配信の振り返り
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、229回、自分の配信を振り返ってますます実感する身体性という言葉の重要性、というタイトルでお届けしたいと思います。
この配信も229回ということで、実は8月13日にスタートしてから229回を刻むという、ものすごいポッドキャスト病と言うべき、そういう勢いで配信を続けています。
私がこのポッドキャストをこんなに続けていられるっていうのは、やっぱり喋ることが好きなんだろうなっていうふうに思うと同時に、自分の中で沸き上がるものをどんどんどんどんアウトプットしていって、そして自分の中に定着させるっていうことの快感を感じるからなんだなというふうに思っています。
ということで、ちょっとここを区切りに振り返ってみようと思うんですけれども、まず8月13日のスタートのあの配信を聞き直してみました。
はっきり言います。うるさい。大きい。語尾が上がりすぎ。雑。区切りが多すぎ。抑揚をつけすぎ。ということで、非常に圧の高い。教室であんなふうに喋ってるんでしょうね。そういったものを感じました。
教室で喋る喋り方と、やっぱりこのポッドキャストで喋る喋り方、全然違うと思うし、むしろちゃんと使い分けないといけないと思います。教室でこんなふうな喋り方だったら届かないと思います。やっぱり空間が広いところなんで、大きく区切りながらしっかり届くように。
オーバーアクションで話さないと、生徒にはなかなか伝わらないし、指示も明確に通らないので、授業の流れもスムーズじゃなくなると思います。そういった授業での話し方っていうのが、そのままポッドキャストに出てた初回だったと思います。それが次第に聞き直してみると自然体で喋れるようになってるなって思うし、語尾上がりもなくなりまして、より自然に
やっぱり耳に入ってくるような、迷惑のない、うるさくない、圧が少し減った、そういった喋り方になってきているので、次第に次第にポッドキャストの配信のあり方に近づいていってるんじゃないかなと思います。
だから私本当にね、授業での喋り方が自分の中に染み付いちゃってて、いろんなバリエーションで喋るっていうことができてないなっていうのがわかったんで、今回このポッドキャストに挑戦してみて、そうやって授業以外の喋り方っていうことをマスターできつつあるというのがとてもうれしく思うことです。
その次にいろいろ思ったことは、まさに喋るっていうこと、話すっていうことは身体勢なんだなっていうことを感じました。
私は最初はシナリオを少しメモ書きしてスタートしてたんですけれど、もうだんだんね、今ね、ほとんどメモを取ってません。シナリオも作ってません。
頭の中でこんなことを話そうというイメージを少し入れるだけって、だいたいこう話ができてしまうようになりました。
私が目指していたのはそこだったんで、とてもうれしいです。
自分の頭の中で考えたことが、別にメモ書きしなくてもどんどんこの体の中から、あるいは頭の中からどんどん巻き上がってきて、それがある程度構成されているっていうのは私の中では本当に得たいスキルだったので、
このことについては本当に毎日毎日毎日のように配信してきて得られる身体勢に近いものがあるというふうに思いました。
果たしてこのAIにこういった身体勢っていったものは再現できるんでしょうか。
これをもう少し詳しくお話ししますと、西垣徹子っていうね、情報工学の有名な先生で、新書にいろんなことを書いていらっしゃる先生がいるんだけれど、
その先生がおっしゃっていたことなんだけど、情報っていうのはデジタル的なそういう記号的なそういう伝達機能と、もう一つは身体勢っていうものが伴って発せられていて、それで全てなんだ。
だからその文字面の記号的なところと、それから身体勢、こうやって話している息遣いとか、それから声のトーン、抑揚、身振り、手振り、目線、それから何とも言えないこのハートみたいなところ、
そういう精神性っていったこと全て含んで情報なんだっていうふうにおっしゃっているくだりがありまして、もう私本当にそれにもう共感というか、
まさにこれだなというふうに思っているので、そういったことを考えると、AIはこの身体勢っていうのを再現できるんだろうかっていう、大きい大きい疑問が湧き上がりました。
授業スキルの向上
ということで、このポッドキャストっていうのを始めて、音声っていうものの伝える中身、それの奥深さっていうのを変えて感じましたし、逆に言うとデジタル化しやすさっていうのも感じました。
文字情報っていうものをすぐにデジタル化できるし、そのファイルも軽いし蓄積しやすいですし、情報量もすごく高いです。
なので、デジタル的な適応性と、それからの身体勢も伴ったところでの話し方っていうのと、そういう2つの方向性について、このポッドキャスト配信をずっと続けていて視点が広がったと思います。
その次に、このポッドキャストっていうのは、より良いこの授業構成にとても役立ってるなっていうふうに思いました。
授業を一応頭の中でイメージしながら授業するわけですけれども、その中でちょっとした変化をもたらさないといけない時がありますよね。
生徒の気づきなんかでね。そういった時に生徒の気づきを授業に取り入れるときに、その気づきの中でどうやってうまく持っていこうかっていうような、そういう頭が即興的に働くようになりましたね。
今までは自分のイメージの中でこうやって持っていこうというような、そういう大きな流れに集中してやってきたわけだけど、その間に差し挟まれる生徒の気づきや発見を拾いながら、その気づきや発見を少し小さなユニットにして構成して授業にぶっ込んで、またメインストリームに帰ってくるっていうような、
そういうふうな自分の中での二重構造的な、そういう頭ができたなっていうふうに思います。
こうしてみるとこのポッドキャスト配信は私の授業のスキルにとても大きく役立ってるなと思います。
もっともっと裏から見ると、私自身がそういうことを自覚的になったんで、他人のポッドキャストの配信とか、それから他人の喋ってる内容とか、それから今よくあるのはロイロノートスクールさんでいろんな登壇依頼が来るわけですけど、他の先生の登壇も見るわけですよ。
ワークショップなんか見ると、もう逆にいろんなことが見えたりなんかして、授業を切り取る力っていうのがまたちょっと一段階上がったなっていう感じがしました。
なので、ポッドキャスト配信っていうのは、私自身が興味関心、それからちょっとこうマニアックな気分でずっとやり続けているけれど、かなり大きな視点、かなり大きな進化を私にもたらしてくれたんじゃないかなっていうふうに今更ながら思います。
今日のこの配信もね、どこに帰着するかよくわかんないままこの辺だろうなと思ってやっているわけなんですけども、結局のところ、今日も明日も授業堂っていうタイトル通りに、自分自身の授業力向上にかなり役に立っているっていうオチになりましたね。
ということで、このポッドキャスト配信、これからもどんどん続けていって、私はこれからどういうふうにこのスキルを上げていこうかっていうのを、今度はもっともっとポッドキャスト配信で、いろんな経験を重ねられている先駆者のポッドキャスト配信を色々聞きながら、もうちょっと上手くなりたいなって思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。