路地裏クリエイティブの谷口です。
同じく丸山です。
この番組は、事業会社とPR会社という広告クリエイティブの路地裏にルーツを持つ2人が、企画やコピーなどについて自由に語っていく番組です。
決まった台本は特になし、興味のあるテーマについて気の向くまま喋っていきます。
なお、番組内での発言は基本的に個人の考えであり、所属する企業の立場や見解を反映するものではありません。
それでは早速、スタートです。
【オモコロ杯3点受賞・前編】
ちょっとですね、オモコロ杯という話が谷口さんから出ましたけども。
先日ですね、ウェブメディアのオモコロさんというところが主催している、ウェブ記事の制作のアワードですね。
何でもしてますね、丸山さん、アワードに関しては。
こんなところまで手を出しちゃってる。
オモコロさんがやっているオモコロ杯2025というコンペがございまして、
そちらにですね、チームで応募した記事3点を作ったんですけど、その3点の記事が全て入賞させてもらうことができまして。
おめでとうございます。
はい、ありがとうございます。
今日ちょっとこのオモコロ杯についての話とか、あとちょっと記事を作るっていうことが、結構その企画とかクリエイティブにすごい通定してたんで、そういう話ができればなと思うんですけど。
記事作るってテーマいいっすね。
新しくないですか、番組的にも何かやってないし、クリエイティブ的にも記事を作るってちょっとど真ん中じゃないことな気がする。
編集っていう概念とかもあるのか、出てくるのかなとか思ったりするんですけど。
そうかもそうかも。
楽しみ。
ぜひぜひ。ありがとうございます。
このオモコロ杯の表彰の時、いくつか部門が設けられてて、僕らの3点の記事は全てアイデア部門っていう部門で入選に選ばれたというような感じになります。
一応その見出しの名前だけ3つの記事をご紹介すると、1つ目が育ててみた甲子園の地図野菜はできるのか、という記事。
2つ目が検証、ダイイングメッセージを速記で書けば大量の情報が残せる説、という記事。
3つ目が安全に初登山、エベレストの装備で高尾山を登ってみた、という3つの記事になります。
もともと僕、このオモコロっていうメディアが結構昔から大好きで、今はオモコロチャンネルってYouTubeもやってるんですけど、それもここ5年くらいかな。
もう登録者が50万人くらいの大きなチャンネルに成長していて、そのオモコロの中のライターさんの方々がラジオもやっていて、
そのラジオも何十万みたいな登録者がついてるみたいな感じで、すごく今ファンの方もたくさんいらっしゃって、イベントもめちゃくちゃ盛り上がってるみたいな感じなんですよね。
その中の名物ライターさんというか、インフルエンサーとしても有名なアルファさんという方。
アルファさんは知ってます。
アルファさんご存知ですよね。結構広告とかクリエイティブの界隈でもたびたび登場されているタレントさんだと思うんですけど、
その方だとオモコロの編集長の原塾さんという方にですね、今回入選をしたことで好評をいただけまして、めちゃくちゃ僕の中ではものすごいタレントだったんで、すごい嬉しかったんですけど。
面白記事ライターとしては今後伸ばしていかなきゃいけない課題が明確になったなと。
PRプランナーから面白記事ライターに進もうとしてます。
慣れたらいいなと思って。そういうところもオモコロが好きなんで、できたらいいなと思ってですね。
ちょっとその話変わって、そもそもなんで僕がオモコロ派やったかっていう話なんですけど。
まずこのオモコロというメディアがとても昔から好きだったとか、あとはデイリーポータルZさんとかそういう面白記事とか面白メディアみたいなものがそもそも好きだったっていうのが大前提あるんですけど。
普段やってる企画っていうもののより純粋な形として魅力を感じたっていうのが一つあったんですね。
クリエイティブ企画って、まず面白いアイディアと向かうべきゴールと、そこにさらにクライアントさんの意向とかっていう縁があって、
そのベンズの真ん中にある小さい穴に糸を通すような作業みたいなところも大きいじゃないですか。
この記事を作るっていう取り組みには、この縁の中からある種クライアントさんの意向という塊がごっそり抜けて、
ある種のに放たれたクリエイターの中の面白いアイディアと向かうべきゴールを自分で設定して突き進むみたいな世界。
だからこのピュアな創作感っていうのが好きでちょっとやってました。
もちろんこのクライアントさんのブランドと一緒に、お互いウィンウィンな形を模索しながら、
創作魂とブランドの真ん中にあるものを探し出して、ワンチュームで大きなものを世の中に出していくっていう快感もあると思うんですけど、
一方で何にも制約されない、自分が面白いと思うものをただ突き詰めて発表するっていう世界を持つってこともバランスとしてとても健全でいいなと思ったっていうところがあります。
これはめっちゃわかります。僕も課題に対して答えを出せる能力と、課題が明確にない状態で純粋に表現者、クリエイターというのかもしれないけどそれを、
として自分の表現に磨きをかけていくことって両方やっとかないと、結局その掛け合わせが仕事であからさまに露出していく自分のスキルというか能力になってくるから、
どっちも必要だなと思って。僕もだから趣味でやってる短画とか詩を書いたりするのはどちらかというとその課題とかがなく、単純に自分が表現したいものが世の中の人に共感してもらったり、
心を動かせるのかっていうことに、別にそのためにやってるわけじゃないんですけど、でもそれを図る指標としてやってるところもあるので、今回マナさんにとってはそれが、
記事を書くっていうことが課題から解き放たれてチャレンジングな一個だったのかなと。
はい、まさにその通りでございます。お互い何を創作力を表出させるというか、ぶつける対象にするかっていうのは、お互いのバイオリズムがあるんでいろいろ違うかなと思うんですけど、
確かに谷口さんの場合はそれが短歌というフォーマットで、僕の場合は記事制作みたいなものが結構性に合ってたなというふうにも思いました。
もともと好きだったという、そういうところがあると思うんですけど。
とはいえですね、僕は結構構造で企画を考えるもの、かつコンペみたいな戦いの場が好きな人間として、
おもころ杯っていう場は、そもそも戦場として面白いし、攻略しがいがあるなというふうに思ったので、まずちょっとその話でいければと思うんですけど、
まずこのコンペとしておもころ杯っていうのは、そもそも賞としての注目度とか権威が今かなり高い、高まってる。
だから意外と競争率って実はそんな高くないんじゃないかっていうふうに思ってて、そこもなんかいいなというとこがあります。
そんな参加する人みんながみんな、賞取るぞ!だけのために書いてない気がしますけどね。
そこをもっと純粋に楽しみながらっていう感じもありつつ。
そこの取り組み方は人それぞれです。
賞のためにやってみるみたいなところも一つあるんじゃないか。
力試しとしてね。
一応この応募策の全体の総数っていうのがおもころさんから公表されてるんですけど、
だいたい1000をちょっと超えるぐらいの応募だったらしいんですよ、今年。
で、受賞の数としては結構いろんな細かい賞も入選みたいな形で設定されてるんで、全部で41の記事が受賞してるっていうことなんで、
4パーとかなんですよ、受賞率。
これ世間から見たらもちろんハードル高いと思うんですよ。
ハードル高いと思うんだけど、もちろん記事作るのって結構エネルギーかかるし。
でも割と、これってクリエイティブとか企画のコンペで慣れてる人間にとっては、
まあ、そんくらいかみたいな感じちょっとしませんかっていう。
宣伝会議とかね、0.000何パーセントですみたいなね。
あ、一桁以上あるんだみたいなね。
反則コンペとかも、言ってしまえば一時通貨が5パーとかのレベルじゃないですか。
一時通貨できるぐらい追い込めば入選に行くんだっていう感覚で捉えたってことですよね。
あれっつって。
いけんじゃねえんだよ。
意外とこの倍率を計算して慣れてる人間にとっては、
全然受賞が手の届くところに合っちゃうなっていう実感をまず持てちゃうっていうのが、
そもそもちょっと強いなと思ったというか、優位性だなと思ったというか。
これ多分手届くぞっていう実感値って結構大事じゃないですか。
大事っすね。
大事っすよね。
なんか自分が手の届かないだろうというものに挑戦しても大体ダメですもんね。
そうそうそうそう。
なんとなく頑張ればいけそうかどうかを見極めてるのも、
無意識に自分と賞の距離感を測ってるみたいなのがありますよね。
あるある。
頑張れば手は届きそうっていうものほどモチベーションもめっちゃ湧くじゃないですか。
わかる。
それによってクオリティも上がるし、
実際その感覚が上がったモチベーションによって達成されるみたいな、
いい循環みたいなのもあるみたいな。
賞物って結構基本そういうサイクルで回るようなところもあるかなと思ったので、
そのスタートラインがクリアできてるっていうところもまずいいなと思った。
心持ち的な部分。
でもそれでいて、受賞したらオモコロさんの公式のSNSアカウントとかサイトで紹介してくれるし、
それも結構フォロワーさんが何十万という単位でいるんで、
影響力もすごく上がったりして。
ノートで記事作ったんですけど、
それはもう何百いいねみたいなのが一気に流入してくるみたいな感じなんですよ。
そういう意味で、そもそもこのYouTubeチャンネルとかオモコロさんというメディアが今結構メジャーシーンに来てるというか、
大手の仲間入りしてて、
最近だとファッション誌の表紙をライターさんが飾っちゃったりみたいなこともあったりして、
一つのメジャーコンテンツに今なりつつあるっていうところなんで、
そんなオモコロに関わったっていう博は結構今後どんどん強いものになっていく。
早めからね、受賞を取っておいてね。
そうそうそうそう。
俺あれ取りましたよ数年前から。
そうそうそうそう。
今もう結構そういうレベルになってきてるんですけど、
より高みに登っていくんじゃないかなっていう気もしてる。
っていうので、オモコロ派というコンペそのものが面白いなと思ったということでした。
次にこの面白ウェブ記事を書くっていうことが、
シンプルに企画とかクリエイティブを作るというものとかなり要点が似てるなって思ったっていうことなんですけど、
まずこの面白ウェブ記事って、見出しで読者に何か引きのあるテーマを提示して、
読んでもらうっていうことが割と最初にして最大のハードルというか。
それをクリアして、独領してもらって、
何か面白いとか感動したとか、
気持ちを動かすどこかを作るっていうことって、
俺って今までちょっとお話してきてたな、
始点型終点型みたいな話も含めて、
クリエイティブ、いいクリエイティブが持ってる要件そのまんまじゃないですかってことを思ったんですよ。
ノートとか記事も世の中に腐るほどありふれている中で、
これ面白そう、読んでみようっていう、まず心の初動を作れるかどうかっていうのと、
逆に強すぎる引きでタイトルとかをやりすぎると、
それは今度は中身への期待値が上がっちゃうから、
中身が微妙だった時に、
マイナスで終わるみたいな風にならないように、
ちゃんと最後まで読んでもらった人に楽しさというか、
エンタメとしてのいい独語感をちゃんと持ち帰ってもらわないと、
良い記事とは言えないみたいなことが似てるよねってことですよね。
まさにまさに、そうですね。
本当にシリーズ語尾になっちゃいけないし、
かといって読まれない、最初の入り口の中で読まれないってものだといけないし。
中身がめっちゃおもろくて見出しが微妙だったら、
僕もよく言われました、上司に企画考えて、
中身もいいけど企画名めっちゃ考えろっていうのと近いな。
テレビCMとかだと〇〇編ってつけるんですけど、
その〇〇編でおもろいCMは絶対おもろいんやみたいなこととか、
企画名がこの記事の場合、タイトルと結構ニアリーな気がしたんで、
どっちも大事ですよね。
そうですね、確かにね。
ラジオのタイトルとかもまさに〇〇編って見出しじゃないですか、記事でいうと。
それはめっちゃそうですよね。
受賞してるライターさんの記事とかを見てると、
やっぱね、どっちかから攻めてるんですよ。
その見出しをとにかくインパクトのある、発見のあるおもしろさを提示してるタイプか、
あるいは結構割とやんわりした見出しで、
ふわっと読み始められるようなものなんだけど、
読んだ後にものすごいものを見てしまったっていう感覚が残る。
僕どっちかっていうとそっち派な気がする。
放射派ってことですよね。
結構こう、やっぱこう、滞在時間が長いメディアなんで、記事っていうものが。
やっぱその独語感が強いっていうのは強くて、
やっぱそういうものは結構のきなみ上位の人をとったりするんですよ。
そうですよね、なんか10分読んだら10分の時間に見合った独語感がないと、
人生無駄にしたって気持ちになるから、
それをやっぱり超えてくるものじゃないと評価できないというか、
いい記事だったーってやっぱりなりにくいですよね。
そうそうそうそう。
長ければ長いほど。
映画とかもそうですけどね。
3時間見てこの結末会議みたいなとか。
そうそうそうそう。
長ければ長いほど期待値がやっぱ上がっちゃいますからね。
そうなんですよ。
それで言うと、この頃範囲の優秀賞を今年取ってた記事で、
漢字の優しいっていう字の右の憂鬱のUの字があるじゃないですか。
この憂鬱のUの字が特定のホントだけおじいちゃんに見えるっていう記事があって。
すごい視点やな。
すごい視点ですよね。
この記事を読んでいくと、だんだんふわふわUの字がおじいちゃんに見えてきて、
記事終わった頃にはもうおじいちゃんにしか見えなくなってるんですよ。
その記事を通じて世の中の見方を変えられるんだ。
これとかはまさに独語館としては凄まじいインパクトあるなと思って。
それはね、めっちゃ面白かったですよ。
それを知る前と知った後で世の中の見方が変わるものっていうのは、
僕のクリエイティブの、いいクリエイティブの条件で結構大事にしている価値観と今一緒だなと思いました。