内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわるみなさんからのご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースの解説などもしています。
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あなたのご質問をお待ちしております。
ということで、今日は興味心身論文をやっていこうと思うんですけれども、
今日ご紹介するのはですね、また最新研究なんですけれども、
17日に出たばっかりのサイコンオコロジーの一流雑誌、その名もサイコンオコロジーそのままなんですけれども、
中にですね、このレビューが出ていまして、
ナラティブセラピーですね、
がん患者さんのDPSに対するナラティブセラピーのシステマティックレビュー、系統的レビューが出ておりましたので、
こちらをですね、ご紹介していきたいと思います。
そもそもですね、ナラティブセラピーって何?って思われる方もいらっしゃるかもしれないですけれども、
ナラティブセラピーっていうのはですね、心理療法の一つなんですけれども、
日本語に直訳するとですね、そのままナラティブって物語っていうことなんて、物語療法っていうことで、
物語療法っていう日本語はあんまり使うことなくて、基本的にはナラティブセラピーっていうそのまま使っていくような感じなんですね。
要はどういうことかっていうと、あんまりね、心に介入というよりも、その人が持っている物語性ですね、
それを例えば別の物語に変える、そういうのをちょっとドミナントストーリーからオルタネティブストーリーっていう風に専門的には言うんですけれども、
要は文脈を変えていくみたいな、そういうようなセラピーなんですね。
それを目的としているかどうかっていうのはちょっと話は別なんですけれども、
でもそういうご本人さんが持っている物語性を活用したセラピーみたいなのがナラティブセラピーっていうもので、
それをガンガンさんに使うっていうのは当然ですけど、いろんな心理療法をガンガンさんにされているんですけれども、
そのうちの一つとしてナラティブセラピーを使った研究が様々あってですね、
それを今までも何回かご紹介しましたけれども、それの系統的レビューっていう、
要はいろんな研究を集めてお弁当詰め合わせパックにしましたよみたいな、そんな感じの論文が出ておりました。
これ非常に面白いし、読みごたえがあるというか、読んでみた方がいいかなと思って見させていただきました。
まずはですね、ガンガンさんの苦痛っていろんな苦痛があるよねということで、
それこそトータルペインですね、人的苦痛っていう考え方もありますし、
今回はBPSですね、生物学的、心理的、社会的な、様々な苦痛、負担があるよっていうのがあります。
そんな中でですね、今回は主には標準的な治療として認知行動療法、
これは聞いたことある方いらっしゃると思いますけれども、
その考え方の癖であったりとか、行動を変化させていくみたいな、
今一番エビデンスとしてですね、いろんな研究がされている新療法の一つですけれども、
それに変わるアプローチがないかということで、
今回ナラティブセラピーの研究をされたというような、そんな形になっております。
先ほど言ったようにですね、ナラティブセラピーっていうのは物語性を大事にしていくんですけれども、
その中でもですね、今回はガンガンさんに対して介入されているんですけれども、
ガンガンさん、当然ご自身がガンになったということで、
私イコールガンみたいな、そういうような状態に当初はなるんですけれども、
それの外在化っていうふうに言うんですけれども、エクスタナライゼーションですね。
ガンであるということをよりちょっと引いてみれるようになるっていうのが、
ナラティブセラピーの介入後の理想的な状態というふうに言われていて、
要はご自身はガンを持っているんですけれども、
そのガンをご自身の中に入れるんじゃなくて、それを外に出すようなイメージ的には、
そんな感じの最終ゴールで関わるみたいな、
そういうのがナラティブセラピーの一番大事なところということになっております。
詳しいところはちょっと置いておくことにしてですね、
今回の研究は、1990年から2026年までのかなり最新論文を集めてきてということで、
一番初めは2823件集めたらしいんですけれども、そこから113件まで絞って、
最終的には9件の論文を今回検討しましたよっていう、
その内訳がランダム化比較試験、RCDっていうやつですね。
それが5件と、それ以外のやつが4件という、そんな感じになっておりました。
全体のどんな患者さんがいるかというと、
女性が73%で、男性は27%で、平均年齢は59.3歳。
当然全員ががん患者さんなんですけれども、がんのタイプはというと、
乳がん患者さんが29%、約3割ぐらいですね。
婦人科子宮系がんが17.8%で、約2割弱ということで、
だいたい半数ぐらいが女性にしかないがんっていう、
そんな感じで、それで女性が多くなってるんですけれども、
っていう感じで、あと航空がんとか大腸がん、血腸がんみたいな感じで続くっていう感じになっております。
この介入時期も、その治療中からですね、
その終末期、本当にエンドオブライフの終末期まで、
全てのステージの患者さんが含まれてますよっていう、そんな感じになっております。
今回のポイントはですね、そのナラティブセラピーの中にもですね、
2つナラティブセラピーがあるということになっていて、
先ほど言ったようにですね、分離的な介入というふうに書いてましたけれども、
セパレーション・インターベンションズっていうですね、
だから先ほど言ったがんと若干距離を置くみたいな、そういうような介入と、
あとはもう一方で、再統合的な介入でインテグレーション・インターベンションズって書いてましたけれども、
逆にそのがんということをどういう価値を見出すかみたいな、
そういうような介入との2つに大きく分けてやりましたっていう、
そんな感じになっております。
結果ですけれども、まず体とか心理的なアウトカムに関しては、
まず全体的なQOLですね、生活の質は良くなったよっていう中等度の効果量で改善したっていうことと、
あと自尊心とかですね、自尊感情ですね、こういうのも明らかに上がっているとか、
あとは心的外症後成長っていう、これPTGっていうふうに言うんですけど、
コストトラウマティッククロースですね、これも良くなったりとかいうことで、
ただネガティブな感情ですね、怒りとか不安とか、これに関してはですね、
いろんな結果があって、あんまりセラピオやってどうこうっていう感じじゃないらしいですね。
あとは社会的なところとかスピリチュアルのところでいくと、
スティグマが減ったりとか、あとスピリチュアルなウェルビーングですね、
これを向上したりとか、あと社会的なサポートですね、それも向上したりとかっていうことになったっていう、
そんな感じになっております。
っていう感じですかね。
もちろんいろんな研究限界っていうのもあって、これは多くの系統的レビューに言えることなんですけれども、
いろんな研究をですね、混ぜ合わせにしてるんで、
研究の各々がですね、結構違うような介入をやっていたりとかですね、
あとはその研究自体の質、各々の研究自体の質も問われたりとかですね、
あとは長期にどうかみたいなところを検討できていなかったりとかですね、
そういうような、いわゆる研究限界っていうふうに言うんですけれども、
そういうのはあるんですけれども、でもそうしてナラティブセラピーは有効だよねみたいな、
そんな感じの結論でございました。
ということで、ナラティブセラピーを専門にする心理師さんってあんまり多くはないとは思うんですけれども、
でもこういうナラティブセラピーっぽい関わりはですね、
確かに臨床上でも非常に有効かなという気はしますし、
今回の研究もそれを支持する結果かなというふうに思ってみさせていただきました。
はい、という感じでした。
では最後、しんしんじゃんけんいきたいと思います。
いきますよー。しんしんじゃんけんじゃんけん。