1. BTRAXのCEOによるサンフランシスコ・デザイントーク
  2. 【第54回】数々の賞を受賞した..
2024-07-19 34:25

【第54回】数々の賞を受賞したデザイナーに聞く グッドデザインを生み出すプロセス- ゲスト:枝廣ナオヤさん

🗣 トーク概要

  • 自己紹介(これまでのキャリア)
  • なぜアメリカで働くことになったのか?
  • これまで手がけた代表作(ハーマンミラー・セイルチェア、ルンバなど)
  • アメリカと日本のデザイン業界・会社・デザイナーの違い
  • 「グッドデザイン」を生み出す上で仕事の際に重視していることなど

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🎙 出演者

MC:Brandon Hill (CEO & Founder, btrax) ⁠Twitter/X⁠

ゲスト:枝廣ナオヤさん X


🏢 会社概要

btraxは "We design the future by bridging the gaps" をビジョンに、2004年に創業したサンフランシスコ発のデザイン会社です。これまで日本、アメリカなど諸外国を含め300社を超える企業様に向けてUXデザインを軸に最適なユーザー体験を生み出し新たな価値の創出に貢献してきました。

詳しくは弊社⁠⁠⁠ホームページ⁠⁠⁠から。


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弊社では新規サービス、プロダクト立ち上げのためのグロール視点での市場リサーチからブランディング戦略、サービス、プロダクトのUI/UXデザイン、新規サービスのマーケティング戦略から施策実行までをサポートしています。


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00:09
サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコと東京に拠点を置くデザイン会社、BTRAXのCEO、Brandonと、デザイナーのスージーが日本で働くデザイナーや、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、様々なトピックについて深く話します。
今回は久しぶりのゲスト会でして、前回のGoodpatchの土屋くんに続いて、僕の友人デザイン関係者シリーズで、サンフランシスコ在住の枝廣ナオヤさんに来ていただきました。よろしくお願いします。
枝廣さんはサンフランシスコで活躍するインダストリアルデザイナーとざっくり言うとそんな感じなんですけど、軽く自己紹介からしていただいていいですか。
枝廣ナオヤと言います。サンフランシスコでFizzStudioという工業デザインに特化したデザイン事務所をやっています。
僕と実は出身地が一緒で、北海道札幌市ですよね。それも珍しい感じで、札幌出身でサンフランシスコでデザインの仕事をしている人ってあまりいないんですけど、枝廣さんがそういうバックグラウンドなので共通点があると思っていて。
さらっと工業デザインって言ったじゃないですか。英語で言うとインダストリアルデザインなんですけど、それってどんなデザインのエリアなんですか。
基本的にはハードウェア、製品ですね。工業製品。わかりやすく言うと家電とかスマホとか、最近だとロボットとか多いかもしれないですけど、そういうものの外観や使い勝手をデザインするような仕事になりますね。
基本的にはフィジカル、物理的なもののデザインっていうことですよね。実は僕もインダストリアルデザインを大学の時に勉強していたので、なんとなくわかるんですけど、ユーザーエクスペリエンスデザインっていうユーザー体験の根本になっているというか、インターフェースもそうだし、エクスペリエンスももともとは物理的なプロダクトからスタートしているっていう。
昔はデジタルプロダクトみたいなのがなかったですよね。
そうですよね。なので人類にとって初期の頃のデザインの一つが工業デザインなのかなと思っている。
確かにそうですよね。
食器とかね、コップとか、武器とかそういうのから始まっているんだろうなと思っていて。
そもそも直屋さんって今サンフランシスコでデザインスタジオを経営しているんですけど、ここにたどり着くまでのキャリア、海外特にアメリカでデザイナーとして働くっていう人が日本から来てやる人そんなに多くないので、どういう経緯でここにたどり着いたのか軽く説明してほしいです。
03:26
話すと結構長いですけど、最初は…
高校の時は、高校は日本ですよね。
はい。札幌に新しくできたデザインに特化した工業高専ができたので、そこに入って、僕が二期生で入ってそこで基本的には工業デザインをメインに勉強しましたけど、現代美術とかコンピューターサイエンスも勉強する機会があってそこを行きましたね。
その後、東京埼玉の方にある建築家なもののメーカーに入って、そこで建築家なものっていうと手すりとか郵便受けとかそういうのなんですけれども、そういうのをデザインしたり設計したりと、そういうことをやってまして、
その後に僕がドイツのデザインが好きだったので、ドイツに何か行きたいなと思って、それでドイツのワーキングホリデーに行こうと思って、その前にちょっと英語があんまりできなかったので、アメリカに来てちょっと語学留学して英語だけ勉強しようと思って、
来たんですけど、カリフォルニアの方に知り合いがいたんで、インターンシップだけして帰ろうと思って、インターンシップをアプライしたのが、当時このエリアにあった全てのデザイン事務所にアプライしましたけど、その中で引っかかったのがフューズプロジェクトというサンフランシスコにある事務所で、
そこでインターンシップして、その後すぐにフルタイムのオファーが来たので、ドイツ行きを諦めてフューズプロジェクトに残って、その後10年働くことになったというのが経緯ですね。
その話ですごいなと思ったのが、僕もデザイン会社をサンフランシスコで経営してますけど、日本で働いて来た人がインターンしてそのままフルタイムオファーというのが、結構最近の事情ではビザの関係でなかなかできにくいキャリアパスになってるんですけど、
その当時、10年くらい前ですか?
20年くらい前です。
20年くらい前か。ごめんなさい。そっか、その当時だったらある程度できたのかな。今でもそうやってるとこあるかもしれないけど、結構夢があるなと思って。
アメリカで働くってなると、みんな結構、日本の方はハードルがすごい高いイメージがあって、英語めっちゃできなきゃいけないんだろうとか、アメリカの大学出てなきゃいけないんだろうとか、すごいスキルがなきゃいけない。
06:03
たぶん直屋さんスキルがすごかったからフルタイムオファー来たと思うんですけど、そのインターンした時の英語力ってどんなものなんですか?
日常会話は問題ないですけど、仕事中、例えばボスが何言ってるかっていうのは分かんなかったよね。
分かんなかった。
面接の時は、僕まだ英語がよく分からないんで、インターンを申し込みたいんですみたいなことを言ったの。
そしたら面接官の一つ、全員外国人だったんですけど、君ちゃんと英語喋ってるじゃんみたいな話は言ってたんですよ、面接官の人が。
で、働いてみると、ボスが何言ってるかはよく分かんなかったですね。
イグベアルっていう有名なデザイナーは何言ってるか分からなくて、彼がミーティングの時に、
直屋は英語ちゃんと分かってんのかみたいなことをリードデザイナーとかに聞いてて、
分かってないかもしれないけど、うちらが後で説明するから大丈夫と言ってたんだけど、
そうじゃなくて、直屋に俺が言ってることがそのまま理解してもらいたいとか彼は言ってましたね、その時。
ああ、なるほどねと。
なるほど、なるほど、経由せずに。
経由せずに。
それがもうCEOですもんね、そう言ってたのが。
そうですね、はい。
フューズプロジェクトって、サンフランシスコのインダストラルデザイン会社の中でも結構トップクラスっていうか、
僕も何度かオフィス行ったことあるんですけど、すごい実績とすごいスキルを持った会社なんですよ。
超リスペクトしてる。
全米の中でもかなりトップレベルなんじゃないかなと思ってて、
特にデジタルプロダクトのハードウェアに関してのデザインとか、結構先進的なものをやったりとか、
うちの会社で使ってるスマートロックがあるんですけど、オーガスト。
あれデザインフューズプロジェクトだったはずなんですよね。
そうですね。
コファウンダーじゃないですかね。
そうなんですよ。デザイン担当しながらもフューズプロジェクトのCEOがスタートアップのコファウンダーにも入ってたっていう、そういうやつだと思うんですけど。
コファウンダーのもう一人がここのビルにその当時実は入ってて、ここの1階がオーガストのオフィスだったんですよ。
そうなんですね。
僕担当してないんで1回もオフィスに行ったことないんで。
立ち上げの頃このビルに入ってて、同じビルとちょっと仲良くなって話聞いたら、デザインはフューズやってんだよねって聞いた。
そうなんですか。素晴らしいですね。
フューズでどんな案件に関わってたんですか?
最初の頃は本当に何でもやってましたね。下っ端なんで何でも手伝わされるというか。
入った頃は柄系が多かったですね。
09:02
柄系?
柄系のデザインをフューズがやってたんですか?
やってましたね。アドバンスデザインとかコンセプシャルデザインっていって、実際に量産化になる方ほとんどないんですけど。
韓国のメーカーのたくさんやってました。
メーカーの新規プロダクトのコンセプトモデルのデザインってことですよね。
それは韓国の会社なんですね。
たまたま韓国でした。
興味深い。アメリカって柄系なかったじゃないですか。コンスーマー向けのものってほとんど。知ってる?
レイザーとか。
レイザーはギリね。モトローラのやつで僕も使ってましたけど。
柄系っちゃ柄系ですけど、柄系って言ったら日本がすごい柄系大国だった時にアメリカはそこまでたくさんなかったから。
確かに作ってるメーカーって少なかった。
少なかったじゃないですか。
ソニーエリー使ってる人多かったけど別にアメリカの会社じゃないですね。
それ考えるとアメリカのデザイン会社が韓国の企業向けに柄系のコンセプトモデルデザインしてるってなかなかすごいなって今思って。
なるほど確かに。
僕が知ってるのはほぼ後半だと思うんですけど、ハーマーミラーですよね。
そうですね。ハーマーミラーは10年いたうちの6年くらいはやってましたからね。
ハーマーミラーっていうのはオフィス家具のトップブランドで有名なのがアーロンチェアとかセールチェアですよね。
そのプロタクトの何のラインをやってたんですか?
やってたのはセールチェアと、あともう一つはシステム家具といって机とかそっちの方の。
その二つの製品が一応ロンチしましたね。
セールチェアって言ったらもうめちゃくちゃ有名じゃないですか。
そうですね。スタートアップの人が結構やってくれるというか。
なんかイケてるスタートアップのオフィスにありがちなちょっと三角形っぽくて白のおしゃれなデザインでなおかつアーガノミックっていう体にとってもいいみたいなそういうものだと思うんですけど。
椅子のデザインって結構難易度高くないですか?
体だから。
やっぱりリサーチからプロトタイプからテスティングからいろいろやったんですか?
基本的にはたくさんプロトタイプを作るということが時間がかかりましたので。
椅子のプロトタイプって本当に椅子を作っていくわけですよね?
最初の頃はフューズプロジェクトの事務所の中で作っていて途中からハーマンミラーの方に移ってあっちの方で作っていくと。
ハーマンミラーに出港する形でやる感じ?
そうですね。基本的にハーマンミラーからちょっと急ぎのプロジェクトだからって言われて常にフューズの人が一人オフィスにいてくださいって言われたんで。
僕とリーダーが交互に一週間ずつ行って。
12:04
僕はもう各州で行ってました。
それはサンフランシスコなんですか?
ミシガンです。
行くのに半日かかったですね。
ハーマンミラーのオフィスはミシガンなんですね。各州で毎回ミシガンに飛行機で行くって。
僕は月曜日に行って金曜日に帰ってくるって。
だってあれ4,5時間飛行機でかかるんですよ。
そうですね。
すごい通勤だな。さすがアメリカ。
すごい経験ですね。その時は近くのホテルから泊まるんですか?
ホテルから泊まるんですか?
もうアパート借りてくれって言われましたけどね。
掃除とかベッドメイキングが嫌なんで、ずっと拒否してたというね。
そういうことね。自分でやりたくない。
すごい話だな。日本国内だとあまり経験できない、長距離移動しながらのプロジェクトですよね。
うちの会社もシアトルの会社の仕事をした時に毎週行ってたんですよ。3ヶ月くらい。
言ってもシアトルで同じ西海岸なんで、2時間ちょっとなんですよ飛行機で。
ミシガンだと時差もあるし、すごいですね。
しかも直行便ないんでシカゴで乗り換えっていう。
そうなんだ。ちょっと結構びっくりしたな今のは。
アメリカのデザイン会社で働く時の日本との違いとかあります?
デザイナーとしての求められるスキルとか、働き方とか。
そうですね。色々違うんでしょうけど。
特にデザイナーだとある程度アイディアを持っている人の意見はよく聞いてくれるみたいな。
僕は特にハーマーミラーとかでも感じたんですけど、
英語があんまりできなくてもアイディアを言おうとしている時はみんな結構真剣に聞いてくれるというか。
そのアイディアによってすごいブレイクスルーができるかもしれないので。
なので結構聞いてくれますよね。
それって日本の会社だとあんまり下っ端の人の意見聞いてくれないはずだから。
それもしかしたらクライアントとデザイン会社の関係も近いかもしれないですね。
日本だと下請けっぽく扱われちゃって、言われたことやってくださいなんだけど、
アメリカの場合はお前たちのアイディアを出してくれっていうか、
僕たちが考えている以上のデザインアイディアを求めてますとかって言われる時あるから、
そこに対してのリスペクトがあるけど、期待値も高いんじゃないかなとは思いますけど。
そうですね。
なるほどね。興味深い。
今までいろんなデザインアワードを獲得しているらしいんですよね。
15:04
日本だとグッドデザイン賞とか、こっちだと有名なレッドドットとかあるんですけど、
どんな賞を今まで獲得したんですかね?
あんまり把握はしていないですよね。
どの製品で何の賞を獲得したかは覚えてないんですけど。
フィールドプロジェクトにいる時は多分すごい応募していると思うので、
何日間か引っかかっているみたいな感じだとは思うんですよね。
さっき言ってたハーマンミラーのセールチェアとかは受賞していると思いますし、
独立してからは日本のクライアントが多少いるので、
日本のグッドデザイン賞を獲得しています。
独立してからどんなプロジェクトをやってきたとか、今やっているとか紹介できるものがあれば。
独立してからも本当にいろんなのをやりましたよね。
以前もやりましたけど。
何か分かりやすいところだと、空前抹茶とか。
空前抹茶はあれですよね。
僕も知り合いの方の会社ですけど、
家庭で気軽に抹茶が飲めるための抹茶エスプレッソマシーンみたいなやつですかね。
そうですね。
真ん中が丸くなっていて、カートリッジで抹茶を入れて、
ボタンを押すだけで抹茶が作ってもらえるというデバイスですよね。
カートリッジではなくてお茶っ葉ですね。
お茶っ葉を入れるとマシンの中でお茶っ葉をいわゆる抹茶の粉にしてくれて、
セラミックのうすでひいて、それと水を混ぜるというところをいっぺんにやると。
なるほど。
アメリカでやっているプロダクトだと思うんですけど、
ラスベガスのCSに展示しているのを見たりしていて、
イノベーティブなプロダクトであって、
テクノロジープロダクトじゃないですか。
あれって結局インダストリアルデザインと、
あとはデバイスとしてのテクノロジーサイドみたいなのもあるじゃないですか。
今言ったメカニカルな部分。
インダストリアルデザイン。
インダストリアルデザイナーって、
見た目のデザインとか使いやすさだけじゃなくて、
メカニカルもある程度知っていなきゃいけないんですか。
ここが僕が一番興味があって、
自動車でも家電でも、中に機械が入っているじゃないですか。
工業製品なので多くの場合は、
機械的な部品とか電子的な部品、
その辺の知識とかどういうふうにワークするかということへの理解とかって、
どうなんですか。
18:00
僕は比較的得意な方ですね。
日本に行った時に設計をしていたので、
なので僕は分かっている方で、
アメリカのデザイナーって結構分かっていない人が多かったですね。
今までの経験していた人では。
でももちろんキャリアを積むにつれてどんどん分かっていくと思うんですけど、
知っていた方がいいですよね。
ですよね。
だって実現できないデザイン、いくらかっこよくても、
エンジニアリング的に無理だったらできないですよね。
最近だとバッテリーの可能性と限界を知っておかないと、
電子的なデバイスを作った時に、
ぐにゃぐにゃ曲がるバッテリーを入れなきゃいけなくなると無理だったりするじゃないですか。
よくあるじゃないですか。
ぐにゅって曲がったシェイプしてて、
これバッテリーどこ入れるの?
ここに曲がるバッテリー入れればいいじゃないですか。
いやバッテリー曲がらないんだけど。
ウェアラブル業界でよく起きてる。
そうそうウェアラブル業界でよく起きてる。
特にちょっと前まですごい起きていたことですよね。
今はCPUの性能が上がったのでバッテリーが小さくなったので、
ちょっと前までナイキのフューエルバンドあたりとかは大変ですよね。
そこがインダストリアルデザインのデザイナーだけのナレッジじゃダメなんだろうなと思ってて。
一方である程度技術的なのを無視して、
やはりUXの観点からこういうのが最適解なんですよみたいなのを提示して、
頑張ってエンジニアがそれを実現するっていうのもあるわけなんですよね。
ジョナサンアイブ的な、アップル的な。
これデザインしたんだから実現しろお前らみたいな感じで。
これじゃないとUX成立しないんですよ。
そこで一回妥協入れちゃうとユーザー体験が犠牲になっちゃうんで。
そっちを再優先したければエンジニアが頑張るしかないっていう。
もしくはそのプロジェクトをキャンセルしてちょっと早すぎたのかなみたいな。
今の技術で。
興味深いですね。
いいデザインを生み出すプロセスとかってあるんですか?
聞いてるデザイナーでどうやったらもっといいデザインが世の中に出るだろうって苦しんでる人とかいると思うんですけど。
プロセス?
プロセスとかあります?
僕は最近うちのデザイナーにも話してたんですけど、
デザイナーっていいデザインをするっていうことと、
いいデザインが世の中に出るってそれぞれ別の仕事があって、
結構多くのデザイナーはいいデザインをすることにフォーカス当たりがちなんですけど、
それが世の中に出るっていうことをちゃんとやっていかないとダメなんだよねって話してて。
どういうことかっていうと、
21:00
すごいいいデザインをスケッチから始めてプロタイプまで作っていくプロセスは上手だったとしても、
クライアントさんがこれでいこうって言ってくれないと出ないじゃないですか。
遅れ入りしちゃうでしょ。
多くのデザイナーが日本の場合は素晴らしいデザインを作ること得意なんだけど、
クライアントさんに納得してもらって、
それを世の中に出しましょうってOKもらう、アプローバルもらうプロセスが結構苦手だったりするみたいな。
クライアントさんもいろんなビジネス的な思惑があるから、
あまり攻めすぎるデザインを嫌がったりする時もあるじゃないですか。
ちょっとコンベンショナルなものにしておきたいとか、今までのプロダクトとかあまり変えたくないとか。
そうすると先進的なデザインとかいい体験がユーザーの元に届かない。
プロトタイプで終わっちゃうみたいなのが結構日本多いんですよ。
そういうのを名古屋さんがデザインしてるのって、
ロボティックから家具までいろいろやってる中で、
かっこいいのが世の中に出てるんですけど、
プレゼンとかクライアントさんを納得させる方法とかって、
何か特別なことやってるんですか?
特別なことはやってないですけど、
プレゼンする時のストーリーとして、
こういう理由なのでこういうデザインになりましたっていうのは、
きちんと説明はするようにしていますから。
デザインする前に、こういうストーリーでデザインしますよっていう、
その前の企画みたいなのをプレゼンして、
そこで合意が取れてるんで方向性は間違ってない。
で、次のフェーズとしてデザインに移るっていうのも、
一応やってますけど、
それが別にソリューションかどうかわからないですけど。
すごい重要なことだと思ってて、
それってコンセプト作りをしっかりまずやるっていうことじゃないですか。
で、いわゆるアートディレクターとか、
クリエイティブディレクターが仕事としてやる部分な感じがするんですよね。
で、それを文業でやるとやりやすいと思ってて、
ディレクター系の人とデザイナー。
直屋さんは一人で両方やるんですか?
今はそうですね。
クライアントサイドにそういう人がいればやらないですけど。
フェーズプロジェクトにいたときは確かに文業されてて、
そういうことをやる人はデザインストラテジストっていう人で、
デザインする人はデザイナーで。
一応、エクセキューションするのは分かれてるんですけど、
ブレンストーミングとか一緒にやるので。
それによって、
ストラテジストもいいって言って、デザイナーもいいって言ったものは大体いいみたいな。
24:01
特にフェーズプロジェクトって優秀な人が集まってるので、
優秀な人がいいって言ったものは大体いいみたいな。
いや、なんか分かんないけど、僕は当たり前のこと言ってますね。
ここで素人とかが入ってくるとダメで、
優秀な人がいいっていういろんなバックグラウンドを持ってて、
いろんなことに常に興味がある人たちが、
これがいいって言ったのがいいものになる可能性が高いっていうのが、
ちょっと分かりましたね、あそこで働いていると。
なるほどね。
いや、それってクライアントサイドから見ても、
なんかすごい優秀な人たちがやってくれてるっていう安心感があるんで、
アップルーブしやすいかなとは思いますよ。
あと、何だろうな。
直屋さん的に、さっきアメリカのデザイナーは
メカを知らないケースが多かったって言ってたんですけど、
日本とアメリカで比べて、デザイナーの質の違いとかって感じます?
なんか前チラッと話したときに、
うおぼえかな、なんかね、
昔、それこそ10年以上前は、
アメリカのデザイナーは微妙、あんまりいいデザイナー少なかったけど、
最近は増えたみたいな。
ああ、僕言いましたね、確かに。
特にインダストリアルデザイナーは、
最近だとアメリカでも優秀な人増えてる感じなんですか?
そうですね。
なんかやっぱり日本と一緒で、
デザインって言ったらやっぱりヨーロッパじゃないですか、
いまだに日本って。もう違うかもしれないですけど、
それってアメリカも一緒で、やっぱりデザイナーって言うとヨーロッパの方が、
デザインイコールヨーロッパみたいなのがあったんで、
当時、例えば車で、アメリカの車とヨーロッパの車だと、
デザインが全然ヨーロッパの方がいいわけじゃないですか。
そういうので、どうしてもアメリカのデザイナーはあまり良くないっていうイメージがあって、
多分工業デザインというジャンルも人気なかったんでしょうね、当時は。
そうね。
それが多分アップルと、最近だとテスラの影響で、
突発的に急にあの2社がデザイン飛び抜けて良くしちゃって、
アメリカの会社なのに。
それ以外の99%は全然イケてないデザインをしてたのに、アメリカの企業が。
急激にあの2社がすごい良いデザインしたことによって、
そのチルドレンみたいなスタートアップたちが良いデザインどんどんしてるじゃないですか。
もともとアップルのスタートアップみたいな。
そうそう、アップルチルドレンすごいじゃないですか。
ジョブスとかジョナサン・アイブに憧れた人たちが、
もしくはもともとアップルの人がやってるスタートアップが、
もうハードウェアもソフトウェアも、とてもUXが世界トップレベルになってるから、
やっぱりアップルの影響ってすごい大きいんだろうなと思います。
27:03
大きかったと思いますね。
その一方で、なんか日本って、僕うちの会社日本にもオフィスあって、
日本にデザイナーいるんですけど、基本的に平均値非常に高いんですよね。
デザイン学校とか美大とか出てる子たちのデザイン力っていうのは、
非常にアテンション・トゥ・ディテールっていう細部へのこだわりとかちゃんと持ってるし、
なので、ポテンシャルすごい高いと思うんですけど、
アメリカの方が世の中に出るプロダクトのデザインが、
最近は良いものが最近来てしまっていて、
そのギャップって原因わかります?
良いデザイナーが日本多いんだけど、
ユーザー・エクスペリエンスに優れてるプロダクトが、
日本そんなに多くないかなって気がするんですけど、どう思います?
そうですね、デジタルもフィジカルも全体的に確かにアメリカの方がいいですよね。
山本さんがアメリカでやってる理由ってあるんですか?
いや、特にないって言ったらないですね。
特にないの?
最初はやっぱりアメリカの方が良いデザイナーが多かったので、
良いデザイナーに囲まれてると自分のデザインも良くなっていくし、
楽しいしっていう感じではありましたけど。
今、サンフランシスコにデザインスタジオを構えてる、
土地的な理由はあんのかなと思って。
僕もよく聞かれるんですけど、僕の答えは偶然って言ってるんですよ。
ここに住んでたからって。
最初は偶然ですよね。
たまたまフューズプロジェクトで働くことになったので行ってますけど。
特にソフトウェアも一緒だと思いますけど、
このエリアってたくさんあるじゃないですか。
エンジニアの数も多いじゃないですか。
例えば今はロボットだったらフィギュア、AIとかもやってるし、
テスラーも最初こっちにいましたし。
そういうのが下地というか、
コミュニティというか、そういうのの強さですかね。
なるほどね。
それだとクライアントもいるわけですし。
確かに。
インダストリアルデザインも、それこそフロックが昔からあったりして、
何社か世界的に活躍してるとこあるじゃないですか。
ニューティールデザインとかアミュネーションとか。
結構知られてないけど、
デジタルばっかり注目されがちなこのエリアだけど、
インダストリアルデザインも優れた会社とか、
デザイナー、タレントとかってこの辺多いんですよね。
多いですね。多分世界で一番多いと僕は思ってるんですけど。
そうなんだ。そっかそっか。
そういう知識がなければ確かに分からないかもしれないんですけど、
30:01
昔からここが、昔からというか、
昔から多いですね。
インダストリアルデザイン、デザイナーの多い。
僕がちょうど2004年、5年に来た頃は、
もっと世界中から若いデザイナーが来た時期で、
というバックグラウンドがあります。
デザインスクールもね、
CCAとかアカデミーオブアートとかいくつか、
僕も普通の4大でインダストリアルデザインを学びましたけど、
そういうコースが集まってますもんね。
この前話してたら、
アメリカ全体で見てもインダストリアルデザインを学べる学校って
そんなに多くないんじゃないかということで、
サムライスコアは2、3校あるから、
そうですよね、確か。
現役のデザイナーが多いので、
その人たちが学校で教える機会があるっていうところですよね。
先生が現役のデザイナーだから、
すごい教えられる内容もとてもいいですよね。
理論だけじゃなくて、
生々しい現場の話とかプロジェクト、
参加させてもらったりできますもんね。
これ聞いてる人多くが日本にいる方なんですけど、
これから海外で活躍したいというデザイナーがいたら、
アドバイスはあります?
すでにデザイナーなんだったら来たらいいんじゃないですかね。
そうなんだよね。
僕も聞かれたときに言うのは、
航空券買って飛行機に乗るって言ってるんだけど。
英語力がーとか言ってるんだったら、
語学学校に行ったらいいんじゃないですか。
日本で頑張って勉強するよりは、
こっちで勉強した方が早いんじゃないのかなみたいな。
日本で英語を身につけるのって結構大変ですよね。
必要とされないので。
確かに。
僕も日本では勉強はしてました。
駅前留学とか勉強をしてて、
こっちに来る1年半くらいですかね。
やってましたね。
枝広さんのスタジオで修行させてくださいとかっていうのがいたらどうですか。
検討します。
こっちのリビングコストが高くて大丈夫なのかなみたいな。
リアルな話ですね。
スタジオで寝泊まりはできないんですか。
できますよ。
うちのデザイナーの子とかがたまに来たとき、
オフィスで泊まらせてくださいって言って、
泊まったりするときあるんですよ。
この辺は大丈夫そうですね。
結構快適なんだよ。
コストを安めにしたければ、
オフィスで寝泊まりって通勤時間ゼロっていう差があるんですけど。
分かりました。
今までの中で、
僕的には最も勉強になったゲスト会かなと。
33:01
本当に。
ここまでガチでデザインに手を動かしてやってるゲストっていなかったので。
そうなんですか。
みんなもっとマネージャーレベルになっちゃって。
ぐとこちゃんとしてはCEOですからね。
上場会社のCEOだからトップになっちゃってるし。
個人的にもインダストリアルデザインはデザインの最高峰だと思ってるんで、
それに関わられてる方ってすごいリスペクトしてる次第でして。
ありがとうございます。
ということで、今回は江田博直さんに出演いただきまして、
とても勉強になりました。
ありがとうございました。
このエピソードを楽しんでいただけた方は、ぜひ高評価、チャンネルフォローをよろしくお願いします。
また、サンフランシスコデザイントークは、
番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。
番組概要欄にあるGoogleフォーム、Spotifyでお聞きの方は、
各エピソードのQ&A欄からお送りいただけますので、お便りお待ちしております。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。
34:25

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