1. 今日も明日も授業道~国語教育をゆるっと語る~
  2. 303 持続可能性のある 「ゆ..
2025-08-02 13:13

303 持続可能性のある 「ゆるやかな」自由進度学習を求めて

spotify youtube

自由進度学習というワードが盛んに出てくる昨今です。現実はどうなのでしょうか。こんな大ベテランになっても自由進度学習はしんどいと思う私は間違っているのか?

子育て中のセミナー参加、研修会参加しにくいワーキングマザーの先生、ワーキングファザーの先生にリスペクトを込めて捧げます。

■スライド共有申し込みフォーム■※SNSでのリンクの拡散はご遠慮ください。

https://forms.gle/fBtMRjvE9Ji6CXRb6

#自由進度学習 #ベテランでもしんどいよ #持続可能なの? #実はもうやってたじゃん

サマリー

このエピソードでは、持続可能な自由進度学習の重要性とその実践が考察されています。特に、日本と欧米の教育システムの違いや、国語教育における自由進度学習の課題が深掘りされています。自由心の学習は、生徒が主体的に学ぶことを目指す教育法ですが、多くの学校での導入が難しい現状があります。持続可能な形での「ゆるやかな」自由心の学習の実践方法について提案されています。

自由進度学習の導入
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は303回、持続可能性のあるゆるやかな自由進度学習を求めて、というタイトルでお届けしたいと思います。
今回の配信は、前回の配信の続きになります。
私は、7月29日火曜日四国中央市で登壇してまいりまして、
国語の授業におけるゆるやかな自由進度学習と個別最適な学習の実践、持続可能性を求めて、というタイトルで登壇してきました。
登壇に至るまでのお話については、前回配信をしましたので、そちらを聞いてくださればいいと思うんですけれど、
今日はその続きで、実際どういう登壇内容になったのかということを概要になりますけれども、お話ししたいと思います。
主催者の方から自由進度学習というオーダーが来ていたわけですけれども、
私の中では自由進度学習というのは本当に大変だなという思いがあって、
でも自由進度学習というのをちょっと勉強してみたら、これは普段の授業で部分的に取り入れば持続可能になるんじゃないかと、
そのことを通して横文字の先生にも広がるんじゃないかということを感じていたわけです。
なので前回やった、今日も明日も授業堂、オンライン交流会の中でも自由進度学習を緩くやっていこうということを提唱してきました。
その内容を今回の四国中央市の研修会のセミナーの内容にもぶっ込んでみました。
ということで、今日も明日も授業堂、オンライン交流会の内容とかなり重なることがあるんだけれども、このようにセミナーの構成を考えました。
まずは自由進度学習というものの概要、定義、それから自由進度学習が今の教育界にどういう基礎で導入されたのかということをお話ししました。
その後に日本と諸外国との差を話をしました。
ということで、ここが結構肝だと思うんですけど、もともと自由進度学習というのは1980年代に愛知県の小学校に導入がありまして、そこから小学校にちょっとずつ広がっていったんですね。
それを契機にICTが導入された時点で、中学校でもだんだんと広がりを見せまして、その後、高等学校にも輸入されるかなと思いきや、なかなか広まらなかったっていうそういう実態があります。
それは高等学校では大学入試が関係しているからっていうふうにも言われてるんですけども、私が思うのは国王と自由進度学習ってあまり向いてないっていうところがあると思うんですよね。
日本と欧米の教育差
理科とか数学とか結構スキルが客観的に分けられるものっていうのは結構段階をきちっと分けられやすくて、自由進度学習っていうものがレベル分けされて組みやすくなると思うんですよ。
社会もある意味そういうところあるかもしれませんけれど、そうやって客観的に段階的に区切りを設けることができるという教科であったらば、自由進度学習っていうのは取り入れやすいし、効果も出やすい。
そして先生方もやりやすいと思うんですけれども、特に高等学校の国語ということになると複雑で高度な文脈の中で授業しているので、レベル分けっていうものをなかなかしにくい教科であります。
それから生徒も学力の高い生徒が必ずしも読解力が高いとは言えなくて、結構学力的にもそんなに高くない生徒でも、自分の生活や体験の中で物の見方や考え方が深い生徒もいて、
いろんな生活的な苦労の中から物事の認識が深かったりっていうところがあったりして、学力の差イコール読解力の差っていうことにならない部分が国語には多くあります。
ということで必ずしも学力によって分ければ、効果が現れるっていうふうな分野じゃないのが国語っていう分野だと思うんですよね。
それがやっぱり自由心の学習が高等学校あるいは中学校でも広まりにくい大きな理由だと思っています。
ということで自由心の学習が国語で広まらないという理由、それについて分析しましたけど、じゃあ欧米ではどうなのかというと、欧米っていうのはやっぱりもともと個性を大事にしようという原点がありますよね。
キリスト教っていうものの考え方は個を大事にするっていうそういうふうな土壌があるので、欧米では個っていうのを大事にして、それからICTもまあまあ導入されていたっていう背景もありますので、個別学習とか個を重視するっていうそういう土壌で、
アメリカやフィンランドやオランダなどでは結構日本よりも早く個別学習ということが重要視されてきたという背景があると思います。
そういった欧米ではシステマティックに自由心の学習っていうのが組まれていたと思うんですけれども、そしてオランダではイエナプランというもので子どもの自己調整学習というのも組まれてきたっていうそういう歴史背景が欧米にはあるわけですね。
ということで日本ではどっちかというと同調するというか一斉学習みんな同じっていうそういうふうな同調的な文化背景があるということで、日本と文化の教育の差それから文化背景の差っていうのが大きくあって、
それで欧米では多数多様性とか個性というものを尊重しやすくて自由心の学習を早くからやってきたっていう歴史的な差が大きくあると思います。
それからハード面でも大きな差があって欧米ではやっぱりクラスサイズは25人前後、そして施設設備も日本よりも充実していたりするし、そういったハード面の差が欧米とは全然違うということで日本というところでは自由心の学習がなかなか浸透しにくいっていうそういう実態があるのではないかと思います。
実践例の紹介
そういうふうな大きな差があるのに自由心の学習っていうものをポーンと名前だけ形だけ取り入れようとしてなかなかうまくいかないっていうのは当たり前なんじゃないかなと思います。
これって結構日本の近代化とよく似たようなそういうふうな仕組みになってると思って、形だけ取り入れてもなかなか土壌が違う日本では自由心の学習っていうのはなじまないっていうことになるんじゃないかなって思いますね。
だけど自由心の学習っていうのはメリットがあってやっぱり生徒それぞれの学力の差に応じていたり、それから学力が高い子には応用的な学習ができやすかったり、そういったいいところがたくさんあります。
けれどもなかなか取り入れられにくいっていうのは日本っていうそういうふうな土壌があるっていう教育界です。
私が特に自由心の学習が難しいなと思ったのは実際に自由心の学習をやったっていう実践例を聞いたときですね。
その先生は夜中の12時まで毎晩毎晩遅くまで起きて準備されていて、用意したワークシートの種類は8種類、それから学習セットをちゃんと用意されていて、それぞれのブースに一つ一つ学習セットを用意されたりとかして、普段の授業よりも何倍も労力をかけて時間をかけて準備されていたとおっしゃっていました。
まあこれって過労死寸前の取り組みだというふうに私も思うわけですね。
そういった実践報告を聞いた後、研修会のフロアの方からもたくさんの質問や非難が飛び交うという、そういう状況だったと思います。
それから安定した学級経営がなされていないといけなかったり、先生と生徒の間に信頼関係がきちんと結ばれていないと自由心の学習はなかなか機能できない、そういうふうな実態もあると思います。
まあなかなかね、クラスの実態が厳しい、そういうふうな人が多いと思うんで、なかなか先生方はおっしゃらないと思うけど、ほとんど6割7割の学校は皆さんね、授業のやりにくさがあると思うんですよね。
みんな苦労していらっしゃると思います。席に座らせる教科書を開く、前を向くということ自体が難しい学校がたくさんあるんじゃないかと思うんだけれども、そういったことがありかし整っている学校さんが自由心の学習やってうまくいきましたよっていう報告をしていて、
実際普通の難しい学校ではなかなか自由心の学習というのが取り入れることができない、そういうふうな状況にあるんじゃないかというふうに私は思うんですよね。
それから最大のネックは場は共にしていても思考は共にしていないっていうようなことをよく指摘されると思うので、自由心の学習は本当にそれぞれが勝手に勉強しているんじゃないかという非難があると思います。
ということで私は自由心の学習ということについては、そういう文言とかそれから欧米でされてきたものの形をそのまま取り入れるっていうね、そういうことじゃなくて、とにかくまず最終的にというか最大の目標は生徒が主体的に取り組んでいて、
自己肯定感が得られて、そして友達と一緒に学んでいるんだ、楽しいんだっていうようなことが達成していれば形がどうであればいいんじゃないかと、そして多分それをやっているうちに実は自由心の学習をやっていたって、そういう状況なんじゃないかって、そういうことを今回のセミナーで提案しました。
ということでフロアの皆さんからはそういった形は非常に好評をいただきまして、振り返りもたくさん書いていただいてまして、自由心の学習という言葉ばかりが先行して、自分には難しいかもしれないと思ったんだけれど、お話を聞いていて取り入れられるところから始めていけばいいと思ったし、
すでにできているところもあるんだというふうに書いてくださっている方がまあまあいらっしゃいました。
もうすでに大体の先生方は何らかの形でゆるい自由心の学習、個別最適学習というのはやっていらっしゃるんです。
だから自由心の学習を形だけ取り入れようとするんじゃなくて、生徒がいきいきと主体的に取り組む授業をやっているうちに、実はそれは自由心の学習の一部分だった。
そういった学習を積み上げていくうちに、だんだんと他の先生方もゆるい自由心の学習というのをやっていき、次第次第に大きな流れになって、結果的に多くの教室で自由心の学習というのをやっていた。
それが持続可能な形ということにならないでしょうか。
ゆるやかな自由心の学習の提案
私このゆるやかな自由心の学習というものに取り組んだこのスライドについては、Googleフォームで入力していただければ、送信した後にそのスライド共有のリンクを貼っておきたいと思いますので、概要欄にリンクを貼っておきます。
Googleスライドを見たいな、参考にしたいなっておっしゃる方は、ぜひGoogleフォームに入力してみてください。
私の最大の狙いは、研修会に参加しにくい子育て中のお母さん教員、お父さん教員でもいいですけど、そういった方々に少しでも時間を有効活用していただいて、研修の機会を持っていただければと思い、皆さん方にも提供したいと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
13:13

コメント

スクロール