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2025-04-07 21:12

26|名前公表「オープン」事業承継広がる 風評リスクより後継者、マッチングサイトも

西日本新聞の記者たちが、取材の裏側やニュース解説、福岡の街のあれやこれやをお話しする「西日本新聞me Podcast」。

中小企業や小規模事業者の事業承継を巡り、譲渡する側の名称を公表して後継者を募る「オープンネーム」の取り組みが増えているそうです。通常は、従業員や取引先に不安が広がったり、競合他社にシェアを奪われたりしないよう、警戒して名称を伏せるのが一般的だそうですが・・・。報道センター経済担当の山下航記者が解説します。

◆出演:山下航(報道センター経済担当)、横山智徳(MC/メディア戦略局)/音声編集:中富一史(販売部)/映像編集:井上知哉(ビジネス開発部)

◆収録日:2025年3月25日

◆名前公表「オープン」事業承継広がる 風評リスクより後継者、マッチングサイトも
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1317290/

◆山下航記者の記事一覧
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サマリー

中小企業の事業承継において、譲渡側の名称を公開するオープンネームの取り組みが広がっています。このエピソードでは、マッチングイベントや事業承継用のサイト「リレイ」の取り組みについて、具体例を用いて説明されています。近年、事業承継において名前を公表することの重要性が増しており、特に後継者不足の問題が深刻です。さらに、マッチングサイトの利用が進み、企業の引き継ぎの可能性を広げる取り組みが紹介されています。

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西日本新聞Podcast
西日本新聞me Podcast
この番組では、西日本新聞の記者が、取材の裏側やニュース解説、福岡の街のあれやこれをお話ししています。
こんにちは、福岡のニュースアプリ、西日本新聞meの横山智則です。
今回は、報道センターの経済担当、山下渡さんに来てもらいました。どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
最初に、自己紹介をよろしいですか。
私は、入社12年目になる社です。
現在は、福岡のほうで、主に金融業界、それから中小企業の担当を中心にしています。
入社12年目ということなんですけど、今までは佐賀県の鳥栖を最初、所任地でして。
佐賀県の鳥栖所任地って、星野さんも一緒?
そうです。
なるほど。より先輩ですね。
先輩になります。
なるほど。
その後、北九州の方に行きまして、またそこから佐賀に戻ってきて、佐賀の鹿島というところと、佐賀市内で仕事をしてきて、今、福岡のほうにいます。
なるほど。鳥栖から北九州行って、もう一回佐賀に戻って。
また佐賀に戻って。
ただ、鳥栖と鹿島じゃ全然違う地域です。
そうですね。全然違いましたね。雰囲気も、産業も。
そうか、産業も。そうですね。
なるほど。今回はですね、それこそ中小企業を担当されていて、金融を担当されているという中から多分出てきた記事なのかなと思いますけども。
事業承継がテーマで、山下さんの記事を書かれているんですね。
今日はその話を伺いたいと思ってるんですけども、その記事の中に、最初に僕が気になって、
オープンネームの重要性
中小企業や小規模事業者の事業承継をめぐり、譲渡する側の名称、いわゆる譲り渡そうとする側の名称を公開して、公表して、後継者を募る。
俗にオープンネーム、開括語でオープンネームって書いてますけども、いわゆる名前をオープンにして後継者を募る取り組みが増えているっていうふうに書かれてたんですけど、増えているっていうことは、そもそも会社を人に譲るときって名前は公表しないものなんですか?
はい。実は一般的には名前を伏せて、譲り渡し先を探すっていうのが一般的。
へー、それまたなんで?
いろいろ理由があるみたいでして、まず一つは名前が出てしまうことによって、そこで働いている従業員さんとか取引先の方に不安を与えてしまうっていう、いろんな風評被害を与えてしまうっていう理想が。
うちのお店もうなくなっちゃうんじゃないかって従業員さんが不安に思うってことなんですね。だから従業員にもある意味知らせずに、経営に携わるごくわずかな人たちだけで譲り、受け先を探そうとするっていうことなんですね。
そうですね。
あー、そういった理由があるんですね。他にも理由があるんですか?
あと他にも競合他社にここ廃業するらしいとかっていう、そういう情報が漏れてしまうことでシェアを奪われたりするっていう、そういったリスクもあるということで、やはり名前を伏せるっていうのが一般的だそうです。
なるほど。考えてみればそうですよね。従業員さんも不安になるし、ずっと長くやってた何々さんがお店を畳むらしいよって言うと、競合とすればある意味今がチャンスになっちゃうんですね。
なるほど。で、本来そうなんだけど、そうではなくて、もう私辞めますと後継者募集してますっていうのをオープンにして探す動きっていうのが今広がってくるということなんですね。
広がってます。
マッチングイベントの実態
なるほど。それこそそういった中で、いわゆる事業生計のマッチングイベント、いわゆるお見合いイベントを取材されたということなんですね。どんな話が聞かれましたか?
はい。私が取材をしたのは、ちょうど去年の秋頃にあったんですけど、政府経営機関の日本政策金融広報というところの長崎支店と瀬戸支店が企画したイベントでして、
これにオンラインでそういう事業を引き継ぐことに興味がある方、それと事業を譲り渡したい側のお店の経営者さんが参加をされてました。その中で一人、長崎の島原。
で、飲食店のお肉屋さん、お肉のハンバーグとか焼肉とかを出すお店。
飲食店。
飲食店の経営されてる宮崎さんという方が実際に登壇されてて、すごく自分の経営の思いとかで引き継いでほしいですというアピール、プレゼンみたいな形でされてました。
で、当然引き継ぐことに興味がある方から、それからはもういろんな質問も出てまして、例えばスタッフは何人ぐらい残りそうですかとか。
あと仕入れ先、お肉のことだと思うんですけど、仕入れ先を引き継いでもらうことは可能ですかとか、また実際引き継いだ後のことについていろんな質問がその場所の中でいろいろ出てました。
引き継ぐのはいくらかかりますかももちろん、上等するというのはいくらかかりますかもそうだろうし、長い従業員さんたちがこの後も働いてくれるのか、それともある種一緒に辞めちゃうのかっていうのはもちろん気になりますよね。
なるほどね、そういった質問も受けるし、いわゆる答えてくれてるわけですよね。
そういう直接やり取りができるっていう会場の中でですね。
なるほど、面白いですね。日本政策金融高校がそういったイベントをするんですね。
この機関が始めたのが2022年だそうです。
意外と新しいですね、最近の動きって話なんでしょうね。
始めたのも本当最近でして、ただもうすでに何件か制約して実際譲り渡しますっていうマッチングした例も出ているそうです。
そうなんですね、どのくらい出てるんですか。
私が取材した時点では16社制約をしたということで。
2年間の間で、2年間ぐらいですもんね、22年から始めて24年頃までに何回かされたんでしょうけども、多いですよね。
そうですね。
24ヶ月で割ると、月に1社だったり2ヶ月に1社ぐらいは、なんていうのかな、そんな簡単じゃないと思うわけですよ。
いろいろ条件が。
そりゃそうだと思うんですよ、売る側にしても買う側にしても。意外とうまくいくもんなんですね。
そうですね。
実際、制約しなくても直前実際に経営者さんといずれ受けたい人が面談するっていうところまで至ったケースは他にもいっぱいあるということですね。
そうなんですね。65社がって書いてあるのは、譲渡側の約6割に当たる65社が譲り受け側と面談ですから、
譲りたいと言ってるチームの半数以上が面談まではされてるみたいなことにするんですよね。
そういうことですね。
でもこういった動きって今っぽい気もするし、流れとしては流行っていくのかなとかって思ったりしますけどね。
マッチングの場作りっていうのもこれから増えていく可能性がありますね。
そうですよね。
それこそ僕が記事を読んだ時にこれが一番面白いと思ったのは初耳だったんですよ。
これがイベントがあるっていうのもそうなのかと思ったんですけども、
今だなと思ったのが事業生計のマッチングサイトがあるんですよね。
リレイの成功例
はーって思って、そりゃそうだなと思ったんですよね。
どんな会社なんですか。
リレイっていうマッチングサイトなんですけど、これを始めたのが宮崎市にあるベンチャー企業ライトライトっていう。
宮崎、九州の会社なんですね。
そうなんです。で、こちらが2020年。これも結構最近。
ここが2020年にオープンネームの事業生計マッチングに特化したプラットフォームのリレイっていうサイトを立ち上げて、そこから運営をしているということです。
リレイっていうはバトンをつなぐのリレイなんでしょうね。
そうなんですね。
これまでの実績っていうのが。
実績がですね、こちらが約550社が今までにインターネット上で後継者を募って、そのうち110社ほどが実際にマッチング制約に至ったそうです。
5分の1。きれいに5分の1ですね。
僕も山井さんの記事を読んで知らんかったと思いながらリレイを検索かけたわけですよ。
ただですね、僕が知っているラーメン屋さんもあった。
そうなったんですか。
ここで企業名って言わないほうがいいんでしょうけど、汽車九州のおいしいラーメン屋さんが載ってて。
なんか載ってたような気がする。
ああと思って、あんな人気店なのに、いろいろ想像をするわけですよ。
人気店だったら引き継ぎたい人たくさんいるだろうに、なんでオープンにしないといけないんだろうかとか、どういう事情があるのかなっていうのを結構想像しながら、
結構記事を読ませてもらったというか、サイトを見させてもらったんですけど、
リレイを今回記事になってお話を伺いたいのは、北九州のラーメン屋さんではなくて、福岡の会社で一か所手を挙げたところがあって、そこを山井さんが取材されたってことなんですよね。
実は取材をしたのがですね、福岡市の城南区にある文林堂っていう印刷所なんです。
こちらが活版印刷を出しながらの活版印刷です。
いわゆる新聞文庫、昔はそうだったってやつですよね。
YouTubeを見てらっしゃる方は、僕の背景がいわゆる活版印刷で使っていたあれですよね、たぶん。
鉛の活字ですよね。
そうなんですよね。
実はそうなんです。そこを取材をしましてですね、実際にちょっとお邪魔してこちらの会社の方にいろいろ話を聞いたんですけど、
こちらが約3年ぐらい前に、さっきのリレイで後継者を募集したそうですけど、それとも1日でネットのページを閲覧した件数が約6000件上ったそうです。
そうなんですね。
かなり多い方みたいなことがあって、分林堂の経営されている山田義行さんの話を聞いたんですけど、こんなに関心を持ってくれる人がいたとは、すごく驚かれてましたね。
記事では83歳。
83歳ですね。
なかなか恒例でずっとされてこられたんでしょうね。
ただ83まで激にされてるってのはそれはすごい。
とはいえやはりご本人も恒例になったということもあって、やはりちょっとそろそろそういう事業生計というのを少し意識されてたみたいでして、
その中でもそういうかなり思いを持って発版印刷されてたというので、そういう理解をしてくれる人に引き継いでほしいという、そういう思いで引き継ぎ先を探してたわけですよね。
その中で実際、生計先として選ばれたのが、これも同じ福岡の中央区にある文房具の販売の会社ハイタイドさんというのがあるんですけど、そちらがマッチング先になりました。
今手を挙げて話が進んできたってことになるんですね。
そうです。実際に面接とかもしたそうです。
ということで、その後結果的に今、いわゆる事業生計、もう事業を引き継ぎますという形ではなくて、業務提携、文林道さんとハイタイドさんの業務提携を結ぶ形になって、
山田さん実は今もこの印刷社で働かれているという、ちょっと違う形にはなったんですけど、一方で業務提携ということをきっかけに、
さっきのハイタイドさんが、この活版印刷所の中に直営店をオープンされた。
これが面白いんですよ。僕もこの写真、YouTubeの背景になっている写真は、さっき言ったように、僕の頭の後ろには活版で使っていた鉛が棚っていうんでしょうね。
並んでるんですけど、ちょうど真ん中の方にはオシャレ文具が並んでるんですよね。
ノートだったり、たぶんボールペンだったりみたいなことなのかな。手帳だったりかな、下の方は。並んでて。
これまたちょっと独特の、いい感じの文房具店になってますよね。
すごくアナログ文化っていうのが、すごく滲む文具とですね、カパメントっていう、すごくいいなと思いました。
売ってる文房具にも背景とか物語を感じられるような、そういったショップになってますよね。
そういうことで、実際にそういうハイタイドさんの文具の中でも文林堂とコマとした商品を販売したり。
そりゃそうだって話ですね。そうですよね。
名前公表の重要性
活版印刷を作った商品とかですね。
あと、活版印刷のワークショップ、実際に体験してみるようなワークショップも開いているそうです。
それは事業生計ではないけど、いい感じでのコラボですよね。
そうですね。実際、ハイタイドさんの担当の方にもお話聞いたんですけど、
おっしゃってたのが、まず何で文林堂に引き継ごうと思ったんですかっていうところで言うと、
ハイタイドさんも活版印刷っていう文化を残したいっていう会社としての思いがあったということだそうです。
結果的に業務提携されたことで、ハイタイドさんからしてもこういう活版印刷というアナログの文化を大事にしている会社なんだなっていうのを、
PR、会社の発信にもつながったということで、お互い良い手取りになったのかなという話でしたね。
それこそマッチングサイトを運営されているライトライトさんからはどんなお話が聞けましたか。
私、このライトライトさんの代表者の斎藤龍太さんにお話があったんですけど、
この方は言うに、いわゆる今までの一般的な名前を伏せたタイプ、事業生計っていうのに関してもちょっとお話されてて、
名前を伏せるっていうことは風評被害を抑えるっていう点ではそういうメリットある一方で、
一部の人しか知らされないということで、そういう生計の可能性を狭めてしまっているというような指摘をされていました。
実際、文林土産の例で言いますと、ここはもう50年以上続いていた店ということで、
そういう文林土産だっていうノレンの名前、ネームバリューを前面に出したからこそ、
たくさんの人が引き継ぎたいっていうインターネットを通じて希望者が現れたっていう。
そういう買い手の幅を広げることができたっていうのは、やっぱり会社の方としてもすごく手応えを感じているところだそうです。
後継者不足の現状
そうですよね。なかなか、それこそ風評被害を防ぐために名前を伏せていたのではおそらく、
おそらくですけど、こういったコラボは実現しないですよね。
なかなか出会うきっかけという意味では、2人は出会わなかっただろうと思うわけですよ。
なるほどね。
今回取材をされてですけど、山下さんどう思われましたか。
そうですね、すごく後継者不足っていうのが全国的にすごく課題になって、
最近ニュースでもピーラー上げられてると思うんですけど、ちょっとデータをご紹介しますと、
信用調査会社の東京商工リサーチのデータで、
2024年、1年間に全国で休業廃業、それから解散した企業というのは全国で62,695件あって、
私たちが住んでいる九州沖縄地区でも4835件ということで、
これいずれも年間の数として過去最多を更新したそうです。
なるほど、僕も4800件って聞いて多いのか少ないのかわからなかったんですけど、
過去最多なんですね。
やっぱ段階の世代の皆さんが現役を引退されてっていうようなものと結びついてるんでしょうね、結局。
そうなんですよね、そういうこともあって。
あと九州経済調査協会という福岡市にあるシンクタンクなんですけど、
こちらが今年年明け、2025年に九州経済白書という毎年公表している資料を発表された中で、
この中でも今回この事業生計というのが一つ大きなテーマとして取り上げられてまして、
その試算によると後継者がいない企業がそのまま廃業していくということが続けば、
九州、山口、沖縄において約19万人の雇用、それから約1.5兆円の付加価値額が豪出するという、
そういう推計を出されてまして、これだけ実際今地域、私たちが住んでいる元でもよくその老舗のお店が閉まりました、
ラーメン屋が閉まりましたとか、喫茶店が閉店しますとかいう話ってよく多いと思うんですけど、
それがやっぱり地域の活力、元気が奪っちゃうというか、そういうふうになっていく可能性があるから、
やっぱりそこは本当に大きな課題だなと思うし、一方でいろんなイベント、マッチングイベントとか、
そういう引き継ぎたい人の思いっていうのをしっかりと救い上げる、後世にお店を引き継ぎたい人の思いと、
いろんな懐かしの味とかそういうのを引き継ぎたい人っていうのを、思いをつなぐ、マッチングするような、
これ試みというのはやっぱりこれからどんどん増えていってほしいなというのは思いはありますね。
そうですよね、僕もそうだなと思いながらですね、それこそ今日山下さんをお呼びしたのはですね、
そもそも新聞っていうのは媒体っていうように、それこそ山下さんの記事を読んで、
いろんな人が最終的につながっていくっていうのも一つの僕らの仕事だろうと思うんですよね。
人と人とつなぐ仕事で、そういった思いで、僕もこの間山下さんの記事を読んでたら、
事業承継のお手伝いって新聞社でもできないもんかななんて、ちょっと想像しながら記事を読ませてもらったんですよ。
社内リスナーっていう言い方は覚えてますけども、新聞社の中でこの番組聞いてくれてる人も多いので、
なんかうちにもできんかなっていうようなことを改めてですね、紹介を社内にもしたくてですね、
今日山下さんにどんな話だったのかなと思いながら、ちょっとお話を聞かせていただいた次第でございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
エンディングになります。その前に一つお知らせです。
西日本新聞MEの会員特典として、天神ビジネスセンタービルの飲食店街、稲地下って言うんですけども、
8店舗でお得なサービスが受けられるようになりました。
生ビールやハイボールがいっぱい無料になったり、ランチが割引になったりとかなりお得な特典です。
こちらもリンクを概要欄に貼っております。よかったら利用してください。
ここまで聞いていただきありがとうございました。山下さんの記事が読みたい、この番組を応援したいと思っていただけましたら、
ぜひ西日本新聞もしくはスマホアプリの西日本新聞MEのご購読をお願いいたします。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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