これは少し古いですね。
そうですね。活動している団体です。この年何だったのかというと、1985年に均等法が成立したんです。
男女雇用機械均等法、1985年。
それから10年経って、じゃあ私たちの身近で何が変わったのか変わらなかったのか、これからまだまだやっていかなきゃいけないんじゃないかということで立ち上がったのが、ワーキングウィメンズボイスでした。
ワーキングウィメンズボイス、働く女性の声。
そうです。聞きたいぐらいになってますけれども。そこのメンバーで毎年、男女共同参画推進センターアミカスで年に1回大きなイベントをやっていて、そこで今回エッセンシャルワーカーの働き方を考えるというイベントを行いました。
エッセンシャルワーカーっていわゆるコロナの時にこの言葉がよく出てきた覚えがあります。いわゆる看護師さんであるとか。
そうなんですよ。
他ってどういうことですかね。
あるいは相談員もそうだし、それからスーパーで働く方とかもそうだし、倉庫の作業員の方、ドライバーの方そうだし、調理師さんもそうだし。
要するにその人、コロナだからみんなオンラインで仕事しようなんていうことがあの時推奨されたけれども、いやそうはできない人たちいるでしょうと。
要するに現場で働く人たちですよ。その人たちのことをエッセンシャルワーカーと言って、コロナの時にこの言葉が非常に大きくクローズアップされて、ブルーインパルス飛ばしたりとか。覚えてます?
ブルーインパルス飛ばしたりとか?
看護師の方々を励まそうとして。
励まそうとしてね。福岡の上空も飛びましたね。そういったことがありました。
その方たちの待遇を考えてほしいという集会をつい先日。
そうなんですよ。10月18日土曜日にアミカスのホールで行いました。60人ぐらい参加されましたかね。当事者の方とか、それを支援する人とか、そんな方たちがたくさん来られて。講師は田中陽子さんという先生です。
それこそエッセンシャルワーカーという本を出されたんですよ。見せていいですか?
大丈夫です。ユーチューブご覧の方。
エッセンシャルワーカー。このエッセンシャルワーカーという本の中には、私が当事者であった感性ワーキングプアのこともそうだし、それからいわゆる主婦パートと言われるような、スーパーとかコンビニとか働かれてるような人、それから学生アルバイトの人。
それとかあと看護師、介護師の問題、委託問題、こういったいわゆる正規ではない働き方をしている人たちの話がこの本に載ってまして、田中陽子さんに話を伺いました。
ちなみにカイツマンデみたいな話をしますと。
カイツマンデの話をすると、このエッセンシャルワーカーというのは、私たちの生活を支えるべき人たちなんだけれども、待遇が本当に、もう待遇の問題なんですよね。
待遇の問題ってでもね、侮れなくて、私たちがこの仕事をしている、やっぱり一つは自己肯定感になるものなんですね。
これだけの価値のある仕事をしているっていうのは、一つ見える形で報酬になってくるんだけれども、そこが私たちエッセンシャルワーカーがなかなか認められてないなということをお話ししていただきました。
そして田中先生ですね、実はドイツの研究もされている方で、日本とドイツの働き方の比較をですね、そこでお話ししてくださいました。
私たちが一番びっくりしたのは、私たちが想像するハンバーガーショップ、あそこでは大体学生さんとかね、パートの方とか。
いっぱい働いてますよね。それこそ10人くらい店舗の中にいたら、店長さんが社員で、残りはそれこそ学生さんがたくさんいてみたいな、うちの近所もそんな感じだような気がしますけど。
日本はそうなんですけれども、ドイツではその割合が実は逆だと。私たちが思っている職場とは全然違くて、会場騒然ですよ。そうなの?そうなの?それで成り立つの?っていう感じなんですけどね。
そういう働き方なんです。例えば私たちはね、短時間労働者はみんなパートだと思ってますけれども、ドイツではパートだからといって非正規ではないんです。
その方のライフステージに合わせて、例えば育児をしている、介護をしている、そういった時っていうのはやっぱり短時間でしか働けない。でも身分は正社員のまま、働く時間が短い。
短いけども正社員です。そうなんですよ。で、その短い労働ですね、カバーするためにタンデム、タンデムワークというね、タンデム方式という働き方がドイツではあるそうです。
今ちょっと調べましたけど、二人乗りの自転車とかバイクのことを指した言葉とか、本来は二頭立ての馬車に由来しとか、いわゆる二人ってことなんでしょうね。
二人乗りの自転車ね、海の中水とか言ったらあります。
なるほど、それのやつですね。
タンデムって言うんですけど、それをイメージして二人で漕いでいくっていうような働き方がドイツではあるということを聞いて、なるほどなと思ったりとかですね。
田中先生の話だけじゃなくて、この日は実は当事者の方に来ていただきました。一人は相談員の方、それから介護職をしている方、それから看護師さん、そんな方たちが出てきました。
さっきのブルーインパルスの話もやっぱり出てきて、ブルーインパルス飛ばしぐらいだったら報酬あげてほしかった話とかね。
なるほど、なるほど。
あと相談員の方からちょっと印象的な言葉があったのが、私たちは相談に来るっていうのはすごく勇気のいることなんですよ。
自分のやっぱり弱いところを晒して、相談窓口に行くわけです。
その命がけでやっぱり来ている人たちを、相談員はちゃんと支えなきゃいけないんだけれども、支えている私たちが三本足の椅子に座ってる。
三本足の椅子に座った。
意味わかります?
安定した椅子ではない、四つの足の椅子じゃないと。
私たち自身が、相談員自身がグラグラした不安定な椅子の上で、命がけで来た人たちの話を聞いている。
それは現場はそういった状況なんですっていうことを相談員の方から聞いて、とても印象的な比喩だなというふうに思いました。
先ほどから成瀬さんの話の中の所々で、完成ワーキングプアという言葉が出てくるんですよね。
ワーキングプアって、それこそラジオを聴いていらっしゃる方も働いてるけども、なかなか生活が苦しいんだよ、ワーキングプア。
ここに完成という言葉が、法務委員なのに苦しいみたいな話しになる。
完成ワーキングプアというのが、そもそも何なのかというと、
国とか地方公共団体、非正規だったり有機雇用で働いている人々、こうした方々の厳しい状況を表す言葉として言われてまして、
現場で正規の職員とほとんど同じ仕事を、責任の重い公的な仕事だったり、専門性の高い仕事、こういったのをされているんですけども、
それにもかかわらず賃金が低かったり、契約の更新がないかもしれない、非常に不安定な立場で働いていらっしゃる方々。
完成ワーキングプア、官が作り出した働く貧困層というふうに言われてます。
先ほどの話でいうと、相談員の方たちとかいうのは、まさに完成ワーキングプアという言い方になるんですかね。
そうですね。多くの相談員が非正規公務員あるいは委託で働いています。
カンバイスヨウジさんという、この非正規公務員のことを研究していらっしゃる、研究者がいらっしゃるんですけど、この方の調査によると、
2000年以降、いろんな法律が出てくるんですけれども、例えば自動虐待防止法とか、DV防止法、ホームレス自立支援法、自殺対策基本法、
それから生活根拠者自立支援法、相談という言葉を条文中に出ている法律が100本を超える勢いで成立してるんです。
相談という言葉が出てくる法律が。
そうなんです。そしてさらにそのうちの50本以上は地方自治体に相談窓口の設置を義務づけている。
というところで地方自治体がその相談窓口を作らなきゃいけない。窓口作ったら相談員がいる。
その相談員は非正規で雇用する。というような流れになってきているんですよ。
それで多くの相談員が今非正規で働いています。
なるほど。相談窓口ができることは一旦いいことですがっていうところなんですよね。
相談窓口が何で必要かっていうところまで話はちょっと深くなってくるんですけれども、
2000年以降こういった法律がいっぱいできるというのは結局世の中が受け止めきれなくなった人たちがたくさんいるということなんです。
相談をしなきゃいけない。要するにそれまでの日本は1億総中流ということでね。
みんなそれなりのゆとりを持って生活してたんだけれども、
新自由主義のもとでいろんな格差が生まれてくる。
そしてそれに取り残されている人たちが出てくるというところで相談ということが出てきました。
相談するところがたくさん増えているのはいいことですよねっていう話はちょっとあるんだけども、相談しないといけない人が増えているということなんですね。
そうですね。そういうことなんです。
生活保護に代わる第2のセーフティネットっていうふうなことをよく言われてます。
私は今ですね、福岡県の自立相談支援事務所というところで働いてますけれども、
ここは2015年に生活困窮者自立支援法という法律ができて、それに基づいて作られた相談窓口なんです。
それまで日本はどうだったのかというと、第1のセーフティネットというのがあって、
これは例えば雇用保険とか年金とかそれまでもあったセーフティネットなんですね。
これをすり抜けていくと生活保護なんです。
生活保護は最低限の文化的なそして健康的な生活を維持するためのもの。
これはこのままありますけれど、その間に第2のセーフティネットっていう位置づけで生活困窮者自立支援法ができてきたんです。
であれば今後どうしていけばというかどう進んでいけば良くなるんですかね。
冒頭の話に少し戻るというか関連するんですけど、実はエッセンシャルワーカーの方々のこうした厳しい現状について、厚労省が9月末に公表した労働経済白書というのがありまして、
その中で初めて調査結果を明らかにしてまして、それによりますとエッセンシャルワーカーの方々の月々の賃金、
これが同年代の他の職種と比べると5万円低いと、そして年収になると100万円ぐらい低いという結果が出たんですよね。
国がこういった調査に乗り出したというのはあくまで現状の把握というふうな状況ではありますけども、すぐに処遇改善つながるかどうかというのもわかりませんが、
ただ社会のこうした新しい課題として発信したという点は非常に大きな意味があるんじゃないかなというふうに思います。
特にエッセンシャルワーカーだったり感性ワーキングプロの方々というのは、私たちの生活と密接に結びついて社会インフラを支えるというふうな分野で働いていらっしゃる方々ですので、
これは社会になくてはならない存在だと思います。こうした方々がきちんと働き続けられるように、その人のスキルだったり経験こういったものに見合った処遇をやっぱり考えていくということが大事なんじゃないかなと思います。
ありがとうございます。ナルテさん。
私も現場で相談員をしてるんですけれども、相談員ができることっていうのはやっぱり限界があります。
私はよく例えで、私たちがしている仕事って板底を張るだけなんですよって言うんです。
怪我したところ。
そう怪我したところ、痛いところにね痛かったねって言って、じゃあこれでこの制度があるからって言って板底を張る。要するに対処療法でしかないわけです。
今法律の中で私たち働いているわけなので、相談員はそこをするのがもう限界なんです。だからやっぱり転ばない道を整えていくことが最大のやっぱり政策かなというふうに思います。
非正規の人を正規化にして自立した生活ができるようにするとか、これだけじゃなくてあと年金の問題とかも今クローズアップされてますけれども、そういったこともね今まで結構置いてけぼりにされてきた問題だと思うんです。
それでみんなまっすぐに歩けなくて穴に落ちたり石につまずいたりして怪我していくわけです。その怪我を私たちは板底を張っているっていうことになってますね。
だからもうやっぱり政策頑張ってほしいなというのと、あとですねやっぱり職能団体とか労働組合にも頑張ってほしいなと思ってます。相談員が一人で戦うことは正直できません。
だから私たち専門職なんですけれども、それぞれの専門職の職能団体、その人たちがこの仕事にはこんな価値がある、こんな社会的な任務があるんだ、それをきちんと社会に発信していってほしいなというふうに思います。
そうですよね。板底を張る仕事も大事な仕事ですけど、そもそも転ばなければいいって話ですよね。
そうです。
そうですよ。
そうです。
転ぶ人の数が少ない方がいいに決まってる。
はい。
その通りですよね。
ありがとうございます。ここまで聞いていただきありがとうございます。今後とも番組の応援と西日本新聞、スマホアプリ西日本新聞MEのご協力をお願いします。
それからせっかくですので番組の登録、チャンネル登録も併せてお願いできればと思います。本日はありがとうございました。
どうも西日本新聞MEです。このアプリではあなたの知りたい記事から福岡の経済、社会、子育て、教育、イベント情報、ライブカメラ、マップでわかる防犯情報に特集記事調査を依頼できるあなたの特命取材班速報。
そう、福岡の味方西日本新聞ME。今すぐダウンロード。西日本新聞。