ここ半年くらいで経営面とか人材とかチームビルディングスキルケーパビリティで
研究していたり追求していたりしたことだったので、
一回その辺をまとめてお話できればなと思っております。
ありがとうございます。
じゃあ、まず最初にデザイナーとクリエイターそれぞれの役割とか、
あとは共通点、それから違う部分みたいなのをちょっとお願いします。
はい、わかりました。
デザイナーとクリエイターって特に日本では混合されがちだったりとか、
同じ人とか同じ会社が両方やってたりします。
その一番の理由は、作り出すものが結構ビジュアルデザインになっているってことですね。
グラフィックデザインであったり動画とかモーショングラフィックス、
あとは物理的なものであれば店舗のデザインとかインテリアとか、
そういったものがアウトプットとして提供されるので、
デザインワークとクリエイティブワークって似たように思われがちなんですけど、
最初アウトプットが近いんですが、
根本的にそれが達成しようと思っている、やろうとしている事柄とか出発点が違うんですよね。
もうちょっと詳しく説明させていただくと、
ごくごく単純に説明すると、
デザインの役割は、最初のエピソードでも言いましたけど、
課題や問題の解決、それに対するソリューションを考えていくっていう仕事なんですけれども、
クリエイティブワークの多くが、具体的な課題とかゴール設定がそこまでされないままに、
人の心を揺さぶるものとか、人の気持ちを集めてくるものとか、
注目されるものを作り出すっていう、そういったような役割になってくるので、
特にアメリカのデザイン学校とか、デザイン会社で教えているデザイナー教育とは、
ちょっと違うっていうのがありますね。
なので、デザイナーがデザインワークをする時に、アメリカではデザインブリーフっていうものを作るんですね。
日本語で言うと、要件定義みたいな。
こういう内容で、こういうスケジュールで、こういうゴールでやっていこうみたいなのがあるんですけど、
それがクリエイティブワークでは、ちょっと内容が結構違うスタート地点になってくるっていう、
そういった感じでありますね。
どういうスタート地点になってくるんですかね。
デザインの場合は、今抱えている課題があって、それを解決するためのゴール設定と、それに必要なスケジュールって引かれるんですけど、
クリエイティブワークの場合は、こういうアウトプットチャンネル、例えばテレビCMとか、
イベントでの展示とか、SNSのポストとか、ランディングページとか、そういうのが決められて、
そこに対して、より世の中で話題になるようなコンテンツを作ってくださいとかいう。
それ結構ざっくりになりがちなんですよね。
これって実は、日米の話そろそろしようかなと思ってたんですけど、
日本の広告であるというか広告業界では、ごく日常でやられているやり方で、日本ではすごい一般的なんですよ。
日本ではクリエイティブワークの方が世の中に昔からたくさんあったんだろうなと思ってて、
むしろいわゆるロジカルなデザインの方が最近後付けで増えてきてて、
アメリカはクリエイティブワークっていうものはあるっちゃあるんですけど、
それ以上にデザインを経営に活用するっていうことがメインストリームになっているわゆえに、
クリエイティブ系の人よりもデザイナーの方が圧倒的に多いんですね。
もう少し詳しく言うと、実は日本でよくクリエイターって言うじゃないですか。
あれ和製英語なんですよ実は。
クリエイターっていう単語自体はあるんですけど、意味合いがアメリカでクリエイターって言うと、
まず人々が聞いて想像するのは神ですね。想像無視っていう。
はいはいはい、想像主みたいな。
ザ・クリエイターみたいな感じだと想像主なので、
俺クリエイターなんだったらお前は神かって言われるっていうぐらいに、
ちょっと和製英語になってて。
っていうのは、みんな何か作るじゃないですか。文章でも何でもいいんですけど。
なので全員が言っちゃえばクリエイターだし、
でもクリエイターっていう言葉を名乗った瞬間に、
天地、天地創造したみたいな感じの、
世界を全部作ったイコール神みたいになっちゃうので、
その仕事の肩書きでクリエイターって言ってる人は基本いないんですよね。
アーティストっていうのもあるし、デザイナーっていうのもあるし、
クリエイティブディレクターっていうのもあるよね。
なんだけどクリエイターって言っちゃうと、
お前は全てを作るやつかみたいな感じになっちゃうので、
ないんですけど日本だとすごい便利な和製英語として解釈されますよね。
3Dを作る人とか映画に関係してる人とか、
ゲーム、ゲームクリエイターって呼びますよね。
ゲームクリエイター。
アメリカだとゲームデザイナーとか、
3Dアーティストとか、そういう風に言われ方が変わってくるものだったりはします。
それこそゲームなんて、解決する課題ってあんまなくないじゃないですか。
ゲームを作る会社が、
俺たちは世の中のこの課題を解決するためにゲームを作るぜっていうスタート地点じゃないと思うんですよ。
世の中に面白いものを提供しようだけじゃないですか。
確かに。めちゃくちゃわかりやすいですね。
デザイナーに、世の中に面白いものを提供したいんで何かデザインしてって言ったら固まっちゃうんですよね。
え、すいませんちょっと、ユーザーペルソナーはどうなってるんですかとか、KPI的にはどうしますかとか。
それで予算緩和とかそういうビジネス的スペックがないとデザインワークってすごくしにくいんで。
そこは特にアメリカだと、アメリカ側のデザイナーにクリエイティブ系のプロジェクトで相談した時に、
全然必要な情報集まってないじゃんっていう風になっちゃって。
で、日本側のスタッフに聞いたら、え、全然問題ないじゃないっていうわけ。
で、どうやら、これも最近学んだんですけど、日本ってデザイナー系の人ってクリエイティブワークもできて当たり前。
両立してるっていうか、両方できる人が多い。
もっと言うと、美大とかでクリエイティブワーク、いわゆる概念としては、
グラフィックデザイン、映像デザインとか、デザインとかついてるんですけど、
イラストレーションとか、3Dとか、動画編集とかもそうなんですけど、あとゲーム。
これ全部クリエイティブワークなんですけど、
それを結構アウトプットを表現していくっていうのを美大とかで教えられるんですね。
プラス、デザイン理論も学ぶみたいな。
僕の感覚だと、日本の美大出身者何名か自デザイナー日本側にいるんですけど、
6割か7割ぐらいはクリエイティブ側のことを教えられてるんですよね。
インスタレーションとか、展示会とか。
あと、いわゆるアーティスティックな作品を作るってやつ。
それは教える教授とかがそうらしくて。
僕もそうなんですけど、アメリカのデザインスクール行くと、
それ絶対ダメっていうかですね、プレゼンする時に、
俺が表現したかったのはとかって言うとめちゃくちゃ怒られるんですよ。
お前の表現はどうでもいいと。
これが課題対決に直結してるデザインであるってことをプレゼンしろみたいなこと言われるぐらいに、
エゴの、自分のこだわりとかエゴを中心に物を作り出すってことを
アメリカのデザイン学校では禁止されるんですね。
でも日本だと自己表現っていうのをある程度やらされるんで、
そういうスキルが身についたデザイナーが、
デザイナーと名乗りデザインワークをした時に、
結構頻繁にこじれるんですよね。
クライアントさんがこうやれって言ってんのに、こうしてほしいって言ってんのに、
デザイナーさんがちょっと違うものを作ってきた時に、
なんでですかって言ったら、いやこれ、僕なりにちょっとこだわってやってみましたみたいな。
いやちょっとそれは頼んでないですよ。
でもだって美大でそうやれって言われたからってなるんで。
そうなんですよ。
ここで、ちょっとアーティストって言葉出たんで、
クリエイターってアーティストに近いんですよね、むしろ。
アーティストって、ミュージシャンとか絵を描く人とかいるんですけど、
ピュアにアーティストっていうのは自分の表現したいことだけを表現する。
それに対してお金をもらって、何かしらの商業的な作品を作ると、
いわゆる世の中でクリエイターっていう役職になっていくわけじゃないですか。