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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この配信では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は、総合的な探究の時間の、要するに愚痴になるんじゃないかと思いますけれど、
国語教育とは少し離れているのですが、総合的な探究の時間の分掌担当者になった、私の今までの思いというか、愚痴というか、ぼやきというか、そういったことをゆるゆると語っていきたいと思います。
総合的な探究の時間が導入されたのは、おそらく今から8年ぐらい前かな。
広島県は先行的に3年前から前倒しで探究の時間を導入して、それで総合的な探究型の時間をやっておりました。
私がその当時いたのが総合学科というところで、もうすでにその総合学科では20年も前に総合学科が打ち立てられた時から、探究的な学びを大幅に取り入れて総合学科を立ち上げたということで、私がいた時も総合的な探究の時間が活発に取り組まれていました。
探究型にしないといけないということで、自ら課題を発見し、そしてその解決策を自分で考えて、調査・研究・情報収集・分析・考察を経て、それをアウトプットする、プレゼンするというところまで持っていくのが探究だと思うんですけれど、
それの担当に6年目くらいから進路から変わりまして、総合的な学習の時間の改変をやることになりました。
その改変するといったことのきっかけは、どうにもこうにも総合的な学習の時間が限界を迎えていて、生徒がどうも主体的にならないので、探究型にしてくれないかということでお話があり、私はその時までにいろんな研究会に参加してきました。
学校見学にも行かせてもらって、県外視察にも行かせてもらったりとかして、年間50以上の研修会に参加して、探究の時間のあり方について研究してきました。
私ぐらい年月が経ってたら、それぐらい積み上げがある。若い人からしたらすごいなと思うけど、長く生きてきたらこんなもんだんだん積み上がってくるので、大したことないと言えば大したことないんだけど意識的に勉強を積み上げてきました。
でも、総合的な探究の時間をきっちり頑張ってやろうと思っているのは、私と文章の一生懸命一緒に頑張ってくれる仲間たちぐらいで、1割弱ぐらいかな、5、6人ぐらい。
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あとの先生はね、もう本当にね、何それっていうかね、もう負担でしかないのになんでそんなことをやらせるんだっていう感じでね、見るんですよね。
特に新しい取り組みを学年会で卸すときの固まる空気とか、冷ややかな目線とか、重いため息。これがね、おまけに舌打ちしたりなんかしてね、何かお願いするとね、チッと舌打ちが聞こえたりとかして、もう非常に重苦しい雰囲気になりました。
それから何回説明しても何やってるかわからないとか、すごく批判的で、今更ね、やるってことは決まってるのにやりたくないとかいう人もいるわけなんですよ。
分かんないって言うから研修会を開催しても正直、欠席者が続出したり、それからまあここだけの話、寝たりね、もう皆さん非常に興味関心がないわけなんですね。
特に気づいたらね、誰もついてきてなくて一人で準備してるっていうようなこともね、ありました。
それからよくあるあるなんですけど、退職間近の人はもうマシはやらんっていう風に言う人もいたりなんかして、本当新しいことをやるっていう時のハデーションの凄さ、それは大変でした。
時々、総合的な探求の時間の研修会が学校外で催されるときは担当者が一同に集まるところがあるんですけど、そこで仲間の先生といろいろ話しするとやっぱり似たような現象です。
なので私も本当に苦労しましたけど、支えてくれる仲間がいなかったら多分難しかったんじゃないかなと思います。
そんな私ですが、そういう現場の負担感が多い中でどうやって負担感を減らしながら頑張っていこうかなと思っていたところ、他の学校の研修に参加したら、
研究指定校、総合的な探求の時間、研究指定校になった学校なんかではすごい発表の連続なんですよ。大学側とアカデミックな研究をやっていて、高校生離れした研究発表が行われていました。
とても高校生、自分自身の言葉で語っているのではないような、大学の先生の研究が背後にベタっとついているような発表。そんなのを見ると、やっぱり負担の少ない等身大の高校生が取り組む総合的な探求の時間をやらなくちゃならないなという気になったんですね。
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それで私が第一に着手したのは、やっぱりこんな生徒に育てたいっていうのを学校組織の中できちんと確認して共有していくっていう本当に根本的なことからやりました。
その当時の校長先生も、そういうことに非常に興味のありの方で、こういうのをやろう、学校のシンボルマーク作ろうとか、育てたい生徒像をはっきりしようっていうのを推進していく先生だったのでやりやすかったんですけど、育てたい生徒像を一つのストーリーにして、業職員に共通認識を持ってもらう。
毎年毎年それを確認して、こんな風な生徒に育てるために1年生ではこういうことをやるから、総合的な探求の時間はこういうことをやります。2年生ではこういう力をつけさせたいのでこういうことをやります。3年生ではこういう力をつけさせたいので、総合的な探求の時間もこういうことをやりますっていうように。
先生に共通認識を持ってもらうためにアナウンスを繰り返ししましたし、それが目に見えるように視覚化した形でパワーポイントで視覚に訴えるようにして、短時間で先生方に分かりやすくそれを提示するようにしました。
育てたい生徒像も卒業生を題材に出して、こんなになってこんなに成長して卒業しましたっていうようなモデルをたくさん出して、具体的に先生に分かりやすくしました。
そんな結果、どんなカリキュラムにしたかっていうカリキュラム編成にもすごく気を使いました。逆向き設計なんですけど、3年生ではこんな風な本格的に自分で、自分自身で個々でテーマを設定して課題研究をやって卒業してもらいたい。
それは進路につなげたいっていうことから逆向き設計でやっていたんですね。なので1年生では周辺のこの学校の身近な問題についてチームを組んで、みんなで共同しながらやっていこう、助け合いながら課題研究をやっていこうということで身近な地域をフィールドワークして、そして調査研究レポート発表っていう風なことをやりました。
2年生では北海道に修学旅行に行ったんで、広島と北海道の比較研究から個人でテーマを設定してミニ課題研究っていう風な設定にしました。
ちょっとミニ課題研究した後に3年生になっての本格的な個人の課題研究のためのテーマ設定っていうのを2年生の3学期にやって、3年生から本格的にスタートとなりました。
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というように、学校体制を整えるっていうことがすごく大変だったっていうのが私自身の苦労ですね。
でもそれを支えてくれたのはやっぱり管理職のサポート。管理職の先生がこういう風にしよう、こういう風にやってほしい。
だったらこういう風な手筈を整えるよとか、お金出して視察行ってきてねとか、管理職の先生のすごいサポートと、
そして一緒にやってくれる仲間が非常に恵まれまして、今でもそういう人たちとは交流があります。
私たちはよく自分たちだけがおかしいことを言っているような変態組だとかって名乗りながら、
それでも楽しそうに仲間たちとやってたら周囲の人も理解してくれて、なんか楽しいんじゃないかっていうふうにちょっと思ってくれたりなんかして、
それも良かったんじゃないかなと思いますね。仲間とやっぱり楽しい雰囲気でやる。
そして教職員皆さんに何度も呼びかける。分かりやすく示すっていうことを繰り返しやっていたおかげで土壌ができていったように思います。
ということで今日は、総合的な探求の時間を立ち上げていく文章担当者の苦悩についてお話ししました。
次回はですね、総合的な探求の時間に生き生きと取り組む生徒のテーマ設定とはいかなるものか、どうあるべきかということについて語りたいと思います。
それでは今日はこの辺で聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。