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2025-04-30 17:29

210 自由進度学習は部分的導入からゆるりと。

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4月26日(土)第38回今日も明日も授業道オンライン交流会をもとに、内容をざっと説明しつつ、私の雑感を述べたいと思います。

ぜひ、このnote記事もどうぞ。

スライドのリンクもありますので。

https://note.com/naomistyle/n/nfa5775424052

#自由進度学習 #国語科 #個別最適

 

サマリー

このエピソードでは、自由進度学習の概要や導入時の問題点、メリット、デメリットについて語られています。国語教育における自由進度学習の実践例として、星野桃太郎先生のブッククエスト授業が紹介され、その効果や課題が議論されています。また、自由進度学習の部分的導入に関する改善案や教室環境の重要性についても話し合われており、教員の熟練度やデジタル活用が定着の鍵となることが強調されています。

自由進度学習の概要
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は210回、先日行われた、今日も明日も授業道オンライン交流会での模様を、いろいろと短縮してお届けしたいと思っています。
タイトルは、「自由進度学習は部分的導入からでゆっくりと。」というタイトルです。
4月26日土曜日21時から第38回、今日も明日も授業道オンライン交流会を開催しました。
その時のテーマは、「自由進度学習について知る、語る、考える。」というタイトルです。
実践発表として、星野桃太郎先生とおっしゃる方の、図書館での資料検索授業、ブッククエスト実践報告をお願いしました。
最初は、自由進度学習の概要を簡単にスライドにして説明しました。
自由進度学習を扱うにあたって、いろんな書籍に目を通したのです。
概要欄にリンクを貼っておきますが、そちらの方でノート記事でまとめています。
にわか仕立てで勉強したのですが、読んでみてとても大変だなという負担感がまず私の方に感じられまして、
ノウハウを取得して、ある程度経験を重ねて生徒実態に合わせてやるという試行錯誤をしてから、
本格的な自由進度学習に挑まないといけないなという、そういう負担感が感じられました。
4つの本を読んだのですが、これらを全部トータルにしてオンライン交流会で皆さんに提示するのはとても無理なので、
ここはジェミニ・ディープリサーチの力をお借りしましてまとめました。
そもそも自由進度学習というのは、従来型の学位置的な一斉授業から脱して、個別最適、共同的、そして進度も自由にという、
そういうふうな新しい学びの形を提示したものです。
特に特徴的なのが、子ども自身が自分のペースで進められるし、子ども自身がオリジナルの学習計画を立てて自分で学びを調整していく。
そのために一人一人に合わせて学習教材、それから学習時間、それから学習の機会を提供する。
生徒同士が教え合ってもいいし、必ず教職員のフォローアップが必要という、そういうふうなものを自由進度学習と言います。
実践例と課題
そもそもこの自由進度学習がこのように言われるようになったのには、
1980年代に愛知県の小学校で実践されたのがそのルーツで、次第次第に小学校で実践がだんだんと広がっていき、
中学校にもICT環境の整備に伴って自由進度学習が関心を持たれるようになって、次々と実践が行われるようになっていったという背景があります。
そういった一方で高等学校ではなかなかこの自由進度学習の実践というのが少ないという傾向が見られるようです。
確かに考えてみたら、高等学校で扱う文章というのが非常に複雑で奥が深くて、
それから文化的な背景とか社会的な背景とか複雑に入っていますので、
とても個別最適化や自由進度学習をデザインできるような段階分けというのが厳しい、難しい、手間がかかる。
そういった分野だから、やっぱり高等学校の国語科で導入するというのはちょっと難しいと私自身思っています。
この自由進度学習を導入することによってどういうことがあるかというと、やっぱり生徒一人一人に合わせているので学習意欲が高まるので理解が深まるし、
やっぱり段階別に分けるということで基礎的な基礎学力が定着しやすい。
それから学習を自分自身でデザインしていける自己調整力というのが養うことができるというところがメリットだと言えると思います。
逆にデメリットは、やっぱり学習教材を用意周到にきちんと準備していかないといけないのでとても負担だし、
それから学習の機会とかを与えるという点では、その学習環境を整備していく。
例えば学習センターを設けるとか、図書館に行って勉強ができるようにするとか、それから机や椅子を配置し直すとか、そういった環境整備についてもかなりの負担が伴います。
そして何よりも、自立的な学習者として事前に安心安全な場作りとか、安定した学級経営、そして生徒と先生が信頼関係がある程度きちっと構築されていないとなかなか難しい。
そういったところが非常にデメリットになってくると思います。
ということで、やっぱり自由進路学習については超えなければいけないハードルがかなり高いなっていうような、そういう中で実践例を星野桃太郎先生にお願いしました。
星野先生の実践例は図書館での資料検索授業、ブッククエスト実践報告というもので、
3学期、いろんな授業が終わった後の余った時間でやったもので、目的としては生徒に自分の興味関心のある分野を通して書籍に親しんで、本を読む機会を与えて文章に慣れ親しんでもらおうというのが目標でした。
これは近畿大学の中央図書館で取り組んでおられるブックザギャザリングという、ゲームとイベントが合体したような図書館司書さんが中心になってやっている、それをヒントにして展開されたんだそうです。
私のノート記事に近畿大学の中央図書館さんがやられているウェブサイトのブックザギャザリングというものの取り組みを紹介しておりますので、ぜひご覧になってください。
今回中学校1年生でされたということなんですけど、ブッククエストっていうものをされて、多様な興味関心を持つ生徒が取り組めるいろんな分野のブッククエスト、お題、それを段階に分けてレベルに分けて配列した300問のクエストを用意されておりまして、生徒からもお題を募集して開始されたそうです。
エクセルシートにかなり細かく縦横になっていて、分野とそれからレベル分けがしておりまして、生徒はその1分野を選びながらだんだんとレベルを上げていってお題を解いていってポイントを稼いでいくという、ゲーム感覚でできるということで難しいポイントになるほどポイントが高くなるという、そういう仕組みで個別最適、自由進路ということでされております。
自律的に取り組むのが難しい子も好きな分野で勝負できるので、ゲーム感覚で楽しく取り組むことができたという報告でした。
ということで、国語の教材を使って実際にやった実践ではないということだけれども、自由進路学習という意味ではそういう取り組みやすさと、それから自由進路学習の側面を見させていただいて、なんとなくイメージが持てたというような実践報告だったと思います。
これらをもとにして、ブレイクアウトルームではいろんな話をするということになるんですけど、私の方からも気づいたことがいっぱいあったので、事前にこういったポイントについて深めてくださいという柱を提示しました。
自由進度学習のメリットとデメリット
まず、複雑な文脈を要する文章を扱う国語化に果たして自由進路学習はなじむのか。
これはね、見てみると自由進路学習の実践って算数とか社会や理科が多くて国語がすごく少ないんですよね。
やっぱり国語化で話し合われる教材自体がすごくスキル分けのしにくい分野だったりするんで、それはなじむのかっていう、そういう疑問が私にありました。
その次に、自由進路学習をやるために授業作りをするっていう自己目的が原初になってるんじゃないか。
ならないためにはどうあるべきなのかを考えてほしいというふうに投げかけました。
それから場は共にしていても思考は共にしていないっていう状態を作っていることになるんじゃないかということもお願いしました。
あとは、過重負担になるのではないか。持続可能なのかということも話題にしていただければとてもありがたいということをお願いしました。
そして最後に、ご自身で実践経験があれば実践事例を共有してくださいというお願いをして、
3つのグループに分かれて20分間のブレイクアウトルームを開催し、その後共有タイムを取りました。
そこで話し合われたことを私自身の視点でまとめてみたいと思います。
従来型とそれから自由進路学習をどう接続していくかということが話し合われまして、
今までの授業のやり方と違うからイメージが持てないっていうお話がありましたね。
私自身も勉強してやっとおぼろけながらイメージを持つことができたということで、
これをやっぱり学校全体として即式的に取り組むのだったら相当な教員研修が必要だと思いましたね。
でも反面、従来型との接続ということで考えたら、これって実は私たちがある程度授業の中でやってるんじゃないかと思いました。
私なんか特にありありとこれ自由進路学習なんじゃないっていう場面を想起することができました。
例えば先日取り組んだフレームリーディング。
やっぱり一斉に皆さんで教室で勉強するっていうような土台作りをした後で、
生徒自身に自分で問いを作ったり、あるいは生徒自身で好きなテーマを見つけて、
それを自分でどうやって課題解決していくかをデザインさせて、
それでスライドで発表して、それであと共有するっていうことなんかは結構やってます。
だから自由進路学習もどきっていうのを従来型で結構やってるっていうことは皆さんあるんじゃないでしょうかね。
それから否定的なご意見もいただきました。
何と言っても過重負担だと。
これだけの自由進路学習をきちっと生徒の実態に合わせてやるんだとしたら相当な準備が必要だと。
それから学習者がまず育たないと自由進路学習ができない。
生徒実態が厳しい学校に自由進路学習を無理やりに投入するっていうことは本当に適してないんじゃないかっていうお話もありました。
それから中学校高等学校の文章のレベルが高くて、そのレベル分けとか深度とかそういったものを分けること、
指標化しにくいんじゃないかと。
それから学力低くても自分自身の経験や生き方によって読みの深さを持っている子もいるので、
必ずしも進度を段階的にレベルアップしていくような設定というのはここごかに馴染まないんじゃないかと。
こういう指摘もありました。
そして最もどうなのかなと思ったのは場は共有していても思考は共有していない問題。
これをどうクリアするかということですね。
自由進路学習の導入
ということでかなり深い指摘があり、改善案としては中高等学校の国語科では部分的に自由進路学習を取り入れるっていうところから始めるのが最もいいのではないか。
これだと場は共有していても思考は共有していない問題というのをクリアできるし、
それから文章のレベルが高くてレベル分けしにくいっていう、フル自由進路学習しにくいっていうことも解決できます。
ということでやっぱり部分的自由進路学習導入っていうのがいいんじゃないかっていう改善案。
それから読解法略っていうのと組み合わせると自己調整学習の支点となるのではないかということで、
やっぱり読解スキルっていうのを習得させてそのスキルを生徒自身に意識させながら読み進めていくっていう、
そういう自己調整学習の支点となるというところでは読解法略との組み合わせが実はかなりいいんじゃないかという方向性が出ました。
それして自由進路学習っていう名前をつけることによって新たに事業作りをする上での広がりとか深まりが出てくるんじゃないかっていう改善案が出ました。
こういうふうないろんなことが話し合われるんですけれどもチャット欄も活発に動きましたし、
それからブレイクアウトルームから帰ってきての共有タイムでのすごくたくさんの人の意見がたくさん生まれてもまとめきれなくて混沌としたんですけれど、
私自身が整理するとこうなりましたね。
なのでもう一度まとめ直すとやっぱり教室が安心安全である程度教師が熟練してないと自由進路学習に正面から取り組んで振る自由進路学習に取り組んでいくっていうのは非常に過重負担で難しいなと思いました。
おまけに今まで部分的に自由進路学習みたいなものに取り組んでいるのでそのノウハウを引き続き活かしながらやっていって次第次第にフル進路学習に持っていくっていうのは様子を見ながらやったらいいんじゃないかと思いました。
そしてデジタルを活用してもっと効率化しないと自由進路学習っていうのはなかなか現場には定着していかないんじゃないかとそういうふうに思いましたね。
主体的な学びの重要性
なのでフルバージョンの自由進路学習についてはかなりハードルが高いという私の意見です。
特に自分だけでフル自由進路学習をやってもうまくいったとしてもなかなか広がらないと思うんですよね。
現場のいろんな教科科目で自由進路学習をやりながら組織的に取り組まないと定着は難しいと思います。
小学校の方である程度、例えば算数とか社会とか理科で自由進路学習を取り組んでおられるということだったら余計に組織の中でどんどん浸透しているということなので
自由進路学習っていうものが定着していく措置ができているということなので
まずは小学校からそういう土壌を作っていって中学校高等学校と次第に熟成していくのを待つっていうのが
とりあえず私たちが持続可能にできる自由進路学習に向けての心構えだなって思いました。
ということで自由進路学習いいよっていうようなそういう風潮がかなり出ているし
あの有名なトマノさんも自由進路学習についてはボイシーでも配信されてますし
本当に今自由進路学習についていろんな先生方いろんな有識者いろんな教育に関わる方が発信している中で
一歩後退するようなそういう考え方を提示するような私のこの今回のポッドキャストの配信なんですけれど
やっぱり自由進路学習するためにやるんじゃなくて
生徒がより主体的に考え主体的に取り組み共同的にみんなと考えていって
そして自分の思考力表現力を進化拡充させていくっていうことが一番トップに来るテーマだと思うんですよね
それのためにいろいろな取り組みをやってるわけですから
自由進路学習がその上位に来てるわけではないので
これからも生徒がしっかり考えてそれからしっかり取り組んで主体的に考えて
後で振り返って自分の学びをより良くしていこうという態度を要請していく
このことが上位に来るべきでそれが達成しているのであれば無理に自由進路学習というものを投入するのではなく
今回自由進路学習という言葉を経て自分の授業づくりの中で自由進路学習をどんどん投入していくなり
自由進路学習をやってみてトライアンドエラーを繰り返すなりしていきながら
次第に自分自身の授業づくりをより豊かにしていくという方向性で当面はやりたいなと思っています
それじゃあ今日の配信はなんかちょっとがっつりがっつり系で遊んじゃう部分が少なかったんで
退屈だったなっていう気もしないではないんだけど
ノートにもまとめたんでそちらの方もじっくり見ていただければと思います
それでは今日の配信はここまでです聞いてくださりありがとうございましたまたお会いいたしましょう
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