アメリカと違って言うと、問題解決に近いイメージです。
なるほどね。それに対して僕がどう思うかというと、アーティスティックな感じは実はデザインとは少し違うと思っている派で。
なので日本で同じように、デザインっていうことはアーティストですかとか、デザイナーになるには絵を描くセンスがないと慣れないと思っている人がいたりするんですけど、結構違うんで。
デザインの役割って何度かこのフォトキャストでも言ってるんですけど、課題解決とか可視化とかそういうことになってくるので、より科学的だったりロジカルだったりするんで、そこ違いはありますよね。
なのでそこでクライアントの期待値とかの違いが生まれるのかなって思っていました。
期待値とデザイン会社が提供できる価値が違いますよね。与えられるインパクトの大きさがアメリカの方が多いことがありますね。
ゆえにプロジェクトの予算も大きくしてもらいやすいという感じはしますね。
ちなみにデザイナーさんという会社もそうなんですけど、デザイナーさんの働き方とかスキルセットの違いとかあったりしますか?
そうね、どこから行こうかな。まずアメリカと日本で企業における規則とか法律が違うじゃないですか、いくつか。
労働基準法的なものが。日本とアメリカで最も違うことって何か知ってます?
働き方?
働く企業と従業員がいる会社組織っていうもので、やっていいこととやっちゃいけないことみたいな法律みたいなのがあるじゃないですか。
それで何か一つ大きく違うことがあるんですけど知ってます?
えーなんだろう、働く時間とかですか?
そこよりももっともっと違うことがあって、これによっていろんなことが日米で、職場とか働くとか企業っていうものの違いが出てることが一つあって、
それは会社が従業員を解雇できるかできないかなんですよ。
確かにそうですね。
細かいことは抜きにして、すごいざっくり言うと、アメリカはいつでも従業員を解雇できて、日本はなかなかできないっていうことなんですね。
これはアメリカだと、スタッフの能力が低いと思ったら会社が今日でさよならって言ってもいいっていう基本的な決まりになってて、
日本だと一回生社員で採用すると解雇するためにいろいろ手続きとかステップがあって、なかなかやりにくいらしいんですね。
ゆえに、自主退社してもらう方向に持っていかない限り厳しいっていうか。
確かに何ヶ月分の給料渡すからみたいなのは聞いたことありますね。
それでも日本だと本来はなかなか解雇できないんですよ。
それ自主的に辞めてもらう方に任せて。
それは交渉している状態ですね。
アメリカは問答無用で切れるんで、やろうと思えば。
それによって、デザイナー以外もアメリカで働く人たちと日本で働く人たちで、まず緊張感がちょっと違いますよね、働くことに対して。
ちゃんと結果を出さないといつ切られるか分からないっていう緊張感がアメリカはあること。
日本はちょっと外では首にならないので、安心感はある。
企業からすると、短期的に結果を求めるアメリカと長期的に成長を期待する日本の違いがあって、そこはデザイナーに限らず基本的に違うっていうことがまずありますよね。
次に、文化的なことが理由で、アメリカの人と日本の人で両方スタッフ抱えてみると、ちょっとカルチャーが違うなと思うのが、
僕はアメリカで先に会社を始めて、マネジメントとかリーダーシップで苦労して生きているのがあるんですね。
その後で日本で会社を始めたら、アメリカより難易度が低いと思っちゃったんですよね。
それはスタッフがアメリカよりも日本の方が従順だからってことですね。
確かに右向け、右じゃないですけど、同じ方向を向きやすい人種なのかもしれない。
そうなんですよね。ルールを作れば、ある程度ほっといてもルールを守ってくれるんですけど、
アメリカの場合は、そのルールを作った場合、そのルールがなぜ必要かをまず疑ってこられたりするときがあるので、説明責任が多いんですよね。
なぜこうするしないといけないんですか、決まりだから通じないというのがある。
その一方で、コインの裏側としては、日本の人たちは従順なんだけど、自主性が低かったりするので、言い方を変えるとちょっと消極的。
アメリカは、さっき言った結果を求められるという文化があるので、積極的に自分の価値を表現しようとするんですね。
なので、そこの違いがある。
それが理由で、アメリカ人の人、アメリカで働いている人たちは、結構自分のことを盛りがちですよね。
それは聞いたことがあります。
就活の面接、インタビューとかで聞いたときの話と、入ったときのスキルセットが違う。
できねえじゃないから。
あんだけすごいって言ってたくせに。
ありますね。あるあるですね。
そこが、アメリカだと謙虚にしていると舐められるという部分なので、どれだけ自分の存在価値を見せるかというのが求められるんですよね。
日本人だと不得意な領域かもしれないですね。
それが理由で、アメリカ、これデザイナーとかになってくるとすごい強みになるのが、プレゼン上手いんですよね。
アメリカのデザイナーとかって、デザインをして何かを作り出すということだけじゃなくて、
それを上司やクライアントさんに説明するときの説明の仕方とかが非常に長けてるんですね。
それはね、僕もアメリカの大学でデザインを勉強したり分かったんですけど、非常に先生に仕込まれるんだよね、プレゼンする方法を。
例えばデザインをプレゼンするときに、なるべくデザインの話をしないとかね。
目的にフォーカスしたプレゼンテーションをした方がいい。
売上げを上げるためのデザインをするんだったら、売上げがなぜ上がるかを話すべきで、
デザインがどれだけ美しいかを話しても意味がない。
日本だと、僕が見てる限りは、デザインスクールとか美大とか出た人たちってデザインするの上手いんだけど、
プレゼンするテクニックまで身につけてないので、デザイン作ったのをプレゼンしてって言うとデザインの話をするんですよ。
ここがこうで、見たら分かるんだけど。
見て分かることをわざわざ説明する。
なので、自分が作り出したものをそれ以上の価値に伝えることがあまり正直でできない人が日本は結構いたりしますね。
表現するのが少し苦手な方が多いかもしれない。
っていうイメージはちょっとある。
特に年齢が若かったり経験が少ない人がクライアントさんの前でやることになると、どうしても非常に謙虚になるよね。
自信な詐欺みたいな。
アメリカは若手でもかなりグイグイと自信満々。
それ自信満々にプレゼンしないと不安になるからクライアントさんも。
確かに同じこと言ってても声のトーンとか話し方で全然伝わり方は変わるので、
内容は置いといて見せ方が上手っていうところがあるんですね。
そもそも英語の方が自信ありげにしゃべりやすいよね。
結構オフィスでも日本語と英語しゃべるメンバー多いと思うんですけど、
英語と日本語でやっぱり口調が変わる感じするなって。
人が変わるまではいかないですけど、英語の方が結構シャープなイメージ。
日本語とアメリカのバイリンガルで話す人のあるあるは、
日本語話すとき急に声のトーンが高くなり、声の音量が下がり、少し謙虚なしゃべり方になるよね。
それが日本語の違和感のないしゃべり方だからそうなるんだけど、
英語は自信ある感じではっきりしゃべらないと英語としてのスピーキング力が高くないから。
あとはうちの会社って人事評価とかするときに自己評価とかもしてもらうんですけど、
今おっしゃってた違いも踏まえて教えていただけると嬉しいなと思うんですけど。
以前も話したことがあるんですけど、デザイナーって日本で活躍してたりする人でも海外でも仕事をするっていうのは、そんなに簡単じゃない職種なんだよね。
いくつか理由があって、文化的コンテキストがすごい強い仕事で、
やっぱりユーザーとカスタマーありきで物を作るから、日本国内でやってると日本国内のユーザー向けのデザインとか上手になるんだけど、
海外になってくるとユーザーが求めるものも全然違うし、色ひとつとっても受け取るイメージ違うので、学び直しをしなきゃいけない部分もあって、
なかなか日本でのノウハウそのままで海外で活躍するのって簡単じゃないんですよ。
それプラス、エンジニアとかと比べても、必要となる言語のスキルが高いんですよね。
さっき言ったプレゼンテーションとか、社内のコミュニケーション、ディスカッションとかもそうだけど、
アイデア出しとかをたくさんするじゃないですか、言語で。それについていかなきゃいけないので。
エンジニアのように黙々とコード書いてればいいわけじゃないから、そこも難しい部分あるじゃん。
確かにそうですね。そんなに黙々とデザインしてる時間が多いってわけでも、結構話してどうしたとか。
作ったらすぐ話すじゃん。話しながら作ることもあるし。
なので、リアルタイムコミュニケーションがすごい求められるんだよね。
なので僕は、個人的には、アメリカ、海外どこの国でもいいんだけど、そこの国の一回デザインの学校とか行ってみるのが一番いいと思ってる派で、
同じデザイン領域でも、さっき言ったデザイナーに期待される内容が結構違うので、
僕は逆にアメリカの大学でしかデザイン勉強してなかったんで、
日本の美大とか美大生とかと話してみたりすると、結構こんなにも違うんだって思うこと多いもんね。
クラフト的な職人的スキルが高いのに、なんか妙に浮世話なりしてるっていうか、特殊な人たちが多いんですよ。
ユニークなのはいいんだけど、特殊すぎるとデザインとして通用するエリアが減りがちなので、
そこが社会的にデザイナーの役割が違う上に、学校で教えてる内容もちょっと違ってて。
なので、一回そこの国のデザイン学校に行くのがいいんじゃないかなって思ってますけどね。
そうですね。文化も学べますし、そのデザイナーとしての国のスキル、必要なスキルセットも学べるということですね。
もしくは、これは本当に珍しいケースですけど、以前にこのポットキャストに出てくれた枝広さんみたいに、
日本で経験してたデザイナーがアメリカのデザイン会社にインターンとして飛び込むっていう、
修行から始めるっていうことも可能なんだなって彼と話してて思って。
でも最初は大変だろうなって思いました。
結構レアケースというか。
すごいレア。
まずは学校行くことのほうがスタンダードかなと思いました。
ありがとうございます。
今日は日米のデザイン会社、デザイナーの違いについてお話しさせていただいたんですけども、
10月12日と13日に東京のミッドタウンで開催されるデザインシップというイベントにブランドンさん登壇する予定で、
このようなテーマでお話しされる予定です。
日本とアメリカでデザインしてきた経験をもとに、今みたいな話をしようと思ったら、
運営さんのほうから、プラス生々しい失敗談とか入れて。
そうなんですね。ここではお話しできないような生々しい話を当日聞けるということで、
10月12日に登壇する予定なので、聞きたいなという方はぜひ概要欄のリンクからイベントの詳細をご覧いただき、
ぜひお越しいただければと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日もありがとうございました。
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