書籍の売上の3つの段階
おはようございます。ライフバランス×タスク管理コーチのしろうずあつしです。この放送は、コーチ歴21年の僕が、行動科学やコーチング、そしてライフバランスやタスク管理について、仕事も生活も大切にしたい、あなたに向けてお届けする番組です。
ある有名な編集者の方が、こんな話をしていたんですよ。
本というのは、3つの段階があります。まず、役に立つ本というのがあるんですけど、これは売れても数万部だそうです。
もっと売れるというのは、やっぱり面白い本じゃないと売れない。だから、これは面白い本だと役に立つ本に比べて、役に立つ本は売れても数万部なんだけど、面白い本は数十万部のベストセラーになりますよという話をされていました。
もう一つ実は上があって、感動する本というふうになると、これは100万部を超えてくる。逆に言うと、100万部を超えるには感動する本でないと超えてこないよという話でした。
この話を聞いて、なるほどなと思ったんですけど、つまりね、人に広く共感してもらうには役に立つというだけではそんなに広がらないんですよ。面白いとか、もちろん面白いよりも感動する。少なくとも面白いというものでないと広がっていかない。
だから、そうじゃないと影響力が大きくならないというふうなことなんじゃないかなと思うんですね。
前回ね、フリーランスや独立企業で成功する人は、まだ参入者が少ないうちに始めて、それでポジションが取れた人という話をしたんですけど、だから上手くいく人っていうのは早く始めた人で、上手くいかない人っていうのは上手くいった人を真似して始めた人みたいなね、そんなお話をしたんですけど。
上手くいった人を真似して始めた人は、たぶんね、真似しようと思って上手くいった人にこんなふうに言われたと思うんですよ。今ホットなのが○○ですよ、これからは○○の時代です、今やっておきましょう、みたいなフレーズだと思うんですよ。
これね、別の言い方をすると、これからは○○が主流になりますよ、なので今のうちにやっておくとすごく役に立ちますよっていうふうな話なんですね。○○っていうのは色々あって、時代によってね。
それは昔は英会話っていうふうな時代もあったかもしれないし、しばらくするとパソコンとかね。他にも○○っていう資格とかね、色々あったと思うんですよ。
でもね、これって要するに役に立つっていうレベルなんで、役立たせたいっていう人にしか広がらないんですよ。もうちょっとはっきり言うとね、早く始めた人がやり方を教えますよっていうものが流行っているうちは役立つ以上のものは提供できてないんですよ。
つまりね、これ役に立ちますよっていうことを広げている段階ではですよ、やり方を教える以外に市場がないんですよ。やり方を教える人しか儲からないんですね。
で、それをやっていくとみんながその波に乗ってくるわけで、結果同じような人が一気に増えてあっという間に市場が崩壊してしまうというふうなことなんですね。これはもう本当に何回も何回も繰り返してきたことで、例えばコーチングなんかもね、僕が本当に20年前とか20年以上前にやった時っていうのはそういうことがあったんですよ。
まあそれね、本当にコーチングの世界というのは典型的な感じなんですけど、盛り上がっているのはコーチングを受けて成果を出した人ではなくて、コーチングを学ぶ人が増えているんですよ。だから役に立つというレベルで集まってきているんです。
だからその結果どうなるかというと、多くの人がコーチングを受ける人を探すことができずに、コーチングのやり方を教えますでしか収益化できなくなってしまうわけです。だからこれは典型的な役立つビジネスの限界ですね。
だからどうしたらいいのかっていうと、次のステージはね、面白いなんですよ。だからこの人のコーチングって面白いなぁとかですね、この人の話を聞くだけでも楽しいなっていうふうに思ってもらえるような発信をする。ここに入るとね、競合が一気に減るんですよ。
面白いものの重要性
なぜかというと役立つということは誰でも再現ができるんですけど、面白いというのはその人にしか再現できないんですよ。
例えば同じテーマを話しても話の切り口とかね、例え話のセンスだったりとか、語りの温度みたいなものが違うだけで、この人の話はもうちょっと聞きたいなとかね、面白いなっていうふうに思われると。
そうなってくるとね、もうね、スキルの差っていうこととかほとんど関係ないんですよね。もうこれ世界観の差とかね、キャラクターの差とかね、そういうふうな話になってくるわけです。
これはね、面白い小説みたいなふうに考えるといいんじゃないかなと思うんですよね。
例えば面白い小説っていうのはその作家しか書けないと思うんです。
でも面白い小説の書き方っていう本は、多分今でもあるんでしょうけど、それそんなに売れてないじゃないですか。
それよりも面白い小説、面白い作家の本のほうが売れるわけです。
だから当然小説の書き方、教室とかがどっかにあるような気がしますけど、その教室よりもね、面白い小説を書いたほうが圧倒的に儲かるわけですよ。
だからつまりそれは面白いものが売れていくっていう市場が広がってるわけです。
その分野がね、小説はすでに小説の書き方を教えるよりも面白い小説を書いたほうが絶対に儲かる、売れる、広がるっていうふうな市場ができてるんですけど、
でもその分野がまだ役立つっていうレベルで止まってる限り市場が広がらないんですよ。
その市場は役立たせたいっていう人しか集まらないので、いつまで経ってもやり方を教える人しか儲からない、そういう構造になってます。
だからね、例えばあなたの市場で本当にお客様を増やしたいというのであれば、面白いもの、楽しいものっていうのを提供しないといけないです。
これ本当に強調しておきますね。面白いとか楽しいって思われるものを提供しないと、いつまでも結局やり方を教えるスクール的なビジネスしかできないです。
だからそれは先行している人がただただ儲かる、そしてそれはいつかは枯渇する、いつかはそういう人たちが減ってくる、そういうふうになります。
これはいろんな業界とかいろんな時代に何回も何回も起こってきたことなんですよ。
もちろん小説でもいいし、映画でも漫画でもゲームでもドラマでも何でもいいんですけど、とにかく面白いものを作るっていうのは確かに大変なんですよ。
面白いものを楽しめるものっていうのは要するに世の中の人が言っている付加価値なんですよね。
だからそこに魅力が出てくる。役立つっていうふうなものっていうのは価値ではなくて機能なんですよ。
だからそれは結局のところ、誰でもそれは置き換え可能なので、手に入れるときはできるだけみんな簡単に安く手に入れたいっていうふうに思ってしまうんですよ。
だから結局それを広めている人、これは役立つよというふうなことを教えている人っていうのが増えれば増えるほどどんどん価値は下がってくるんですよ。
いずれはそれはコモディティ化、つまり日常品化してすぐに誰でも手に入るので簡単なものになってしまう、安いものになってしまう。
でも面白いものっていうのはその人にしかないじゃないですか。だからみんな映画館に行って映画を見たり、本を買って本を読んだり、漫画を見たり、わざわざお金を払ってそれを見に行きたいっていうふうに思うんですよね。
だから面白いもの、楽しいものっていうのは知恵を絞って提供するように考えてみましょう。それがあなたのポジションになると思います。
今日は役に立つという市場は限界があるという話でした。いかがだったでしょうか。
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はい、本日は以上です。最後まで聞いてくださってありがとうございます。お相手は白渦厚瀬でした。では、いってらっしゃい。