サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコにあるデザイン会社の社長が、日本で働くデザイナー、デザイナーを目指されている方、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、デザインに対するインサイトや今後のデザイナーの在り方、プロダクトや企業のデザイン戦略について、深く話します。
本日はゲストの方が来ています。
今回、ポッドキャスト初めてのゲスト出演ということで、誰ですか?
サンフランシスコではTAKAという名前を通しています。
連続起業家、オーディオメタバー、CEOを今勤めていますが、ビートラックスでムーンショットというチームを動かせていただいて、ランドムと日々格闘しています。
声が小さいから聞こえるかどうか。
大丈夫です。もうちょっと上げてもOKですね。
僕と一緒に実はビートラックスのプロジェクトも一緒にさせていただいている、僕的には超大先輩の起業家の、僕はTAKAさんと言っている、日本だと井口さんで、20年以上前から有名な起業家なんですけれども、今回出演してもらえるということでやっていきたいなと思います。
よろしくお願いします。
じゃあ、誰やねんというところからちょっと自己紹介からお願いしてもらっていいですか?
僕自身は連続起業家で5社くらいまでやっているんですけれども、もともとのバックグラウンドは哲学で、京都で哲学科の学生をやっているときにプログラムのコーディングにめっちゃ目覚めて、コーディングをやめられなくて、進捗を忘れてやっているうちに頭が腰になっちゃって。
だから目に見えるものが全部デジタルの行動に見えるという、光学機動体とかマトリックスの世界に入っちゃいまして、20歳のときですね。
そこからやっぱりデジタルで社会を変えていくということを自分のミッションだとずっと思い続けていて、そういう状態になったのは1984年なんですね。
最初の起業が1999年なので、結構自分が起業するまでに時間がかかりました。
世の中で一番知られているプロダクトというと、世界カメラという、当時ARのアプリとしては世界で一番流行った、かつほぼほぼ世界初に近いのかなと思っていて、世界が見えるようになるというアプリケーションですね。
好きなところに、現実空間にいくらでもタグが貼れるという、そういうアプリですけど、それが一番有名かもしれないですね。
その後、2013年にテレパシーという、今Apple Glassというか、Apple Vision Proがすごい注目されていますけど、
あれのご先祖様みたいなプロダクトを2013年だから10年前に立ち上げて、それはもう売却しちゃったんですけど、
だからARをやって、AR Glassをやって、直近はずっと声で人が繋がるという製品を作り続けていて、
つまり自分の一番大きい巨大なテーマは孤独の解決なので、ここもポートキャッシュをやっていますけど、
人間が声を通じて直接話し合って分かり合うということをテーマとしてずっと2016年からやってまして、
今はオーディオメタバースという会社をやっておりますけど、
とにかく人と人が声で繋がるべきだという信念で、ここしばらくずっと活躍しています。
そこから去年のちょうど夏ですね、8月からブランドンと一緒に、
ビートラックスの新規事業と言っていいのかな、新しいプロダクトとかプロジェクトを一緒にやらせてもらえることになって、
そこで僕はデザインのすごさとか可能性目覚めました。
スタートアップでテック系中心にやっていたので、デザインの考え方とか価値に全然気が付いていなかったので、
一年前一緒に始めさせてもらって、デザインってすごいなというかめちゃめちゃ可能性あるなというのを感じたし、
日々いろんなことをデザインについて学んでいます。そんな感じですね。
ありがとうございます。
あれなんですよね、僕と知り合った場所とかやりとりしているのはほぼほぼサンフランシスコでして、
今でこそ結構世の中で認知されている多拠点生活みたいなのを高田さんはずいぶん前から実はしていて、
今現時点で東京、今東京ですか?
東京一応住処は吉祥寺なんですね。あと京都に銀閣寺の方に日本のお家もありますし、
もちろんサンフランシスコのサーソーマーケットっていうツイッターとかウーバーがあるエリアにも家がありまして、今3拠点ですね。
そうですね。東京吉祥寺の寺と銀閣寺の寺の中とサンフランシスコのストリートに住んでいるという感じですね。
そういうことになりますね。寺には住んでいないけど。
全部家賃かかんないのかなと思ったんですけど。
大体かかってますね。
かかってるっぽいやつのほうですね。
かかってますね。
寺、寺、道かと思ったんで。
寺と寺と道。全部かかってない感がありますね。
かかってますね。ただではない。
屋根はある?
屋根あります。屋根はギリありますね。
なんとか雨風を忍びながらなんとか生きてますね。
おかけさまになりました。
で、なんだろうな。そもそもこれ僕も聞いたことなかったんですけど、サンフランシスコに住もうと思ったきっかけとかあるんですか?
日本の企業家って言っちゃうんだけど、90%以上って日本人でずっといるじゃないですか。別にいいんですけどね。
実際に海外とか行きたいなって思うものの、いろいろな理由で来たり住んだりできない中で、結構前から来て住んだりしてるのは目的とか狙いはあるんですか?
そもそも自分が最初に入ったSIRの会社でSEやってたのが嫌になっちゃって、マッキントッシュ買って、まだ80年代後半ですよね。
90年代になってなかったので。
だからそれこそ皆さんには想像できないと思いますけど、インターネットとか携帯電話とかああいうものがあまりなくて、パソコンも珍しかった時代にマッキントッシュに触れて、もう世界が変わったわけですよ。
むちゃくちゃすごいと思って、未来だなと思って。
で、そのマッキントッシュソフトを作る会社に転職したんですけど、そこからマックワールドでサンフランシスコに来る機会があって、サンフランシスコやばいなと思ったんですよ。
アートとか音楽とかテックがあって、みんなめちゃめちゃ前向きで、すごくイノベーティブなんですよね。
だから結構90年代にサンフランシスコの魅力にメロメロになってて、いつかここで仕事したいなと思ってましたね。
だからジョブズのおかげっていうか、マックに触れたからサンフランシスコに来たっていうのが自分の原点だと思います。
結構そういうアップルにインスパイアされて、シリコンバレーとかサンフランシスコに来たりとか住んだりする人多い中で、なかなか続かないっていうか、
出張でサクッと来たりとか、しったかで俺詳しいぜ的な人いるんですけど、
ガチで部屋借りて住んでるって少ないからね。なので、なんでかなと思って。
ここは割とブランドンと呼吸が合うっていうか、好みが合うところかもしれないんですけど、
自分はたぶんBトラックスのメンバーと比べても、たぶん一番会社からの距離が近いじゃないですか、オフィス…
ああ、物理的に?
全速力でフットバス5分ぐらいで着けるから、そもそもこの街がめちゃめちゃ大好きなんですよ。
自分の好きな街の条件は、やっぱりおいしいコーヒーが飲めることと、いい本屋があることと、自転車が乗りやすいっていうか使いやすいっていう街の条件があって、
自分のライブスタイルとか、生き方とかだけじゃなくて、
やっぱり世界中に届ける何かを発明したいし、それを世の中にもたらしたいじゃないですか。
そのためにどこにいるべきかっていうと、自分の中である意味サンフランシスコ一択なんですよ。
だから戻るっていうのがよくわかるんですよ。
え?っていう、やる気ないんだっていう。
その地域に向けてやるんですねっていう。
まあいい悪いっていうか、ひょっとしたら好みとか趣味の問題かもしれないんですけど、
世界に届けたいっていうもともとの根本的な自分の動機づけとか、生き様からすると一択なんですよね。
だから戻るっていうのがよくわからない。
まあ楽ですけどね、日本のほうが。
現代アーティストは例えばニューヨークだったりするじゃないですか。
ファッションとかアパレルだとミラノとかパリですよね。
メディアだとニューヨークとかロンドンとかね。
まあいろいろあると思うんですよ。
建築家はわりと東京が強かったりとか、北京が良かったりとかいろいろあると思うんですけど、
自分の根本的に達成したいことっていうか、やりたいことと、
生きていく場所とか働く場所って結構強く結びついてるから、
僕はもうだから、すみません、戻る人はダメだと思ってますね。
ちょっとそっちの話に行っちゃうとけっこうピーが入るんで。
ピーがね。ごめんなさい。
毒がね。ちょっとうちコンプラきついんですみません。
わかりました。申し訳ないです。
僕はアメリカに住んでる人間としては思うんですよ。
でも、
例えばどうなんですかね。
無印良品とかユニクロとか、
スタートアップとかテクノロジーと全く関係ないですけど、
削ったり揃えたり、
シンプルにすることによって成り立ってる素晴らしい、
これは無印とかユニクロだとアパレルになっちゃいますけど、
それはそれで、
日本人のパワー全開のところなのか。
そうですね、多分、
21世紀に入って、
アメリカとか海外である程度知名度、
ビジネスバリューが出せてる日本企業って、
ユニクロを筆頭だと思うんですよね。
無印が場所によっては、
西海岸はそんなんじゃないですけど、
ニューヨークとかはそれなりに
ビジネスが成り立ってる、
削る文化をある程度理解してもらってるっていうところはあるんですけど、
デジタルのユーザーインターフェースとか、
サービスデザインにおいては、
やっぱりどうしてもね、
そこがハードルに僕はなってると思ってて。
そもそもタカさんが、
ずっと企業化やって、
スタートアップ3社くらいやった後に、
去年、
僕個人的に結構長い間知り合いだったんですけど、
いきなりうちの会社に押しかけてきて、
一緒にやらせてくれみたいなことを言ってて。
そうですね。
暑かったですね。
僕も事前情報全くなかったんで、
どういうことと思ったら、
お前は分かってないみたいなのを言われて、
そんなこと言いましたっけ?
ちょっと雑に言うと、
お前は自分の会社に過ごせはまだ理解してないみたいなことを言われて、
ちょっと言い合わせは違うけど、同じような意味ですね。
デザイン会社ってもっと世の中にとって価値のあるものだし、
もっと認識され、
および世の中のサービスや商品に対して、
大きな価値を生み出せるはずなので、
これまでのデザイン会社のような、
受け身の姿勢じゃなくて、
もっと攻めの姿勢で、
デザインの価値を世の中に広げていくべきだ、
みたいな話をしてたんですけど、
覚えてますか?
しましたね。
その意図は何ですか?
いや、なんか、
大して学んでないっていうか、
ウィートラックスに限らず、デザインについてどうしろとか、
そういうことどうかなと思ったんですけど、
デザインファームっていうのは、
すごく強みがあるなと思ったんですよ。
ブランドに色々教えてもらいながら、
一緒にチームに巻き込んでもらって、
色々学んでる中ですごい気づいたことがあって、
スタートアップって、
プロダクトのアイデアを思いついて、
形にして世の中に届けて、
その人を巻き込んでいく過程で、
すごい苦労するんですよね。
理解してもらったりとか、
共鳴してもらったりとか、
人をまとめるにしても、お金を投資受けるにしてもってことですよね。
そうですね。
チームの中ですら、
共通の製品のイメージを持つことが難しかったりっていうのも正直あるし、
投資家に理解してもらうのもそうだし、
最初のカスタマーを見つける段階でもめっちゃ苦労するし、
投資を受けるのは比較的簡単なんですよ、スタートアップって。
さすがです。
割とやろうと思っていける。
だけど、その次のお金をゲットするのが極めてすごく大変な上に、
最終的にはそのプロダクトはお金を乱すわけじゃないですか。
乱して欲しいわけじゃないですか。
ビジネス自体がちゃんと収益を持たないといけないよね。
そこまですっごい時間かかるんですよ。
デザイン会社は何がすごいって、
もうデイワンからこういうプロダクトですよねってビジュアライズをして、
そのビジュアライズしたこと自体でお金もらえるじゃないですか。
そうですね。
いわゆるモックアップとかプロトタイプとか、
プルーフオブコンセプトっていう段階まで作ってるように見せれるから、
種明かしをすると、
例えば企業家がビジネスアイデアのピッチをスライドを使ってやるのと、
サクッとプロトタイプ作ってみましたっていうのでは、
投資家側からすると、
ちょっと別次元にプロトタイプ作ってる人の方が先に行ってるように見えるんですけど、
それってデザイナーが数日間頑張って作っただけなんですよ。
なのに対外的に見ると、
かなりアドバンスの場所にいるように見えるから、
アイデアしかない奴らと、
実際にプロダクトを作り始めてる奴らってことで、
多分、投資家が投資したくなる金額の額も違えば、
バリエーションって言われる評価額まで影響が出るぐらいのデザインのバリューって多分あると思うんですけど、
気づいてない人多いですけど、
多分僕はあると思ってるんですけどね。
2つあって、つまりリアリティが半端ないっていうか、
もう動いてんじゃんみたいな、もう形になってんじゃんみたいな、
そこのリアリティが半端ないっていうのと、
もう1個は、クライアントいなきゃっていう前提はあるけど、
それを作るだけでもお金をいただけるわけじゃないですか、売上が立ちますよね。
これはもう絶対スタートアップはできないんですよ。
それはすごくいいなと、素晴らしいなと。
デザインワークとしてね。
で、彼と僕が話してて、
高田さんの話してて、
こういうふうにやった方がいいよって言われて、
僕もなるほどなと思ったのが、
デザインエージェンシーって言われる我々みたいな会社の多くが、
クライアントさんから言われたお題をもとに最善のデザインを生み出すみたいなこととか、
ブランディングだったりとか、サービスのデザインをする中で、
いやいや、デザイン会社よりクライアントさんの方がデザインに対して詳しいことはまずありえないんで、
デザインってことはユーザー視点で解決策を考えるってことなんですけど、
それをデザイナーとかデザイン会社の方が詳しいはずなんだとすれば、
デザイン会社の方から、
サービスアイデアとか解決する課題に対してのソリューションアイデアをクライアントにぶつけた方が、
世の中に良いものが増えるんじゃないのっていう話をもらったんですね。
多分これって、ちょっと詳しい方は分かるかもしれないんですけど、
Appleで言うと、このジョナサン・アイブがスティーブ・ジョブスに対して、
こういう形にしてった方が君のビジョンは実現しやすいんじゃないのって言ってる構図に近いんだと思うんですよね。
いや、そうですね。全くたとえとして正しいですね。
そういうことなんですよね。
そういうことです。
多くの場合は、まだ日本では、
事業をしている人、ビジネスマンがデザイナーに対して、
お前は黙ってこういうのを作っとけっていう感じが多い中で、
デザイナーが、いやいや、
俺的にはこういうのはやると面白いと思うんですけど、
どうすかって言って、
ビジネス側が、面白いじゃん、それ作ってみたらいいんじゃないって言って作ったら、
大ヒットするみたいな。
それって多分ソニーのウォークマンと、
初代のAppleのiMacが同じ作り方を多分してるんですよね。
現場から、デザイン側から作ったみたいな。
もうちょっとマニアックな話をすると、
ランボル議員の三浦っていうのもそういう作り方を実はしていて、
そうなんですか。
そうなんですよ。
あれは会社の経営判断で作れって言ったんじゃなくて、
デザイナーたちが、俺たちが作ってる製品、もっとイケてるのできるよねって言って、
仕事が終わってから、夜、徹夜しながら作り出したものなんですね。
結構、デザイン会社っていうかデザイナーたちが、
もっとこういうふうにやったら世の中が良くなるのになと思って、
作り出したものの方が、会議室で考えた企画よりも、
世の中でヒットすることが多いんじゃないかなと、
僕は思っている中で、高田さんからそういうふうに言われたから、
やっぱりそうかと思って、
僕が考えたんですよね。
ぶっ飛んだアイデアを世の中に出そうっていうことで、
ムーンショットっていうアイデアを考えて、
ビトラックスの社内で最初はコードネームとして、
ムーンショット企画っていうのを言って、