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2025-07-11 08:07

紅茶や烏龍茶って本当に「発酵」してるの?

ややこしいけど避けては通れない「発酵」の話。


個人事業主として、お仕事の依頼も受け付けております。例えば、「カフェとか飲食店で日本茶を仕入れて何かしてみたいけど知識がなくてよくわからないんだよね〜」とか、あるいは「お茶の会社やってるけど店舗のWebサイトを作りたいんだよね」「うちの商品をオンライン販売してみたいんだよね」といった方に向けてお力になれるかと思いますので、お気軽にご相談ください。#日本茶 #煎茶 #日本茶インストラクター #発酵 #紅茶 #烏龍茶

サマリー

このエピソードでは、紅茶や烏龍茶の製造過程における「発酵」について詳しく解説されています。実際には、これらのお茶の分類は微生物による発酵ではなく、酸化酵素の働きによる成分の変化に基づいています。

発酵の誤解
こんにちは、日本茶インストラクターのねもとです。今日は、お茶の発酵についてお話ししようと思います。
発酵っていうのが結構誤解が生まれやすいポイントでして、以前どこかの配信で、紅茶は完全に発酵したお茶で、烏龍茶は発酵途中で止めたものみたいな話をちらっとしてしまったと思うんですが、
その後に、「実は細かい製法の違いがあって決まってるんだけど、ちょっと長くなるので説明省きます。」みたいにさらっと流してしまっていたんですが、
やっぱりそれだと間違って受け取られてしまうなというところで、今回、発酵度合いによって決まってるんじゃなくて、そもそもの製造方法が違って分類されているんだよっていうことを少し詳しく話そうと思います。
この番組は、日本茶インストラクター資格を持つ私、ねもとが、日本全国あるいは世界のお茶にまつわる話を緩くお届けする番組です。
普段は音楽関係の会社でプログラマーとして働いておりますが、個人事業主としてお仕事の依頼も受け付けております。
例えば、「カフェとか飲食店で日本茶を仕入れて何かしてみたいんだけど、知識がなくてよくわからないんだよね。」とか、
あるいは、「お茶屋さんがうちのお店のウェブサイトを作りたいんだよね。オンライン販売してみたいんだよね。」といった方に向けてお力になれるかと思いますので、お気軽にご相談ください。
それでは本題なんですけども、皆さん、発酵って言うと何を思い浮かべますか?
僕だったら味噌とかヨーグルト、ワインとかパンを思い浮かべるんですけど、まずその通常の発酵の話をさせてください。
まずその普通の発酵に共通するのが、微生物が生命活動のために糖やタンパク質などを分解して、その代謝で副産物を作るのが発酵です。
その副産物が人間にとって有害であれば腐敗になるし、有益であれば発酵という風に位置づけられているようです。
この微生物っていうのが乳酸菌とか酵母菌などが例えばそれにあたりますが、
お味噌は麹菌とか酵母が大豆のタンパク質や澱粉を分解してアミノ酸やアルコールなどを作って、ヨーグルトだと乳酸菌が乳糖を分解して乳酸を出します。
ワインは酵母が葡萄糖を分解してアルコールと二酸化炭素を出して、この葡萄の果汁からワインというお酒に変化していくみたいな、それが発酵の働きですね。
では次に酵素って何って話をします。
酵素と発酵ってイメージに似てますけど、自分も正確には知らなかったので、いい機会だったのでちょっと調べてみました。
科学と教育という学術雑誌なのかな、それに書かれていた東京大学大学院の伏信教授による説明を一部抜粋すると、
酵素は生物が作る触媒。酵素のほとんどは分子量が数万から数十万もある大きなタンパク質でできています。
つまり、触媒っていうのは他の物質の化学反応を手助けする役割を持つものなので、わかりやすく言い換えると、生き物の体の中で化学反応を助けるタンパク質が酵素ってことです。
だから、消化酵素っていうと、例えば学校の理科で習いますよね。
唾液にアミラーゼっていうタンパク質、消化酵素があって、それが澱粉などの炭水化物を分解して糖にするっていう、まさにその触媒としての役割を持ってますよね。
つまり酵素って微生物の働きが一切絡まないんですね。なので全く別物です。
他にもいろんな能力を持った酵素が世の中にある中で、ここでやっとお茶の話に戻ってくるんですけど、
お茶の葉っぱの中には酸化酵素が含まれています。
ここまで言うと、もう勘のいい方は何を言いたいかなんとなくわかると思うんですけど、
ウーロン茶とか紅茶製造で言われている発酵って、微生物の働きによる発酵ではなくて、正確には酸化酵素による成分の変化のことを指しています。
これが慣習的に今まで発酵発酵って言われてきてしまっているので、
お茶の仕事で関わっている人もその違いが理論としてはわかった上で、発酵ってつい口にしちゃうと思うんですけど、
正確には発酵ではないっていう。
お茶の製造と分類
お茶の葉っぱに含まれているカテキン類が酸化酵素の働きにより酸化されて、
テアフラビンやテアルビジンという成分が生まれることによって、色が赤化色になったり、味や香りに変化が生まれるんですね。
緑茶は蒸したり釜でいったりすることによって、この酸化酵素の働きを失格させて、
そもそも酸化が進まないようにして、その緑色を保って製造されます。
次にですね、酸化の度合いによってウーロン茶になったり紅茶になったりするんだねっていうと、そうではなくて、
紅茶でもダージリンのファーストフラッシュなんかは酸化の度合いが浅くてフレッシュで青い香りがするんですけど、
まるで紅茶じゃないみたいな香りがするんですけど、
これはちゃんと分類としては紅茶に分類されます。
これは完全に製造方法の違いによって何々茶っていうのが分類されることに決まっていて、
これはISO、国際標準化機構の国際規格で定められています。
何でもいろんな製造業でもそうですよね。ISO規格とかありますよね。
お茶にもそれがあるんですね。
例えば紅茶製造の工程を経たら、その中で酸化が浅いとかすずんでるっていう、
その製品としての質の差はあるかもしれないんですけど、それは紅茶として定義されますよっていうことですね。
ちょっとややこしいことを付け加えると、プーアル茶とかゴイシ茶とかアワバン茶っていうのが世の中にはあって、
これはちゃんと微生物による発酵をして作られるんですね。そういうお茶もあります。
これを後から発酵すると書いて、紅発酵茶と言います。
これは、例えばプーアル茶で言うと、悪体っていう工程を経て、
醸材菌の働きによって発酵が進んで作られます。
なので酸化酵素による酸化とかではなくて、ちゃんと菌による発酵がされて、
ちょっとカビ臭い、もくもくとした香りがついたりとかっていうのもあります。
あとアワバン茶とかは飲んだことあるんですけど、ちょっと酸っぱかった気がしますね。
本当に発酵食品っていう感じの味のお茶もちゃんとありますよ、世の中には。
それも製造工程でちゃんと分類されているので、発酵度は言うなっていう話ではないよっていう話でした。
というわけで今回は、紅茶やウーロン茶って本当に発酵してるの?っていうタイトルでの配信でした。
結論、正確には発酵じゃなくて酸化酵素の働きによって酸化して、成分が変化しているんだよっていう話でした。
この番組の文字起こしはリッスンでも読むことができます。
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それではまた次回の配信でお会いしましょう。
ではまた。
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