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2024-08-06 14:56

834.心理学の論文から見えてくる、イメコン診断の「不都合な真実」

私が今年度から担当している跡見学園女子大学の「装いの心理学」の講義では、毎回おしゃれやファッションに関係する心理学の論文を取り上げて解説しています。その中には、世間でまことしやかに囁かれている「おしゃれのルール」をひっくり返すような内容のものも。今回はその1つを解説します。


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はい、ということで始まります。おしゃれの呪いを解くラジオ、本日で834回目の配信でございます。この番組では、あなたに巻きつくファッションへの思い込み、イコールおしゃれの呪いをバーサバーサ解いていきます。
服装心理学をベースに、おしゃれを持つ楽しみ、自分を変えるコツをお届けしています。お相手はパーソナルスタリストで公認心理師の久野梨沙です。本日もよろしくお願いいたします。
さあ、今年度からアトミ学園女子大学で、予想いの心理学という授業の担当がスタートしまして、毎週学生の皆さんに心理学領域の中から予想い、予想いという括りなので、私の超専門分野というか、コアの専門分野であるファッション以外にも予想いと
予想いに分類されるものは全部、ヘアメイクとかもそうですし、それ以外のダイエットみたいなこととかも全部含めて、予想いに関係する心理学のいろんなお話をするという授業を今年度からスタートした関係で、これまで以上にたくさんの予想いに関連する心理学の論文を
読み解いて、要約して、学生さんに伝えて、みたいなことをずっと毎週毎週毎週やってて、
その中で、これはやっぱり一般の人も意外と知らないんじゃないかな、この情報とかね。こういうのを知ると、普通のおしゃれにも役立つよな、みたいな論文ってすごいたくさんあるんですよね。
大学の授業だけでお話しするのもったいないなと常々思ってたんですけど、ちょこちょここのラジオでも何回か取り上げたと思うんですけど、またちょこちょこお話ししていければなと思うんですけど、
今日はね、いわゆる似合う服の診断で、今すごく認知度が上がっていて、何かファッションのアドバイスサービスを受けるときには、まず似合う色を調べるとか、顔に似合う服を調べるみたいなことが、まず初めにやることみたいな雰囲気になってきてるじゃないですか。
また、ファッションアドバイスする仕事に就くには、まずその診断の資格を持ってなきゃいけないみたいな、逆にそれさえ持っていれば独立開業できちゃうみたいな、そういう雰囲気にもなってきてるんだけど、
意外とね、似合うっていうことを、ちゃんと心理学的に研究した論文を読むと、ちょっといわは、何でもおしゃれのことは、いわゆるイメコン診断って言われてますよね、そういう似合う服が上がる診断を受ければ何でも解決できるよっていう風潮とは、ちょっと違う側面が結構見えてくるんですけど、
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あんまりその側面って、イメコン診断を開発してる人も提供してる人も心理学の専門家ではないので、その辺あんまり見過ごされてるなっていうところがあるので、今日はちょっとその辺をね、ある論文を紹介しつつ、ちょっと解説していこうかなと思うんですけど、これはタイトル通り、もしかすると不都合な真実になっちゃうかもしれないんですけど、ちょっとお話ししていこうかなと思うんですよね。
どうですかね、皆さん。この番組のリスナーさんは結構ね、診断を受けたんだけど、こういう結果で、みたいなメッセージを受ける、くださる方も多いので、その似合う服の診断を1個か2個ぐらいは受けたことあるっていう方が、もしかしたら多いかもしれないですけど、
そうは言ってもね、じゃあ、私今すっごくいろんな企業の研修のお仕事が急増してて、いろんなところで身だし並みの研修とかね、セルフブランディングの研修とかやってるんですけど、そういうとこ行って聞くと、意外と100人弱ぐらいいる会場の中で診断を受けたことある方って聞くと、結構1人2人ぐらいしかいなかったりするので、まだまだそうは言っても受けたことない方多いのかなと思うんですけど、
似合うっていうことについて研究した論文って意外とあって、あるんですけど、その中の一つでね、2005年に発表された論文なんですけど、今日ご紹介するのは、横浜国立大学の皮膚ですね、
派生化の方の皮膚の方かな、の専門でいらっしゃる薩摩藤栄一先生という方と、もう一方が発表された論文で、タイトルが着用者の顔の印象が着想イメージに与える影響という論文で、平たく言うと着る人の顔の印象が、その洋服を着たときの印象にどういう風に影響を与えているかっていうね、そういう論文なんですよ。
心理学とかもそういう印象を研究するときにどういう方法をとるかっていうと、これ実は私も大学時代やってたことなんですけど、
例えばこの論文でもそうですけど、例えば顔の印象とそれを着たときの印象、その人がどういう印象を感じ取ったかっていうのを測らなきゃいけないので、
表底尺度っていうのを使うんですけど、例えば人のモデルさんの顔を、使用するモデルさんの顔を見せて、その顔に対して、例えば左側に女性らしいっていう言葉を書いて、その対極、右側に男性らしいっていう言葉を書いて、
その間に棒があって、1,2,3,4,5,6,7みたいな感じで、メモリが振ってある。
で、この人の印象はどちらに近いですかっていうのを、左の方の1番とか選べばすごく女性っぽいっていう感じになるし、右側に書いてある男性っぽいっていう言葉に近い7番とか丸付ければ、そのモデルさんはすごく男性っぽく感じたってことになるしっていうね、こういう尺度を使うんですけど、
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これSD法っていうセマンティックディファレンシャル法の略でSD法なんですけど、こういう標定尺度っていうのを使って、印象を計測していくんですね。
で、そういう尺度が女性的な、男性的なだったり、活発な音なしだったり、対になる両極端な形容詞をそれぞれ対極に置いて、その間にメモリを作って丸付けていくことで、どういう印象が得られたかっていうのを数値化できるんですよね。
数値化しておくと、統計的に処理ができるので、それをバーッといろんな人に調査すると、平均点も出せるし、中央値も出せるしってことで、印象を数字に置き換えて分析できるようになるっていうね、そういう方法を基本的には取るわけです。
数字に置き換えることができると、じゃあこの印象には何が一番関わってるのかっていう、因子分析って言うんですけど、その原因みたいなものも統計的に数字で分析することができると、そういうやり方をするわけです。
この論文に関してもそういうやり方をして、どういう顔の人が、それぞれモデルさんの写真も用意して、あとはコーディネートの写真も用意して、このモデルさんはどういう印象ですかっていうのを統計的に出して、Aの人はこんな印象、Bの人はこんな印象っていうのを出していくわけです。
コーディネートもこんな印象、こんな印象っていうのを統計的に出していくわけです。こういうこの服に関してはドレッシーっていう印象を、もっと人が圧倒的に多いからこの服はドレッシーと言いますよとかね、そういう感じで出していく。
それを今度ガッチャンコしていくわけですね。そのモデルさんの顔とその服をガッチャンコしていたとき、着せた状態にしたときにどういう印象になるか。これをそれぞれ今言ったような方法で数値化して統計的に印象を出していくわけなんですね。
その結果わかったこと、いろんなことがわかるんですけど、その結果わかったことの中で、今回特に取り上げたいなと思ったことなんですけど、こういうことがわかりました。
男性的で若々しい顔立ちの人は、とても似合う服の幅が広いってことがわかったんですね。
いろんなイメージの服が似合う。逆に女性的で大人っぽい人に比べると、男性的で若々しい人のほうが似合う服が多い。似合う服っていうのはその実験に参加した人が一人一人が判断するわけですけど、その結果、統計的にまとめていくと似合う服が多いということがわかった。
これって実はイメコン診断の世界ではあんまり語られないこと。
どういうことかっていうと、例えばうちでやっている顔立ちを診断して、そこから似合う服を導き出すロジック。うちも開発していて、私がやっているスタイリッドスクールでも教えている顔パーツ診断っていうのがあるんですけど、これも分類は顔立ちが女性的か男性的か。
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もう一つが若々しいか大人っぽいかっていう分類をするんですけども、基本的には女性的な人にはこういう服が似合う、男性的な人にはこういう服が似合うっていう、似合いますよって提示する服の種類っていうのはタイプ別に同じぐらいに振り分けます。
基本的にはね。
女性的にタイプに振り分けられたあなたはこの3タイプしか似合いません。でも男性的なタイプに振り分けたあなたは5タイプ似合いますっていうことは当然やらないわけですよ、それは。
一応その均等に分類していくんだけど、実際本当にそうなのかっていうと、ちゃんと印象を統計的に分析していくと、実は男性的で若々しいお顔立ちの人のほうが似合う、着こなせる、何の工夫もなく着こなせる服、似合うと思われる服の種類が多いということが分かった。
でもこれって当たり前の話で、当たり前な話で言ったらいいんですけど、そのタイプを分けたときに、そんなに綺麗に均等に似合う服の分量が均等に分かれるはずはないっていうのも、よくよく冷静に考えてみれば分かるというか、そんなにうまいことできてないだろうなっていうのは分かるはずなんだけど、
イメコン診断ではそういう話はしないので、どのタイプだったとしても同じぐらい似合うよっていうふうに思わされちゃうところがあると思うんですよね。
つまり、実は似合うかどうかということだけを唯一の服選びの指針にしてしまうと、自分の外見タイプによっては、実は着られる服の幅が狭くなってしまうかもしれない。
もし私が女性的な顔出しだったら、やっぱりマニッシュな男性的な顔出しの方よりも、似合う服の幅は実は狭いんだよということになっちゃうわけですよね。
なので、やっぱり似合うかどうか、もちろん全然着られる服の幅なんて広くなくていいんですと、その似合う服が限られた服でも、これを着ればいいんだって分かればそれでいいんですっていう人じゃないと思うんですよ。
ただ、私なんかもそうなんですけど、いろんな種類の服が着たいんですよっていう人の場合には、似合うかどうかだけを条件に服選びをすると、そういう不利益をこう持ってしまうことが実はあるわけなんですね。
なので、私自身のスタイリングもそうだし、私のスクールで教えているスタイリングも、似合うっていうことを唯一の条件にしないようにしてるんですね。
知らないうちにお客様に不利益を与えてしまうかもしれないから。
なので、似合うっていうことだけで服選びをするっていうのは、そういう危険性が意外とあるというのが心理学までちゃんと広げて、論文をちゃんと見ていくと結構分かることなんですよね。
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じゃあ何が必要かというと、似合うじゃなくて、その似合わせるっていうことができるわけです。今度は服の組み合わせや工夫によって。
あくまでこの論文で測っているのは、その服を何の工夫もなくね、こういうイメージの服をただ合わせたらどう見えるかだけなので、
そこから人間がひと手間をかけてあげれば、その服を似合わせるように調整していくこともできるわけなので、そういうひと手間のほうが逆に言えば大事で、
そうなってくると、似合う、似合わないっていうのはあくまで一つの環境調査にしか過ぎなくて、
それを唯一の正解にするんじゃなくて、じゃあこういう今環境が整ってますけどどうしますかっていうところで、そのお客様の本当のニーズに合わせて、
洋服を調整していく、組み合わせていくっていうことこそがどちらかというと、イメージコンサルタントとかスタイリストの本分やるべきことなんじゃないかと思いますし、そこがね一番仕事として私面白いところだと思っているので、
だからなるべく幅広い服を着こなせるようになりたいなっていう方は、そういうことまでやってくれるサービスを選んだほうがいいと思いますし、幅広い服をちゃんと相手に合わせてスタイリングするっていうことをやりたい方は、そういうことを教われるスクールに行くっていうところがポイントなんじゃないかなというふうに思います。
次の回では、なんで男性的で若々しい顔の人は似合う服の幅が広いのか、ここから先はなかなか論文とか実験で測ることが難しい領域なので、ちょっと私のスタイリストとしての経験則プラス、本人心理師としての知識も含めた推測になるんですけども、結構多分これだなっていう原因があるので、その辺のお話をしつつ、その原因が分かると、
じゃあ、服を似合わせるって根本的にどういうことなんだろうっていうのも分かるので、ちょっとその辺りの話もしていきたいと思いますので、ぜひ次回も聞きいただければ嬉しいです。
そしてね、そういった似合う服を診断するだけじゃなくて、人と服が似合うってどういうことなのとかね、服を似合わせるってどういう技術が必要なのっていうところまで分かるようなスタイリストスクール、フォースタイル、ファースナルスタイリストスクール、次回開講が迫っております。
8月16日が入学締め切りですけど、まだ若干お席ギリギリ空いていますので、今年はこれで申し込み、募集終了なのでね、ぜひお早めにご入学申し込みいただけると嬉しいです。
番組概要欄のリンクからチェックしてください。
それではまた。
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