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  2. 47|突然口座凍結 なぜ私
2025-09-19 21:45

47|突然口座凍結 なぜ私

あなたの声が社会を変える。読者と記者がSNSでつながり、暮らしの疑問から地域の困り事、不正の告発まで徹底調査し、あなたの「知りたい」にこたえるオンデマンド調査報道「あなたの特命取材班」(あな特)。

 「銀行口座が突然、凍結されてしまった」。福岡県内の40代男性から、切羽詰まった投稿が「あなたの特命取材班」に寄せられました。特殊詐欺被害やマネーロンダリング(資金洗浄)対策を理由に口座を凍結されるケースがありますが、男性は「犯罪には関わっていない」と訴えます。記者が背景を探ると、知らないうちに口座が凍結の対象となり、その後の解除が難しいケースが浮かび上がってきました。

◆出演:山下航(報道センター記者)、坂本信博(メディア戦略局兼編集局上級専門委員)、宮﨑真理子(MC/あなたの特命取材班事務局長)/ 音声編集:中富一史(販売部)/ 映像編集:井上知哉(ビジネス開発部)、三笘真理子(me戦略担当)

◆収録日:2025年8月25日

◆山下航記者の記事一覧
https://www.nishinippon.co.jp/writer/show/271/

◆坂本信博記者の記事一覧
https://www.nishinippon.co.jp/writer/show/1/

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サマリー

福岡県内の男性が銀行口座を突然凍結される事例があり、彼にマネーロンダリングに関与した疑いがあることが明らかになります。この凍結は、詐欺被害を受けた女性の依頼を受けた弁護士の要請によるもので、男性は全くの無実ですが、詐欺事件に巻き込まれてしまったと語られています。最近のエピソードでは、知らない個人名義の口座を介したマネーロンダリングの危険性について議論されます。また、SNSを通じた詐欺の手口が巧妙化していることに対し、注意喚起が行われています。

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西日本新聞Podcast あな特Podcast
このPodcastは、暮らしの疑問や地域の困りごとから不正の告発まで、読者の調査依頼に応える西日本新聞の課題解決型調査報道
あなたの匿名取材班の果敢な挑戦を紹介し、リスナーの皆さんからの取材リクエストにも応えちゃおうという番組です。
こんにちは、あなたの匿名取材班事務局の宮崎麻里子です。
こんにちは、西日本新聞社の坂本信弘です。
こんにちは、西日本新聞社の山下渉です。
今回は、報道センター経済担当の山下渉記者にお越しいただきました。
山下さんは、西日本新聞ME Podcastや星野松本のしゃべりーよにも出演されていて、あな特Podcastは初めてになります。
自己紹介をお願いします。
私は福岡市出身で、2014年に西日本新聞社に入社しました。
佐賀県の佐賀総局や北九州本社などで勤務し、行政や事件の取材を担当していました。
2023年から本社の経済セクションという部署に異動になりまして、鉄道業界や金融業界を取材してきました。
そして今年の8月からは電力などエネルギー業界の担当をしています。
坂本さんとお二人は一緒に仕事されたこととかはあるんですか。
佐賀と北九州では別だったんですけども、2023年の夏から山下記者も私も本社で勤務するようになって、一緒に取材をすることになったということなんですけども。
社内でも引き出しの多い記者として有名な山下記者で、まだ私も引き出しを分け切っていないと感じていますので、
今日もまたその一端を見せていただけるのではないかと。
徐々にやっていきます。
今日も私は朝から星野松本のしゃべりを聞いて、ちょっと山下さんの予習をしてました。
めっちゃラクロスとかされてらっしゃったんですね。
そうですね。学生時代の時には。
今スポーツはやってるんですか。
今はゴルフとあと登山をたまにします。
経済記者はゴルフっていうところなんですか。
そうですね。割とそういう記者も多いですね。先輩なんかも。
山下記者は経済担当になってからゴルフを始めたんですか。
そうですね。もともと興味はあったんですけど、先輩に誘われて始めまして。
私も球技が全般的に苦手なんで。
私も苦手ですが興味はあります。
口座凍結の背景
今回は山下さん、あの時にどのような声が寄せられたか教えてください。
今回は福岡県内の40代の男性の方から投稿が寄せられました。
内容が銀行口座が突然凍結されてしまったというものでした。
銀行口座が突然凍結されたってなかなか普通に生活してて。
ないですよ。どういった経緯で。
もともとこの男性の方は思い当たるところはなかったということなんですけど、
遡ることは今年の3月の中旬頃、男性の元に金融機関から口座凍結の通知を受けました。
男性はマネーロンダリングに加担した疑いがあるということで、
東京のある弁護士の人から金融機関に凍結依頼があったということです。
そして男性が弁護士に問い合わせると、
少し怪しい口座と取引をしたということが理由と説明されたそうです。
東京の弁護士がこの男性の口座の凍結を金融機関に依頼したという。
そうです。
その弁護士は面識は。
なかったですね。
さらに遡ると、去年の夏頃にこの男性がマッチングアプリで知り合った人物から暗号試算の取引を進められたそうでして、
その時の取引先とされた口座に5万円を入金したそうです。
そこがきっかけになったそうです。
ちょっと怪しいです。
男性も実は怪しいなと思ったそうで、
なぜかというとその依頼取りをした口座が知らない個人名義の口座、
例えばそういう仮想通貨をやってる会社とかじゃなくて、個人の名義の口座だったということから不審に思って、
その後結局お金を引き出したそうなんですけど、
この後先ほどのように弁護士の方から凍結の要請があったということです。
この弁護士というのはどういう立場なんですかね。
この弁護士は別の方、ある女性の方がいて、
その人は偽電話詐欺の被害に巻き込まれた方で、お金を騙し取られてしまった方でして、
その女性が先ほどの弁護士にお金を取り返したいということで、
依頼をしたということです。
そのお金が回り回って先ほどの取引をした口座に流れているのではないかという。
返金してくださいって頼んで、使われた返金の口座、マネーロンダリングに関わってたってことなんです。
そうです。
弁護士は、その詐欺の被害に遭った女性の依頼を受けて、お金を取り戻そうとして、
この金融機関に働きかけたことによって、本来犯罪に加担していない男性が巻き込まれてしまったということなんですかね。
そうですね。全く本人の自覚がないところで巻き込まれていたということです。
一般的に凍結の対象ってどういう感じになるんですか。
はい。実は私は今回の取材で、実際凍結をした金融機関の方にも取材をしました。
一般論として、仮にその口座、今回で先ほどの男性のような口座が犯罪に使われていなかったとしても、
犯罪に関与した口座と取引があれば凍結の対象になる場合があるというふうに金融機関の方が説明をしていました。
何か急につままれた。
振り返ってみると、この男性はマッチングアプリで知り合った人物から暗号資産の取引を進められて、5万円を入金したことがあった。
要はそのマッチングアプリで知り合った男性が特殊詐欺の加害者だった可能性が高いということなんですかね。
そうですね。さらにそこから遡っていくと、そういう詐欺に関わった口座だったり、
かなり何重にもマネーロンダリングが行われている口座が背景にあると思われます。
返金されたのもちょっとレアなケースかなと思ったんですけど、返金元の口座がマネーロンダリングに関わっていて、
そこから返金されたがためにその人は関与があったということで凍結されてしまったということなんですよね。
そうですね。
その凍結された口座が、例えば給与振込とか生活の支払いとかに使ってたら困ったりとかするのかなと思ったんですけど、
凍結解除の難しさ
この凍結解除自体はどうやったらできたりするんですかね。
今回のケースですと、凍結を依頼した弁護士からの解除をしていいですよという要請がないと凍結は解除されないということでした。
今回のケースでいうと、先ほどもともと凍結を依頼していた東京の弁護士は解除の条件として被害者の女性、詐欺に騙された被害者救済として10万円を払ってください。
でも男性は別に女性を騙したわけでもない。
ではないですね。
ただ弁護士としては女性の救済のためにというか、女性から被害を受けてお金を取り戻さないといけないということで、男性に対して10万円払いと言っているという。
条件としてですね。
結局今回の男性はそれを拒否しているので、まだ解除に至っていないということでした。
私とかはそんな口座たくさん持ってないので、逆に企業振り込みとか生活の支払いに使ってたら本当困るって思ってるんですけど。
それでも固くなり、もちろん10万円を支払いするっていうのは多分納得がいかないところなんだろうなと思うんですけど。
この口座凍結が、詐欺が起こっていることが背景にあると思うんですけど。
最近佐藤さん、詐欺の被害とかすごいどんどん多様化しているような気がしてて。
私たちって今回はこうやって記事になったから、こういう詐欺が背景に起こっているんだなっていうのがわかるんですけど。
自衛することとか知ることってすごい大事だなと思うんですよね。
警察庁によるとSNSを介した投資詐欺とロマンス詐欺、特殊詐欺ですね。
2024年の被害総額は全国で約2000億円と、2023年の2倍超に増えていると思って。
マネーロンダリングなどが疑われる取引も増えていて、2024年には80万件を超えたという、その80万分の1が今回のこの男性ってことになるわけですよね。
最近、偽警察詐欺がすごく流行っているらしいんですが、警察官になりすまして騙すとか。
西日本新聞はとにかく今、詐欺被害が社会問題になっているので、何とか読者の方を守らないといけないというところで、
それ詐欺倍という、詐欺の我々の身近で起きた詐欺事件の出口をできるだけ具体的に紹介をするキャンペーン報道を去年から始めているんですけども、
すでに200件、200本以上の記事が載っていて、それ詐欺倍を見ない日はないぐらい、西日本新聞にも詐欺の報道が相次いでますよね。
でも、そうした中で、たとえば息子さんを名乗った方から、高齢の男性の家に電話があって、株の投資で儲けたんだけども、深刻漏れで口座が凍結されたので補償金が必要だとか、
銀行口座の補償金に絡めた話ですね。
あとは警察を装った男から電話がかかってきて、大規模詐欺事件を捜査中で、あなたの口座が取引に使われていると。
在宅事件とする場合、あなたの資産を凍結する必要があるので、お金を振り込んでと言われたといって、2600万円振り込んだりとか、
そういう口座の凍結というのが一つ、本人にとっては大変なことですもんね。
それを悪用して脅しているというケースの記事は時々見に来てたんですけども、実際に口座を凍結させられた人の話っていうのはあまり聞いたことなかったですけど、あまりにちょっと理不尽ですよね。
この他人の口座を悪用して得た資金の流れをわからなくすることがマネロンになると思うんですけど、そのマネロンダリングを防ぐために金融機関とかどういう取り組みをしてるんですか。
今回紹介したこの口座凍結というのも、実は振り込め詐欺救済法という法律に基づく取り組みであって、詐欺の被害金が移転した疑いがあれば凍結をできるという風になってます。
それは金融機関だけじゃなくて警察ですとか、今回のように弁護士が凍結を要請することも可能だそうです。
これそもそも弁護士じゃなくても口座凍結は要請できるんですか、それともやっぱり弁護士とか公的。
そうですね、金融機関それから警察、それから弁護士が凍結を要請できるそうです。
最近振り込み詐欺が特殊詐欺がすごく増加していて、お金を取り返しますみたいなことを謳って、またもう一度被害者が騙されるみたいな弁護士を名乗る。
もしくは本当に弁護士資格を持っていても悪徳な行為をしているという人もいますけど、今回のケースがそうだったかどうかはわかりませんけど、
男性からしてみれば自分は何も犯罪に手を染めてないのに、仲間を脅されるような形で口座を凍結させられて、
金払えと言われて、いやそれ払いたくないから払わない。そしたら凍結されたままになってしまってるということですよね。
そうですね。こういう口座凍結に相談に応じてきた実績のある弁護士の人に取材をしました。
その弁護士によると、以前は闇金融に手を出してしまった人の口座がこういったマネーロンダリングなんかに悪用される例が多かったそうなんですけど、
昨年頃からになるとその手口がとかきっかけがすごく多様化してきたそうでして、今回のように暗号士さんの取引ですとか、
あと副業を名目で少しお金を支援してくださいというような、そういうのを名目にしたものも目立つようになってきているということです。
そういう意味でかなり一般の人が詐欺のお金の流通薬に巻き込まれるリスクが高まっているというお話をしていました。
どうやったら防げるというか、予防策っていうのはあるんですかね。
マネーロンダリングのリスク
これも同じ弁護士に取材したんですけど、まずSNSで知り合った人に口座情報を教えることに対してもっと慎重になってほしいということでしたね。
それから今回のようにマネーロンダリングには知らない個人名義の口座が使われることがあるので、
そういった知らない個人の名義で取引があった場合、今回でいうと暗号士さんの取引をしたのが知らない個人の名義だったので、
そういったときには特にこれはやばいかもしれないと思ったほうがいいということでした。
個人の口座だとそこに振り込めるって確かにちょっとおかしいですね。
結局男性は5万円を払い損というか、暗号士さんの取引を進められて5万円を払っただけなんです。
実は怪しいと思った後に一回返金お願いをしてて、ただその返金されてきた口座も知らない個人の名義だったということで、
そういった取引をしてたことが今回マネーロンに疑われた直接的な原因だったそうです。
ヤマシタさんが調べた結果、投稿者は何かおっしゃってたことって何かありますか。
今回の男性もそういった不要意な取引をしてしまった自分にも責任があるということは話されてました。
その一方でたった1回のそういった取引によって生活が本当に壊されてしまうような影響を受けるとはということで、とても意気通っていらっしゃいました。
世の中悪い人がいるというか、悪事を働かせる人が本当にいるというか、詐欺の手口もどんどん公明化してますよね。
何年か前は例えばメールが来て、明らかに大手の企業とか金融機関を名乗ってるんですけども、何か日本語の使い方がおかしかったり、
これは日本人ではない誰かが作ってやってるなみたいなのが分かってましたけど、最近どんどん公明化してますよね。
AIとか使ったりとか。
最近もショート動画見ていたら有名な投資家の方が、私があなた、こうやってSNSで知り合ったあなたに私のおすすめの株を教えますとか、お金の増やし方を教えますと。
興味があったらこのSNSのリンクをクリックしてLINEのグループに入ってくださいみたいなのがあったんですけども、
普通に動画で喋っているんで、もうちょっと本当にあんまり信じかけたようなところだったんですけども、字幕が言葉の中に出ていて、
以下のリンクからっていう文字のところが妹のリンクからと言っていて、これはAI動画なんだなっていうのを思いましたけど、
おそらくこれもAIって今18ヶ月ぐらいでどんどん進化するって言われてるんで、そのうち本当に流暢な、今こうやって3人で話してるみたいな感じで。
騙されるような世の中になってしまう可能性がありますよね。
ちょっと気をつけて、本当に知恵というか、こうやって記事で知っていくことって本当に大事だな、事例を知ることって大事だなと思いました。
レターパックで現金を送れば全て詐欺みたいなのあるじゃないですか。
SNSでお金を儲ければ全て詐欺って言いたいんですけども、一方で政府は投資を国民に受けていて、もちろんその投資で一定の利益を上げる人もいて、その線引きがなかなか難しいですよね。
そういうしっかりと正しい知識を持つこととか本当に大事だなと、よりその大事さが高まってるなと思いますね。
どうしたらいいのかっていう、本当に上手い話なんかないよっていう通常ね。
政治補正バイアスといって、自分だけは大丈夫って思うことで災害で亡くなったりとかする方もいますけど、
政治補正バイアスはある意味、それがないと人間は生きていけないような人間の本能的なところでもあるので、
自分は大丈夫だろうって思わないと、横断歩道だって渡れないし、でもなかなかその塩梅が難しいですよね。
そうですね。
でもこういう手口を紹介することで気をつけようと思ってもらうっていうのは。
大事ですね。
そういうひっかけになればなと。
ありがとうございました。
山下さん何か最後伝えることとかありますか。
そうですね。先ほどマネロンの話をずっとしてきましたけど、どんどん今件数が増えてるということで、
今回金融機関がちょっと冷たいなという印象がきますけど、金融機関もかなり今、
このマネロン対策っていうのがすごく大変になってるということで、いかにそういった犯罪を抑えていくかということで、
最近だとそれこそAIを使ってそういった怪しい取引を検知するような取り組みも一部の銀行で始まってるそうですね。
やっぱり根本的には今回のように詐欺被害、やっぱりどうやって減らしていくかって。
詐欺が減ってくれば、そういった犯罪が減ってくれば、そういうマネロンですとか、それによって口座凍結、
全く身に覚えのない口座凍結というのも減ってくるのかなと思いますので、一つ一つの積み重ねかなと思います。
立ちごっこで犯罪の手口はどんどん進歩してくるんで、我々もどんどん知識と知恵をアップデートして、
一人で抱え込まないというか、友達とか家族とかに相談するのが大事って言いますよね。
あと最新の警察によると、詐欺を防ぐには最新の手口を常に学んでいくということと、
気軽に相談できる関係の人を常に作っておくことが大事だということなので、何かあったら私も山下さんに相談します。
はい、ありがとうございました。今回は突然口座凍結なぜ私というテーマでお届けしました。
山下さんと坂本さんの記事は西日本新聞とニュースアプリ西日本新聞MEでお読みいただけます。記事のリンクは概要欄に貼っています。
記事が読みたい、西日本新聞やこの番組を応援したいと思っていただける方、ぜひご購読をお願いいたします。
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