サンフランシスコ・デザイントーク
この番組は、日本で働くデザイナー、デザイナーを目指されている方、ビジネスにデザインを取り入れたい方向けに、
サンフランシスコのデザイン会社の社長が、デザインに対するインサイトや今後のデザイナーのなり方、
プロダクトや企業のデザイン戦略の歴史などについて、深く話します。
おはようございます、Brandonさん。
おはようございます。
ということで、ぬるっと始まりましたが、慣れてきましたか?
まだ全然慣れてないです。できるだけ頑張っています。
では本題に進んでいこうと思います。
今日のテーマは、日本のデザイナーのキャリアについて話していこうと思います。
初回の最後に。
Brandonさんが日本のデザイナーの方向けにメッセージを伝えていただくパートがあったと思うんですけど、
そこでちょっとデザイナーのキャリアの部分について話したので、
今回はキャリアの部分、日本にどういうデザイナーのポジションとかがあるのかとか、
あとは今の日本のデザイナーのキャリアにおいてどういう問題があるのかとか、
それから比較ですね、海外のデザイナーの方のキャリアとか、
そういった文脈も含めてお話できたらいいかなと思っています。
はい、そもそもうちの会社、デザイン会社としてビジネスをしている傍らで、
様々なメディア、ブログとかイベントとか、
たまにはこういったような音声メディアや映像メディアとかにも出演しているんですが、
それらはデザイナーの地位を高めるというか、デザインの重要性を世の中に広げ、
デザイナーと呼ばれる人たちのポジション、地位を高めていくというミッションもありまして、
海外活動的にやっているもので、このポッドキャストもそれが一つの目標になっているので、
今回その話をぜひしたいなと思っておりました。
はい、ありがとうございます。
まず日本のデザイナーの価値を上げていくというところで、
まず海外、主にアメリカだと思うんですけど、
アメリカのデザイナーの方のキャリアとか待遇とか、
そこら辺に対するブランドワーズさんが考えるじゃないですか。
そうですね。
僕自身はアメリカでデザイン会社を経営しているということは、
デザイナーを採用する立場にいますので、
実際どのくらいの待遇になっているかとかも分かっているし、
日本でもデザイン会社を経営して、同じ会社の日本法人も経営しているので、
その違いとかも分かっているつもりであります。
社会全体で見ても、前回の話の続きになりますが、
アメリカの方がデザイナーという仕事の重要性がかなり理解されているのと、
結構一般的な職種になりつつあるというか、
特殊なものではなくて、多くの企業が重視している領域であり、
デザイナーと呼ばれる人たちのビジネスにおける価値の高さが浸透している場所であったりしますね。
故にかなりデザイナーと呼ばれる人たちの役職が幅広く、
縦も横も広がっていますね。
縦というのは階級ですよね。新卒からベテランまで。
横というのは仕事の内容の種類。
前回話したようなグラフィックデザインみたいなものから、
最近結構話題になるようなUXデザインであるとか、
もっと言うとチーフデザインオフィサーみたいなところまで、
幅広い役職があると。
うちの会社でもデザイナーと一言で言っても、
ビジュアルのデザインをする人もいれば、デザインリサーチをする人もいたり、
デザインストラテジーを考える、戦略を考える役割のデザイナーもいたり、
昔からいるようなクリエイティブディレクターみたいな人もいたりして、
非常に多岐に渡っています。
そういう人たちが企業において、主にはプロダクトという商品のデザインに関わる部署と、
ブランディングとかマーケティングという企業の価値を上げる、認知を上げて価値を上げる役割に所属している、
大きく言うとその2つのどっちかになっているケースが多いですね。
それ全体をデザインの側面から見る、チーフデザインオフィサーであるとか、
BPOデザイン、デザインの主任みたいな、ヘロデザインとか、
そういう役割の人が、いわゆる日本で言うとそうだな、
役員クラスって言われるところにも入っていたりとか、
スタートアップだったらコファウンダーの中に1人入っていたりとかするような環境になっていると思います。
実際、データ的に見ても、日本だとGAFAって昔から有名じゃないですか、
Google、Apple、Amazon、Facebookみたいな、
それが最近はプレイヤーたちが増えたりして、
Facebookがメタになったり、名前変わったりとか、
あとはNetflixが入っていたバージョンがあったり、Microsoftが入っているバージョンがあったりとか、
最近だとTeslaとかも注目されてきて、
ビッグテックと言われる、テクノロジー企業でかなり規模と売上がある会社で、
シルコンバイルを中心に10社くらいあるんですけど、
全社に基本的にデザイン部署というのがあって、
そこにデザインチームのトップ、チーフデザイン、デザインリードみたいな人がちゃんといて、
マネジメントもされているんですね。
それは彼らがプロダクトにおいても、ブランド作りにおいても、
デザインの重要性を会社としてしっかり認知していて、
それをビジネスに活用して売上利益、株価を上げているからというのがスタンダードになっていますね。
たぶんその一方で、日本の当初一部に上場している企業のトップ10とかの企業をざくっと手づかみで取ってみたときに、
デザイン部署がある会社が何社あるのかって疑問だったりは実はするんですよね。
うちの会社のクライアントで日本の大きな企業さん何社もいらっしゃる中で、
結構聞いてみると、うちデザイン部署ないんですよとか、うちブランディング部って存在してないんですよみたいな、
そんなケースもあったりするんで、結構経営環境というか、
ビジネスにおけるデザインを取り巻く環境って日々差あるんだなという印象を受けておりますね。
人は日本のデザインに対する考え方もそうだし、デザイナー個人で見たときにもやっぱり日本は日本のデザイナーの地っていうのはやっぱりバラから比べて。
デザイン、そうね。日本ってデザインっていう職業がまだまだマイナーが故に、
そういう大企業にそういう働く場所や部署がないだけじゃなくて、
デザイナーってどういうキャリアパスがあるのって考えたときに、結構限られてるんですよね。まだまだ。
古くからは広告代理店、広告を作ったりとかクリエイティブディレクターになったりとかする、その広告代理店で働くケース結構ありますよね。
あとは、うちみたいなデザインエージェンシーみたいなものがいくつかあると思うので、そういうところでエージェンシーのデザイナーとしてやるケース。
僕の後輩なんかも何人か経営してますけど、そういうところで働くケース。
あとは企業のデザイナーっていうのをわずかながらあって、そこでちょっと車のデザインしたりとか、インダストリアルデザインとかしたりとか。
ゆくゆくはフリーランスとして独立する、個人事業主的にやるっていう感じなんですけれども、どれを取ってみてもまだまだデザインの価値を世の中にインパクトを与えれるほどのポジショニングにつきにくいと残念ながら僕は思っています。
一つ希望としてあるのかなと思うのがスタートアップ。スタートアップはプロダクトの重要性が非常に高いってことと、ゼロイチスタートなのでブランドが全くない状態から始めるので、そのブランド作りも非常に重要じゃないですか。
そこにおいてデザインの重要性、デザイナーの重要性は他の企業よりもよっぽど高いと認識され始めているので、スタートアップのデザイナーっていうのは最近少し日本でも注目はされているんですけど、ただ台風面はまだまだ日本は高くない。
統計的にデータを調べてみても、アメリカのスタンダードとか海外のスタンダードと比べても日本は半分以下、平均のケースが多いなっていう印象を正直受けていますね。その理由がいくつかあるかなと思っている。
ここからは理由を聞いていきたいと思うんですけど、日本のデザイナーの台風であったり、キャリアの問題が生まれてしまっている原因を聞いていきたいんですけど。
そうなると安くてもやりたい仕事だったり、安くてでもいいからやりますよっていうところに仕事が流れるんで、総合的に価格帯が下がる。
発注する方も、99000さんはもっと安く受けてくれるって言ってたんですけど、御社ももうちょっと下げてくれないんですか?みたいな。
ちょっとね、雰囲気が悪くなる感じのトークがあったりするんで。
じゃあどうやってそこを上げていくの?ってなると、デザイナー側も他のデザイナーにできない付加価値とかユニーク性を持たなきゃいけないんですよ。
なんですけど、日本ってやっぱり教育の時から横並びに従うっていうか、違いよりも優越で差をつけがち、上下で差をつけがちなので、
デザイナーって個性とかユニークなスタイルとか他のデザイナーができないことができることが価値になっているのにもかかわらず、みんなね、日本のデザイナーってスキルセットに似てるんですよね。
種類が。で、それのクオリティの上下がある。縦軸が長いんですけど横が狭いんですよね。
イラスト描ける人たくさんいるんですけど、みんなイラスト描くっていうだけなんですよね。イラストプラスがなかったりするんで。
アメリカの場合はフリーランスとか特に、デザインでここが僕の強みですよっていうのを、個性がすごく強いんですよね。
3Dグラフィックがものすごい得意であるとか、モーショングラフィックができるだとか、映画に関わるビジュアルデザインを非常に得意にしてますとか。
そうなると結構ピンポイントで、このデザインはこの人を超える人がいないみたいな立場になってくると、かなり高いギャラがもらえたりとか。
スタートアップとかのデザインに入った時も、UXデザインにおいての経験とスキルがものすごい高いんで、
その人がUXをデザインすると、コンバージョンが非常に高いプロダクトができたりとか、リテンションがキープできるみたいな。
あとはブランドのデザインとかもそれぞれあったりとか、あとはクリエイティブディレクターは幅広いネットワークで優秀なクリエイターを抱えてますみたいな、知ってますみたいな。
いつでもチーム集めていい仕事を俺に頼めば、ワンストップで20人ぐらいのチームをサクッと作って、いい作品できるよみたいな。
それぞれが売りをちゃんと持っていて、競争するんじゃなくて違いで良さを出すみたいなことをやってるんですけど、
日本のデザイナーって本当に結構画一的なところがあるんですよね。
その原因になってるのが3つ目の課題である取り巻く環境なんですけど、デザインを学ぶ場所っていうのが限定的なんだよね。
僕日本に行ってデザイン系のイベントとかで登壇して、その後でオーディエンスの人とネットワーキングとかして話すと、
一番聞かれるのが、UXデザインとかってどこで勉強したらいいんですか?みたいなのがあって。
確かに日本ってどこでデザインが影響するのかなと思うと、専門学校とか美大とか、あとは先輩のデザイナーに弟子入りみたいな。
そうなってくると実践的にビジネスで活用するデザインとかユニーク性を身につける場所っていうのは非常に少ないんだろうなって気がしていて。
うちのスタッフにも美大出身のデザイナーが2,3人いるんですけど、聞くとやっぱり大学で教えてる先生ってアカデミックなことを教えてるんで、
ちょっと実践とは違うっていうか、なんか変なこだわりがあるんですよねみたいなことを言ってて。
例えば最新テクノロジーを全然気嫌いして使おうとしない。
例えば最近のAIとかは、あんなものはデザインじゃないとか言ったりとか。
古いんですよ考え方で簡単に言うと。
ビジネスで価値が出せるデザインと大学で教えてるデザインの感じとか結構違ったりとか。
あとはこれもいつか違うエピソードで話そうと思ってる。
アートとデザインの混合問題っていうのがあって、教えてる方も美術なのかデザインなのかがごっちゃになりがちっていうか。
確かにそこ難しい。
難しいでしょ。
まあちょっとこれフルエピソード別日にやらなきゃいけないんですけど。
それが故に日本のデザイナーって呼ばれる人たちの何名か僕会った中で、
3分の1ぐらいが君実はアーティストをやりたいんじゃないって聞くと、バレましたみたいな。
ちょっとなんか食うためにデザイナーやってますけど、ぶっちゃけやりたいのはアートの方なんですよねみたいな。
っていう風になっちゃってるんですよね。
でアートをやりたい人がデザインやるっていうのはすごく不幸になりまして、
デザインって前回も言った問題解決が課題なのに、アートって結構表現するっていうことがゴールになってくる中で、
そもそもそのアーティストがデザイナーをやっちゃうと、いろいろ不幸が生じてしまって、
タイムももちろん上がらないっていう、エゴが強い面倒くせいやつみたいな思われて、なかなか出世できないっていうのがあったりとかして。
その辺の企業側の課題とデザイナー側の課題とそれを取り巻く環境と教育の3つは、
10年前よりだいぶ良くなってきてると思うけれども、もうちょい何とかしたからいいかな。
プラス、うちの会社の大きなミッションであるグローバルでビジネスを展開していくっていう上で、
グローバルクラスのプロジェクトに関わることのできるデザイナーは日本からどんどん増えていかないと頭打ちですよね。
エンジニアとかと比べてもデザイナーの人って本当にドメなんですよね。
ドメステック思考。英語をできる人は少ない。それだけじゃ測れませんが、
日本国内ですごい国内っぽいデザインの仕事を終始やって、海外で活躍しようっていうのを想像もついてないケースが多い。
入ってない。
入ってない。キャリアの選択肢として考えてない。
一方でエンジニアってプログラミング言語自体が英語をベースに書くことが、公文とかFLとかスイッチとか英語で書くじゃないですか。
専門用語も英語をベースにカタカナになっているので海外に行っても通用しやすいんですよね。
なのでシリコンバレーに来る日本のエンジニアさんって結構多くて、それも優秀だからビッグテックとかスタートアップでバリバリ働いている日本人の方ってたくさんいらっしゃるんですけど、
海外に出てバリバリ活躍している日本人のデザイナーってすっごく少ないですよ。あんま知らないぐらいなんですよね。
それは前回言ったプレゼン力を求められたりとかコミュニケーション力を求められる外国語においてね。その時点でも物応じしちゃってたりとか。
あとはデザインの専門用語って驚くほど日本って日本語なんですよね。
この前タクマにも僕説明しましたけど、その場所を決めるマークって日本語でトンボって言われるトンボ線をつける。
英語でクロップマークって言うんですけど全然違うんですよね。
クロップマークってカタカナで言えばいいのに日本は日本独自のデザイン用語がもう既に存在しているので。
僕もむしろあんまり日本の方は知らないんですけどトンボとかトメとかいくつもあるんですけど。
なんすかそれみたいな。
あークロップマークのことですかとか。
サチュレーションっていう意味ですねとか。
一回英語に翻訳しないとわからないぐらいに乖離してる。
プラスなんかもう一個しんどいのはその単位も違うんだよね。
インチとセンチが違ったりとかさ。
ピクセルは一緒なんですけどね。
その辺がね日本のデザイナーが海外で仕事をするときにまだまだハードルがあって。
自然言語プラスその業界。
業界の専門用語も違う。
デザイナーの役割も違うしコミュニケーション能力が求められるので。
うちのビートラックスのデザイナーで日本で採用された人とかはなるべく頻繁に早い段階でこのサンフランシスコオフィスに来て。