コーチングとファシリテーションの関係
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についていると配信しています。
今日は、263 回、コーチングからファシリテーションへ、対話を重ねる基礎力を付けようというタイトルでお届けしたいと思います。
私は前々任校で、課題発見解決型学習のプロジェクト推進リーダーとして、一生懸命、自分自身が研究を重ねて、校内での推進役を果たしてきました。
あの時代、最も自分は新しい学びに向かって勉強し続けたという、そういう思い出がありますが、あの時にいろいろな研修会に参加しました。
県内だけの研修では満足できず、県外の研修に慈悲であちこちあちこち参加して、ファシリテーションとは何なのか。
そのファシリテーションの前にコーチングというものが必要で、コーチングというものは何なのか。
おそらくコーチングだけでも5つか6つの研修会に参加しましたし、ファシリテーションの研修会にも3つは参加したと思いますし、本も買って一生懸命勉強し続けてきました。
今日はその勉強をもとにして、校内研修会を講師でお勤めだ時の、その時のスライドをもとにお話ししたいと思います。
おそらく今読み返してみてもすごく勉強になると思うので、今日の配信は聞き応えのあるものになると思いますので、ちょっと勉強になるなと思われる方、またコメント欄にコメントいただければとても喜びます。
それでは皆さん、コーチングという言葉を聞いて何を思い出されるでしょうか。
有名なところではブランドもの、バッグとか財布でブランドの有名なコーチというのを思い出されると思いますが、あのコーチのブランドロゴには馬車の絵が描かれているのをご存知でしょうか。
あんな風に馬車で物を運ぶというところから、コーチという言葉自体が大事な人や物を運ぶ、目的地に運ぶといった意味を持つようになって、コーチングの語源になったと言われています。
私がコーチという風に言葉を聞いて思い出すのは、エースを狙いのもなかったコーチ、そういう鬼コーチっていうのを思い描くんですけれども、もう令和のこの時代、やっぱりコーチって言ったら、ちょっと古いかもしれないけどスターウォーズのヨーダとかオビワンケノビとか、そういったコーチっていうのが現代のコーチっていうことになると思います。
つまり教え込むっていう指導者からサポートする指導者、コーチングができる指導者へと今の学び、それから教えるというスキルは転換しているということなんですよね。
ただこのコーチングが行き過ぎるあまり、教え導くっていうティーチングっていう力が衰退しかねないっていうそういう懸念が今現在あります。
昭和の時代はあの村方コーチとかね、ああいった鬼コーチの存在がイメージとしてあったんでティーチングの力強すぎただけれども、だんだんとコーチングの重要性が問われるに従ってティーチングの方が衰退していっていて、導くっていう力が落ちているんじゃないかと。
その結果子供が学びというものに向き合わず闘争してしまう傾向があったり、法人主義に陥ってしまったりっていうそういうふうな問題点があるみたいです。
だからコーチングの前にはやっぱり教えられる経験っていうのが必要である程度のティーチングの経験も必要だっていうふうに言われているので、コーチングでどうもうまくいかないなと思ったらその前に教え導くティーチングの方をもう一回見直したらいいんじゃないかと思いますね。
ということでコーチングっていうのは生徒の自律的な学びを促すサポート役であり、その前提としては教えられる経験が必要だからティーチング力も必要であるということになります。
傾聴の技法
それでは次にコーチングの基本的なスキルについてお話をしたいと思います。
まずコーチングの基本には傾聴っていうのがあるんですね。これ皆さん聞いたことあると思うんですけれども、生徒を導くにはまず生徒の言っていることをしっかり聞くという傾聴というそういうふうな段階があります。
これによって深い信頼関係を作ります。傾聴というのにも3段階あって、受動的傾聴、反射的傾聴、積極的傾聴という3つの段階があって、これがファシリテーションにとてもとても応用できるので、ここからしっかり聞いてくださればと思います。
まずステップ1受動的傾聴ですね。これは心をしっかり傾けてあいづちやうなずきをしっかり打つと、アイコンタクト、そして沈黙や間があっても待つというこういうのが大事です。
私なんか結構待てないんだけれど、生徒が何か言うときにはちょっと待つというふうなことをちょっと心がけるようにしています。
次に大事なのが反射的傾聴で、相手の言った言葉をそのまま相手の使った言葉で返したり、相手の話を要約したり、共感したり、それから生徒が言っている表情をミラーリングしたりということが反射的傾聴にあたります。
私なんかも生徒が言ったらこうこうこうこういうことだよねっていうふうにね、相手の言ったことをすぐ返したり、なるほどそうだねっていうふうに言ったり。
思わず生徒が喋っているこのリズムに合わせて自分でも何かこう体を揺らしてみたりっていうように反射的傾聴っていうのをね、その次の段階では使っています。
そして3番目は積極的傾聴。
相手がそういう話をした後にちょっとこの辺もうちょっと詳しく言ってくれるかなとか、具体的に言うとどうなるかなとか、そこで少し質問を重ねる、問いを重ねると積極的傾聴になると思います。
これらのことによって生徒との信頼関係をしっかり結ぶことができます。
授業でもこの受動的傾聴、反射的傾聴、積極的傾聴っていうのは問いを受けるときのスキルとしてとっても重要になると思うんで、もし対話が進まないなってご自身が思われるのであれば、積極的な傾聴、反射的な傾聴、受動的な傾聴っていうののどこで自分はストップしているのかっていうのを今一度考えて段階を追ってそれを用いられるといいと思います。
基礎的なスキルとテクニック
ということで、基本的テクニックの傾聴について語ってきましたけど、基本的テクニックの2番目としては質問のスキルというのがあります。
相手に質問して、相手がもやーと思っているところから答えを引き出してくるスキルになります。
なかなか授業が進まないときに、この質問のスキルっていうのはとても大事だと思います。
特に皆さんがよくやってらっしゃるのには、閉じた質問と開いた質問。
例えば、授業でイエス・ノー、ハイ・イー・エー、正解・不正解で終わらせるような、そういった質問を投げかけてしまいがちですよね。
それを少し開いた質問にすることによって、ちょっと対話が弾むというか促進されるというか、そういうふうな傾向があると思うので、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの王冠っていうのを練習されるといいんじゃないかなと思います。
私なんかでも、例えば、どういうふうなことがそういうふうに言えるとか、これまでどういうことをやってきたかなとか、どういうふうな例がそういうふうに当たるのかなとかっていうふうになるべく広く聞くようにして、その広く聞くっていうことが行き詰まったら閉じた質問にしてっていうふうに、
ちょっと問いについてはできるだけ様子を見ながら、オープンとクローズドの王冠を心がけるようにすると対話が弾むんじゃないかと思うし、生徒のかすったというかね、自分が導きたいところにかするような答えが返ってきやすいのがこれだと思ってます。
それから次に、基本テクニックの3番目、フィードバックのスキルっていうのがあります。
これフィードバックするっていうのが、生徒にとっては自分関心を持ってもらえてるなっていうふうに自分に対して肯定感が高まるスキルだと思うんですよね。
それによって授業に一生懸命取り組もうっていうそういう意欲にもつながります。
例えば、このフィードバックっていうのは、今の話してくれたけど、もうとっても今の授業に役に立ったわっていうようなね。
今の話してくれたから、みんなこれでハッと気づかされたんじゃないかなっていうようなフィードバックしたりとか。
その他にも、いやーよく頑張ったと思うわ、それだけ考えたっていうことだよねとか。
そんなふうに評価するっていうことだと思うんですよね。
このフィードバックをすることによって発言したっていうことについて肯定感を抱けるので、
必ずその発問に対しての答えを生徒が一生懸命言ってくれたことについては、しっかりフィードバックしてあげれば対話が弾むんじゃないかと思います。
それから、基本テクニックの4番目としまして、承認するということですね。
それは相手の存在をそのままよく頑張ってるねっていうふうに認めることで、さっきのフィードバックのスキルとよく似てるんだけれども、
まだこの目線でもすごく出せると思うんですよ、私。
授業中いちいちいちいち褒めることはできないと思うんだけど、目線だけでも全然違うと思うし、
それから生徒が書いてきたものをコメント付けて返すときにも、その頑張ってる姿勢自体がいいんだよっていうような、
そういうふうな頑張りを認めて尊重しているという承認のスキルを使うことはできると思います。
それから5番目の基本テクニックとして勇気づけですね。
例えば一生懸命やっていてもうまくいかなかったとき、そうやって一生懸命書いている姿勢自体を褒めるわけです。
こんなに量を書いてほとばしるように書いているねとか、私はそういうのをよく生徒が書いてきたときに言うわけですけども、
一生懸命言葉が追いつかないぐらい考えてほとばしるように書いてるねっていうように、
ちょっと言い足りないところをプラスのエネルギーに変えてあげるだけでも全然違うと思います。
コーチングスキルの重要性
それから6番目のスキルとしてはアイメッセージのスキル。教員っていうのはついつい高圧的になってしまうんですよね。
なんでできないんだとか、ちゃんとこう言ったでしょみたいなことを言うんだけれども、
これをちょっと私としてはこういうふうにしてくれると嬉しいんだけどなっていうような言い方に転換するっていうのがちょっと大きく効果を分けると思っていて、
今日すごく頑張ったと思うんだよねとか、その頑張りに私ももっと頑張ろうっていうふうに思ったよっていうような、
授業者自身が生徒の取り組みを見て自分自身も授業を頑張ろうと前向きにやっていこうと、より良いものにしていこうというふうな気になったよっていうような、
そういう反応は生徒本当に元気づけると思っています。
ということで、今紹介した基本テクニック、結構バリエーションがあるので、さまざまなところでご自身の授業での質問とか、
それからフィードバックとか、そういったテクニックにプラスアルファできてアップデートできるスキルなんじゃないかなと思いますね。
そして、基本テクニックを踏まえた上で、ファシリテーションっていうのが次に出てくるわけですけども、ファシリテーションは一番難しいと思ってるんだけども、私自身が心がけることをちょっとお話ししたいと思います。
私自身の説明もしっかり大事だと思ってて、ファシリテーションがうまくいくには、授業者のスムーズな導き、
いわゆるコーチング前の教え込むところですね、ティーチングのテクニックがものすごいベースでいると思ってて、
よく講義式授業がダメだとか、そんなこと言われるんだけど、きちんとティーチングできるっていう、しかも生徒がしっかり聞けるっていうティーチング力っていうのがすごく大事だと思ってるので、
ファシリテーションの根底にはティーチング、これが非常に高いレベルでできるっていうことがすごく大事だと思います。
それからファシリテーションの基本スキルとして、小人数で話し合う時間を確保することですね。
隣同士ではい40秒とか、3人組あるいは4人組で1分間話し合ってみましょうとか、時間を測りながら小人数でちょっと対話をする時間を確保することが
いろんなコメントが出るテクニックだと思います。
それから質問や発言をいつでも歓迎することですね。
何かちょっとこう話し合っているところ、活発なところがあったらちょっと言ってもらうとか、
それからちょっと反応が目がキラキラっとしてる子になんか今思ったんじゃないとか、
それから何か言いたそうにして隣と喋っている子にちょっとなんか今いいこと言ったんじゃないっていうふうに質問や発言をいつでも歓迎するということは
ファシリテーションの基本スキルの一つだと思います。
そして何か質問したり答えたりするときに、それを広げる補助的な、援助的な質問をすること。
これは教員の問いの力がとてもいると思うんですよね。
生徒のコメントをさらに広げる、深くするための補助的な、援助的な、サポート的な質問テクニック。
これはね、こうしたらいいっていうのがあるっていうふうにはなかなか言えなくて、
結局は指導者の、授業者の試行錯誤、経験、そういったものの積み重ねによってだんだんできるようになると思います。
そして次にどんなコメントにもありがとうとか、肯定的な評価を返すことが次から次へと対話を生む、
そういうふうな起点になると思っているので、ありがとう助かったとか、今のコメントのおかげでみんなにも分かりやすくなったとか、
そんなふうな、ありがとうとかね、勝ちづけをしてあげるのはとっても大事だと思います。
で、あとファシリテーションの基本スキルとして私とっても重要視しているのが、
生徒が発言したこと、コメントしたことを書き留める。
黒板に書かれるっていうことは、それは重要度が高まることなので、
自分の言ったことが黒板に書かれたっていうことは、生徒にとってもそれが勝ちづけされた、評価された、
重要視されたということで自己肯定感がすごく上がるものなんですよね。
だからそれを上手に勝ちづけ、位置づけてやるっていう、
番書のファシリテーションテクニックがすごく大事だなと思っています。
そんなふうにして私は、このコーチングスキルからファシリテーションっていうものに、
ファシリテーションの実践
どうやって上手に添加させていくかっていうのをいつも考えながら授業しているんだけれども、
このファシリテーションっていうのがとてもとても難しいので、
その実際をみんなに見ていただいて、またこれを自作自演模擬授業動画にしながら、
私がどういうふうにファシリテーションにそれを紹介させていくかっていうのを見ていただければいいかなっていうふうに思っています。
というように、ティーチングをベースとしたコーチング、コーチングをベースとしたファシリテーションによって、
双方向性の学びが生まれ、主体的対話的な学びへとつながっていくんじゃないかなと思っています。
それでは今日はちょっと長くなっちゃった。17分にもなっちゃったけれども、2回に分けたらよかったかなと思ったけど、まあいいや、一発撮りでございます。
また質問とかコメントとか、もうちょっと聞きたりないなっていうことがあったらお知らせくだされば幸いです。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。