指導目標と学習目標の考察
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は前回の配信の補足会になりまして、そういえば指導目標と学習目標の違いを説明して、走れメロスでその具体を示した後、生徒の作文を紹介して終わっちゃってました。
指導目標をどう見取るかということについては、時間も迫ってきたので話さないまま終わっちゃったので、その辺を今日は補足したいと思います。
まず前回の復習なんですけど、走れメロスの指導目標は、価値目標として、登場人物の心情を理解することを通して人間理解を深めるという、そういうところに指導目標を置いてみました。
まずこの指導目標については、前回も紹介したように、生徒の作文を見れば、自分自身の人間についての理解が深まったかどうかわかると思いますし、
それから振り返りを書かせたりすると、それがちゃんと出るんじゃないかと思うので、生徒の作文、パフォーマンス課題で人間の理解の深まりを見取るような、そういう課題を課すとちゃんとわかるんじゃないかと思います。
この辺は本当に前回の作文を紹介したと思うんですけど、ちゃんと達成できていたように思います。
それから次の技能目標についてですけれど、表現上の技巧という、そういうあたりについて授業でちゃんとやるわけなんですけれども、それをどうやって見取るかということなんですが、私はやっぱり振り返りのときに文章の書きぶりとか、それから作者の表現の仕方の工夫について、どのように理解が深まったかっていうのを書かせるようにしています。
これ振り返りのときに書かせたらいいと思うんですよ。そうしたらやっぱり生徒はその項目が立ち上がるので、その項目に応じてこういう工夫があったとか、表現があったとか、繰り返しがあったとか、独白があったとか、そういうふうに語り手とメロスとそれから読み手の一体感があるように工夫をしていたとか、そういったことを授業中で生徒から気づいたことを発表させて、それを文章に生かして書くもんですから、
生徒もそこで負に落ちたことはちゃんと振り返りで書くわけですね。ということで表現技巧においての理解もそこでさせることができますし、生徒が獲得した語彙についても振り返りとか作文でその語彙を使おうとするので、ちゃんと償いとか、信頼とか、許し合いとか、自暴自棄になったとか、そういった語彙の獲得したことを使って作文を書くので、
それが活かされていると思いますね。最後の態度目標、このことについてはやっぱり振り返りで学んだことをこれからどのように活かしていこうと思うかという項目を立ち上げるので、そこで例えば次に小説を読むときにはこういった表現技巧と作者の意図について考えていきたいと思ったというようなことを生徒は自覚的になって書くので、
そういうことで自覚させるというように工夫をしています。このように生徒自身はメロスに感動したね、その自分の感動ポイントは何だったのかっていうことを自分で深く掘っていって考察しようっていう生徒自身の意欲とか関心とかそういったことを取り掛かりにこの学習を主体的に進めていく中で、
学習の主体性と表現技巧
知らず知らずのうちに語彙が獲得できたり、表現上の技巧とそれからその作者の意図について納得することができたり、人間に対する理解が深まったりっていうふうなことが自然に夢中になってやっているうちに獲得できて、それが振り返りの時に自覚できる。
そうすることによって生徒の能力が獲得できるんじゃないかと思うので、私自身は指導目標の見取りは振り返りの時に自覚的に項目を立てて自覚させることで獲得できるんじゃないかと見取ることができるんじゃないかと思います。
そんなふうにやっていくことプラス、今回はフレームリーディングっていうのを導入したので、このフレームっていうのに生徒が例えば作者の表現上の工夫っていうフレームを入れると、このフレームを獲得することによって、つまりは目の付けどころを獲得することによって、
じゃあ次に自分が小説を読む時には表現上の特徴と作者の工夫の意図、その意図はどういうところにあってこういう工夫しているのかということに気をつけて読むという目の付けどころを獲得するので、より自覚的に、本当に読み手として自覚的に戦略的に、読解放略的に小説なり文章を読むことができるようになると思います。
もちろんこれは1回や2回ではダメなので、常にスパイラル的にこういうふうに取り組ませることによって獲得していくものじゃないかなと思いますね。
なので繰り返しになりますけど、私は生徒に対しては、まず自分が主体的になれる学習目標、生徒の生活とか問題意識とか課題意識、そこからスタートする学習目標を持たせて、生徒が夢中になって文章を読む、そういう中で事業者の指導目標が達成されていくように仕組むこと。
これが授業のデザインの大きなポイントなんじゃないかなと思います。
生徒がやっぱり夢中になる、集中して取り組むっていう時に、最も語彙とかそれからスキルが獲得できるっていうのは、本当にいろんなことを通して私が感じていることです。
生徒が夢中になる課題っていうのを果たして毎回毎回与え切れてるかなっていうと、それは大きな疑問なんですけれど。
指導者自身が気をつけていくことによって、だんだんと生徒は夢中になるシーンをたくさん作れていくんじゃないかなと思います。
それではなんだかちょっと真面目な話になっちゃったんだけれど、私が本当に大事にしていることでもあるし、授業にとって大事なことなんじゃないかなと思うので、真面目に今日は配信してしまいました。
若手の先生にこういうのをちゃんと届けたいなって思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。