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高見知英
なるほど、そうですね。確かに自分も子育てに関わるような活動をながら行っていて、
やはり一つのところに向けて何かすればいいというような問題で、意外とそうでもないというところが多いのはわかりますけども、
本当にここまでいろんな活動を一つの団体でカバーできるというのは、その体力がものすごいなというふうに思います。
やはりこういうような活動をするところまで決断ができたというところが、個人的には話を聞いていてすごいなというふうに思いました。
NPO法人アスイク 大橋雄介
ありがとうございます。最初からこんなたくさんやるつもりは当然なかったわけですけども、やっぱりお話した通り、やっていく中で必要なものというのは、
やっぱり自分の中でやりたいことがあって、やっぱり自分の中でできる限りやっていきたいなというか、
高見知英
自分にやれることがあるのであれば最大限やりたいなということの繰り返しでやってきただけだというふうに思ってますけどね。
お話を聞いていても非常に感じるところですね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
何かこのような活動を、さまざまな活動を通して最終的にどういうような形になってほしいなとか、目的としていることも含めてお伺いできればと思うのですが、いかがでしょうか。
そうですね。最終的にここまでやったら終わりというのはあまり考えていないです。
子どもの貧困もそうですし、他の問題もそうだと思うんですけど、そういった問題があることがいいとは思いませんけれども、
何かなくなる、ゼロになるということはあまりないのかなというふうに感じるんですよね。
社会のあり方というのは大事だというふうに思っているので、我々もミッションに関わっているんですけれども、
社会と子どもたちをつないで、教授や校長を増やし続けるということに関わっているんですけれど、
時代が変わってもですね、そういうものに対応していくようなある種インフラのようなものを地域の中で作っていく必要があるというのが、
僕たちが目指していることなので、ある意味存在し続ける、それをちゃんといい形で存在し続けるということが大事だというふうに思っています。
高見知英
なるほど、そうですね。いかつて存在し続けるということですね。
確かにいくらやっぱり課題を解決できていたとしても、どんなに課題を一つ一つの課題について対応できていたとしても、
まだそれでもどこかしらに貧困が残っているとか、どこかしらに活動しなければいけない場面が残っているというようなことは続いていくのではないかというのは確かにその通りですね。
NPOの活動ってどうしてもどこかしらで最終的に自分たちの活動がいらなくなるということがゴールなのではないかと思っていますけれども、
NPO法人アスイク 大橋雄介
ただそうとはいってもいつまで経ってもどこかで必要とされてしまうシーンはあるであろうというのは確かにセットで考えなければいけないところではありますね。
高見知英
何かその他今までそういう子どもに向けた活動というのは主で行っているということで、主な対象としてはやっぱり子どもになるとは思うんですけれども、
それ以外に何か対象としたい、特にこんなような人にも情報を届けていきたいなとか、そういうような方々ってどんなとかいらっしゃいますか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。一つは、子どもと若者の境目っていうのはだんだんなくなってきているというふうに思うんですけれども、
子どもを子どもで区切るというわけではなくて、必要であればその後の若者世代のサポートまでですね、いわゆる切れ目なく繋いでいくというか、
繋がり続けていくということはこれからもやっていきたいというか意識していきたいというところだと考えています。
あともう一つは別の視点なんですが、やっぱりその子どもだけでなくて、その背景にある家庭、保護者も含めた家庭の環境というのが、
子どもの生活だとか、状態にですね、大きく影響を与えるっていうのは、想像に難くない話だというふうに思うんですけれども、
子どもだけでなくて家庭も含めて支えていくっていうのが大事な視点だと思っていますし、
さらに言えばその周りの社会ですね、地域の方々、意識も含めて、例えば不登校と一つとってもですね、
不登校っていうのはだいぶ社会が変わりましたけど、例えばサボってるとかですね、なんか弱い子どもなんだみたいな、
そんな偏見がもしあるんだれば、そういったものをなくしていくっていうことが子どもたちの生きやすさに繋がっていくと思うので、
社会の意識っていうところも含めて、地域という視点も含めて関わっていくことが大事かなと思っています。
高見知英
そうですね。確かに。
子どもの周りにいる親や、あとは学校の関係者、あるいはその地域を支える人々の感覚というか感情までも関わっていきたいっていうところなのですね。
確かにその通りですね。本当に自分もいろんなところに関わっていて、
やはり地域が変わらないといけないなというふうに思うところはありますし、
そして地域が変わるというのは本当に今の世代に向けてという形になりますが、
その子どもたちが大人になって仕事をするようになった時の上司に向けてというと、
今の30代40代に向けてっていう形にもなるのかなというふうに思いますので、
そういうところに向けて全方位でも対策があるというか、関わっていくことが必要なのではないかというのは自分たちも感じています。
本当にそういう地域の人たちに向けて、社会に向けてというような形のアプローチっていうのはとても重要になりますよね。
そうですね。
何かこのような活動をいろいろな活動を通していって課題に感じていることは何かございますでしょうか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
課題という話になると、それこそたくさんありすぎて何の話がいいのかなというふうには思うんですが、
1つあえて絞ろうとすればですね、1つはその地域による支援の格差っていうのはあると思うんですよね。
例えばこども家庭庁ができて、子どもたちや保護者、家庭を支援する事業、制度っていうのをたくさんできてきてはいるんですが、
そういったものを実際活用するのは各自治体だったりするわけですよね。
そういった自治体も当然予算に余裕がある、余裕がないいろいろな自治体がある中で、制度ができてもですね、ちゃんと事業をやる自治体があれば、そうじゃない自治体もあって、
結構地域の中でもどんなサポートがあるのかってだいぶばらつきがあったりとか格差があるような状況があると思っています。
当然、子どもや家庭というのはどの地域にも子どもを特に選べないわけですし、貧困や不登校をとってもですね、時期にも今はそういった息づらさをかけた子どもたちがいるという状況ですから、
やっぱり住む地域によって受けられる支援が限られてしまうとかないとか、そういった状況っていうのはできるだけなくしていく必要があるだろうというのが社会的に見た課題だと思いますよね。
あともう一つは、やっぱり我々もそうですけど、こういった支援事業っていうのは当たり前ですが、人が関わって成り立つものだと思います。
その支え手側ですよね。いわゆる支援者というようなスタッフなりボランティアなり、そういった方々がやっぱりたくさんいないといけないという状況の中で、
ご存じのとおり、今どの業界というかどの分野でも人手不足がどんどん進んでますし、
労働供給側が減っていくという一方の中で、どうやって支え手側を確保していくのか。
高見知英
これも大きな課題だと思いますね。
そうですね。まずは本当に地域による支援の格差という社会の課題。
そしてもう一つは、支援には当然人が必要なものも、そのような人がどんどん減っている中、人手不足という問題。
この二つの課題ということなんですね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
まああえて大きく取り上げるならその二つかなと。
高見知英
そうですね。
やはりその社会の課題も非常に強く感じます。
やはり地域による支援の格差、特にその自治体がどういうふうにその予算を使っていこうと考えているのか、
というところにも大きく寄ってくるんだろうなと思います。
本当に優先順位が自治体ごとに全く違ってしまうということもありますし、
そのような優先順位の中では子どもに関する活動自体がすごく少なくなってしまっている。
高見知英
というような自治体もありますので、やっぱりそういう時にじゃあこちらとしてどうやって対応していくのか、
NPO法人アスイク 大橋雄介
NPOとして自分たちとしてどのように活動していけばいいのかっていうのは非常に難しいテーマにはなってくるのかなというふうに思います。
高見知英
そしてもう一つは本当に支援に関われる人が足りないという問題。
こちらについて本当にどのNPOについても感じる課題ではあると思いますけれども、
本当に人が足りないというところはありますね。
特にNPOは本当に企業とは違うからこそより関わる人が少ないというような問題も非常にあるなと感じています。
だからこそやっぱりここの大きな課題というのは大きいですよね。
ちなみにアスイクとしてこの2つの課題にどのようなアプローチをしていきたいなど何かございますか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
はい、そうですね。まず一つ目の自治体関連の取り組みの格差という点についてはですね、
我々宮城県の様々な自治体さんと一緒に協働してですね、事業をやっているんですが、
やっぱり足元のところからですね、自治体による差をなくしていきたいという思いで、
特に宮城県でいうと仙台市という大きな自治体があって、
それ以外に人口的には小さな自治体がたくさんあるという構造になっているんですが、
仙台市以外のそういう比較的小規模な自治体さんともちゃんと協働しながらですね、
限られた予算の中で必要な事業を作っていくという提案を結構力を入れてやっています。
実際今年度もですね、2カ所ほど立ち上がるんですが、
日本財団さんと自治体さんと協働して、第三の居場所というちょっと家庭に
養育環境の課題を抱えた家庭の、主に小学生を対象にした他の居場所の事業を作っておりまして、
そんな事業をですね、立ち上げていったり、それを一つのモデルというか実例としまして、
宮城県外の自治体さんにもですね、ある種真似していただくというか、
自治体がやっているのであれば、他の自治体でもやってみたいというふうに広がっていくような、
そんなきっかけを作っていければいいなというふうに考えておりまして、
我々も全国の中間支援組織というんですが、同じような活動をしている団体がネットワークを組んで、
国に政策提言したり、相互に学び合いの研修をするような、そういった団体なども作ってですね、
高見知英
活動しているということですかね。
高見知英
そうですね。周辺のNPOとの協力、中間支援団体との協力によって、
いろいろな活動の幅を広げていき、また場合によっては政策提言なども行っていくというような活動をされているんですね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。ここ数年はそういった活動にも力を入れていると思います。
高見知英
本当に自分たちもそういうような子どもの居場所というような活動を支援しているということをやっておりまして、
やはりそこについては本当に周りの団体との協力っていうのが不可欠になるというところは感じますね。
やっぱりなるべく自分としても本当にいろいろな団体、いろいろなジャンルの団体、
たとえば本当に子ども向けの活動をやっている団体だけでなく、
本当にいろんな社会的な活動、営利的な活動をやっているところとも関われるところがないかというところは考えていきたいところではありますね。
それでは続きましてですけれども、
そのほか今までこの子ども向けの活動、いろいろな活動を行っているところとして、
やっぱり今の子どもたちに対して感じることは何かございますでしょうか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
マクロ的に言えば、少子化でどんどん子どもが減っている中で、
生きづらさを抱えている子どもたちは増えるというギャップがあるわけですよね。
貧困は高止まりしていますし、不登校は急増しておりますし、
虐待相談も増え続けている。
他にもいろいろな問題があると思いますけど、
そういう状況の中で、生きづらさを抱えた子どもたちは増えているんだろうなということを感じます。
生きづらさというのは、一昔前で表現が正しいか分かりませんけど、
例えば、障害は障害みたいな、はっきりした境界があるわけではなくて、
普通の一群の子どもと生きづらさを抱えている子どもたちの境目というのがグラデーション上で、
境目がよく分かりにくい。
つまり、どの子であっても、ある日、生きづらさを抱える側に行く可能性もあるし、
その境界線が曖昧になってきているような感じがするんですよね。
そういった状況の中で、何となく不安を感じていたりとか、
高見知英
閉塞感を感じているような子どもたちが多いのかなという印象はありますかね。
そうですね。
確かに少子化が進んでいる一方、生きづらさを抱えている子どもは増えていくという現状。
確かにそのとおりですね。
その境界線の曖昧さ、急に貧困や生きづらさを抱えるというようなお子さんも多くいらっしゃいますし、
そのようなどこからが貧困なのかっていうのは判断も非常に難しい。
それは、アスイクのような協力をする子育てに支援をする団体にとっても、
子どもさん自身にとっても難しいというようなところがあるのかなと思います。
高見知英
いつの間にか、あれ、これって自分は支援必要になっているのかなとか、
誰かに助けを求めなきゃいけないのかなというふうになっている子どもさんも多数いらっしゃると思いますし、
やっぱりそういうのはどうやって支えていくかっていうのは本当に課題ですよね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
むしろ自分自身が困りごとを抱えているというふうに、
認識できないというか、あまり意識しない子どもたちや家庭というのも多いというふうに感じているので、
分かりやすい問題を抱えていないと相談できないとか、助けを求めちゃいけないみたいな、
そういった感じもあるのかなと思うんですよね。
だからうちはまだ大丈夫だとか、そこまで問題じゃないとか、
例えばヤングケアラー一つとっても、こういう過度なお手伝いを周りからしていると思っても、
自分はこれは普通だと思っているし、自分なんか別に相談するような状況じゃないみたいな。
そういう感じの、変にまだまだ大丈夫っていうか、
そういう感じの方も子どもたちもいるんじゃないかなと思いますね。
高見知英
そうですね。
確かに、やっぱりその境界線って大人でも結構難しいですよね。
じゃあ助けを求めるって言っても、じゃあいつから助けを求めればいいのかってのは難しいですし、
じゃあその状態になってから誰に助けを求めればいいのかって言うと、
案外周辺にそんな人いないよっていうことになってしまう。
人はそのまま続ければいいのかって言うと、そうともいえない状況になっているっていうことは非常によくあると思います。
だからこそやっぱり、そこって大人でも難しいのに、子どもはもっと難しいっていうようなところはありますよね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。自分自身振り返っても、ある種中小企業の経営者という立場ですから、
やっていく中でいろんな辛い状況とか大変なことがありましたけれども、
その時に相談しようってなかなか思えないですよね。
そういう余裕がなかったりとか、そもそも何に相談していいかわかんないとか、
内容によっては相談できる人がいないっていうこともあったと思いますので、
同じようなことが子どもや家庭の中にも起きていても不思議じゃないなというふうに思いますね。
だから周りの人が気づいてあげるというか、
少し手を差し伸べるような関わりをしていかなくてはいけないんだと思いますよね。
高見知英
また、親子さんが変化が激しい今の子育てに関わる状況と子どもに関わる状況について
いけてないっていうような状態もあるのかなというふうに思います。
やっぱり自分も子どもを持つ親子さんに関わる機会もありますし、
いろんな親子さんと話をしている中、やっぱり子どもさんの環境の変化に自分が対応しきれないとか、
子どもが何をやっているのかわかっていないとか、
そういうようなことも結構増えているのかなというふうに思いますし、
そういう中、じゃあ子どもはこういうことをしたいんだけれども、
でもそのときに支援が得られないとか、こういうことができないんだけれども、
こういうときに助けを求める先がわからないとか、そういうようなことにもなっていきますもんね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。おっしゃるとおり、保護者の方もやっぱり子どもと関わる時間や余裕というか
余力も含めてなかなかなくなってきてるんだろうなというふうに思いますよね。
当然、我々も児童館や保育園を運営しているから無実に感じますけれども、
共働きの世帯ってどんどん増えていますし、あるいは一人で家庭も、
我々たくさん関わっていますけど、一人になったらもっと大変なわけですよね。
そういう中で生活のことを考え、子どもと関わる時間を確保し、
まずかつ自分自身もケアするというか、自分自身のことも大事にしてくるって、
高見知英
なかなか簡単にできることじゃないというふうに思うので。
社会の構造の中で、やっぱり子どもとの関わり方が難しくなってきてるっていうことだと思います。
社会の構造の中で子どもたちとの関わり方が難しくなっているっていうのは、
全くその通りだなというふうに思います。
本当に子どもの環境もものすごくたくさんのあり方があるという状況ではありますし、
親御さんの環境もたくさんの環境があります。
だからこそどういうふうな形で支援をしていけばいいかっていうのも、
場所ごとに異なってくるとは思いますし、
じゃあそのような形にどういうような形で関わればいいのかっていうのも、
なかなか個々人の家庭によって違うっていうところがありますから。
やっぱりそういうようなときに、じゃあどうすればいいのかっていうのはとても難しいところではありますよね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。おっしゃるとおり、やっぱり正解がない時代だというふうに思うんですよね。
ちょっと極端化して言うと、例えば不登校になったお子さんがいたときに、
ひとのくしまでそれがよかったとは全く思いませんけど、
学校に行かせる、行きなさいっていうふうに強く言うことが当たり前というか、
行かせることが当たり前みたいな、そういうふうにあるべき関わり方っていうのがあった時代、
それは良いことではなかったと思いますけど、それが通用していた時代と今は違って、
一人一人に寄り添っていかなくてはいけないと、
その後当然何が正しいかっていうのは一人一人違いますし、
それを一人一人と作っていかなくてはいけないという時代だと思うので、
かかる側はやっぱり親も含めて支援者も含めて大変というか、
一件一件のかかり方がすごく難しくなってきている。
高見知英
そういう時代の中でやっていかなくてはいけないんだと思いますね。
そうですね。本当にどういうものなのか、正解が全く見えないし、
答えやヒントも案外見えないというところが大きいのかなっていうふうにはとても思います。
ヒントだけでもあれば、どういうふうに漕ぎ出せば、
より安全な方向に向かうことができるのかっていうのも見つかると思うんですけども、
そのヒントすらわからない状況は、
すごく全社会的に起こっているというところはあるのかなというふうに思いますし、
本当にそれはじゃあ、親自身もひょっとしたら大変なのに、
高見知英
じゃあ素直なことを子どもに向けてはどうすればいいのかっていうふうに思うところはありますよね。
それは本当に周りの大人からしても、教師からしても、大人からしても、
いろんな人が考えるところではあるのかなっていうふうに思います。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。ヒントっていうのはネットの世界とかでたくさん転がってると思うんですが、
逆に情報が多ければヒントになるかというと、迷いにもつながるというふうに僕は思いますし、
最後何が良かったのかというのは、決めるのは自分しかいないと思うんですが、
決めることっていうのは自分一人で決められないと思うんですよね。
最後は誰かが一緒に考えてくれたとか、
何かネット上の情報だけでは得られないような後押しみたいな、
それは人でしかできないような部分っていうのがあるかないかが大きいと思うんで、
結局やっぱり人とのつながりの中で決めていく、納得していくっていう、
そういうことが大事なのかなと思いましたけど。
高見知英
そうですね。人とのコミュニケーション。
どこかしらで最終的に人とのコミュニケーションが必要になる。
それは対面ででもそうでなくても構わないっていうことには思うんですけど、
やっぱりなんだかんだとして、どこかしらで人と会う機会、話す機会っていうのを作っていかなければ、
なかなかそういう問題って解決はしていかないし、
ヒントを自分のものにしていくのも難しいのかなっていうふうに思いますね。
何かそういう問題に今立ち向かっている、
特に親御さんとか大人の方々に向けたメッセージとか何かあれば、
こちらもお伺いできればと思うんですが。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。あまり無責任にこうしたらいいみたいな話は多くないのかなと思うんですけども。
先ほどもお話したとおり、
子育ての難しさとか大変さを感じている方がいたときに、
それってご自身だけの問題じゃなくて、
社会が変わっていく中で、自分だけじゃなくて他の人たちも同じように抱えている問題の可能性って多分あると思うんですよね。
だからそういった同じような悩みや問題を抱えている方々がやっぱりつながって、
自分たちはこうした方じゃないかっていうことを話せる仲間というかネットワークができていくことが大事なのかなと思いますので、
ありきたりな言葉で言えば一人で抱え込まずに、悩んでいることは外に表に出していくと、
そこでつながるっていうのはもしかするとできてくるのかなと思いますね。
高見知英
そうですね。確かに。
自分たちだけの問題とは限らないっていうところが大きいなと思います。
高見知英
やはり自分自身、このSBCASTでもいろんな団体のお話を聞いていますと、
どの地域でも共通した課題、共通した解決策っていうのはあるなという感じはしますし、
それはご家族の問題でも同じことが言えるところは多いのかなと思います。
一見すごく特殊な事情だからと思っても、
実は日本中を探してみるとどっかに同じような事例があったりするっていうのが結構あると思いますし、
それはもちろん検索で見つかる場合、インターネットを探して見つかる場合もあるんですけれども、
やっぱりもし自分一人だけで受け止めるのが難しいなとか、
誤解をしてしまう可能性があるなということであれば、
まずは誰かと相談をしてみるっていうことから始めるのも良いのかなというふうには思いますね。
そのほか、ぜひこちらについても伺えればと思うんですけども、
NPO法人アスイクとして、ITについてそのほかどのように関わっていきたいなど、何かございますか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
ITですね、まあ広い。
ITって言っても広いと思うんですけど、
例えば子どもへの関わる支援の現場でどう活用していくかっていう話で言えば、
そうですね、取り入れられる部分は当然あると思うんですよね。
例えばその支援の記録を効率化、効率的に入力をして管理する、
個人情報の管理も含めてしっかり管理していくようなことをやっていくために、
ITを使う、顧客管理システムのようなものも含めて使っていくっていうのも大事だし、
我々もやっている取り組みだと思いますね。
あと、過去にそのeラーニングのシステムを提携して使ってみて、
子どもにその学習の支援をですね、eラーニングを使ってやるようなこともやったりしたこともありますが、
子どもたちと関わっていくという場面においては、
あえて我々のような活動は、ITとかよりも人でしかできない部分っていうのに力を入れていく、
こだわっていくっていうのも大事なことかなと思いますね。
ただその法人として運営する基盤のところとかね、業務の効率化だとか、
そういった部分に関しては積極的に取り入れていくべきじゃないかなというふうに思って、
高見知英
我々もいろんなサービスを導入していたりもします。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
高見知英
現状、記録の管理ですとか、あとはeラーニングなどの教材でITを使っていくというような活動をする一方、
NPO法人アスイク 大橋雄介
やっぱり人でしかできない部分を充実させていきたいということなんですね。
そうですね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
それの中のITで効率化していく部分を失われてしまうものだとか、
損なわれてしまうものが絶対あると思うので、
そういったものを補完するっていうのも我々のような草の根というか、
高見知英
泥臭く活動してるNPOの役割かもしれないなと思います。
そうですね。
確かに。
やはり記録の管理などの裏方の面について、
ITの利用っていうのは本当に充実させていければ良いのかなというふうに思いますし、
人でしかできない部分もたくさんあるので、
そこはそれもまた充実させていけばいいのかなというふうに思います。
だからその中間の部分を、
もしITで生きる部分があるのであれば、
そちらについても考えていければいいかなというふうに思っております。
高見知英
やはりどうやってもこちら側もサポートがしきれない部分とかもありますし、
じゃあそういう時にどういうふうにすれば、
子どもの支援の場にITって使えるのかなというのは、
こちらとしても考えていきたいところだなというふうに思いますね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。先ほどちょっと抜けてしまったんですが、
ITでいうと、例えばLINEの相談窓口だったりとか、
SNS上での相談窓口を作ったりっていうのは事業によってはやっていたりもしますよね。
ただ、やっぱりそれがすごく万能かというと、
そういうふうには感じませんし、
ITを使ったから相談がしやすくなる人もいれば、
そこにアクセスできない人も当然いるわけですし、
高見知英
なかなかそんなに万能なものではないなという感じがします。
そうですね。確かにLINEやSNSの相談の窓口っていうのは、
結構作られている団体とかもありますし、
それは直接会いに行けないとか、
直接会うような状況にないとか、
そういう人がそのような窓口に頼るということもあると思いますので、
やっぱり両方あるのがすごく大事だなというところではあります。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。どこまでITを使って、SNS相談などを使って補完するのか、
それでできないところはどうやってやっていくのかっていう、
そういった設計というのが大事なのかなと思いますよね。
高見知英
そうですね。両方をうまく使えるように、
NPO法人アスイク 大橋雄介
どちらから来ても対応できるようにしていくっていうのはとても大事ですよね。
そうですね。ただNPOの会話でITが得意じゃない人たちがすごく多いので、
全体的にはもう少しそういったものをちゃんと扱えるようなサポートなり、
仕組みっていうのがあってもいいのかもしれないなと思いますね。
高見知英
確かにそうですね。
やはり特に自分たちはITの利活用支援をメインとして活動してる団体ではありますし、
そういうような活動を、
じゃあ他の団体とうまく何か情報共有できるところはないかとか、
技術共有できるところはないかとか、
そういうところは考えていきたいところでもありますね。
その他、これを聞いている人には何らかの課題を感じている親子の以外にも、
やっぱり何らかの生活の問題を抱えていない親子や、
あるいは子どものいない家庭、子育てがもう終わった家庭など、
様々な家庭や、あるいは個人がいらっしゃるかと思いますが、
そのような方々に向けて、何か聞いている人にやって欲しいこと、して欲しいこと、何かございますか?
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
ありきたりな話になってしまうんですけど、
子どもたちの問題にやっぱり関心を持っていただくっていうことがまず大事だというふうに思ってますし、
その上で関わり方っていうのも様々ありますよね。
ボランティアで関わるとか、あるいはお仕事として関わるとか、
あるいは寄付という形で間接的にサポートするとか、
様々な関わり方っていうのは今広がってきているというふうに思うので、
先ほども話した通り、どの業界もそうですけど、
こういった子ども支援の業界も支え手側がどんどん足りなくなってきているという状況があると思うので、
高見知英
そこを補完してくださるような方々が増えていくっていうのが大事なのかなと思います。
そうですね。
やはり特にこういうNPO分野といいますか、
NPOで行っているような活動について、子育ても含めて関心を持っていただくということ、
子どもの課題について関心を持っていただくということが重要ということですよね。
このような自分自身もNPOの活動を見ていて、
やはりそのような分野、いろんな分野について関心を持つっていうことはとても重要だと思うんですが、
一方やっぱりその関心を持ってほしいという内容が多すぎてしまって、
自分は実際じゃあどこに関心を持てばいいのかとか、
自分は実際じゃあどうすればいいのかっていうのがわかりづらくなってしまっているっていうような状況もあるのかなというふうに思います。
例えば、アスイクスさんとして関心を持つためのきっかけになる何かとか、
そのような情報発信など何かされているものとかございますでしょうか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
まあそんなに特殊なことをやってはいないと思うんですけども、
例えばボランティアとして関わってくださる方々を増やしていくために、
我々年間500人ぐらいボランティアの方が関わってくださっているんですけども、
大学とかと連携をしまして、事業の中で5分ぐらい子どもたちの現状をお話しするような時間をいただいて、
そこからボランティアに関心を持ってくださる学生さんを増やしていくような取り組みだったりとか、
あとは地元のメディアとかと連携してですね、
子どもたちや家庭の現状を発信していったりだとか、
そういったことは地道にやっていると思います。
そういった取り組みだけでは、やっぱり足りなくなってきているっていうことも一方ではありますし、
なかなか全く関心ないですよって方が関心を持ってもらうのは難しいと思うんですけど、
その習慣ぐらいっていうんですかね、
なんとなく気になるみたいな方々が関わりやすくなっていくような入り口を増やしていく、
ハードルを下げていくっていうことも大事なことかなと思うんですね。
高見知英
だからこそこちらからこれでもっていうぐらいにハードルが低いことをちゃんとアピールしていくことっていうのも重要になりますよね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
ボランティアって人のためにやるっていうイメージがあるかもしれませんけど、
自分のためにやるものだというふうに思うので、自分が楽しめるかとか、そういうふうに思ってもいいんだと思うんですよね。
あまり高尚な目的だとかスキルだとかそんなものがなくて全然よくて、
なんとなく自分の居場所が欲しいとか、家にいてもつまらないとかなんでもいいと思うんですけど、そういったところから始まっていいものだと思うんですけどね。
高見知英
そうですね。
確かに本当にこういう気軽に関わるところとか、自分が何か楽しむためとか満たされるためとかいうところからまず始めても良いものって結構あるのかなっていうふうに思いますので、
ぜひまずはどういうような形で描かれるのかなっていうのを見てみると良いのかなというふうに思います。
そのほか今後やりたいこととかやってみたいこと何かございますか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
実際やってやり始めてるんですけど、
宮城県にですね、牡鹿半島っていう半島がありまして、震災で被災した場所ではあるんですけど、
その半島の先っぽの方にですね、うちの法人の自然体験施設っていうのを作ったんですよね。
土地を買ってそこにログハウスを建てたりとか、いろんな自然体験ができるような道具とか揃えて、そういった場所を作っていまして、
少しずつ子どもたちの受け入れとかやってるんですね。特に厳しい環境に置かれた子どもたちが自然体験できるような、
キャンプのようなプログラムをやったりとかしているんですよね。
で、ちょっと話は飛びますけど、よく子どもたちの問題に関わっていると、自立をさせなくちゃいけないみたいな話っていうのは結構大前提になっていて、
その自立っていうのがややもすると、勉強して進学して就職してみたいな、そういった一律的なキャリアにもかかることだというふうに、どうしても言われがち。
その背景に、やっぱり国の統計とか、どうしても学歴によって所得の違いが出るとか、そういったものが出たりするので、そういうふうに引っ張られやすいところがあると思うんですよね。
あるいは首都圏とか大都市的な価値観というのは、どうしても強くなってしまうみたいな。
何かもう、もっと生き方の在り方だとか、幸せの感じ方っていうのは様々だと思うので、
そこがキャンプと繋がるかというと、なかなか距離があるかもしれませんけど、自然の中でいろんな自分の好きなことを発見できているだとか、
いろんな価値観に触れられたりとか、そういった機会を作っていくってことも大事だなと思っていて、そんな取り組みもやっていたりしますということですね。
高見知英
そうですね。
自立については、自分は非常によく聞いている言葉で、これは大切にして生きればいいなというふうに思う言葉ではあるんですが、
自立とは多様な依存先を持つことであるというふうにおっしゃってる方がいらっしゃいまして、そういうのはすごく大事だなというふうに思っています。
何にも依存するものなく生きていける人ってまずいないのかなというふうに思いますし、それはどのようなものでも依存することっていうのはあると思います。
でもその代わりいろんなところに依存することによってそれぞれの依存の強度は減らすことができますし、それぞれのものとうまく付き合うことで何か一つか欠けたとしてもうまくバランスをとって生活をすることができる。
そういうことが真に自立につながるのかなっていうふうに言葉だと自分は解釈をしています。
だからそういうような形の自立っていうのをもっと持ってほしいな、考えていってほしいなっていうふうに思うところではありますね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね、おっしゃる通りですよね。
でもなぜか政策の議論とかになるとどうしても首脳支援だとかですね、進学支援だとか、どちらかというとその本人がもっと頑張るような方向、一人で頑張るような方向にどうしても不機嫌だと。
ジレンマというかもどかしい感じはしますよね。
高見知英
うん、確かにそうなんですよね。
本当になんでこのような自立のイメージっていうのがついたのかっていうのは、自分の知っている限りではあまりないのですけれども、
やっぱりそういうようなもっといろんなところにバランスよく依存していくことによって自分なりの自立っていうものをなんとなく確立していってほしいなっていうのは思えば、
非常に自分も強く思っていますね。
今後インターネットでNPO法人アスイクの活動を知るにはどのようにすればいいでしょうか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
はい、ちょうどですね、ウェブサイトのリニューアルを今は進めておりまして、6月中には新しいウェブサイトを公開できると思うんですが、
今のウェブサイトもそうなんですけど、われわれいろんな事業の活動の状況とかですね、結構こまめに発信するようにずっと意識的にやってきてますので、
何か思った時にちょっとウェブサイトをご覧、覗いていただくと、今こんなことやってるんだなっていうことが分かるかなと思いますし、
高見知英
XとかFacebookとかでも連動させて発信していたりするので、そんなところで登録いただくっていうのが分かりやすいところかなと思います。
ホームページにいろんな情報、今までの活動の内容とも発信しているので、まずはそちら。
そのほか、XやFacebookなどもいろんな情報の断片を発信しているので、そちらも見てほしいということなんですね。
NPO法人アスイク 大橋雄介
そうですね。
高見知英
確かに。
ぜひこちらのほう、概要などでもご覧いただけるようになっていると思いますので、そちらぜひご覧いただければと思います。
そのほか、それでは最後になってまいりましたが、NPO法人アスイクの活動のキーワード、こちらをお伺いできますでしょうか。
NPO法人アスイク 大橋雄介
キーワードですか。
挑戦、協働ですかね。
高見知英
なるほど、挑戦と協働。
NPO法人アスイク 大橋雄介
お話ししたとおり、14年間活動しながら必要なものを作り続けてきていますし、それをいろんな方々と連携しながら作ってきているということだと思います。
高見知英
そうですね。いろんな方との連携っていうのは本当にNPO法人だからこそ必ずしもNPO法人だけがそういうようなことをしなければいけないわけではないですけれども、
やっぱり協働していくっていうことはとても大事ですし、NPOだからこそいろんなことを挑戦していくっていうことも大事になるなというふうに思います。
なかなかこの今いろいろな状況が変わってきて、子育ての現状もいろいろと変わりゆく今、挑戦をしていかないとついていけないというところは非常にあると思いますので、
やっぱり自分たちNPOの法人として、NPO法人アスウィークとしても自分たちSIDE BEACH CITY.としても、挑戦っていうのは重要なキーワードになってきますね。
ありがとうございます。それでは、そのほか何かこれは言い忘れたな、これは言っておきたいななど何かございますでしょうか。