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154|天神地下街50年 石畳と照明に込めたデザインの秘密
2026-11-02 15:56

154|天神地下街50年 石畳と照明に込めたデザインの秘密

西日本新聞の記者が、取材の裏側やニュース解説、福岡の街のあれやこれやをお話しする「西日本新聞me Podcast」。

石畳、アンティークな街路灯、少し暗めの照明——福岡の方なら一度は歩いたことがある天神地下街(てんちか)。開業から50年を超えて人々を魅了し続けるこの空間には、たくさんの仕掛けと、つくった人たちの工夫が詰まっています。

連載「イマココ 天神博多」をもとに、黒田記者とともに50年の空間の秘密を探ります。


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◆収録日:2026年9月30日(水)

◆出演:黒田加那(報道センター記者)、宮﨑真理子(MC/あなたの特命取材班事務局長)/ 音声編集:伊東朋宏(メディア戦略局)


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サマリー

天神地下街は、19世紀欧州をコンセプトに石畳やレンガ、アンティーク調の街路灯、暗めの照明を取り入れた、全国でも特徴的な空間として設計されました。福岡の市場調査で欧州や明治時代末期の人気が高かったことが背景にあり、次世代に引き継げる街を目指して素材やデザインが選ばれました。開業当初の石畳はハイヒールが挟まるほど凹凸が深く、改修を重ねて現在の形になっています。

19世紀欧州をコンセプトにした天神地下街
西日本新聞Podcast
西日本新聞me Podcast
この番組では、西日本新聞の記者が、取材の裏側やニュース解説、福岡の街のあれやこれをお話ししていきます。
こんにちは。福岡のニュースアプリ、西日本新聞meの宮崎麻里子です。
前回に引き続き、今回も報道センターの黒田かな記者に来てもらっています。よろしくお願いいたします。
報道センターの黒田です。よろしくお願いします。
今回のテーマも天神地下街になります。石畳やアンティークな街路灯、少し暗めの照明、開業から50年を超えて人々を魅了し続けているその空間に迫っていきます。
福岡の方なら一度は歩いたことがあると思います。私たちは普段何気なく歩いていますが、実はこの空間にはたくさんの仕掛けと作った人たちの工夫が詰まっているんですよね。
知らない方もいるかなと思いますが。
今回はその開業の舞台裏から石畳の意外な悩み、そして天井のからくさ模様にまつわる色選びのエピソードまでたっぷりお届けいたします。
今回の記事も連載今ここの中のシリーズの一本なんですね。
そうですね。今ここ天神博多の一環として今ここ天神地下街という50周年を迎えたそういうのをやっています。その中の一本になります。
福岡都心のこれまでの歩みを見つめる連載の中で今回は福岡天神地下街の空間そのものを取り上げられたんですね。
そうなんです。私も東京と大阪に暮らしていたことがあるんですけど、この地下街それぞれの地域を比べてやっぱり天神地下街っていうのはすごい独特のデザインですよね。
他の地域の地下街ってだいたい城っぽくて通路ですよね。いかにも通路って両側に店があって。
この地下街ってすごく特徴的なこの環境のデザインがされていて、私もそれが面白いなと思っていたので、ちょっとこのデザインに専門家の取材をしてみたいなと思って取材しました。
その記事の冒頭から専門家の評価から始まってますね。
そうですね。やっぱりこの専門家の方というのは地下街の詳しい方なんですけど、その方の話の中でも全国の地下街を見たり寄ったりの中でもこのデザインが突出しているというお話でした。
具体的にはそのデザインが突出しているってどんな空間なんですか?
19世紀の欧州というのはコンセプトにしてまして、具体的には石畳やレンガとか、ガスト風の大御堂だったり、天明看板も鉄製でアンティークな雰囲気を出していますね。
ヨーロッパの古い街並みを歩いているようですね。
そうですね。天井もやっぱり装飾がしてあって、煮物でできた辛草模様とか、草原モチーフにした柄が広がっていたりとか、照明自体も一般的な地下街より暗めの雰囲気で落ち着いたもので。
なるほど。天井の辛草模様は後半でじっくり伺いたいなと思うんですけど、そもそもどうして19世紀の欧州がコンセプトになったんでしょうか?
当時こういう地下街を作ろうということで、五国代理店の方でマーケティング調査を福岡の人に向けて行ったということで、その中でどんな時代とか場所が好きかという質問の中で、ヨーロッパと手作り時代末期というの
が人気が高かったということで、
19世紀の欧州というのはコンセプト化にしようというようなことも決まったということでした。
市場調査で欧州の人気が高まっているんですね。記事には地下街を運営する福岡地下街開発の候補、織田香良平さんのお話も出てきてますね。
そうですね。当時のことを聞いたんですけれども、当時のコンセプトとして次世代に引き継いでいける街にという思いがあったという話をさせていただきました。
そうした思いをもとで素材が決まっていったということなんですか?
そうですね。素材として石やレンガとかを使うというのは元々の19世紀欧州という人気がある縁で決まっていたんですけど、
作っていく中で次世代に引き継いでいける街にという思いがあって、結果的にはこの時代に左右されないようなそういう空間になったんじゃないかなと思います。
これ開業に向けては海外にも視察に行かれたと書いてありますね。
そうですね。高畑広告会社とか設計業者とかそういう方たちの一行がドイツとかスイスとかで旅行を2週間にわたって企画して、それを建設計画にさせたということでした。
歩きやすさと店舗を引き立てる設計
次は足元の石畳にもエピソードがありましたね。
そうですね。床目は白三陰石と出てきたタイルと敷き詰められているんですけれど、開業当初ってタイル、石の凸凹が結構深かったので、歩きづらいというか、
当時のいわゆるOLさんとかで、ハイヒールが入ってたりして、それでハマっちゃうみたいな声もあったそうです。
これは改修を重ねて今の石畳になったんですね。
そうですね。数回にわたって改修工事を行われて今の形になっているということでした。
当時よく来られた豪華紙の60歳のシェフの方に聞いたんですけれど、当時流行りのハイヒールで走るとかかとが挟まって転んだり、折れたりしたっていう。
いろいろ悩みが大変だったでしょうね。
ヒールで歩く人たちが。
今はですね、スニーカーの格好、結構低いヒールが流行りですけど、昔は結構低いヒールが流行りだったので、余計歩きづらいかもしれないですね。
天神地下街って通路の高齢が抑えられているっていうのも特徴だって聞いたんですけど。
そうですね。この通路なんですけれど、客席っていう風に捉えていてですね、一方舞台として、この舞台である店舗が目立たせられるようになっているような、そういう作りになっています。
すごいですね、その演出が。
そうですね。やっぱりそうやって全体の高齢を落として舞台である店舗が目立つことによって、その中に置いてある商品とか店員さんも輝いて。
通行人である私たちは観客に当たるそうなんで、その観客の目を引くっていうような、そういう仕掛けになっているようですね。
こだわりの演出ですね。
そうですね。
東西で異なる天井装飾の制作
で、その天井のからくさ模様についてなんですけれども、天神地下街は全長でどれくらいあるんですか?
天井はですね、約590メートルあってですね、半分くらいは後に延伸されたんですけれど、どちらも装飾なんですけど、装飾の柄はちょっと違うんですね。
このからくさ装飾を担当されたのはどちらの国ですか?
これはですね、実は地元のメーカーでして、福岡の海町というところである昭和鉄工さんというメーカーがあるんですけれど、こちらが製作したものです。
記事には50年100年経っても丈夫で壊れず、古びないものが書いてあるんですけど、長い時間を見据えたことがですね。
そうですね。もちろん金属なのでそれだけ丈夫というのもあるんですけれど、今まで50年前に作られた部分のからくさ模様の天井装飾も全て、まだ一枚も入れ替えたりとかしてないということです。
昭和鉄工のOBの坂口和夫さんにもお話ししたんですかね。
坂口さんという方が2005年に長島線の地下鉄の改良に伴って地下街が延伸した時の地下街南側を天井装飾を担当された一人でして、
南側の延伸時に地下区全体の空間デザインを担当されたデザイナーの佐藤哲也さんという方がおられるんですけど、坂口さんのお知らせには佐藤さんが一番力を投じていたのがこの天井装飾だというのをおっしゃっている
んですね。
やっぱり天井って目に入るじゃないですか、行き交う時にですね。染みる面積も多いので、これがかなりその印象を左右するということで、かなりこだわって精確に対応されたということでした。
記事によると東側と西側で模様が違うそう。
そうなんですよ。実はこの西側と東側、東西でコンセプトもちょっと違ってますね。
東側の方は小杖、ちょっと冬のイメージ。
西側の通路は夏の葉杖、ちょっと夏のイメージ。
地面のタイルとかちょっと違うんですよね。
東側、冬の方が石の葉が落ち着いたと思う。
逆に夏の西側はレンガでちょっと暖かみのある感じ。
あんまりそういうのを意識せずに歩いているんですね。
実はその天井装飾も東西で全然柄が違ってですね。
この東側の冬の小杖の方はまさにその小杖、冬に葉が落ちた枝がちょっと伸びている。
そういう枝が絡み合っている。そんなイメージの冬の木のイメージの模様でして。
西側の方はですね、葉杖でまさに夏に生い茂っている葉っぱのイメージで、葉が綺麗な感じの色です。
スケッチを安全な立体装飾へ
このデザイナーの佐藤さんはすでにお亡くなりになっているんですね。
その佐藤さんのスケッチをもとに海外のようなデザインを立体的に作っていく、製作したってことなんですか?
そうなんですよ。もともとスケッチ画っていうのがそれぞれの葉杖でありまして、
それを実際に実物化させていくっていうところで
坂口さんたち10人くらいのチームで作り上げていったんですけど、
やっぱりスケッチ画を見せていただいたんですけど、美しい公開画みたいなの。
それを実際にどんな感じにしていくのか。
穴みたいに見えるのは何なのかを詰めていったりするのが、
1枚の絵を実物化していくっていうのは難しいかなっていうのをおっしゃってましたね。
大変な制作ですね。
そうですね。もう数年かけて制作に取り組んで。
もちろんデザイン的にもとのスケッチを再現するっていうところもなんですけど、
やっぱり天井の装飾としての安全性だったりとか、
満たさないといけない部分もあるので、
例えば重すぎると地震とかの時に危なかったりメンテナンスが大変なので、
重量を抑えるためにアルミを用いて、
耐久性だったりとか肺炎性とか、
あんまり重いすぎてると煙とかがうまく通らなかったりとかしてよくないというので、
そういった安全面も適合させてないといけないというので。
絵画を立体にしてしかも軽くて丈夫で安全じゃなきゃいけないって言って、
なかなか大変な作業、制作ですね。
偶然決まった夏の葉の色
あと色合いにもエピソードがあると書いてありますね。
そうなんですよ。
これ、東西の小杖と葉杖で色もちょっと違ってですね。
小杖の方は鉄をイメージしたブラックグレーの色っていうのがすんなり決まったそうなんですけど、
夏の葉杖の方はグリーンっていうのは決まったんですけど、
じゃあどういうグリーンだっていうので、
なかなか佐藤さんがピンとくる色がなかったようで、
いくつも色見本を作ったけどなかなか出なかったそうなんですね。
どうやって結局夏の葉の色が決まったんですか?
それが本当にたまたま偶然だったそうで、
ちょうど坂口さんと佐藤さんが2人で仕事が終わってからご飯を食べに行ったそうなんですよ。
そしたら入った和食店の床の間に掛け軸が置いてあって、
その掛け軸の表層っていうんですかね、周りの布みたいな。
そこの色がちょうどすごく綺麗な良い色で、
2人でまさにこれだこの色だって思わず叫んだという。
店の中で叫んだ。
そうなんですよ。
違う店に行ってたら違う色だったかもしれないけど。
南北にも広がる装飾の違い
それは東と西で比べながら歩くとまた天神地下街を歩く楽しみが増えそうですね。
そうですね。多分東西で違うっていうのを気づいてない方もいらっしゃると思いますし、
また南北でも違うんですね。
ほとんどあるところは割とスタンダードなカラフルなものだったりするんですけど、
こちらも昭和鉄工さんが作っているので、
その場所場所によって違う店場の装飾も楽しんでいただけたらなと思います。
分かりました。
たくさんの人の工夫でできていることがよく分かりました。
ありがとうございました。
次に天神地下街を歩くときは足元と天井にも注目してみたいですね。
黒田さんありがとうございました。
皆様ここまで聞いていただきありがとうございます。
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本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
西日本新聞MEです。
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