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2025-02-03 13:56

131 総合的な探究の時間を推進することの苛酷さ~カリキュラムオーバーロードへの批判~

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サマリー

総合的な探究の時間が教育現場に導入されて約10年が経ち、生徒の主体的な学びの促進や成長が期待されています。しかし、教育者はカリキュラムのオーバーロードや地域連携の難しさといった課題に直面しています。また、総合的な探究の時間を推進する中で、教師たちは多くの負担を抱えており、教育予算や人員の支援が不足している現場の厳しい状況が報告されています。

総合的な探究の時間の導入
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は131 回で、総合的な探究の時間を推進することの苛酷さ、カリキュラムオーバーロードへの批判というふうに題してお届けします。
題名からわかるように、今日は怒りの配信となっておりますので、そのあたりお含みをお聞きください。
まず、総合的な探究の時間が現場に入ってきまして、もう10年ぐらいにはなるのかな。
その取り組みがあちこちでなされて、生徒も自分自身で主体的な学びを獲得していき、どんどん自分の進路を開拓していったり、
自分の生き方を新しく考えさせられて、どんどん自創していく生徒が増えていって、教育現場ではこの総合的な探究の時間によって、
生徒が生き生きとしてきたという取り組み報告があちこちでなされ、探究の発表会もあちこちでされて、
本当に学校にお伺いして、その探究の様子を見たりということがとても盛んになりました。
生徒が本当に成長するし、先生自身もその生徒の成長に手応えを感じ、
そして、やっぱり進路に向かって、社会に向かって羽ばたこうとする生徒が目に見えるので、本当に喜びややりがいを感じる分野でもあります。
その総合的な探究の時間の最たるものが発表会。
全国レベルでそういった自分自身の発表、プレゼンテーションするそういう発表会なんかもあったりとかして、
探究について教育現場では注目されているというふうな状況になってまいりました。
教育現場での課題
ところが、これって本当に各学校で取り組むっていうのが大変なんですよね。
まずその総合的な探究の時間を学年単位でバラバラでやっているっていうところも問題だと思うので、
それを3年間でストーリーのあるものに落とし込むとなると、相当な労力、相当な勉強が必要になります。
担当者になった人は大変なんですよね。
授業以外にその学年の探究を毎週毎週指導案を書いて全体に共有して、
そしてその修正点をまたフィードバックを受けながら修正していくというように非常に負荷が高くなります。
ただ自分の授業だけやっていればいいというのではなくて、
学年の人全員がやりやすいような指導案を考えてワークシートを作って、
それぞれその教室でやるべきことをちゃんと準備してってなるとものすごい負荷がかかるんですよ。
しかもそれを3年間ストーリーで落とし込むとなると相当な勉強が必要になってきますよね。
私は総合的な探究の時間何年も何年も学校でリーダーとしてやってきたので、その辺の大変さは非常に分かります。
私の場合良かったなと思うのは大村浜先生の単元学習を学生時代から勉強してきたので、
そういった課題発見解決型の学習というのがどういうストーリー構成になっているかというのがイメージとして持てた。
これは私のアドバンテージだったと思います。
ぶっちゃけて言うと本当大村浜先生の単元学習を勉強するだけで、
今言われている現行の学習指導要領の学びを本当に授業づくりのレベルに落とし込めるんですよ。
大村浜先生偉大だなと思うのは本当大村浜先生の勉強が今でも通用しているという普遍のものだなというふうにしみじみ思いますけど、
そういう大村浜先生のノウハウを探求というところに落とし込んで、3年間のストーリーを作って全任校でも全全任校でもやってまいりました。
その際私が気をつけたのは、これっていわゆる自治体の研究指定校でもなければ、それから発表会に出るというわけでもなかったので、
とにかく先生方に無理のないように、かつ生徒が成長するようにというように、生徒ファースト、先生やりやすさファーストというのをすごく大切にしてカリキュラムを編成しました。
その結果どういうことがきかったかというと、派手さはないんですよ。
等身大の自然体の取り組み、だから他の学校の先生が来てから目新しいものがないなって思ったと思うし、
この程度かって思ったと思うし、それから派手さが全然ないから、外部との連携もないし、大学の指導もないんだなと思うと思います。
だから外部評価という意味では派手さがないんで評価してもらえなかったと思うんだけど、中にいる先生と生徒のやりやすさは半端なかったと私は胸を張って言えると思います。
生徒は生き生きしてたし、それから各先生方はとてもやりやすかったと思うんですよ。だって負荷をできるだけ少なくして、効果が出るように私すごく頑張って考えたんですよね。
そういうことで、いわゆるカリキュラムオーバーロード、カリキュラムの化石祭にならないようにアクセルを踏みながらブレーキをかけるということを私はここでやったと思います。
その代わり、私には負荷が高かった。
本当に自分の教材研究は土日でやっちゃって、普通の平日の時間に総合的な探求の時間の毎週毎週の授業の教案を作って、それから地域連携というのもやりなさいというふうに来るもんだから、小学校に電話をかけたり訪問したり、公民館と連携したりということで、
本当に外部連携との時間も割かれましたね。やったことある方はわかると思うんだけど、外部と連携するとなると、まずそのお伺いを立てる書面を作って、それから気合に回して決済が降りて、それから向こうの担当者の方とご挨拶して、
いついつこういう段取りでやりますというのをメールで送ってというふうに、もう二重三重に忙しくなっちゃうんですよ。だから担当者になった人は外部連携とか地域連携とかそういうことをやり始めると、莫大な時間と労力を割かれるということになります。
まず開拓も大変ですしね、その人と連絡を取り合って関係を結ぶということだけでも大変で負荷がかかります。ということで地域連携というのはとても負荷のかかる分野なんですけど、これをやってこいやってこいというふうに自治体の方では言ってくるわけですね。
県教委では言ってくるわけですよね。地域連携は積極的に、例えば身の回りの学校周りのフィールドワークをして気になったところにインタビューしてみましょうという取り組みを全然人口でやったんですけれど、こちらがある程度こういうふうなお店があるよっていうのを地図とかで目星をつけておいて生徒に開拓させるんだけれど、地元も余計な時間と労力を割かれていきなり生徒が来てからインタビューさせてくださいとか、
アップ取らせてくださいとかって普通のお仕事があるのにそういったことを余計にやらなくてはならなくなって大変、負荷が地元の方も大変だったと思います。いきなり来てね。
それからちょっと厳しいような消防署とかそういうところは、まず学校のお伺い書類を持ってこいっていうふうに言うんですよね。本当は生徒が地元のフィールドワークをして、自分たちが興味関心を持った施設に飛び込みで行って話を伺うというところに生徒が力をつけさせる。
そういう主体性を発揮させるところがあるんだけど、お役所であればあるほど先生の事前のそういう依頼書を持ってこいって言うんですよね。つまり先生が下地を引いて先生がそういうふうなことをやってから来い。
生徒の主体性がが無視なんですよ。それじゃあ生徒は育たない。でもかといって受ける方は自分たちの仕事があるのに突然来られて時間と労力を逆れるっていうことで、もう本当にこの辺矛盾で現場丸投げなんですよね。
総合的な探求の時間の困難
だからやっぱりこういうことをやるって言うんだったらそれなりの予算とそれからそれなりの人。もう本当そこまでやるんだったら総合的な探求の時間担当の教員とかそういうのをつけるべきだと思うんですよね。
それを何もよこさないではいやりなさい地域連携やりなさいって言ったら担当者がすごい負荷がかかります。でも人がよこせないって言うんだったらもう総合的な担当探求の時間担当になった人には手当てを出しますよとかそれぐらいしないと本当に割が合わないです。
それにそこに至るまでの探求を走らせるまでの勉強をしていないのにやれって言われるわけですよね。なので総合的な探求の時間それに関わる地域連携とかそれからの研究とか大学連携とかそういったことになるともう人をよこす。
それからそこに至るまでの教員研修をみちりやるそういったの準備をかなり丁寧にやってそれこそしっかり研修やって教員全員が総合的な探求の時間の指導ができるという状態になってから下ろしてくればいいのにはいという感じで何もしないで下ろしてきちゃうんで大変なんですよね。
オリシも新しい現行の学習指導要領になったら観点別評価とかパフォーマンス課題とかそれから自由心の学習とか共同的な学びとかICTの活用とかものすごいカリクラムオーバーロードが降ってきましてそんなんできるわけないっていうね。
そういった厳しい状態の中で総合的な探求の時間を推進していかないといけないというようになって現場ではかなりしんどい状況が続いているのではないかと思います。
ということで一生懸命推進されている先生方は多分面白くて生き生きとして生徒がどんどん成長していくのでやりがいを感じていらっしゃると思います。
ところがその反面そういった準備も何もしてきていないお金も人もよこさない。
研究していこうになったらお金も人もきますよ。
研究していこうに名乗りを上げないあるいはしておけない普通のナチュラルな学校さんはもう何もないままやらなくてはならないというまさにインパール作戦という第2次世界大戦時に日本軍が何もない中でやるしかないという状況のあれにも似てるようなそういう状況になっていると思います。
ということで本当に現場で総合的な探求の時間何もないまま推進されている普通のナチュラルな学校の先生は苦しんでいらっしゃると思います。
ぜひ教育予算をたくさんつけてお金も人もよこしそして地域連携をするっていうんだったらそれなりの連携先にそれなりの手当てをして時間と労力をかけていただくわけですから
それなりの手当てとかそういうのをしていただいて保証した上でそういうことを推進していってほしいなと思います。
いずれにしても現行の学習指導要領はカリキュラムオーバーロードということで現場では消化不良であり現場の先生も疲労疲弊してそして次世代が育たない採用試験を受けてもお断りする先生が続出していて
現場の先生が足りない新しい先生が入ってこないすぐやめちゃうという末期的症状になってしまっていると思うので私はぜひとも総合的な探求の時間を含めもっとシンプルにそして軽やかに
だけど先生もそして生徒も生き生きできるというミニマムな持続可能な総合的な探求の時間をこそ最も推進していくべきだと思います
それでは今日の配信はちょっと長くなってしまいましたけどやや怒りがこもっていると思います
ということでまあこれを聞いていらっしゃる先生ミニマムで軽やかでそして私たちが生徒と一緒に本当に負荷が低くてでも生き生きとできるような
そういう持続可能な探求の時間になるように考えていきたいなと思っている方ぜひ連絡なり何なりXもやっておりますので答えてくださったりしてくれればありがたいと思います
それでは今日の配信はここまでです聞いてくださりありがとうございましたまたお会いいたしましょう
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