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上田昌文
科学技術に市民の思いを生かして、より良い世界を作りたい、そういうことです。
高見知英
NPO法人まちづくりエージェントSIDE BEACH CITY.のポッドキャスト番組、 SBCast.です。
この番組は様々なステージで地域活動、コミュニティ活動をされている皆様の活動を紹介、活動のきっかけや思いを伺うポッドキャスト番組です。
進行を務めますのは、私、SIDE BEACH CITY.にてDX推進サポートなどの活動を行う高見知英です。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは今回のゲストは、市民科学研究室の 上田昌文 さんでございます。
上田さんどうぞよろしくお願いいたします。
上田昌文
よろしくお願いいたします。
高見知英
よろしくお願いいたします。それではまず簡単にではございまして、自己紹介からお願いできますでしょうか。
上田昌文
私は今紹介いただいたNPOの代表理事を務めておりますけれども、この団体を設立したのは随分前なんですね。
個人的な勉強会からスタートしまして、個人化したのは2005年の3月です。
それでその勉強会をどうしてスタートしたかということなんですけれども、私自身は大学で生物学を専攻しておりまして、生物学者になりたいということでずっとやってたんですけれども、
学生時代にチェルノブイリ原発事故というのに遭遇しまして、それが世界に巨大な影響を与えるということを知った中でですね、大学の中にいるだけではどうかなという感じがありまして、
一旦ちょっと外に出てみようという感じになりまして、そしていろんな勉強を始めて、いろんな市民活動とも関わりをつくってですね、しばらくやってきたんですね。
そういう中で自分がいろいろ学んだことを少し周りに伝えることができないかなということで、勉強会を組織しました。
上田昌文
そうするといろんな関係で知り合うことになった方たちが参加してくださって、そういう中でだんだんだんだん一緒に活動することができるのではないかなという人たちが増えてきました。
で、そういう人たちと一緒に今度はただ単にお話を聞くという形だけではなくてですね、自分たちで調べてみようじゃないかというふうにだんだんだんだん移行するようになりました。
それで研究グループができてですね、そして会員を募るという会員制度を取って、少し組織の形が体をなしてきてですね、それでいよいよ2000年に近づいた段階で、これは事務所も持って活動することができるんじゃないかなということでスタートしました。
で、そういう調査研究とそれから市民向けの講座ということで活動の柱を組み立てているわけですけれども、会費だけではなかなか足りないだということで私たちはいろんな研究助成を取るということを手掛けてきたんですけれども、ちょうど法人化するきっかけになったのは2005年だったんですけれども、科学技術振興機構という国の科学技術研究予算の配分するための機関があるわけですね。
そこでいろんな科学と社会に関連する大きなお金を出すプロジェクトがありまして、それに幸い採択されたということがあって、そのためにはお金を受け取るには法人でなければならないという規約があったものですから、慌てて法人化してですね、それで立ち上がったのが2005年です。
その前にすでに市民化研究室という名前は2003年から使っていた名称になるんですけれども、大体出発時点で会員の数が百数十名、現在は二百数十名ぐらいいますけれども、その規模でずっとやってきています。
いろんな研究会が私たちの組織の中にはありまして、それは全て参加する、入ってきた市民の方が自分でこういうことを調べてみたいとか、地域でこういう問題を抱えているので、何とかそれを解決したいので、そのための学習とか調査とかを周りの人と一緒に手を組んでやりたいという、そういうところから出発している研究会ばかりなんですね。
従いまして、私たちの活動を一言で表現しますと、市民が自分で何か問題解決をしたいと、そういう問題に直面した時に、それが科学とか技術に関わってかなり専門性が高いようなことを何とか克服していかなきゃいけない時に、一人では非常に大変ですので、みんなで力を合わせて勉強しながら、
そういうものを市民自身が調べて、そして周りに役に立つ情報を発信したりとか、それから場合によっては政府や企業などと交渉しながら、状況をより良くしていくということをやっている、そういうNPOだというふうに言えると思います。
高見知英
個人的な勉強会からスタートして、自分でいろんなものを調べてみようということで、どんどん規模が大きくなってNPO法人化。
その時点でもう百数十名の参加者がいたということなんですね。すごい大規模な団体なんですね。
上田昌文
私たち本当は今言いましたように専門的なことも扱うんですけれども、そういうことを本格的にやっていこうとすると、いろんな人の支援が必要になるのと同時に、それをもっと社会に波及するためには、いろんな人にそれを知ってもらうということも必要になるんですね。
ですから、会員さんといっても全員が全員そんな研究会に入っているわけでもないですし、それから、ちょっと言い方は悪いですけれども、年に1回会費を送ってくれるということで、あとはほとんどコンタクトを取れないと言いますかね、積極的にはかかってもらわない人も少なくはないので、核になっている人たちというのはやっぱり数十人という感じなんですよ。
私たちへの希望としては、例えばこのNPOで専従で食べていけるというのは今のところ私一人なんですね。それで後でちょっと言いたいと思いますけれども、実際こういうNPO活動で専門のスタッフをおいてですね、それで専属で本当にそれで食べていけるという人を数人作るには少なくとも1000人規模の会員がいないと厳しいというふうに私は考えていまして、そういう意味ではまだ全然小さいんですね。
そういう思いはあります。
高見知英
いやいや本当に規模というか思いがすごい大きい団体だなと思います。
やはりなかなかそういう思いを持っていても、じゃあそこまで数千人規模までいけるっていうふうに心を持って頑張ろうっていうふうにやってらっしゃる団体は多分そう多くないところではあると思います。
そしてやっぱりそういう思いを持って勉強会をつくってやっていこうっていう思い、
もちろん考えよう場所っていうのが今多くない事件上ではありますので、やっぱりそういうのが必要だよねっていうのはありつつも、それを実現されているっていうのは、
こちら以前お話を図書館総合展という場所で伺いましたけれども、そのときもここまでやってるところがあるんだっていうような驚きを感じていました。
上田昌文
ありがとうございます。
私たちは今言いましたように本当にただの市民が集まってということになりますけれども、一番肝心なのは自分が今直面している問題が何かそれを何とかしたいというそういう思いなんですね。
その思いが持っている方が一人でも二人でも集まってくれば今言ったように勉強しながら市民なりに調べることができるというそういう経験を繰り返してきているわけです。
ただですね、ものによっては本当にこんなことまで勉強しなきゃいけないのかみたいなことが出てくるわけですね。
そうしたときにやっぱりくじけてしまうとか、やっぱり専門家のサポートがないと難しいとか、それこそ図書館とかですね、含めていろんな資料の調べ方をあらかじめ知ってないと歯が立たないみたいなことが結構起こるわけですね。
そういうときにどうやったらいいかということをずっとやっぱり悩んで考えてきたってことがありますので、例えばこの間の図書館総合展なんかでですね、調べ方、自分で調べる技術という本を岩上新書で書いたんですけども、そういう中身をもっと市民の方に普通に使っていただいて、
実は専門的なことというのも大人になってから勉強するって皆さんあんまり抵抗あるって言いますか、ピンとこないところあるかもしれませんけど、実はやってみたら楽しいし、そのやり方を身につければいろんなことに自分が関わっていけるしということで随分世界が広がるってことがあると思うんですよね。
ですからそういう意味でただ単に偉い先生の話を聞くだけじゃなくて、自分の解決したいことにターゲットを絞って勉強して本当に解決するんだってところに、そういう主体的な動き方ですね。
そういうあり方が私は市民の求められるあり方なんじゃないかなっていう気がしてるんですね。
高見知英
本当にそうだなと思います。
やっぱり自分自身で考えるっていうのはいつどんな年齢になっても重要なことで、
ただ一人だけで考えようと思って考えようと思うとどこかで行き詰まりになってしまうことが非常に多い。
だからこそ周りの人と一緒に考え続けていくっていうことがすごく重要なんですが、
じゃあ大人になったその段階でそういうような輪を作れるかっていうとなかなか難しくて、
だからこそそういうような補助ができる団体があると非常に助かるなって思います。
上田昌文
そうですね。
上田昌文
それともう一つそういうことを続けていくのに大事なことは、
やっぱり集まって楽しいっていう雰囲気がないと続かないんですよね。
幸いなことに、こういう市民科学って何だろうと、はっきり言って定義は難しいんですけれども、
はっきりした定義はないと言っていいんですけれども、
そういうところにちょっと興味があって面白そうだなって入ってくる人っていうのは、
それなりにもともと好奇心強いっていうか、いろいろ関心を持っている人が多いんですよね。
そうするといろんな人が集まってくるってことがあって、
その人で例えば最近言った研究会とか、それからプロジェクトのチームを作ったりして、
集まってみると、ああこういう人いるんだっていうことで、非常に新鮮に感じていただけるって言いますかね、
そういう部分で、好奇心が持続していけるって言いますかね、
そういう楽しさがあるんじゃないかなと思うんですね。
つまり一言で言うと、私たちは子どもの時代は家庭と学校の行き来でほとんどの時間を過ぎ取られます。
それから大人になって今度は就職すると、会社と自分の持った家庭での行き来でほとんどが時間が占められますよね。
そうすると地域の活動とか、それから会社や家庭を離れた大人同士の繋がった活動とかっていうのは、
ほとんど私たちは経験しないで過ごしていることが多いんじゃないかなと思うんですよね。
だけどもちょっと目を広げると、例えば自然を守る活動とかですね、
それから昔からずっと続いている街の歴史的な景観物をもっとちゃんと守っていこうとかね、
それからいろんな、それこそ私が今取り組んでいる問題なんかで言うと、
新たな開発が自分の地元に押し寄せてきて、これで街が本当に大丈夫なんだろうかってことになった時に、
やっぱりその地元の人の繋がりとか、地元の人でお互いどういう街を作っていきたいかってことが、
自分が街作りの主体なんだみたいな気持ちがないと対処できないんですよね。
ということは何を意味するかっていうと、会社と家庭、それから学校と家庭の行き来だけでは、
行き来でもし世界が完結しているとすると、対処できないということになっちゃうということだと思うんですよね。
ですからそういう意味では、こういう今言ったようなものをね、
つまり全く今まで付き合いのなかった、自分の仕事との繋がりもなかった大人なんだけども、
知り合う機会があって、自分と共通の関心があって、一緒に何かをやっていけるという場があるっていう、
そのことの意味は非常に私は今の社会では大きいなというふうに思ってるんですね。
高見知英
本当にそうですよね。
だからやっぱりお隣の職場に行くと結構話が合う人って実はいるんだけどもっていうようなことが結構あって、
やっぱりそういうようなときに出会う場っていうのはすごく必要にはなるんですが、
いかんせん出会う場っていうのが仕事以外の場から失われてしまっているなっていうふうに感じるところはすごくあると思うんです。
そして仕事と地域の課題と結びつけば案外できることってたくさんあるはずなのに、
それもその2つのコミュニティがなかなか時間帯的な面でも合わないので、
結局そのまま進んでいっても地域の人たちってお年寄りとかそういう人たちってやるもんじゃないの?みたいに思われてしまう、
そんな節はある。でもそれは実は全然違ってて、
今仕事場で行われていることと地域のことがつながればそれだけで解決できることってものすごくたくさんあるし、
そういうものを見つけていくためにも地域の人と仕事をしている人とがもっともっと関わることっていうのは必要だよねっていうふうにはとても.
上田昌文
本当そうですよね。だから私たちNPOはある意味地域ということに関連して言えば、
あなたの周りにこういう問題があるでしょ?それはあなたが今まで手掛けてきたことをちょっとうまく応用して関わってくだされば何とかなるかもしれませんよという、
なんかそういうつなぎの役割って言いますかね?そういうところになっているような気もしますね。
高見知英
そうですね。本当にそのようなつなげる役割の団体っていうのが今必要とされているんだろうなというふうには思いますね。
上田昌文
例えば具体的な例で言いますと、ここ4年間1つ助成金をもらいつつ本格的に取り組んでいる仕事があるんですけれども、
ちょっと皆さんにとってみればこういう問題っていうのは社会的に利害対立みたいなのが起こっているシビアな問題かなというふうに見えるかもしれませんが、
皆さんご存知ですよね?例えば今年の初めの方に埼玉県の八王子で大きな道路の陥没が起こりましたよね?
それで今それをずっと引き継いでいますよね?そのようにいろんなインフラの老朽化とか地下で大きなトンネルを掘ったときに地上部に大きな影響が出てくるみたいなことが起こりますよね?
私たちが今取り組んでいるものの1つは、2020年に東京の調布市で起こってしまった地下の外環道を作るためのトンネル工事によって陥没が起こったんですね。
地域が今ほとんどもうトンネル直上地域っていうのはすべて立ち退きをさせられて、コンクリートを流し込んでガチガチに地面を固めて工事を再開するというふうに、
事業者の方は向かっているんですけども、本当にそういう中で地域の人たちがどういう被害を被っているのかみたいなことは、
実はですね、皆さん聞かれたら驚くと思いますけども、事業者そのものもそれからこういう事業を進めている国土交通省もそして自治体も積極的に調べようとしないんですね。
そうすると住民の方たちは散り散りばらばらになってしまって、一体何が起こっているのか、今後何を注意しなきゃいけないのかということに関して、
住民の意思とか意見とかということが反映されないということになるわけです。
それはやっぱりよろしくないだろうということで、私たちは2021年からこの問題に取り組んで、しかも住民の方と一緒に調査研究グループを作って今やってるんですね。
それが今、リニア中央新幹線の問題とか、それからいろんなトンネル工事の問題とか、いろんなことにつながることがわかってきまして、
本当に地域を超えたですね、住民のつながりということで、私たちは調べたデータも使ってもらいつつですね、
もうちょっと日本のこれからの地下空間の開発みたいなことに関しての軌道修正って言いますかね、そういうものもしていく必要があるぞということを訴えていこうかなと思っているんですけども、
それが少しずつ、市民が手を結ぶことによって前進しつつあるって言いますかね、そういうところに力を貸している仕事があるんですね。
ですからそういうことっていうのは、本当に専門家任せではうまくいかないことがありますので、そういう意味では市民が多少の勉強しつつ手をつなげて、
自分たちも必要だったら調べていくんだということをやることが非常に意義があるということなんですね。
高見知英
やはり専門で仕事をされてる方とはやっぱり視点が違いますからね。
だから業者の方々の視点からすると、確かにこれは合理的なんだけども、実は合理性の後ろに犠牲になってるものがたくさんあったりするかもしれないので、
それは市民の視点から見ないといけないっていうところがありますし、そういう視点を持っている団体が必要になるところがありますよね。
上田昌文
はい。そのとおりですよ。
高見知英
こういうような活動をいろいろ行っていて、ここはどうにかできないかなという課題を感じていらっしゃることは、
特にそういう地域に実際に調べたものについてより団体として何か課題を感じていらっしゃることってあるんでしょうか。
上田昌文
はい。先ほど高見さんがちらっとおっしゃいました、こういう活動っていうのは仕事を離れて暇になったって言いますか、
高齢者のことだよとかね、いう話がちらっと出ましたが、実は私たちの会員さんも調査のメンバーも含めて、
高齢化っていうことが避けられません。
すなわち現役バリバリの方っていうのはほとんど入ってこないんですね。
それからもう一つ悩みは若い方です。
実は私たちはいろんな講座を開いていたりとか、それから若い人向けにも含めてですね、
動画を作って発信したりとか、それなりに積極的にやってるつもりなんですけども、
私たちの今いった提供できる場というのはですね、
例えば土曜日だったら事務所を全く開放して、誰がいつ来てもいいよと、
上田昌文
いろんな科学や社会に関わる本も、あるいは動画のいろんな資料も自由に見ていただいていいですよとしてるんですけれども、
若い人はなかなか寄ってきません。
それは何か理由があると思うんですよね。
それから高齢の方はもちろんですよ、
本当に現役の時はエンジニアとして活躍したがゆえに、そういうノウハウを生かして、
本当に素晴らしい活躍している方も何人もいらっしゃるんですね。
そういう方はもちろんありがたいんですけれども、
やはりですね、40代、50代ぐらいで、
それこそですね、地域の中核になって動いてくれそうな人、
そういう人がやっぱりこういうね、
私たちのような多少専門性のある調査活動をしているところに、
もう少し関わっていただけたら本当にいいのになと思ってるんですが、
それが叶わないんですね.
そういう難しさがあります。
高見知英
やはりNPOに関わる若い方って結構いたりはしますけれども、
それも結構分野が偏っていて、
どちらかというと科学的とか理系分野ではない分野のコミュニティに関わるということが非常に多いなっていう感覚はあります。
やっぱりそうではなくて、どんどん理系分野ですとか、
例えば自分たちのITテクノロジー分野で関わっている人にも、
たぶん全く興味がないわけではないはずなので、
そういうようなものをやりたいって言って活動されてる学生さんとかもいらっしゃいますし、
そういうようなことをやってらっしゃる方が応援する団体も非常に多くありますので、
そういうところに関わっている人もいる中、
どうやったらそういうような人が、
ちょっと片手前でもいいからこっちちょっと見てみないとか、
そういうふうに声かけられるのかっていうのは、
やはり結構いろんなところで出てきている課題なのかなっていうふうに思います。
上田昌文
そういうこともあって、私3年ぐらい前から私たち市民科学と名乗ってるんですけども、
言ってみればそういうものを本格的に担う人は、
大学や企業に身を置いてはいないかもしれないけれども、
ある種の科学者だというふうに考えてるんですね。
それを市民科学者と呼んでるわけです。
その市民科学者というものを作っていくにはどうしたらいいかなというふうに考えて、
最近言いました岩波新書も書かせていただいたんですけども、
そういう中で、若い人だったら、もしやってみたいという人がいるんだったら、
いわばインターンシップという形で、
私たちがそういう若い人たちの育成を引き受けて、
いろんなことを学んでいただくという形を取れるようにしてきてるんですね。
図書館総合展なんかで示しました、
自分で調べる技術ワークショップというのは、
今まで数ヶ所でやりましたけれども、
それこそ、大学生にとってみれば、
これから卒業論文書かなきゃいけない、
修士論文書かなきゃいけないという時に、
じゃあこの1年間でどういう計画立てて、
どういう調べ方して、
どういう論文まとめていったらいいんだということを、
やはり集中的に、
そのやり方を少し、
ワークショップという形で学んでいただく、
そういう機会も作ってるんですね。
ですので、若い人がそういうところに少し、
初め、自分にとってはあまり馴染みのないところに足を踏み込んで、
どうなんだろうかと思われるかもしれませんけど、
思い切って参加していただければ、
そういうところ辺で、
おそらくすぐにその人の学んでいる環境にとって、
使えるようなノウハウを提供できるんじゃないかなと思ってまして、
そういうことを今始めてはいるんですね。
高見知英
そうですね.
やっぱりそういうところにもっといろんな人関わると、
高見知英
結構実際に見てみると面白いこととか、
イメージが興味深いなって思うことがたくさんあるんじゃないのかなと思いますので、
いかにそういうような魅力を押し出していくのかっていうところを狙いますね.
やっぱり自分自身本当にいろんな団体のお話を伺っていますけども、
上田昌文
年齢の幅があることっていうのが一番大きなメリットなのかなと思います。
それは本当にそうでしょうな。
高見知英
高齢者の方だけでも良くないし、
若い方だけでも良くないし、
本当にいろんな世代の方がいることによって、
いろんな世代の方がいることによって、
若い人の知見が高齢者に伝わるとか、
高齢者のノウハウが若い人に伝わるとか、
そういうようないろんな知の情報交換が成り立っていくと思いますので、
やっぱりそういうものがもっともっと欲しいなと.
そのためにはいろんな世代の人が同じ場所に集まるっていうのが必要だなと思います。
特に今AIなどのツールもあって、
本当にいろんな情報の入手の仕方っていうのができるんだから、
そういうものって、
伴走する人はやっぱり人間でなければいけないのかなっていうところがあるので、
知の伴走をする人に、
自分とは全然違う世代の人が入ること、
そしてそれができれば本当に学校の生成AIとかそうじゃないような人たちが入ることっていうのが重要なのかな、
じゃあそのためにはどうすればいいのかなっていうのは、
とてもやっぱり自分も考えているところではありますね。
上田昌文
うーん、 なるほど、 なるほど.
そうですね、 そのAIなんかについてもね、
例えば、 図書館総合展も絡みますけれども、
私、 先月かな、
実は図書館司書の方を対象に、
最近言った自分で調べる技術ワークショップをやったんですね。
その時に師匠の方から、
私は多分そうだろうなと思っていたんですけども、
おそらく今非常に大きな課題として抱えているのは、
AIをどんなふうに使っていくかという問題だったんです。
それで、 極端なことを言うと、
AIが発達したら図書館司書なんていらないんじゃないかな、
レファレンスはもうAIに頼れば全部できるんじゃないかな、
みたいなことになりがちですよね。
ところが、 実際の図書館司書の業務の内容でですね、
どんなことで悩みがありましたかとか、
どんなことが大変でしたかってことをお互い意見交換したんですけど、
そうするとですね、
こういう問題はAIを使っても到底できそうにないなとかね、
AIを使うにしても、
人間がそこにうまくサポートしないと、
これはユーザーの方、
つまり利用者の側にちゃんと伝わらないなとか、
いくらでもそういう問題があるということが見えてきたんですね。
というわけで、
やはりね、
そのITの使い方なんかに関しても、
若い人はスマホがバンバン高齢者に比べて使えるからということで、
何か問題がね、
若い人はそれでも大丈夫なんだみたいに、
実は思えるかもしれませんけど、
そうじゃなくてっていうことがあると思うんですよね。
ですからそういう意味で、
いろんな経験を持った人とが、
そのIT、AIの使い方を、
どういうところらへんでこうね、
今悩みを持ったりとか、
打開しようとしてるのかっていうあたりも、
若い人に見てほしいなというのもありますね。
高見知英
そうですね.
やっぱりあの、
ここ最近スマートフォンになって、
昔は例えばそれがパソコンだったり、
大型コンピューターだったりだったのも、
それはどんどんパソコンのモニターになって、
タブレットになって、
スマートフォンになって、
どんどん小型化していく中で、
他の人が他の人の作業風景を見るっていうことが、
どんどん減ってしまったなって.
上田昌文
確かに.
高見知英
例えば自分が昔、
地域のコミュニティスペースで、
パソコンの作業をお手伝いしてたときに、
例えばExcelの隣の右の左のセルにあった内容を、
右に書き写したときに、
コピーペーストの作業をやってたときに、
え?どうしてそういうことをやったの?
今何をやったの?って言われて、
知らなかったんですよね、地域の方は、
コピーペーストっていう手順すら知らないことも多い.
でもそういうことを見て、
相手の操作を見て覚えるってことが、
パソコンだとできるんですよね.
ただスマートフォンだと、
なかなか相手のスマートフォンを覗き見るってことは、
やっぱりプライバシー的な意味でもあまりやらないので、
そうするとどんどん、
この人がどういう操作をしているのかとか、
この人がAIにどういうプロンプトを投げているのかとか、
そういうのが全然わからなくなってしまう.
上田昌文
なるほど.
高見知英
そうするとどんどん他の人の真似がしづらくなって、
勉強もして、成長もしづらくなっていくなっていうのがある.
じゃあそれをどうやって補うかっていうところは、
高見知英
すごく課題になってくるのかなっていうふうには.
上田昌文
全くそうだと思いますね.
私はもう一つの例で、
これはなかなか自分にとっても興味深い話なんですけれども、
何かといいますと、
実は視覚障害を持った方たちをどういうふうにして、
例えば図書が読めるようにしていくかということで、
点字図書館ってありますよね.
その点字図書館で働いている職員の方から、
岩上新書のきっかけにリクエストをいただいて、
講演する機会があったんです.
そのときに、皆さん想像できると思いますけれども、
実は点字に直していく、
それから音訳していくというときに、
一番最初の出発点に大事なのは、
正しい読み方ですね.
つまりひらがなに直したときにどう読むかということの読み方が、
確定できないといけないんですね.
その確定するには、
日本語ってものすごく古い文献を扱ったりとか、
それからいろんな方言なんかとか、
固有名詞の難しさ、読み方の難しさもありますから、
確定するのが大変なんです.
そういうものをきちんとやるためには、
どういうふうに調べ込んだらいいかということを、
ちょっと教えてほしいということで、
リクエストを受けて講演したんですね.
講演をして、
北九州市私立点字図書館の方たちだったんですけれども、
その方たちとやり取りしている中で、
実は今、
転訳音訳の世界で、
自動転訳、自動音訳とか、
要するにAIを使ってとか、
ITを使って、
新たな局面が見えてきてるといいますか、
進んできてるんですね.
ところが、そういうことが、
例えば職員の方、
そして、資格障害を持った方、
それぞれに、
じゃあどういうものを提供して、どんなふうに使っていったら、
本当にメリットが生まれるの?
というあたりに関しては、
詰められてないんですね、そんなに.
それと、各いろんな、
全国いろんな点字図書館がありますけれども、
みんながみんな足を揃えて、
足並み揃えて、そういうことに取り組んでいるわけでも、
なんでもないということで、
非常にバラツキ感が大きかったんですね.
そういうことを、本格的に調査をして、
それで、みんながね、
意見交換しながら、
AIやITをうまく使っていけるという環境を、
これから作っていきましょうということで、
新しい研究会を立ち上げたんです.
高見知英
実は.
上田昌文
そういうことから見てわかりますように、
そういう、なんていうんでしょうかね、
まさしく職場に新しい技術が入り込んできているという、
そういう環境に置かれている人の中でも、
実は、
まだ見えない部分とか、
どうやっていいかわからない部分というのが、
結構あるんだなあっていう、
そういうことをね、私も実感させられたということなんですね.
高見知英
そうですね.
やっぱりその、
まさに自分自身も、
今の視覚障害がある方、
非常に弱視の方、
メガネがとっても効かないという方とか、
あとは文字が読めないディスレクシアの方とか、
そういう話の、
いろんな話をうかがっていて、
やっぱりそういう人は、
情報を得るにはどうやってやっているのか、
案外あると、
例えばディスレクシアであれば、
普通に音声読み上げなら読めますので、
それで読むとかいうようなこともいますが、
ただじゃあ、
音声読み上げだったら読み間違いとかに、
どう対処していくのか、
そういうのが結構課題になってきたりする.
上田昌文
ええ、なるほど.
高見知英
自分自身も結構文章、文字で、
音声で読み上げるっていう機会が多いので、
上田昌文
すごい感じるところではあったりはしますね.
なるほど.
高見知英
だからやっぱり、
本当にそういういろんな人の視点が
混ざり合うことで、
案外じゃあそれは、
こうやったら解決できるよって、
案外さっぱりわかるかもしれないし、
そういうようなところも含めて、
いろんな人の知見が集まることっていうのは、
とても重要になってくるし、
上田昌文
それは、
高見知英
例えば本当に、
視覚障害に関する活動を
行っている人ってない分野から、
案外あっさり、
上田昌文
これはこういうようなものなんですね、
高見知英
っていう提案が出て、
すんなり解決しちゃうってこともあると思うので、
それを含めた、
情報源っていうのがあるといいな、
というふうに思いますね.