ファシリテーションの重要性
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は、174 回、国語の授業を対話的にするにはス~ファシリテーションを身につけるス~PartⅠと題してお届けしたいと思います。
先日、フレームリーディングについてのオンライン実践発表会を私は行ったんですけれど、その時、フェイスブックでたくさんコメントがありまして、その中に若手の先生じゃないかと思うんですけど、こういうコメントがありました。
フレームリーディングの授業で生徒が生き生きと学ぶ姿が目に浮かびました。先生の泥の中から這い上がって培われたファシリテーション力をもっと学びたいです。
私も先生のような生徒が生き生きと学ぶ授業を作れるようになりたいです。
というものです。どうもありがとうございます。毎回毎回バチバチ決まるようなファシリテーション授業ではないんだけれど、毎回毎回ずっとファシリテーションは行っていますね。
どうやってファシリテーションができるようになるのかというのが、この回の中でも質問にありました。
ということで、この回では評価のことについても質問があったんですけど、評価とファシリテーションという2つの大きな質問があったんですけど、評価についてはとりあえずまた後ほど扱いますが、
ちょっと当分ファシリテーションを身につけるということに焦点を当てて、ここでいろいろとお話ししたいと思います。
ファシリテーションって何なのかということなんですけど、これは場を促進させるという意味で、ファシリテーターがその場をいろいろと話を進めるために促す役というふうなことになります。
教室で授業者が行うときのファシリテーションは、もうちょっとリードをしながらやらないといけないと私は思っているので、純粋なファシリテーションとはちょっと違ったファシリテーションたすリーダー、そういうファシリード的なところがないといけないと思うので、そういったことで前提でお聞きいただければと思います。
このファシリテーションの前に対話っていうのがあるんですけれど、対話っていうのはいろんな捉え方があって、相手と向かい合って二人で言葉を交わすっていう意味ではなくて、授業の場合はお互いに考えを出し合いながら、相手のことを理解しながら理解を深めるっていう意味が対話になると思っています。
だから、人対人ではなくて、相手が学習剤だったり、それから相手が先生だったり、相手が作者だったりというように、多様な対話が国語の授業では存在することになります。
こういった多様な対話をお互いに行ったり来たりしながらだんだん考えがまとまっていくっていうのが、対話のイメージだと私は思っています。
対話って結構拡散すると思うんですけれど、理解っていうのは一本筋じゃなくて、いろんなところからああでもない、こうでもないって考えながら、時には不要と思えるような差末的な意見や考えやコメントもたくさんあるわけです。
でもその差末的なものを、わりかし本質的なところのコメントと比較しながら、そこにいる人たちが自分の中でだんだんと無駄なものをそぎ落としながら、だんだんと本質がだんだん固まっていくとか近づいていくとか、そういったものが対話の魅力だと思うんですよね。
なので対話っていうもののイメージをまず持つっていうことがすごく大事です。
だから時々無駄なこととか意見出せんと思うようなこと、これもとっても大事で、こういうものが出るからこそ逆に本質的なことが浮き彫りになってみたり、こういうふうなちょっと無駄だとか言うものはあるものが出るからこそ場が活性化したりするということで、対話っていうもののイメージを事業者がまず持っておかないといけないと思います。
そのためにはどうしたらいいかということなんですけど、やっぱり自分自身が対話型の授業をたくさん見ることがすごく大事だなと思います。
私は国立大附属勤務時代に対話型の授業を相当見ました。国語科の先生と月に1回定例の授業観察会をやってたんで、いろんな先生の授業を見るんだけど、附属の先生対話型の授業をずっとされてるんですね。
だからそういう対話の様子をいろいろと見て、自分でイメージを形作っていくっていうことがまず大きな前提になると思います。
身の回りで対話型の授業をされていないようだったら、やっぱり外の世界へ出て対話型の授業をされている先生の授業を見るっていうのがとても大事だと思うんですけど、それが不可能な場合は
マイケル・サンデルの白熱教室っていうやつの動画とかを見るっていうのもいいんじゃないかなと思います。私もこのマイケル・サンデル先生の動画を見ながら投げかけるイメージとか集約するイメージとか、それから答えられたときの受け答え、こういうイメージをだんだん増やすことができましたので、
まず対話っていうもの、ファシリテーションっていうもののイメージを持つために、そういう授業を見るっていうことがとても大事だと思います。
教材研究の必要性
その次に大事なのは教材研究になってきます。私が国立大附属の先生の授業を見たときに思ったんですけど、教材研究が深ければ深いほど生徒の些細な言葉を拾えるんですね。
多様な切り口で教材研究をしているからこそ、そして深く深く深掘って考察しているからこそ、その多様な中に生徒の答えがどこに関連付けられるのかっていうことが瞬時に把握できる。
だから一見生徒がつまらない答えと言いますかね、全然関係ないことをパッと言ったとしても、それがつながるんですよね。
その時に君はいいこと言うねとか、鋭いねとかっていう風に返して、それを後で関連付けてあげると、生徒は対話をすること、自分が思いついたことが勝ち付けられるので、対話がすごく活性化していきます。
ということでやっぱり教材研究っていうのがとても大事になってきます。
これは新米の先生なんか1年や2年じゃとてもできないと思うんですけれど、何年もかけてじっくりと力量をつけていくべきところでもありますし、
最近はインターネットのおかげで瞬時にいろんな情報が手に入りますし、私なんかがこうやって配信して時々教材のネタとかを提供しているので、そういったことで情報収集がとてもできるようになったから、教材研究も深まっていくのは結構コストパフォーマンス高くていいんじゃないかと思うんですよね。
ということで教材研究をまず大事にしてほしいなと思います。
だから最近いろんなところでどう教えるかっていうか、スキルのね、例えばICTを使って教えましたっていう発表がすごく多いんだけど、なかなか教材の本質とか教材のありさまとか、教材研究について深く掘るっていうそういう風なところがどうも軽視されている傾向にあるんじゃないかっていうのが私の思いで、
ガチの教材研究会っていうのをね、あってもいいんじゃないかなって思うようになりました。私が所属している広島美容の会はガチの教材研究もよくやるんで、私はそこでかなり鍛えられたかなっていう部分はあります。
それから次に大事なのは、発問ですね。発問っていうのがとても大事で、だって対話って問うっていうことがすごく多いんで、問いのバリエーションが多ければ多いほど活性化します。
発問っていうのはいろんな種類やいろんな層がありますので、できるだけ自分でいろんな発問を教材研究の中で考えておくというのがいいと思います。
そのためには問い出しのやり方、ありとあらゆる問い出しっていうのをやってみるとか、そういったことをね、とても意識して問いをたくさん立てるっていうことをずっと日常的に行っていく必要がありますし、
普通の一問一答の授業の中でも、いろんな問いのバリエーションをそこで試してみるっていうこともとてもいいと思います。
問いはね、慣れてないとなかなかパッと出てこないんだけど、これを日常的にずっとやっていくことによって、瞬時にいい問いが浮かんだりするようになるんですよ。
ここはやっぱりね、数をこなすっていうことがとてもとても大事だと思うので、私はこの間の研修会の中では泥稽古っていう言葉を使ったんですけど、かなりな失敗をしながら、情けない思いをしながら、恥ずかしい思いをしながら、いろんな発問を試行錯誤して、数をたくさんこなしていくうちに質が確保できるなっていうふうに思います。
その発問の投げかけ方にちょっとコツがありまして、技術としてはやっぱり発問します。
その発問した後、間を取って、全体に考えさせて、その発問が落ちたかなっていう間を取り、そしてある程度指名して、それを評価してあげて、その評価を活かして、答えを活かして伴唱して、じゃあ次はっていうふうに次の展開につなげるっていうような、間と流れっていうのが、この場合必要になってきます。
ということで、今日は対話っていうことの大事さ、そしてその対話力の鍛え方、そして教材研究、そして発問についてお話をしました。
ファシリテーションの実践
ちょっと付け足しとして、私本当に通設に思うんだけど、どこに落ちていくかわからないっていう状態を経験しないと本当のファシリテーションができないと思ってるんですけれど、このどこに落ちていくかわからないっていう、そういう経験をすることはなかなか授業では少ないと思うんですね。
それはこっちの方がある程度授業研究して、教材研究して、ではここに落とそうと思って授業をやるもので、だからある程度落ちがどこかわかってるっていう、そういう状態は結構安定路線であるわけですけれど、本当にファシリテーションがうまくなろうと思ったら、どこに落ちていくかわからないっていう、そういう状態を経験しながら落としていくっていうことが必要になってきます。
じゃあこれはどういうところで鍛えたらいいのかっていうと、やっぱりワークショップ型の対話型のそういった教員研修に参加することだと思うんですよ。
全然見ず知らずの方と初対面で意思疎通を図ってコミュニケーションして協議して、その中で意見を合意形成していくっていう、全く全然知らない人とそういったことをどこに落ちていくかわからない、いろんな価値観を持っている人と話し合うので、ますますどこに落ちていくかわからない状況になりますよね。
そういったところを経験しながら、グループ協議とかグループ討論とか、そういった教員自身が経験することによってファシリテーション力っていうのが鍛えられてついていくんじゃないかなと思いますね。
ということで、今日はファシリテーションを身につけるためのパート1をお届けしました。
次回はおそらく実際にファシリテーションしながら対話していくっていう、そういうふうな授業でのイメージをお話ししたいと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。