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2025-07-29 09:13

《1298》19番目のカルテ 第二話に物申さずにはいられない…

日曜劇場19番目のカルテ

第二話

https://www.tbs.co.jp/19karte_tbs/#streamArea


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### TBS日曜劇場『19番目のカルテ』第2話の感想と医学的批評


#### **はじめに**

* この放送は、TBS日曜劇場『19番目のカルテ』の第2話について、現役の内科医(心療内科医)である話者が医学的な観点から感想と批評を述べるものである。

* 内容はあくまで話者の個人的な見解であり、特定の組織を代表するものではない。また、ドラマの内容に関する重大なネタバレを含む。

* 話者は原作漫画を読んでおらず、あくまでドラマ版を視聴した上での感想である。


#### **全体的な感想**

* SNSなどでは絶賛の声が多いが、自身にとってはツッコミどころが満載の回だった。

* 特に医学的な観点から看過できないと感じた問題点が大きく3つあったため、解説する。


#### **批評①:オピオイドの描写に関する大きな懸念**

* **問題のシーン**: カンファレンスの場面で、整形外科の医師が「父親が腰痛でオピオイドを服用しており、その精神的な影響が…」と言いかけたところ、他の医師に「今は関係ない」と話を遮られる描写があった。

* **問題点**: この描写は、オピオイド治療を受けている実際の患者さんに対し、「オピオイドは精神に悪影響を及ぼす怖い薬だ」という誤った印象を与え、「オピオイド恐怖」を不必要に煽る可能性がある。

* **医学的見解**: オピオイドは、医師の管理下で適切に使用すれば非常に有効で安全な鎮痛薬であり、がん性疼痛や難治性の痛み治療において不可欠な薬である。

* **結論**: 「精神的な影響」というネガティブな側面だけを切り取って提示し、それ以上の説明なく話を終わらせる演出は、視聴者に誤解を与える非常に不適切な描写であり、やめていただきたい。


#### **批評②:「機能性神経症状症」の診断描写に関する重大な問題**

* **問題のシーン**: 今回の患者が、最終的に「機能性神経症状症(FNSD)」と診断され、精神的なアプローチによって歩けるようになるというクライマックス。

* **問題点1(除外診断の欠如)**: 機能性の病気(心理的要因が身体症状を引き起こす疾患)を診断する際は、大前提として、脳腫瘍や神経変性疾患などの「器質的疾患」がないことを徹底的に検査して除外する必要がある。しかし、ドラマではこの最も重要なプロセスが極めて不十分に描かれていた。

* **問題点2(専門医連携の欠如)**: この疾患は脳神経内科や精神科の専門領域であり、総合診療医が一人で診断を下すのは非現実的。「総合病院」という設定にもかかわらず、専門医へのコンサルト(相談・依頼)を行わずに診断する描写は「けしからん」と言える。

* **問題点3(誤診のリスク)**: このような安易な診断は、背景に隠れている本当の病気を見逃す「誤診」につながる危険性がある。診断に至るまでの過程を省略したような描写は、医療ドラマとして非常に問題が大きい。


#### **批評③:「心身相関」というキーワードを使わなかったことへの違和感**

* **問題のシーン**: 主人公が患者に病状を説明する際、「脳と体はつながっている」「心と体はつながっている」といった表現が使われた。

* **問題点**: まさにこのような状況を説明するために、心療内科では「心身相関(しんしんそうかん)」という専門用語(キーワード)がある。心療内科医の視点からすると、この重要な場面で「心身相関」という言葉を使わなかったことに強い違和感を覚えた。


#### **総括**

* ヤングケアラーという社会問題を取り上げた点や、俳優陣の演技は評価できる。

* しかし、医療監修が入っているにもかかわらず、医学的に重要な部分の扱い方が不適切だと感じた。医療従事者の中でも絶賛する声があるが、あえて苦言を呈したい。

サマリー

ポッドキャストでは、「日曜劇場19番目のカルテの第二話」に対する医療的見解や懸念が述べられています。特に、機能性神経症状やオピオイドの取り扱いに関する問題が指摘され、心身相関の重要性が強調されています。

オピュードの懸念
内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニック からだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわるみなさんからの ご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースや解説などもしています。
質問・リクエストは、質問箱のGoogleフォームから ぜひお寄せください。
あなたのご質問をお待ちしております。
ということで、今日はですね、
いや、今日はこれやるつもりなかったんですけれども、
先週に引き続き、「日曜劇場19番目のカルテの第二話」ですね。
に、ちょっと物申さないといけないかなっていうか、
物申さずにはいられなくなってしまいましたので、
ちょっとお耳おごしになるかもしれないですけれども、
お聞きいただけたらと思います。
まずはじめに大前提ですけれども、
前回もお話しましたように、
今日お話する内容はですね、完全な個人の見解でございますので、
何らかの組織、団体を代表するものではございません。
あとは壮大にネタバレしますので、
その点ご了承ください。
あとは、原作をですね、これ読んでないんですね。
原作はちょっと全然違う描写のされ方されてるかもしれないんで、
漫画の方ですね。
なので、ちょっと今回のドラマを見て、
私が思ったことみたいな、そんな話でございますので、
そこもご了解いただけますようよろしくお願いします。
はい。
で、第2話、皆さんご覧になりましたかね。
なんか、パターXとかノートとかでね、
結構絶賛されてたんですけれども、
私はですね、超ツッコミの満載すぎて、
満載満載で、ただ全部言うのは無理なんで、
大きく2箇所ですね、あ、3箇所かな。
3つですね、ちょっとかなり懸念というか、
これはちょっと正直ダメかなっていうのがあったので、
それを話したいなというふうに思います。
はい。
で、まず1つ目ですね。
まず1つ目はね、これちょっとすごいね、
一瞬のところだったんで、
普通は多分スルーされるところだと思うんですけれども、
ちょっとこれはね、緩和医療に関わるものとしては、
ちょっと聞き捨てられないというか、
はい、そういうのがありまして、
それがですね、えっと、
カンファレンスの場面で、
小児科の先生がプレゼンテーションをされてですね、
そこに対して整形医科の女医さん、
名前なんでしたっけ、
名前忘れましたけど、
なんたら先生がお父さんのことを話し出すんですよね。
で、お父さん腰痛持ちで通っていると。
で、そこで痛みに対してオピュードを使用していて、
それに関する精神的な影響側みたいなことを言っていてですね、
で、それを今それ関係ないからみたいな感じで
制止される場面があるんですけれども、
いやいや、そこまで言ってそれを制止したら
良くないよっていうか、
オピュードに関して、今現状ですね、
オピュードを飲んでいる人のオピュード恐怖を
煽るんじゃないかなと思って、
これ非常に心配になりましたね。
はい、で、オピュードはですね、
適切に使えば全然問題ないお薬というか、
むしろ糖通患者において非常に重要なお薬なんで、
オピュードを使用しているから精神的な影響が
みたいなところだけで終わらせるのはね、
もう非常にやめていただきたいというか、
この後どういう文脈でお話しするつもりだったのか
よくわからないですけれども、
ことさにオピュードの影響を言うのは、
ちょっと今現状ですね、
オピュードっていろんな場面で使われているんですけれども、
特に緩和領域とか、
あと整形以下でも非常にオピュード、
整形以下で使われるのは弱オピュードっていう、
特にトラマドールっていうのが使われることが多いんですけれども、
それによる影響がみたいなことを言うのはね、
ちょっとやめていただきたいなというふうに正直思いましたね。
あれ、しかも何が言いたかったのかよくわからないなと思って、
はい、と思いました。
機能性神経症状症の問題
というのが1点目。
2点目はですね、これの方がもっと重大で、
最終的にはですね、
お兄さん、今回の主役みたいな方が、
機能性神経症状症ということで診断してですね、
最後、立てるんだ、立てるんだ、立てた!みたいな感じになってたんですけれども、
あれはですね、非常に問題がありまして、
というのは、これ機能性の病気ってこの放送でも何回も言ってますけれども、
必ず機質性の病気がないかというのを重々検討しないといけないんですよね。
特にですね、この機能性神経症状症、
昔、ちょっと名称が移り変わっているので非常にややこしいんですけれども、
昔はですね、転換性障害という、
痙攣する方の転換ではなくて、変える方の転換、
配置転換みたいなのを転換という漢字を書くんですけれども、
転換性障害とか、あと変換症とか言われてたというか、
今でも言われることはありますけれども、
そういう病気、いわゆるヒステリーなんですね。
メンタル的な、何らかの心理的な要因によって、
手足が動かなくなったりするっていうのがこの病気の非常に特徴なんですけれども、
でもそれでもですね、これ必ずですね、
何らかの神経の病気ではないっていうことをね、
必ず調べないといけないんですけれども、
それがですね、非常に不和というか、
ほとんどされていないんじゃないかなという気がしまして、
この領域はですね、脳神経内科、
昔言うところの神経内科の先生と、
あと精神科の先生のオーバーラップするところの領域で、
これをですね、勝手に総合診療院が、
いやあなたは機能性神経症状症ですとかっていうのはね、
非常にけしからんというふうに思います。
これ、総合病院の病者ですし、
確か前回かな、脳神経内科の話も出てたと思うんで、
必ず院内に神経内科あるはずなんですよね。
精神科による評価を必ず受けないといけないんで、
それを受けないままに機能性神経症状症ですっていうのはね、
もうけしからんというふうに思いましたね。
本当に機能性神経症状症と思われているけど、
実は何らかの神経の病気、神経変性疾患というふうに言いますけれども、
そういう可能性って全然あるんですよね。
これを見逃しって非常に猶予意識問題で、
診断の遅れっていうのも当然ですし、
ちゃんと治療できるもの、機能性神経症状症に関しては、
何らかの特定の治療法があるっていうわけではないんですけれども、
何らかの神経の病気の場合には治療可能なものもあるわけで、
だからそこをずっと飛ばしてしまって、
診断に至ったような病者になっているっていうのは、
心身相関の重要性
非常に問題だなというふうに思いました。
というのが2点目ですね。
3点目は、機能性神経症状症のところで説明するときに、
脳と身体は繋がっているだったかな、心と身体は繋がっているだったかな、
そういうことを説明されるシーンがあったんですけれども、
そのときに、なぜ心身相関という単語を言わないのかという、
これは診療大会として非常に、
心身相関を絶対言うでしょうって思ったんですけれども、
心身相関というキーワードが入っていなかったっていうのも、
激おこぷんぷん丸ポイントの3つ目でございます。
ということで、今回は話す予定はなかったんですけれども、
見ていて親と思うところとか、うんと思うところとかありましたので、
補足というか、説明させていただきました。
ただ、ヤングケアラーを扱ったところとか、
そういうところは非常に評価できるかなというふうに思いますし、
俳優さんの演技頑張ってるね、みたいなところは評価したいなというふうに思うんですけれども、
これ医療監視を入っていながら、
医学的な内容の扱いはちょっと良くないなというふうに思ったので、
医療者の方でも結構実践されている方はいたんですけれども、
私ちょっと天の弱なんで、あえてこういったお話をさせていただきました。
ということで、お耳はご承知失礼いたしました。
では最後、心身相関いきたいと思います。
いきますよ。
心身、じゃんけん、じゃんけん、チョキ!
ということで、今日も幸せな一日でありますように、
ワイではないかいらたけでした。
興味津々。
09:13

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