうか、
ピュアなものなんですよね。
インターネットっていう根本原理はすごくシンプルだから、
HTMLとかTCPIPとかIPアドレスとかってすっごい
ピュアでシンプルで拡張性がすごく高いんですよ。
だからそういうところにデザインのすごさというか、
捨てる覚悟っていうか、削る決意っていうか、
やっぱジョブズとかよく言ってますよね。
やることよりもやらないことの方に誇りを持つみたいな、
どれだけ能を言えるかみたいな、
そこはすごくシリコンバレーのデザインの
おもろさとかすごさじゃないですか。
まあスタートアップそうだな、
僕の目から見ると日本のスタートアップで
削ることを上手にできてるところって結構少なくて、
アメリカだと収益とか関係なく
シングルファンクションでやっちゃうっていう、
インスタの初期の頃とか、
ツイッターの初期の頃とかまさにそうで、
できることがあまりにも少なすぎて、
逆に迷いもないし、
それだけのサービスみたいな感じで始めたことによって、
むしろユーザーが使うときに迷わないみたいな、
そういうことをやってるんですけど、
日本のサービスって結構最初から
サービスデザインをするときから
マルチファンクションで、
スーパーアプリみたいなのを目指したりとか、
日本のデザイン文化
2080の法則で20%の人も置いていかないように、
万が一のために機能をつけたりするから、
僕はね、なんかすごい使い、
僕からすると使いにくいというか、
学ばないと使えないものが多いから、
日本のサービスって取っつきにくく思うんですけどね。
本来でも日本人ってそういう得意な文化を持ってるんです。
茶道とかそうじゃないですか。
禅とか茶道とか、
高田さんのほうが詳しいんですけど、
削る美学とか何もない無の美学みたいなものっていうのは、
トラディショナルジャパニーズだとそういう歴史がありますけどね。
でもスーパーカブとかすごく削られた、
デザインされたものだったんですよね。
最高ですね。
必要なもの以外全くない、クラッチもないですからね。
ウォークマンもそうじゃないですか。
再生しかない、録音できない。
聞くしかないっていうね、すごいですよね。
もともと決して苦手じゃなかったと思いますけどね。
なんですけど、デジタルの時代になって、
オンラインサービスとかデジタルサービスを作る際に、
結構シルコンバレーの奴らと戦うぜみたいな感じで、
肩の力が入りすぎちゃったりとか、
あとは収益化を目指すために、
あの手この手でマネタイズが可能なチャンネルを作ろうとして、
複雑化しがちなんじゃないかなと僕は思ってて、
あとは大企業の宿命として、
新商品が出る度にスペックを上げたり機能を増やすっていう、
いわゆる映画で言うパート2、パート3みたいな、
物量作戦がどんどん増えていくんで、
ウォークマン一つ撮っても、
なんちゃらウォークマン、なんちゃらウォークマンって、
バージョンアップするにつれて、
なんか機能増えるっていうね。
なんだろうな、
僕小学校の時日本にいたんですけど、
それこそ自転車でさ、
真ん中にギアチェンジが付いてる自転車とか。
レバーがね。
レバーが付いてるやつ。
小さい男の子が喜ぶ、
めちゃくちゃボタンが付いてる筆箱とかあったんですよ。
押したらカッターが飛び出るやつとかね。
そういう感じで、
多機能が流行った時代っていうのが多分日本ってあって、
文房具とか見ると、
シャーペンとかもすごい多機能じゃないですか。
あれすごかったですね、シャーペンなのに。
ボールペンも付いてたりとか、
あとはボールペンの色が色々付いてるやつとか、
あとは色鉛筆の、
8色、16色、32色、64色、128色みたいな、
そういう多機能が、
日本は近代日本においては見解されてる中で、
ほどデザインにおいては、
削ることがユーザーセンターになる時代なのに、
まだ結構多機能引きずってるから、
日本の製品って使いにくいなって、
デザイン会社の役割
僕はアメリカに住んでる人間としては思うんですよ。
でも、
例えばどうなんですかね。
無印良品とかユニクロとか、
スタートアップとかテクノロジーと全く関係ないですけど、
削ったり揃えたり、
シンプルにすることによって成り立ってる素晴らしい、
これは無印とかユニクロだとアパレルになっちゃいますけど、
それはそれで、
日本人のパワー全開のところなのか。
そうですね、多分、
21世紀に入って、
アメリカとか海外である程度知名度、
ビジネスバリューが出せてる日本企業って、
ユニクロを筆頭だと思うんですよね。
無印が場所によっては、
西海岸はそんなんじゃないですけど、
ニューヨークとかはそれなりに
ビジネスが成り立ってる、
削る文化をある程度理解してもらってるっていうところはあるんですけど、
デジタルのユーザーインターフェースとか、
サービスデザインにおいては、
やっぱりどうしてもね、
そこがハードルに僕はなってると思ってて。
そもそもタカさんが、
ずっと企業化やって、
スタートアップ3社くらいやった後に、
去年、
僕個人的に結構長い間知り合いだったんですけど、
いきなりうちの会社に押しかけてきて、
一緒にやらせてくれみたいなことを言ってて。
そうですね。
暑かったですね。
僕も事前情報全くなかったんで、
どういうことと思ったら、
お前は分かってないみたいなのを言われて、
そんなこと言いましたっけ?
ちょっと雑に言うと、
お前は自分の会社に過ごせはまだ理解してないみたいなことを言われて、
ちょっと言い合わせは違うけど、同じような意味ですね。
デザイン会社ってもっと世の中にとって価値のあるものだし、
もっと認識され、
および世の中のサービスや商品に対して、
大きな価値を生み出せるはずなので、
これまでのデザイン会社のような、
受け身の姿勢じゃなくて、
もっと攻めの姿勢で、
デザインの価値を世の中に広げていくべきだ、
みたいな話をしてたんですけど、
覚えてますか?
しましたね。
その意図は何ですか?
いや、なんか、
大して学んでないっていうか、
ウィートラックスに限らず、デザインについてどうしろとか、
そういうことどうかなと思ったんですけど、
デザインファームっていうのは、
すごく強みがあるなと思ったんですよ。
ブランドに色々教えてもらいながら、
一緒にチームに巻き込んでもらって、
色々学んでる中ですごい気づいたことがあって、
スタートアップって、
プロダクトのアイデアを思いついて、
形にして世の中に届けて、
その人を巻き込んでいく過程で、
すごい苦労するんですよね。
理解してもらったりとか、
共鳴してもらったりとか、
人をまとめるにしても、お金を投資受けるにしてもってことですよね。
そうですね。
チームの中ですら、
共通の製品のイメージを持つことが難しかったりっていうのも正直あるし、
投資家に理解してもらうのもそうだし、
最初のカスタマーを見つける段階でもめっちゃ苦労するし、
投資を受けるのは比較的簡単なんですよ、スタートアップって。
さすがです。
割とやろうと思っていける。
だけど、その次のお金をゲットするのが極めてすごく大変な上に、
最終的にはそのプロダクトはお金を乱すわけじゃないですか。
乱して欲しいわけじゃないですか。
ビジネス自体がちゃんと収益を持たないといけないよね。
そこまですっごい時間かかるんですよ。
デザイン会社は何がすごいって、
もうデイワンからこういうプロダクトですよねってビジュアライズをして、
そのビジュアライズしたこと自体でお金もらえるじゃないですか。
そうですね。
いわゆるモックアップとかプロトタイプとか、
プルーフオブコンセプトっていう段階まで作ってるように見せれるから、
種明かしをすると、
例えば企業家がビジネスアイデアのピッチをスライドを使ってやるのと、
サクッとプロトタイプ作ってみましたっていうのでは、
投資家側からすると、
ちょっと別次元にプロトタイプ作ってる人の方が先に行ってるように見えるんですけど、
それってデザイナーが数日間頑張って作っただけなんですよ。
なのに対外的に見ると、
かなりアドバンスの場所にいるように見えるから、
アイデアしかない奴らと、
実際にプロダクトを作り始めてる奴らってことで、
多分、投資家が投資したくなる金額の額も違えば、
バリエーションって言われる評価額まで影響が出るぐらいのデザインのバリューって多分あると思うんですけど、
気づいてない人多いですけど、
多分僕はあると思ってるんですけどね。
ムーンショット企画
2つあって、つまりリアリティが半端ないっていうか、
もう動いてんじゃんみたいな、もう形になってんじゃんみたいな、
そこのリアリティが半端ないっていうのと、
もう1個は、クライアントいなきゃっていう前提はあるけど、
それを作るだけでもお金をいただけるわけじゃないですか、売上が立ちますよね。
これはもう絶対スタートアップはできないんですよ。
それはすごくいいなと、素晴らしいなと。
デザインワークとしてね。
で、彼と僕が話してて、
高田さんの話してて、
こういうふうにやった方がいいよって言われて、
僕もなるほどなと思ったのが、
デザインエージェンシーって言われる我々みたいな会社の多くが、
クライアントさんから言われたお題をもとに最善のデザインを生み出すみたいなこととか、
ブランディングだったりとか、サービスのデザインをする中で、
いやいや、デザイン会社よりクライアントさんの方がデザインに対して詳しいことはまずありえないんで、
デザインってことはユーザー視点で解決策を考えるってことなんですけど、
それをデザイナーとかデザイン会社の方が詳しいはずなんだとすれば、
デザイン会社の方から、
サービスアイデアとか解決する課題に対してのソリューションアイデアをクライアントにぶつけた方が、
世の中に良いものが増えるんじゃないのっていう話をもらったんですね。
多分これって、ちょっと詳しい方は分かるかもしれないんですけど、
Appleで言うと、このジョナサン・アイブがスティーブ・ジョブスに対して、
こういう形にしてった方が君のビジョンは実現しやすいんじゃないのって言ってる構図に近いんだと思うんですよね。
いや、そうですね。全くたとえとして正しいですね。
そういうことなんですよね。
そういうことです。
多くの場合は、まだ日本では、
事業をしている人、ビジネスマンがデザイナーに対して、
お前は黙ってこういうのを作っとけっていう感じが多い中で、
デザイナーが、いやいや、
俺的にはこういうのはやると面白いと思うんですけど、
どうすかって言って、
ビジネス側が、面白いじゃん、それ作ってみたらいいんじゃないって言って作ったら、
大ヒットするみたいな。
それって多分ソニーのウォークマンと、
初代のAppleのiMacが同じ作り方を多分してるんですよね。
現場から、デザイン側から作ったみたいな。
もうちょっとマニアックな話をすると、
ランボル議員の三浦っていうのもそういう作り方を実はしていて、
そうなんですか。
そうなんですよ。
あれは会社の経営判断で作れって言ったんじゃなくて、
デザイナーたちが、俺たちが作ってる製品、もっとイケてるのできるよねって言って、
仕事が終わってから、夜、徹夜しながら作り出したものなんですね。
結構、デザイン会社っていうかデザイナーたちが、
もっとこういうふうにやったら世の中が良くなるのになと思って、
作り出したものの方が、会議室で考えた企画よりも、
世の中でヒットすることが多いんじゃないかなと、
僕は思っている中で、高田さんからそういうふうに言われたから、
やっぱりそうかと思って、
僕が考えたんですよね。
ぶっ飛んだアイデアを世の中に出そうっていうことで、
ムーンショットっていうアイデアを考えて、
ビトラックスの社内で最初はコードネームとして、
ムーンショット企画っていうのを言って、
日本企業への提案
ムーンショットって月に届くっていう意味合いで、
高等向けだけど、ぶっ飛んだゴールを作って、
それに対してアイデアを出すっていうことで、
ムーンショットプロジェクトっていうのを始めて、
現在、日本のいろんな企業に、
こんな面白いことやったら世界に取れるんじゃないですかって
提案してるんですけど、
その第一弾がアニメ企画ですよね。
そうですね。
世の中かなり驚いたっていうか、
なんじゃそれってなりましたけどね。
特にヤンマーっていう素晴らしい、
農業とか建築の機械を作ってる会社がありました。
漁業ですね。
漁業、マリーンもやってますけど。
そことすごいお世話になってて、
世界向けにもどんどん展開していきたいっていう
ニーズリクエストがあったので、
我々としては中途半端なことをやるんだったら、
もっと日本らしさを前面に出した、
ぶっ飛んだことをやった方がいいんじゃないですかってことで、
アニメを作るっていう。
アニメのCMを作るじゃなくて、
アニメを作るっていうのと、
ロボットのデザインをして、
そのロボットを世の中に出すとか、
あとアニメで表現した商品とかを、
実際の商品に数年後に出すとか、
そういう企画を今から1年ちょっと前に提案させていただいて、
ここ10ヶ月くらいですかね。
ずっとやってますよね。
やってますね。
もうビートラックス全力でコミットしてますよね。
そうなんです。
7月、先月、これの放送日によるけど、
7月の上旬にロサンゼルスで、
アニメの全米最大の展示会のアニメエキスポにも
展示したりとか、
あとはどんどんアニメシリーズを作って、
公開準備を来年以降考えてたりとか、
いろいろ面白い企画をやってますよね。
僕でもあれのアイデアを考えて、
ビジュアル化っていうか資料化をして、
クライアントに見せて一緒に始めるっていうプロセスそのものが、
やっぱりデザインパワーめっちゃ出てるなと思ってて。
あれはもう本当にデザイン的な訴求ポイントがないと
企画として成り立たないですからね。
企画書に数字が一切入ってないっていう。
数字ないですね。
いわゆるKPIっていう言葉は一切使ってない。
KPIとかBDCAとか入ってないですからね。
入ってないですよね。
全然利益とかコンバージョンとかいう言葉も使ってないぐらいに、
一点突破のデザイン力だけで世界と勝負するっていう。
結構やりがいがありますけど、今でもまだまだ試行錯誤しながら
反省と勉強の日々を繰り返しながらやってますけど。
なんかあれって、後でね、8月に最初に着手して、
12月の段階でかなり数字とか売上収支とかKPIとかも
しっかり作ったりとか後追いではやってるんですけど、
最初のプレゼンテーションとか説得のロジックの中には
KPIとかBDCAとか一切入ってないですからね。
それを理解していただけるクライアントさんがいたことは
我々としてはありがたい話ですし、今後もそういう感じで
日本企業とか世の中的にデザインの重要性を理解していただき
採用していただける会社とか組織がどんどん増えれば
デザインの重要性
世の中が良くなると思うんですけどね。
でも世の中の人たちにとってやっぱりヤンマーさんという
カンパニーとか、あるいはその会社のキャラクターとかね、
あるいはそのテクノロジーとかデザインとかって
すごい遠遠いし全く見えてない気がするんですけど、
本当にこの貴重な機会で最後までやり抜いたら
多分ヤンマーという会社の見え方とかイメージとかも
全然変わるだろうし、一緒にやりたい人たちの質とか量も
変わる気がするんですよね。
かつグローバルのブランドとしての伝わり方とか認知が
全く変わる気がしていて、
なんかね、ああいうこといろんな日本の企業が
ガンガンやれるといいですよね。
そうなんですよね。
その一方で、
トラディショナルな経営会議とか、
Excelとにらめっこしながら事業企画を考えているうちは
なかなか通りにくいですけどね。
そこは我々としてもね。
ヤンマーさんも簡単に通したわけじゃないと思いますけどね。
それは本当にお世話になっている某担当、
お偉いさんのおかげなのはじゅうじゅう理解していますけどね。
だし、ブランド部の皆さんとかもそうだし、
事業部の方々もそうだし、
やっぱあればあれで会社でちゃんと通してね、
予算化して、いろんな部署を巻き込んでっていう
すごい大変だっただろうと思うけど、
本当によくやりましたよね。
これから始まったばっかりなんでね。
我々としてもちゃんとした結果まだ出せていないというか、
クリエイティブとかは作って、
アメリカである程度の露出をして、
フィードバックももらってますけど、
ビジネスとしてリターンを出すのはこれからなんで、
しっかりリザルトベースでやっていく覚悟をしてやらなきゃですね、今後も。
とはいえ、ブランドあるじゃないですか。
ちょっと自画自賛というか、
自分たち褒めちゃう感じになるけど、
ヤンマーのデザイン部の方々とか、
ブランド部の方々がですよ、
ロボットのデザインを一生懸命ドローイングしたり、
ストーリー一生懸命考えたりとかってやってる様子が
すげえなって思うんですけど。
そうですね。
実際に人がインスパイアされて動いたりとか、
会社のカルチャーがどんどん変わってきたりとか、
それこそ数字で表せられないレベルでの
変革みたいなものが生み出せてるところは、
我々ながらそれなりに結果を出せきてるなっていう
自負はありますけどね。
もうちょっと世の中から褒めてほしいなっていう感覚が見つけられます。
大丈夫です。
これからとことん褒められるんで、
来年多分日本アカデミー賞に呼ばれると思うので楽しみにしてます。
そうですね。
日本南海っていうね。
そこは日本なんだよ。
意外と地域密着だった。
そんな感じで、そろそろ時間なんで。
意外とあっという間だね。
30分超えちゃってますけど、
編集でうまいことやりますんで。
内容的にはどれだけありましたか?
今ちょっと締めを。
すみません。お願いします。
サンフランシスコデザイントークでは、
番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。
番組概要欄にあるGoogleフォームからぜひ送信してください。
よろしくお願いします。
それではありがとうございました。
35:42

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