皆さん、おはようございます。Dr.ねごの走る健康習慣ラジオ。
仕事も趣味ももっと全力で楽しみたい。いつまでも健康でいたい。
この番組は、そんなあなたへ送る走る医師による健康ラジオです。
医師であり、サブスリーランナーでもあるランニングドクターねごが、
医学知識とこれまでの経験を掛け合わせた絶好調のヒントをお届けします。
ランニング中や通勤、家事の時間などにお聞きいただけると嬉しいです。
さて今回は、走る医師の処方箋シリーズ第2回ということで、
前回の第55回、孤独の処方箋に引き続き、今回はもっと身近な悩みですね。
疲れの処方箋について話していきたいと思います。
皆さん、こんな朝はありませんか?目覚ましが鳴って止めて、
目覚ましが鳴って止めて、
もう気づいたら15分ぐらい経ってるわーみたいな、
7時間寝たはずなのに体が重かったり、ベッドから出る気力が湧かなかったり、
朝コーヒーを飲んで何とか動き出すみたいな、
でも午後にはちょっとしんどくなってきて、みたいなことってあると思うんですよね。
これ僕もよくあることなんですよね。
ちなみにこれ珍しい話ではありません。
日本リカバリー協会というところが10万人を対象に行った調査では、
日本人の約8割が疲れているというふうに回答したんですね。
8割ですよ。すごい多いですよね。
特に30代の男性女性は深刻で元気ですよというふうに答えた人は、
1割ぐらいしかいなかったんですよね。
つまり10人いたら9人はもう疲れてますっていうことなんですよね。
この疲れですよね。
この疲れの正体って僕自身もすごく気になってたんですよね。
医師なのに疲れって何ですかって、何なんですかというふうに聞かれたら、
パッと説明できない自分がいるんですよね。
今日はリスナーの皆さんと一緒に疲れの正体を探ってみたいと思います。
まず一つ知っておいてほしいことがあります。
日本疲労学会は疲労と疲労感を明確に区別しています。
疲労というのは体の活動能力が実際に下がっている状態で、
これは客観的な現象です。
でも疲労感というのは疲れたなぁと感じるような主観的な感覚ですね。
つまり疲れたと感じることと本当に体が機能低下しているということは、
必ずしもイコールではないということなんですよね。
ここは一つ抑えておくべきポイントかなというふうに思います。
例えばですね、車のガスメーターとか思い浮かべてみてください。
給油ランプがついたりしますよね。
もう少ないですよ、ガソリン入れてくださいねみたいな感じですよね。
でも実はまだしばらく走れたりしますよね。
逆にランプがついてないのにもうメーターギリギリで、
本当にまだガソリンあるのかなみたいな時もありますよね。
このメーターの表示と実際のガソリンタンクの中の実際の残量には、
ある程度乖離があるんじゃないかなというふうに、
なんとなく僕ちょっと思うんですよね。
安全のためっていうのもあるんでしょうけど、
疲労感もこれに近くて、
体が実際にどれぐらい消耗しているかっていうことと、
体が疲れたというふうに感じる感覚ですよね。
の間にはズレがあるということなんですね。
これ一つ抑えておきましょう。
もう一つ大事な注意点をお話ししておきますね。
今回のテーマは、
なんとなく疲れが取れないという多くの人が経験する疲れの話ですよね。
ただ、慢性疲労症候群という病名を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、
これ略してCFSとか言ったりしますが、
今日の話とは別として分けてほしいんですね。
実際これは日常生活にすごく大きな影響が出ていて、
体を動かすことができないとか、
それが6ヶ月以上も改善しないなど、
そういう形で、
一般的な疲れている状態とは一個レベルが違うんですよね。
なので今回は慢性疲労症候群というものは扱っておりません。
ここは一つ注意点としてお聞きください。
このなんとなく疲れたなという感覚ですよね。
僕も病院で働いていたりする中で、
疲れが取れないという理由で受診する人って案外少ないんですよね。
もちろん僕が診療所じゃなくて、
市中の病院で働いているということも関係はしているんでしょうが、
やっぱりみんな病院に行く理由というのは、
基本的には痛みとかが多いんですよね。
やっぱりなんとなく疲れたなよりも、
痛みの方が緊急性が高いじゃないですか。
痛みを取ってほしいじゃないですか。
そうなんですよね。
だからそんな感じで痛みだったら受診するんだけれども、
みんな疲れは放置してしまうというか、
こんなもんだよねというふうに思ってしまう感じで、
疲れを抱えたまま病院には来ないということが多いと思うんですよね。
一方で勇気を出して病院に行ったのに、
検査は正常ですけどね、
多分カレーとかじゃないですかね、みんなそんなもんですよと、
さらっと流された経験もある方いるかもしれませんね。
これはね、あなたの疲れが大したことないという意味ではないんですよね。
疲れは疲れでやっぱり実際あるものだと思うんですね、僕ね。
医師の立場から正直に言うと、
この疲れというのは血液検査だったりとかレントゲンとか、
そういうような検査で数値だったりとか画像として出にくいから、
忙しい外来では対応しきれないということが正直言うとあるんだろうというふうに思います。
でもあなたが感じている疲れはやっぱり本物なんですよね。
今日はその疲れにちゃんと向き合っていきたいなと思います。
まずは医師としてこれだけはちょっと伝えておきたいことがあります。
次のような症状がある方は迷わずに内科を受診してほしいんですね、まずね。
例えばですね、意図しない体重現象ですね。
ダイエットしようとしてるわけではないのに体重が減ってくるとか、
発熱、熱が続くとか、なんかえらいむくみが出てきたなとか、
すごく動機がする、息切れが激しくなってきたとか、
なんかリンパ節が腫れてて、頭固いとか、
夜寝る時にすごい痛感ですよね、寝汗がひどい時とか、
痛みが出現する時とか、こんな場合ですよね。
こういう時は受診してほしいんですね。
貧血だったり、甲状腺の機能異常症だったりとか、
心不全、悪性腫瘍、抗原病など、
深刻な病気のサインの可能性もあるんですね。
このような症状がある場合は一度病院で検査を受けることをお勧めしますね。
実際に僕が疲れだったり倦怠感を話される方ですよね。
そういった方が受診される場合には、
どのようなふうに診療していくかということなんですけれども、
まずはね、どういう時にどんな感じで疲れるのか、
疲れるっていう倦怠感とか、そういった症状っていうのは
具体的にはどういうものなのかっていうのはまず聞きますね。
他にも疲れとかに関わる問診ですよね。
ちゃんと寝れてますか、ストレスはありませんか、
どっか痛みはありませんか、便通とか大丈夫ですか、
食事は取れてますかとか、そういったことをしっかり聞いていきます。
で、やっぱりとにもかくにも血液検査とか、
そういったところでわかるような実際の機質的異常ですよね。
そういったものがないのかということで血液検査は行うかなと思います。
貧血だったりとか炎症だったりとか、甲状腺とか含めてですね、
女性なら婦人科系の疾患とかも考えるかなと思いますが、
こういったところに異常がないのか、
検査自体は正常なんだろうか、ここら辺はチェックすると思います。
でも正直ですね、疲れを説明できるようないわゆる病名とか疾患とかいうのは見つからない。
検査では異常がないということがほとんどなんですよね。
さて、ここまでちょっと真面目な話が続きました。
でも大事なことなのでしっかりお伝えさせていただきました。
ここからは少し肩の力を抜いて、
重篤な病気のサインもないし、うつ病のサインにも当てはまらない、
血液検査でも異常がない、でもなんか疲れてる、
この症状について考えていきたいと思います。
ここからが今日の本題です。
なんか疲れてるなぁ、今日。
そんな漠然とした感覚ってあるじゃないですか。
実際、この疲れっていうのはどれぐらい自覚しているかっていうのは、
人によって結構違うんじゃないかなというふうに僕は思っているんですよ。
30歳くらいからですかね、僕は。
少しずつ自分の疲れに気づけるようになったと思うんですね。
何か特定のきっかけとかがあったわけじゃないんですけど、
少し自分を俯瞰して見れるようになってきたのかなというふうに
自分では思っているんですけど、
いわゆる疲れてるなとかいうよりかは、
疲れているだろうなっていうサインを何となく分かるようになってきたんですね。
例えばイライラするとかですね。
そんな声を荒げたりとか、そういう喧嘩したりとかそんなことは全然ないんですけども、
やっぱり自分の中で、今自分イライラしてるなとか、
そういうことに気づけるようになったんですよね。
イライラしてるなって気づけるようになってから、
あれ?これイライラしてる理由っていうのは疲れてるからじゃないかな?
休んだらいいんじゃないかな?みたいな感じで少し分かるようになったんですよね。
あとは僕の場合は肩こりですね。
実は右の肩こりがすごいひどいんですよ。
ずっと僕自身悩まされ続けてる肩こりなんですけども、
これもね、やっぱりストレスが溜まってきて疲れが溜まってきていうときは
肩こりひどくなってるんですよね。
こういった疲れのサインを気づけるようになってきたんですよね。
これちゃんと科学的な裏付けもあってですね、
まずはイライラですよね。
睡眠不足になるとイライラしやすくなるっていうのは
多くの研究で確認されているんですよね。
また肩こりに関してもストレスで首や肩の筋肉の緊張が高まるっていうことが
やっぱり報告されてるんですよね。
つまりなんとなくの感覚っていうのは
体がちゃんと出しているシグナルだったりっていうことがあるんですよね。
だからなんかイライラするな、なんか肩しんどいなとか
そういったものもやっぱ体が疲れているというシグナルだったりするんですよね。
面白い研究を紹介しますね。
インターセプションという言葉知ってますか。
映画でもあるので有名かなと思うんですけども
自分の体の内側の感覚に気づく能力のことをインターセプションって言ったりします。
あとはね、英語的には妨害するとかそういった意味もありますが
今回は自分の体の内側の感覚に気づく能力ということで紹介しますね。
2024年の研究ではこの能力が低い人ほど認知的な疲労が蓄積しやすいという関連が示されていますと。
要は自分の感覚しっかり分かっている人であれば大丈夫だけども
やっぱりあんまり自分の感覚が分かっていない人ほど
気づいたら疲労を蓄積してしまっているということなんですよね。
あくまでこれはランダム化比較試験ではないので
気づけないから疲れるのか疲れてるから気づけないのかとかそういったことまでは分かりませんが
でも方向性としては自分の疲れに気づくこと
気づけること自体に価値はあるというふうには言えるんじゃないかなというふうに思います。
この疲れに気づく力ですよね。
実は自分で潰してしまっている可能性があるんですよ。
それが疲れた時に飲んだりするエナジードリンクや栄養ドリンクとかそういったものになりますね。
皆さんエナジードリンクとか飲んだことありますかね。
大学時代とかやっぱりテストの前日とか
そうですねエナジードリンク飲んで徹夜で勉強するとか
まあよし、わっこ疲れてるけど今から頑張るかみたいな時に
エナジードリンクを飲んで景気づけるみたいなことありますよね。
しっかりエナジードリンク飲んだら確かにカフェインとか入っているのでちょっと眠くなくなるというか
集中しやすくなるという感覚はあるというのとテンションが上がるというか
そんなこともありますよね。
でもその後無理して頑張っているのでしっかりリズムが狂って
やっぱその後すごい疲労に襲われるということも
皆さん経験したこともあるんじゃないかなというふうに思います。
今ではエナジードリンクはほとんどというか全くと言っても飲まなくなったんですけれども
まあやっぱりリズムが崩れてしまうというのも大きいし
シンプルに糖分も入っているいわゆるジュースなので
まあ体に悪いよねっていうところもシンプルな理由にはなりますよね。
このエナジードリンクですよね、疲れに気づく力
大事な気づく力を妨害してしまうエナジードリンクなんですけれども
やっぱり一番メインの成分としてはカフェインですよね。
このカフェインについて少しお話ししたいなと思います。
まずアデノシンって聞いたことありますか。
脳がエネルギーを使うとATPというね
アデノシン酸リン酸というエネルギーが分解されてエネルギーが取り出されます。
その分解産物がアデノシンです。
つまり脳が活動すればするほどエネルギーを消費します。
そうするとアデノシンが溜まっていくというような仕組みになっているんですね。
このアデノシンが脳にそろそろ休んでくださいねという信号を送っているというふうに言われるんですよね。
疲労物質と呼ばれたりしますが
より正確には眠気のシグナル分子というふうに表現するのが正しいかなと。
論文とかでもそういうふうに表現されております。
疲労そのものというよりかは疲労を知らせるメッセンジャーのイメージが近いかなと思います。
ちなみにね他にも乳酸も昔は疲労物質というふうに呼ばれていましたが
今ではむしろエネルギー源として再評価されていたりしますし
疲労って一つの物質で説明できるほど実は単純じゃないということも
やっぱり分かってくるんですよね。
このカフェインなんですけども
カフェインは実はアデノシンと分子の形が似ているんですよ。
アデノシンの需要体つまり受け皿にですね形が似ているもんだから
蓋するように結合してしまうんですよ。
すると脳はまだ疲れてないんだなというふうに錯覚するんですよね。
なのでカフェインを接種すると集中力が上がるとか覚醒作用があるというふうに感じることができるんですね。
ただこれ蓋してるだけなのでアデノシン自体は消えてないんですよね。
なのでカフェインの効果が切れたら蓄積した眠気のシグナルが一気に押し寄せてくると
だからドット疲れるみたいなことが起こるんですよね。
これって火災放置機のアラームだけ止めて
火は消してないっていうような状況と一緒なんですよね。
やばいですよね。
なのでカフェインを使って疲れを聞こえなくしている
ということと実際に疲労を回復させているのは全く違うということは知っておいてほしいんです。
さてここまでですね。
疲労について少し解像度を上げてきましたが
ではどうしたらいいのかという処方箋ですよね。
検査で異常なしでもなんか疲れている。
そんな状態の時に僕が僕自身で試して効果があったなぁと
効果を感じたなぁということについて3つお話ししていきたいなと思います。
正直に言うとこれは絶対にこうすべきというよりも
僕の場合はこうだったなぁというような話ですね。
疲労の科学はまだまだ発展途上でわからないこともいっぱいあるんですよね。
だから断言できることっていうのはやっぱりまだまだ多くないんです。
でも方向性としてのエビデンスもありますので紹介していきたいと思います。
それでは処方箋1。気づいたら戦略的に休む。
はい、皆さん休んでますか。
僕は疲れのサインをキャッチしたら戦略的に休むようにしてます。
なんだろう、あぁイライラするなぁとか体だるいなぁとか思ったら
今日ちょっと半休いただきますとかちょっと1時間早く帰りますとか
そんな感じで自分の仕事を何とか収めつつ
明日できることは一旦明日に回しつつ
今日は早く休みに入る。こんなことをやっております。
休むことに罪悪感がある人ってすごく多いんじゃないかなって思うし
僕自身も以前そうだったんですけれども
でも冷静に考えてください。
ガソリンのタンクが空になってからガソリンスタンドを探すよりも
減ってきた時点で補給する方が絶対賢いですよね。
こんな感じでパフォーマンスにはやっぱりある程度波があると思うんですけども
触れ幅を少なくする。それで持続可能性のある働き方をする。
こんな感覚だと思うんですよね。
これ実はちゃんとデータがあるんですよね。
2025年に発表された32個の研究をまとめたメタ分析ではですね
計画的な休息はウェルビーングですね。
つまり心と体の健康に大きな効果があるというふうに述べられています。
特に仕事から心理的に離れることと体を動かすことを
組み合わせた休息が最も効果的だったそうなんですよね。
これはまさに今日お話しする処方箋1と後に紹介する処方箋2の組み合わせなんですよね。
休むことはサボりじゃないんですよね。
戦略なんですよね。しっかり元気に動いていける活動していけるために
戦略的に休むんだ。そういうふうに考えていただきたいなと思います。
ちなみにもう一つ具体的な方法を紹介しますね。
午後に10分から20分だけ昼寝をするという方法もあります。
パワーナップなんて言われたりもしますよね。
これだけでも脳の睡眠圧がリセットされて午後のパフォーマンスが変わってきたりします。
ポイントは短く切ることですね。長く寝すぎると深い眠りに入ってしまって
起きた後に帰ってぼんやりするということもあるので
10分から20分ぐらいがちょうどいいと思うんですけれども
みなさんも昼寝試してみてください。
処方箋2、疲れた日こそ軽く動くですね。