黒板の歴史と特色
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は246回、黒板とホワイトボードと、どっちがいいのかというタイトルでお届けしたいと思います。
私は、もっぱら黒板派なわけなんですけれども、そもそもこの黒板が日本の教育界に登場したのは、明治時代、西洋の黒板とチョークが入ってきてからだと思います。
その時は、どうも粉がよく飛んじゃって、石灰石とか石灰がメインで粉がたくさん飛んじゃって、粉飛びで大変だったと思うんだけれども、だいぶ品質改良が進みまして、粉が飛びにくいチョークが一般的になったと思います。
このチョークは、羽衣チョークというのがとても品質が良くて、それから黒板にもピタッと貼り付いて、信任性も良くて、とても使い勝手が良かったんだけれども、5年ぐらい前にデジタル化が進んだのと、それから少子化が進むであろうということで、廃業されてしまって、羽衣チョークというのが本当に手に入らなくなってしまいました。
チョークも本当に黄色とか赤とか青とかいろんなチョークがあって、とても書きやすかったんだけれど、羽衣チョークがなくなってしまったのが本当に惜しまれます。
粉が飛びにくいチョークとして今はダストレスチョークというのがメインになってきていると思うんだけれども、だいぶ粉が飛ばなくなったんで、とても教育現場では使われていると思います。
ところが他方、ICT化が進んで、プロジェクターとスクリーン投影がとても見られるようになってから、教育現場では黒板をホワイトボードに変える学校も出始めました。
うちの学校でもホワイトボードにしたらどうかという提案が2,3年ぐらい前からなされていて、しかし黒板の人気が根強くてホワイトボードにはなっていません。
一部特別教室ではホワイトボードでスクリーン投影とそれからホワイトボードでマンカーで書きながらということで授業展開できるそういう特別な部屋もありますが、大部分の教室は黒板とチョークで展開していっています。
今日はこの黒板とホワイトボードのメリットデメリットについて考えて、板書というものの性質とかあり方についてももう1回私自身考え直したいと思います。
まずホワイトボードと黒板の比較をやってみたいと思うんですね。
見え方っていうのはやっぱり黒板はバックが緑または黒で黄色とかそれから白とかを使えばコントラストが安定していて見えやすいと思います。
ただチョークの色によっては赤とか青とかが見えにくかったり、ちょっと色覚になかなか視認性の悪い子なんかは見えにくかったりします。
ホワイトボードは発色が良くて遠くからも見えやすいんですけれども、マーカーが太くないと遠くの子は見えなかったりしますよね。
あと消しやすさについてなんですけど、チョークは意外と粉が残っちゃうことがあって完全に消えなかったりします。
ホワイトボードはすぐに消せるように思えるんだけど、あれ結構黒い跡が残っちゃったりとか、完全に消すには薬品の力を借りてキュッと消さないと残ってしまうと思います。
あとなんと言っても粉飛びがね、チョークは酷いんでその分ホワイトボードは粉飛びがないなっていう感じかな。
あとコスト面で言うとやっぱりホワイトボードの方がマーカーの消耗が激しくてやっぱりお金がかかるみたいですね。
そういう点ではチョークは安くてある程度長持ちするのでチョークの方がコストパフォーマンスが良いということになりますね。
それからメンテナンスっていうことでは、意外とチョークって服とかについちゃったり手についちゃったり、結構洗濯したり手荒れしたりということでチョークメンテナンスいるなと思ってるんだけど、
ホワイトボードは結局インク汚れが残っちゃうからキュッキュッと拭かないといけませんね。
あとICTキットの連動性においてはやっぱりホワイトボードの方がちゃんと綺麗に映るのでホワイトボード分配が上がると思います。
ということで両者比べてみたんだけれどもICTを頻繁に使う教室ではホワイトボードの方が併用もできるし、
ホワイトボードだけ使う、ICTのプロジェクター投影だけ使う、両者を活かして使うということができると思うし、
導入コストについてはホワイトボードの方がランニングコストが高いのかなと思いますね。
環境負荷に対してはホワイトボードマーカーの排気の問題があるので黒板の方がいいような気がします。
というように両者を比べてきたんだけれどもやっぱICT活用の頻度によって違うかなという風な気がしてきましたけれど、
先生の授業スタイル
私はどちらが好きなのかというと教室の人数の少ない、生徒数の少ないそういうクラスサイズではホワイトボードがいいなと思います。
本当に両方とも使えるということで。
だけど人数が多かったら黒板の方がいいかなと思いますね。
やっぱり遠くに座っている黒板の方が見えやすかったりしますので、人数によって使い分けかなと思いますね。
ホワイトボードを使うのが好きな先生というのはどういう先生がいらっしゃるのかちょっと私はわからないんだけども、
やっぱりプロジェクターとスクリーンをよく投影する人はホワイトボードの方がやりやすいんじゃないかなと思います。
ということで一応なんとなくの比較をやってきましたけれど、私が思う黒板あるいはホワイトボードのあり方っていうのはやっぱり教室の授業の情報を共有してくれるものだと思うんですね。
どうしてもプロジェクター投影でこちらが一方的にスライド展開するっていうのはどっちかというと教え込み型の授業になっちゃうと思うんですよ。
どうしてもパワーポイントとかスライドをパパパパ移していくっていうのは予定調和型のこちらから情報提供する型の講義型の授業になりがちだけれど、ホワイトボードと黒板がその特徴を最大に発揮するのは双方向性の高い授業だと思います。
黒板とかホワイトボードでこちら側の整理整頓一定の足場をきちっと書いて、そして生徒の意見、気づき発見を反映させながら展開していくっていうのがホワイトボードや黒板の大きな意味じゃないかと思うんですよね。
そういった中で黒板はやっぱりすごく綺麗に書かれる先生いるじゃないですか。小学校の先生なんか時々SNSで黒板をバーンとねカメラで撮って流してらっしゃる先生いるんだけどすっごい綺麗に書かれてて本当びっくりします。
私も割りかし綺麗に書く方だと思うんだけども、小学校の先生のようにはいかなくてやっぱり生徒の意見を生かしながら黒板を展開していくとどうしても自分が予定している黒板ではなくてやっぱり生徒の気づきや発見を生かした版書になるのであんな風に綺麗にはなりません。
どっちの方がいいのかなと自分では思うんだけど、いろんな先生の授業拝見するに綺麗に黒板に書く授業っていうのもとてもいいんだけど結局あの少々雑でも汚くても生徒の意見を反映したそういう風な版書の方が生き生きしてるなっていうそういう感想を持ちますね。
なのでやっぱりある程度黒板の版書計画っていうのはきちんと持ちながらもある程度2割3割崩して生徒の意見をどんどん書き入れる方が活発な意見交換ができるんじゃないかというふうに私は思います。
でも黒板をね上手に使うそういう力量っていうのがどうしても個人差があるっていうふうに思っています。黒板が苦手な先生っていうのがいらっしゃると思いますね。
私はどうなのかっていうと私は小さい頃からずっと漫画を書いていてそれもストーリー漫画を書いていたんでやっぱりこの面積にそれからこの情報でどういう小回りにしたらいいか。
メインはどこでサブはどこでどこを際立たせたらいいのかっていうことを小学校の5、6年生頃からずっと中学校3年生ぐらいまでストーリー漫画を書き続けてきたのでどの面積どの大きさでこの情報を書くっていう訓練をずっと積んできたようなものなんですよ。
なので結構私その黒板に書くっていうことが得意な方なんじゃないかなと自分では思っています。
生徒が意見を言うとこの意見は大体これぐらいのスペースに書いた方がこの授業の中ではいいなっていうことは結構瞬時に判断できる方ですね。
でメインはここに持っていきたいからこれぐらいの面積を残してだからここまではこれぐらいの面積で書こうというのがもうあんまり深く考えなくても結構瞬時に判断して黒板を展開することができると思っています。
でこれはグラフィックファシリテーションという力ともちょっと連動していて情報をその場で瞬時に分析して判断して量を調整してそして黒板に書くっていうねかなり高度な技術なんじゃないかなと思ってるわけなんですけれども皆さんいかがでしょうか。
小学校の先生はそういう技術がとても高いんじゃないかなと思っています。
それがどこから来るのかっていうのは私にもあんまりよくわかってないわけなんですけれども。
まあ高等学校にもなるとやっぱり教材の内容が複雑で生徒の気づきや発見も多岐多様に渡るし時々ずば抜けたこういう子がいたりなんかしたら授業もあらかじめ計画していたこととはちょっと路線を変えて変更しないといけない場面も多々出てきます。
そういった意味では予定調和しにくいのが高等学校の授業っていうことになっちゃうのかなとも思ったりなんかして黒板に書くっていうことが本当にこれは一筋縄ではいかないなかなかな高等技術が必要なんだなっていうことを今回ホワイトボードと黒板を比較しながら気づいたことです。
ICTとホワイトボードと黒板とこれからまだまだ教育現場ではいろんな使われ方をしていくんじゃないかなと思います。
私のスタンスとしてはどれも上手に使ってその場で一番いいチョイスができるようになりたいなと思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。