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2025-07-02 09:32

272 学習課題に悩むという幸せな時間

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3年論理国語「であることとすること」まとめの学習課題に悩んでいます。

でも、このテーマで悩むのは幸せなのですよね・・・

#であることとすること #学習課題 #電子書籍 #幸福な時間

サマリー

中学校・高等学校の国語教育において、学習課題「君たちはどう生きるか。である価値、する価値のカオスの中で」に取り組む。生徒が抱える悩みや価値観について深く掘り下げる。AIの利用制限や生徒の自由な発想を尊重した課題設定が、教師にとっても幸せな時間となることを語る。

学習課題の設定
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は272 回、学習課題に悩むという幸せな時間というタイトルでお届けしたいと思います。
この配信でも、たびたび申し上げているように、私は高校3年生の論理国語を担当しています。
1学期から、いろんな試みをしてきました。
1学期では、例えば動画を見せて、現在のビジネスマンの悩みについて切り込んだ後で、生活主義について考える文章を読んで、
そして、さらに本田由紀さんの「きしむ社会」という本から、一番難しいところを抜き出して、生活主義について考えてきました。
それが大導入だったわけですけれど、それが終わりまして、その次に教科書教材のであることとすることを読んできました。
ということで、長い導入の後にであることとすることを読んできて、かなり丁寧に読み進めてきています。
そして途中途中では、生徒にも短冊文を書かせて、掘り起こしをしてきました。
本当はね、学習課題についてであることとすることに入るときに、ちゃんと決めていればよかったんだけど、私は決めきれてなくて。
生徒には、であることとすることの学習の最後に考えたことをね、800字くらいの作文にしてもらうよっていうようなことは宣言していたんだけど、
なかなか決めきれていなくて、ちょっと途中経過で、こういう感じにしようかなと思うんだとか、こういう感じにしようかなと思うんだとか言ってたんだけど、結局のところ生徒の作文を読んでいて決まりました。
最終的な学習課題は、君たちはどう生きるか。である価値、する価値のカオスの中で、というタイトルに決まりました。
AIとの向き合い方
やっぱり生徒の作文、短作文を読んでいると、生徒の生きている世界で、である価値、する価値っていうのがはっきりとあって、生徒自身がその狭間の中でいろいろと問題解決に苦しんでいるというようなシーンがたくさんありまして、
これどういうふうに解決していくかっていう解決策は、生徒自身もないっていうふうに書いてたりするんですよね。
そういうよくわからない世界に、言葉の力でどうやって切り込んでいくか。これこそやっぱり国語科ならではではないかと思って、タイトルを、どこかで聞いたようなタイトルだけど、君たちはどう生きるか。である価値、する価値のカオスの中で、というタイトルにしました。
こういうタイトルにして書きたくないなっていうふうに、たぶんならないと思うんですよ。生徒一生懸命今まで考えてきたからね。
だけど中には文章を綴ること自体が嫌だなって思っている生徒も苦手だなと思っている生徒がいて、
うちの学校はAIの同意書を取ってないんで、AIを使ってはいけないんだけど、生徒の生活の中ではAIを使うということは日常化しているので、たぶんこの課題を出した途端、AIでいろいろと文章を書いて、それをあわよくコピペして済ませるという生徒が出てくるんじゃないかと思いました。
そこでちょっといろいろ考えて、AIに頼んでもなかなかできないようにしようと思っていて、一つはであることとすることの、どっかの文章を引っ張ってくるという条件と、それから今まで学習した学習材、それをもう一つ引っ張ってくるというね、
自分の考えを綴る際に、どういう風な学習材から影響を受けたかということを条件にすることを一つ思い立ちました。その次に思い立ったのは、もう当然のことながら、自分自身の生活の中から引っ張ってくる、具体例を引っ張ってきましょうという、その3つをまず考えましたね。
であることとすることを今まで勉強してきた学習材、そして自分自身の生活体験。それからもう一つもう少しひねりたいなと思ったのは、書き手設定ですね。
今まで自分自身の考えを述べるということで、自分自身が書くという、そういう風なスタイルにしてきたんだけど、これを大学生が助言する形とか、未来の人からのアドバイスという形とか、あるいは社会科学者という人の立場から述べるとかいうように、書き手にひねりを加えてもいいんじゃないかなという風に思いました。
ということで今のAIに勝手に作られないようにということで述べてきたんだけども、果てしなく、なんかAIが作られそうななって、AIの発達がね、とても最近近年目覚ましいので、もうAIに頼んだら今の条件でも作られてしまうんじゃないかなという風な恐れがあるんだけども、
少なしであることとすること、それから学習材、これは生徒がその学習材をデジタル化するかどうかして打ち込まないとできないと思うので、相当なテクニックが必要になるのではないかと思っています。
あともう一つは、生徒の過去の作文を全部スキャンして撮っているので、多分AIにお願いしたら、この文章を書く人と、それからこの文章を書く人の関連性が高いかどうかというのをチェックしてくれるんじゃないかなと思うんですよね。
こういう風な文章の流れである人が、こういう風な整った文章、AIが書いてくるような、いかにもAIというような文章を書いてくるのかというような、それもチェックしてくれるんじゃないかなと思い始めているので、今回、普段の文章を読んでいるので、
この子だったらこれ書くなというのは私の中にもわかっちゃうので、そうじゃない違和感のある生徒に限って、AIに両方の文章をちょっとペーストして、違いについて分析してもらったら、AIを使っていないというそういう結果がどう出るのか、とても興味関心がある、そういう風な出来事も待ち構えていてワクワクしています。
幸せな時間の共有
ということで、この君たちはどう生きるかっていうのは、電子書籍化しまして、全部の生徒の書いてきたものを全部入れ込んで、後で誰か単人の先生とかいろんな先生に読んでもらえたらいいなと思っています。
生徒がであることとすることのね、そのである価値とする価値の狭間で、若い生徒がどういう解決策を出してくるのか、とても楽しみでもあります。
そして、このことが将来、生徒が社会に出た時に、あるいは大学に進学した時に、である価値とする価値の中で、どう自分は生きるのかっていうことに役立っていて、する価値だけにとらわれず、かといってである価値だけにとらわれず、
常にスパイラルにバージョンアップしていけるような、そういった新しい自分自身の認識を植え付けることができたら、獲得することができたら、それはそれでいいなって、最高に幸せだなっていうふうに思いますね。
で、こういうお悩みっていうのは本当に幸せだなと思っていて、今まで勤めていた公立高等学校だったら、こういう学習課題を自由に考えるっていうのはほぼ難しかったんですよね。
横並びの深度で、この最終課題っていうのを提案したとしても、そんな時間ないって言われるのがオチなんで、私の中では本当に時間を上手に節約して書かせないといけないっていう苦労があったんだけど、
だからどうコンパクトにして、どう短い時間の中で書かせるかっていうことが中心だったんだけど、今回は横並びの人がいない単独持ちなんですよ。
だから自分の自由にできるし、校長先生からも好きなようにしていいって言われてるので、本当にね、自分が本当にしたいことを持っている時間数を計算しながら計画を立てて、
大体の計画は立てたけど、生徒の様子を見ながら軌道修正して、より生徒にふさわしく、より生徒が将来役に立てるような、そういう課題を設定する、そしてその課題にあれこれ悩むっていうのは本当に幸せな時間だなと思いますね。
この課題ができたら、本当に生徒が一生懸命書いてくれて、私自身も幸せになり、生徒自身も幸せになるような、そういうふうな課題になってほしいなっていうことを願ってやみません。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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