組織開発の基本概念
おはようございます。ライフバランスXタスク管理コーチのしろうず厚司です。この放送は、コーチ歴21年の僕が、行動科学やコーチング、そしてライフバランスやタスク管理について、仕事も生活も大切にしたい、あなたに向けてお届けする番組です。
ここ最近、組織開発について、いろいろお話をしてきたんですけれども、最初にちょうどお金の話をして、それから人の話をして、自走するというか、どうやったら自律的に組織が動いていくかみたいな話をしてきたんですけど、
今日その流れの中で、組織開発を考えるときに、混同されやすいポイントがあるんですけど、それについてお話をしたいなというふうに思っています。
例えば僕のところに依頼があるのは、会社とか部門とかチームとかを良くしてくださいというふうな、大雑把に言うとそういうふうな依頼なわけですけれども、これって2つに分かれるんですよ。
1つは組織そのもののパフォーマンスを上げてくださいということなんですけど、実はこれ依頼っていうのはあまり多くないんですよ。不思議でしょ。会社とかチームを良くしてくださいっていうのに、組織とか組織そのもののパフォーマンスを上げてほしいっていう依頼っていうのは実はそれほど多くないんです。
一番多いのは社長なり会社なりあるいはリーダーなりの言うことをよく聞く組織にしてくださいっていうふうなことなんです。もちろんそんなふうに依頼はないんですよ。良くしてくださいって言うんですけど、良くしてくださいっていう中身をずっとよく聞いてると、要は会社の言うことをよく聞く組織にしてくださいっていうふうなことなんですよ。
この2つって同じ顔をして現れるんですけど、どっちも組織を良くしたいっていうふうなことのように見えてるんですけど、やってることも目指してる結果も全然180度違うと言ってもいいです。だからこれが混同されているのでわけのわからない話によくなってるんですよ。
自分の言うことを聞かせたいのか、組織の能力を上げたいのかっていうふうなことってそのまま個人の1対1の関わり合いでも起こることなんですよね。
よくあるのが、お客さんのためですって言いながら要するに自分の言ってるやり方を相手にそのままできるだけやってほしいと思っているコンサルタントだったりとか、あるいはコーチだったりとかね。
もっと言えば例えば親子関係だったり、あるいは夫婦関係とかパートナーとかの関係で、自分の言うことをいかに聞いてもらうかというふうなコミュニケーションをとるにはどうしたらいいですかっていうふうな話だったり。
あるいは相手の言うことをうまく聞いているふりをして、そして自分の言ってることを相手に全面的に認めさせるにはどうしたらいいかっていう、それがいいコミュニケーションだというふうに思っているケースってあるんですよ。
だからちょっと似てるんですけど、似たような顔して現れるんですけど全然別のものなんですよね。
正直に言うと、実は人に言うことを聞かせる方法っていうのはあります。
人に言うことを聞かせる方法のふりをして組織のパフォーマンスを上げる方法として伝えてるっていうふうに混同しているコンサルタントとかコーチとかね、あるいは研修講師とかそういう人たちっていうのはものすごくたくさんいます。
だからなんかわけがわからなくなってるんですよ。言うことを聞かせるっていうふうなことをやってみる、あるいはやると、実はこれね、短期的には成果が出ることがあります。結構あります。
でもね、それね、やればやるほどね、ある種の麻薬とかね、そういうふうなもので、どんどんどんどんね、組織のパワーが下がっていくんですよ。
言ってみたら、今の状態で借金をしているような形になってくるんですよね。
ものすごくわかりやすく言うと、例えば社長の言うことをよく聞く会社、あるいはリーダーの言うことをよく聞くチームっていうふうにするっていうのは、それは言ってみたらそのメンバーの人たち、社員の人たちは社長とかリーダーの劣化コピーを作っているような状況なんですよ。
だからね、もちろん親子関係で言えば、親の劣化コピーを子供に、子供を作ろうとしているっていうふうな、そういうふうな状態になるんですね。
じゃあね、パフォーマンスを上げるためにはどうしたらいいか。組織のパフォーマンスを上げる、例えば相手のパフォーマンスを上げるっていうのはどうするかっていうと、要するにそこにいる人の能力を引き出すんですけども、
制約の重要性
それをやるためには具体的にどうしたらいいかっていうと、細かく指示することではなくて、制約をある程度決めて、その制約の中でどういうふうにその人たちが能力を発揮できるかっていう条件を整えるってことなんですよね。
制約を決めるっていうところが一つ大きなポイントなんですけど、これね、よく誤解されるんですけどね。
じゃあまず最初にどういうふうな例があるのかっていうのを説明した方が分かりやすいんで、ちょっとそういうふうにお話しますけど、制約を決めるっていうのはどういうことかというと、
例えばね、予算はいくらですと、納期はいつまでですって、あとディスカウントはもう絶対になしという条件で、それで企画を作ってくださいっていうふうな、
言ったら守らないといけないことだけを伝えて、そしてこれだけは必ず守ってくれと。で、この条件で、そしてこの企画を立ててくれみたいな話をするわけです。
これがね、ミニマルな制約の形なんですね。で、こういうふうな形で言うと、相手だったりチームだったりっていうのは、じゃあその中でどうしようかっていうふうなことを考えられるわけです。
時々ね、あるのがね、これね実際にあるんですけど、そういうことで公言する人ってもう本当にね、どうかしてるんじゃないかというふうに僕は思うんですけど、
うちにはね、一切マニュアルがありません。自分で考えてやってくださいっていう会社とかね、今のときあるんですよ、本当に。
これってね、親はね、一切子供に対してね、何をやってもいいよって言ってるようなもんなんですよ。
何をやってもいいって言ってるのは、これは例えば法律を侵そうが他人に迷惑をかけようが、
そういうことでもいいから、自由にやってやっていいよって親子関係で言うようなもんで、そんなことないんですよ。
当然、親子関係で自由にやっていいよって子供に対してですよ、自由にやっていいよっていうふうに言った場合に、いくつかの制約が当然あるわけですよ。
例えば人に迷惑をかけなければとか、あるいは法律に違反するようなことは絶対ダメだとか、あるいは人の道に反するようなことをしなければ、
どのように過ごしてもいいよと勉強をやってもいいし、スポーツをやってもいいし、好きなゲームを思いっきりやるのもいい。
ただし人に迷惑をかけたらダメよとか、そういうふうな制約を設けるっていうのがリーダーだったり、親だったり、あるいは社長だったりっていうのの仕事なんですよね。
だから判断基準っていうのをちゃんと伝えてあげるっていうのが、これはリーダーの仕事なんで、それをやってない、
例えばうちは完全に自分で考えて自分で行動してください、マニュアルなんか一切ありませんみたいなのっていうのは、
これはリーダーの役割を放棄しているので、そういうことを大きな声で言っているのはめちゃくちゃ恥ずかしい。
自分はめちゃくちゃ無能だって言っているようなものです。だからこれはダメなんですよ。
でね、また悪い例っていうのはね、制約をね、例えばさっきみたいにね、
納期がいつです、予算がいつです、そしてディスカウントなしで企画を考えようと言ってきて、
パフォーマンスを上げるマネジメントの考え方
じゃあ企画考えましたみたいな形で、完成した後に、ああ、あとこれもダメだねっていうね、
終わった後にね、これもやっぱりダメだったみたいなことを言うのって、これね、だったらもう任せない方がいいです。
最初からこういうふうにやってくれって指示してくれっていうふうに思います。
もっともね、優秀な部下であればね、上司がそういうポンコツだってわかりますね。
逐次、これは大丈夫ですかね、これはいいですかねっていちいち聞きに来ると思いますんでね。
もしかすると優秀な部下がですね、あなたにいちいちこれはどうですか、これは大丈夫でしょうかっていうふうに聞きに来ているということは、
もしかするとあなた自身のことをあまり評価していない部下なのかもしれないです。
まあこれね、親子関係でもそうですね、パートナー関係でもそういうのがあると思います。
あのね、言うことを聞かせるマネジメントとパフォーマンスを上げるマネジメントっていうのは混同しないっていうのはね、
今日僕が伝えたいことなんですけども、これってね、パフォーマンスを上げるマネジメントって、
少なくともね、僕は経験上ね、その人自身がパフォーマンスを上げるマネジメントっていうことを経験してないと実感としてね、やっぱりわからないんですよ。
で、そういうふうなやり方をして任せられたっていうふうな経験がある人って意外と少ないんですよ。
だから言ってみたらこういう制約があります。じゃあこの中で最も良いパフォーマンスを上げてくださいっていうふうな時に、
それができる人ってやっぱり優秀な人なんじゃないかなというふうに思いますね。
大抵の人は逆にね、制約を作ったりとかね、あるいはルールを決めてほしいとか言ったりするんですよ。
ちょっとね、これじゃ動けないのでもう少し条件をしっかり言ってくださいみたいなことを言ったりするんですけど、
それは言ってみたら、あなたのコピーになろうとしているんだけれども、そのコピーになる条件がよくわからないのでもうちょっと教えてくださいって言ってるようなもんで、
それはね、言ってみたら自ら劣化コピーになりに行くっていうふうなことだということにやっぱり気づく必要があると思いますよね。
パフォーマンスを上げるマネジメントっていうのは、やっぱり自分自身がその経験をしてないとなかなか実感できないので、
なのでですね、そういう経験がない人にとっては、例えば僕はコーチングとかやってますけど、
コーチとかね、あるいはコンサルタントでもいいですし、あるいは研修講師でもいいですけど、
そういう人っていうのはそういう経験を相手にしてもらう、初めての経験をしてもらうっていうふうなことをゴールにするっていうことがよくあります。
これはね、このニーズっていうのは潜在的にすごく大きいですね。
だからね、実際に組織開発の仕事をするっていうふうな時に、一番最初に立ち上がってくることっていうのは、
言うことを聞かせることとパフォーマンスを上げるっていうことは、これは違うんだよっていうことを理解して、
じゃあパフォーマンスを上げるためにはどうしたらいいかっていうことを、どちらかというと、
それを最初にお手本を見せてあげるっていうふうなところから始めないと始まらないっていうことは、
現実的には最初にやらないといけないこととしてあるんじゃないかなっていうふうに思います。
そういうふうに考えてやっていただけると、すごくやっていく順番がクリアになるんじゃないかなというふうに思います。
実はね、パフォーマンスを上げますよというふうな顔をしてね、実は相手のことを考えていなくて、
自分の言うことを聞かせたいというだけだというケースがすごく多いんでね、
ここの違いっていうのをよく見ておいてくださいっていうふうな話でした。
実際のマネジメントの実情
はい、今日はですね、実は相手のことなど考えていないって話でした。いかがだったでしょうか。
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はい、本日は以上です。最後まで聞いてくださってありがとうございます。
お相手は白鶴敦史でした。では、いってらっしゃい。