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ぴたごら前夜⑤
2026-10-31 09:02

ぴたごら前夜⑤

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サマリー

「ぴたごら前夜」最終話として、酒蔵で冬に働く農家の歴史を振り返り、独立とピタゴラファームの名前に込めた思いを語る。ピタゴラスの「数と調和」の考え方を、土・微生物・水・太陽の調和で野菜が育つ自然栽培に重ねている。直売所では価格の高さを理由に難色を示されたが、料理人である妻が野菜の価値を認め、値下げしない決断を支えた。野菜、料理する人、食べる人の三者がつながって初めて「美味しい」が生まれるという、ピタゴラファームの世界観に至った。

酒蔵で働いた農家の歴史と独立
はい、応援団の放送を始めていきたいと思います。
農家になる前の物語、ぴたごら前夜、最終話までやってきました。
なんとかね、こぎつけましたね。
ちょっとだけ振り返るとですね、1話は、お花を扱う仕事で得たもの。
第2話は、週末の貸し農園。
第3話は、丹波で学校で出会いがあったと。
第4話は前回ですかね、酒蔵の話ですかね。
前回のつけ足しを少ししてから、次に進みたいと思います。
丹波で学生時代にですね、その1年間農業を習ってた時に、地元の先輩農家のところに研修に行くことがあって、
そこで私が考えていた半農半蔵人の構想を話したんですよね。
じゃあその先輩農家さんが、ここ丹波では昔がそれが普通やったんやでっていうふうに教わったんですよ。
ちょっとだけ説明するとですね、江戸時代になって酒作りが寒造りになったんですよね。
で、それが大成されていって、それはまあやっぱり今思えばですけども、
温めるのは火を焚けばよかったんですけど、
冷ますっていうのがすごくなかなかその当時はですね、難しい技術だったので、
寒い時に作るっていうのが普通になったってことですよね。
それと同時にその冬、農業ができない地域の人たちがその酒蔵で働くっていうことが起きたみたいです。
それでその酒作りの集団が出来上がる。
それで三大杜氏集団みたいなのができてましてね、
例えばその岩手の南部とか新潟の越後、あとは兵庫県の丹波杜氏ですね。
この丹波杜氏はですね、私が行こうとしてた島根の出雲杜氏とも交流があって、
いや、そんなことを考えてるとね、先人たちが通った同じ道を自分が通ろうとしてるのかなと思って、
見えない縁に導かれてるなぁって自分で案外思ったんですよね。
ピタゴラファームに込めた調和の思想
はい、そんな付け足しをしていよいよ最終話ですね。
独立の話です。
まずはじめにですね、私たちの産縁はピタゴラファームっていう屋号を掲げてますけれども、
ご存知そのピタゴラっていうのはピタゴラスですね、数学の。
ここもその逸話がちょっと長いんですけども、またググってみてください。
弦の長さが整数比で揃うと美しい共和音が鳴るっていう話があって、
そのギリシャのね、正確にはイタリアなのかな、
この世界は数でできている、数と調和でできているっていう風に考えた人がいてたっていう話があって、
高校生の時に倫理の授業で聞いてビビビッと来たんですよね。
ありきたりな言葉で言うと、なんて美しいものの考え方かなと思う。
世の中を見る目がそういう風に、やっぱりすごいなっていう感じだったんです。
宇宙を見てたんだなみたいな。
やっぱりその、自然界も同じなんですよね、要は。
野菜をね、無理やり大きく育てようとするんじゃなくて、
土も微生物も水も太陽も、いろんな条件が、
調和が整えば野菜は美味しく育つんですよね。
やっぱりその調和っていうことに関して、自然への経緯もあってね、
そのままこのピタゴラっていう名前を使うことにしました。
なのでピタゴラファンなんですね。
野菜の価格と価値をめぐる決断
でですね、いざ野菜を栽培して、地元の道の駅とか直売所に出そうとしたんですよね。
ここはね、意外だったんですけども、断られてしまったんですよ。
断られたというか、難色を示されたというか。
それは理由はシンプルで、価格が高いっていうことなんですよね。
コスト的に考えると適正価格でも、
市場の相場対比というか、ここでは売れないよっていうふうに言われてしまったんですよ。
いやー、まあね、そうかーっていう感じで。
やっぱショックはショックですね。
自然栽培だし、美味しいのにっていうふうにちょっと弱気になったところがあって、
周りの他の農家さんに合わせてね、価格を下げようかなっていうふうに考え始めてたんです、私が。
でもそういう私を止めたのが、うちの奥さんですよね。
お嫁さんです。
彼女はね、もともとプロの料理人で、やっぱりもう味に厳しくて、食材をすごい大切にするし、
よく見てるっていう彼女がですね、ピタゴラファームの野菜を手に取って真剣に私に伝えてくれたんですよ。
大根は大根らしい風味やで、人参は人参らしい青い香りがするしね、そんな感じですね。
うちの野菜は本当に美味しいんだっていうことを頑張って私に伝えてくれたんですよ。
やっぱりその手と体を使って育てたこの野菜たちは、ちゃんとそれだけの価値があるんやっていうふうに。
だから安売りはしたくないと。
本当にね、彼女は私以上にね、ピタゴラファームの野菜のファンですごく理解してくれてたんですよ、その野菜の良さっていうのをね、うちの野菜たち。
食卓の調和とピタゴラファームの世界観
でもこの人がそういう風に言うんやったらやっぱり価値があるもんだろうと思って、やっぱりそこは自分の自信にもなりましたし。
そんな中、その言葉をね、いろいろ自分の中で思い返しているうちに気づいたことがあって、
やっぱりその美味しいって言ったりするけども、ただ野菜がいいだけじゃその美味しいが生まれへんのじゃないかっていうふうに考え始めたんです。
やっぱりその健やかに育った野菜、その個性をめでて料理してくれる人。
うちではお嫁さんのことですね。
それでそれをね、喜んで食べる人。
うちやったら私ですけども、お客様とか。
やっぱりこの3点がちゃんとつながって初めて美味しいっていうことになるって考え始めたんです。
やっぱりどれかが欠けても美味しいになかなかたどり着けない。
これってあの先ほど話してたピタゴラスの調和のことなんじゃないかと。
この世界の成り立ちの話をしてた、そんなピタゴラっていう屋号ですけども、
この食卓の調和が美味しいなと。
やっぱりこれもその世界であって、食であって、人であって、
全部がそうなんだっていう風な感じで、
これがやっぱりピタゴラファームの世界観につながってるかなと思います。
お嫁さんのおかげで私はその価格を下げずにやっていく道を選びましたし、
そこで初めてお客さんがいいって言ってくれた時のことがね、今につながってる。
今も続いてますね。
はい、長らくお話ししてきたピタゴラ前夜はこれで完結ですね。
どうだったでしょうか。
ピタゴラファーム農家になるまでの物語、少し農家になってからの話もありましたけども、
私たちがピタゴラファームなんだって思えたところまで話せたんで、
まあ一区切りつけようかと思います。
ほんまにね、ここまで聞いてくださってありがとうございました。
また他のシリーズもやっていこうと思うので、
一旦この冬のピタゴラ前夜企画はここまでにしたいと思います。
では、ごちそうさまでした。
09:02

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