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2025-06-02 07:40

242 読めるのに、わからない? ~「 アレクサンドラ構文」と「読解力」~

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アレクサンドラ構文とは・・・

「Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。」

この文章、パッと見は難しくないんですが、ここにこんな問いが出されます。
「Alexandraの愛称は次のうちどれでしょう?
Alex 2. Alexander 3. 男性 4. 女性」
正解はもちろん、
1番の「Alex」なんですが……
 

#アレクサンドラ構文 #読解力 #読めていない #主体的対話的学び
 

サマリー

アレクサンドラ構文は、国立情報学研究所の新井範子先生が提唱した読解力を測るテストであり、中高生の正答率が特に低いことに驚かされている。生徒の読解力向上には、主体的な読解指導と基礎スキル訓練のバランスが重要であると考えられている。

アレクサンドラ構文の紹介
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道~黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、読めるのにわからないvアレクサンドラ構文と読解力というタイトルでお届けしたいと思います。
先日、なんとなくYouTube動画を見ていると、アレクサンドラ構文という言葉が目に入ってきました。
これは、国立情報学研究所の新井範子先生が提唱したものです。
新井範子先生の著書には、いろんなことが書かれていて、SNSなんかでも話題になりました。賛否両論もあったと思います。
その新井範子先生が動画に出ていらっしゃって、アレクサンドラ構文というのを紹介していらっしゃいました。
これは、文章を正しく理解できているかどうかを測るための読解力のテストの一部なんだそうです。
名前の由来になったそのテストはこんな文章になっています。
アレックスは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名前アレクサンドラの愛称であるが、男性の名アレクサンダーの愛称でもある。
ここに加えて次にこんな問いが出されます。アレクサンドラの愛称は次のうちどれでしょう。
1.アレックス 2.アレクサンダー 3.男性 4.女性
正解はもちろん1番のアレックスなんですけれど、なんとこの動画では中学生の正答率が38%
高校生でも65%程度にとどまるというデータになったそうです。
私これ聞いてちょっとびっくりしてね。だってちゃんと聞いていればあるいは読んでいればわかるそういう文章なのに、なんでアレックスを選べないのかっていうのが本当に本当にわかんなかったんですよね。
その動画にはいろんなコメンテーターの人もいらっしゃっていて、そういうところに呼ばれるコメンテーターの人だから皆さん一番と答えるわけですよね。
それで新井先生はそういうのがスッとわかる人は、例えば現代文のテストとか、あるいは共通テストとか、そんなのサーッと読んで、わざわざ講義や説明しなくてもスッと正解を選べるんだけれども、
こういうのが読めない生徒がいるから塾で支持号を適切にちゃんと当てはめてみたり、
それからここからここに答えがあるからっていう指導したり、防線部の近くに答えがあるよっていう指導したりっていうようなハウツーをやってしまうんだっていうふうにおっしゃっていました。
この公文はやっぱりただ地面を覆うだけじゃなくて、論理関係を読み取れるかどうかを問うために作った問題だそうです。
これはもしかしたら生徒は読んでいて読んでいて読んでいて相性を答えるから、アレックスっていうのを答えられなくて後ろのアレクサンダーにしたり、男性アレクサンドラの性別を答えたりっていう子が出てくるんじゃないかなって思ってしまいますね。
だから生徒はいかに文章を曖昧ななんとなくのもやもやした感じで読んでいるのかっていうのが私分かりました。
で、新井先生はこれを機能的非識字と呼んでいらっしゃって文字は読めるんだけども意味が正しく理解できていない。
論理的な関係を把握できていないというふうにされていて、これは社会人になった時とか当然のことながら進学の時にも大きく影響するというふうにおっしゃっていました。
読解力向上の方法
私も本当に思うことがありまして、テストなんかの問題も問題よく読んでなくて生徒は自分の思い込みでなんとなく答えを書いてみたりとか、
それからこちらの問いを発してもその問いの意味が汲めなくて違うことを答えてずれた答えをしてしまったりとか、
そういうことがよくあるのは、なんとなく文字面を追えてはいるんだけれども、その中身とか筋道とかを理解していないということがよくわかりました。
じゃあこれをどうやって防いでいくか、あるいは生徒の力を伸ばしていくか。
自分だけで考えたんじゃ答えが出ないと思って、やっぱりディープリサーチを使ってちょっと問いを出して答えてもらいました。
非常に詳しく丁寧に丁寧に掘り下げてくれて、ここで読むと日が暮れてしまうぐらいの膨大なディープリサーチの答えが返ってきたんですけど、
結局簡単にシンプルにまとめてしまうと次のようになります。
これを防ぐために、あるいは読解力を高めるためには、双方向で主体的な読解指導と基礎スキル訓練のバランスが重要です、という答えでした。
つまり、いわゆる主体的対話的深い学びという、生徒を主体的に文章に読ませる、
そして対話をたくさん仕掛けて、インプットとアウトプットを回す、そういった読解指導と、
それから要約したりとか、漢字の読み書きをやったりとか、それから要点をまとめて自分の意見を書くとか、
そういった基礎スキル訓練、これを上手に組み合わせることが有効であるという答えでした。
結局、今やってることとあんまり変わらなかったというか、究極、それって普遍なんじゃないかなって思いましたね。
だから、文章を読むときは、生徒に主体的に読ませる工夫をして、それから読んだり書いたりというアウトプットとインプットを活性化させて、
生徒が生き生きと取り組めるような、そういうペアワークとか、それからグループワークを仕掛けること、
それらにあんまり退屈しない形で、漢字テストとか語彙テストとか、それから要約指導とか、それから探索文を書かせるとか、
ということを有機的に組み合わせていくということがとても大事であるという、そういうふうな答えになりました。
ということで、結局なんだかんだって言いながら、今やってることを地道にやっていく、そして精度を高めていく。
これに尽きるんじゃないかなということで、自分自身の方向性をしっかり確認して、今やってる授業をどうやって本当に効率よく、
本当に生徒にとってしっかりと着地できるような、そういう足元に地のついた取り組み、
そういうことを目指すために、もうちょっと今やってることをさらにブラッシュアップしていきたいと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
07:40

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