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2025-06-08 07:31

《1255》終末期ケアにおける家族介護者の感情的ストレス要因

【本日ご紹介した論文・プレスリリース】

終末期ケアにおいて家族介護者の感情的ストレスの要因「意図せず、滲み出てくる作業」とは?

https://www.isct.ac.jp/ja/news/0ah73tqnb078


Unintended, Percolated Work: Overlooked Opportunities for Collaboration Between Informal Caregivers and Healthcare Professionals During the End-Of-Life Care Process

https://dl.acm.org/doi/pdf/10.1145/3706598.3713552


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■AI要約(誤字はご勘弁ください)

以下は音声内容の要約です。


* **はじめに**

* 内科医の竹尾が提供する心身健康ラジオ。医療に関する質問・リクエストに回答、医療ニュース解説。今回は久々に論文紹介。


* **紹介論文:「終末期ケアにおける家族介護者の感情的ストレスの要因(意図せぬ滲み出てくる作業とは)」**

* 斎藤駿氏らの論文(先月発表された東京科学大学のプレスリリースより)。

* 発表者自身もこの研究に協力し、インタビューを受けた経験がある。


* **研究の背景と目的**

* 終末期ケアにおける家族・介護者の感情的ストレスの実態は不明瞭。

* 本研究では、そのストレスを「意図せぬ滲み出てくる作業(Unintended Perceived Work, UPW)」と定義。

* 遺族6名、医療従事者8名(医師、看護師)へのインタビュー調査を通じてUPWの実態を明らかにする。


* **「意図せぬ滲み出てくる作業(UPW)」の3つの分類**

本研究ではUPWを以下の3つに分類し、具体的な内容を分析。

* **1. 過剰な仕事 (Over-work)**

* 定義:意図しない意思決定や突発的な出来事により、日常生活と両立できないほどの過重な負担を負うこと。

* 例:病名告知をしない選択による過剰な介護負担。

* **2. 見落とされた仕事 (Under-work)**

* 定義:介護者が何かしたい思いがあるが、医療的知識やサポート不足によりそれが叶わず、後悔が生じる状況。

* 例:介護者が望む支援が受けられず、無力感を抱く。

* **3. 越権的な仕事 (Overstepping-work)**

* 定義:医療従事者が善意で家族に深く介入するが、家族の主体性を尊重しきれず、かえって協働を阻害するケース。

* 例:医療従事者が「良い看取り」を主導し、家族の意図とずれ疲弊させる。医療者も注意すべき点。


* **UPWのプロセスと研究の意義**

* 介護期、終末期、臨死期と進行するにつれて、感情的ストレス(UPW)が拡大していくプロセスを図示。

* このような質的調査は、緩和ケア領域で重要な知見をもたらす。

* 発表者自身が関わる遺族ケアガイドラインの改訂作業においても、本研究の知見が有益と期待。


* **まとめ**

* 論文の詳細は原論文(英語)で確認可能。

* 今後もこの種の知見が緩和ケアに役立つことを期待。

サマリー

このエピソードでは、終末期ケアにおける家族介護者の感情的ストレス要因についての論文が紹介されている。特に、意図せずに浮かび上がる作業という概念が取り上げられ、介護者が直面するさまざまなストレスの影響や、それに関するインタビュー調査の結果が述べられている。

研究の背景
内科医たけおの心身健康ラジオ。皆さんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわる皆さんからのご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースの解説などもしています。
質問、リクエストは、質問箱のGoogleフォームから、ぜひお寄せください。
あなたのご質問をお待ちしております。
ということで、今日はですね、超久々、数ヶ月ぶり、そこまでは行かないかな。
行くかなと思いますけれども、ちょっと興味津々論文をご紹介したいというふうに思います。
今日ご紹介する論文はですね、終末期ケアにおいて、家族介護者の感情的ストレスの要因、
意図せずにじみ出てくる作業とはということで、先月発表された論文のプレスリリースがですね、
この東京科学大学、東京科学大学ってちょっと言い慣れないですけれども、
昔の東京工大と東京理科学大学が合体したやつですけれども、
そこからプレスリリースで出ておりまして、この論文をご紹介したいというふうに思います。
ちなみに論文を書かれたのが斉藤俊さんという方で、
実はこの研究に私自身が関わらせていただいて、インタビューも実際に受けたのでということで、
斉藤さんから先月だったかな、ご紹介いただいたんですね。
それをちょっと先の場所にしてたんで、今回ご紹介しようというふうに思います。
非常に面白いテーマを研究されていて、
週末期ケアって私、遺族ケアガイドラインでも関わっていますし、
それこそ実地で関わっていた時もあるんですけれども、
そういう時にですね、ご家族、あとは介護者がどういう風なストレスを感じているかって非常に重要な問題なんですね。
それが遺族ケアにもつながっていくんですけれども、
ただここら辺があんまり明らかになっていないというか、どういうことが負担になっているのかって、
研究はいろいろあるんですけれども、その中の一つとして、
この感情的ストレスを意図せずにじみ出てくる作業というふうに定義してですね、
それを明らかにするのに、遺族6名、医療従事者8名、うち1人私なんですけれども、
それに対してインタビューを行って、どういうことが起こっているかっていうのを明らかにしたっていうような、
意図せずにじみ出てくる作業の分類
そういうような研究になっております。
ちょっと日本語の方と、あと論文の方もあるんですけれども、
日本語の方でご紹介していこうと思うんですけど、概要ですね。
この意図せずにじみ出てくる作業、Unintended Per-Quoted Workというふうに定義したらしいんですけれども、
それをインタビューの中で明らかにしていこうということで、
このHuman Computer InteractionってHCIの国際会議で発表されたっていうことになっております。
図を見ていただくのはわかりやすいかなというふうに思うんですけれども、
この図1ですね、意図せずにじみ出てくる作業のプロセスっていうことで、
左側から介護期、終末期、臨時期っていうふうになっていきますけれども、
その中でこの、初めは医療者はなくって、
この主たる家族介護者と他の家族介護者っていう人しかいないんですけれども、
それが徐々に医療者が増えみたいな、
この感情的なストレスがグレーの点線で囲われているところなんですけれども、
それが徐々に増えていって、今回の意図せずにじみ出てくる作業、
UPW、この範囲がちょっとずつ広がって、範囲というか広がってくるっていうような、
そんな感じの図式がされているっていうことになっております。
具体的に、この意図せずにじみ出てくる作業を3つに分類されているんですけれども、
1つが過剰な仕事っていうことで、
意図しなかった意思決定や突発的な出来事によって、
介護者が日常業務と両立できないほどの過剰負担を受け入れて、
これ非常によくありますよね。
例として、患者に病名を告知しない選択をしたために、
気を使いながら介護を続けなければならなかった状況って書いてありますけれども、
これ本当にそうですよね。
2つ目が、見落とされた仕事ということで、
介護者が何かしてあげたいという思いはあるけれども、
医療的知識やサポートの不足により、それが叶わない状況ということで、
そういうことで後悔が生じる状況とかですね、
そういうのを具体例としてあげられています。
あと3つ目はですね、越前的な仕事っていうことで、
これはね、我々医療者としてはちょっと注意しないといけないなと思うんですけれども、
医療従事者が善意で家族の感情面に深く介入するが、
家族の主体性や意思を尊重しきれず、
かえって共同の機会を損なうケースということで、
例としてですね、
医療従事者が良い見取りを主導しようとしたが、
家族の意図とずれてしまい疲弊する状況ということで、
これはね、本当にしばしば見かけますし、
気をつけないといけないかなというふうに思っております。
インタビュー調査と実績研究の重要性
で、各々にですね、先ほど言った、
遺族6名と医療従事者8名かな、
インタビューして、どういうすれ違いが生じているかとかですね、
あとは週末機会が意図しない方向へ導かれていないかどうかっていうのを
インタビューで聞いたっていう、そんな感じになっております。
こっから先はですね、日本語のほうには書いていないんですけど、
論文のほうに行っていただくとですね、論文は当然英語なんですけれども、
どういう人にインタビューしたかみたいのがですね、
このテーブル1とテーブル2に書いてあって、
かなりいろんな方にインタビューされていますね。
年齢層も様々ですし、あと医療者に関しては職種も様々。
ちなみにこのドクター1って書いてあるのが私なんですけど、
ネフロロジーって書いてあって、ネフロロジーパリアティブケアって書いてあって、
これ私なんですけれども、
ドクターが5名かな、
看護師さんが3名にインタビューしてっていうような、
そんな感じになっております。
実際にどういう話を聞いたかみたいな、
要は畜語みたいな感じですね、
のやつが論文の中に書いてあって、
それを最終的にまとめたのが先ほどの図1みたいな、
そんな感じになっております。
詳細はですね、論文のほうにかなり詳しく書いてあるので、
そちらをご覧いただけたらなというふうに思うんですけれども、
実績研究っていうふうに言うんですけれども、
実際にインタビュー調査をして何らかの概念をまとめるっていう、
こういうのは科学ケアの領域で非常に重要な
資産になることもあってですね、
私、今、遺族ケアガイドラインに
それこそ何年?4年?
5年ぐらいかな、関わっておりますけれども、
今まさに改定作業中なんですけれども、
そこでもこういうのって非常に重要な
知見になるなというふうに思ってご紹介させていただきました。
はい、では最後、
しんしんじゃんけんいきたいと思います。いきますよー。
しんしんじゃんけんじゃんけん
はっ!
ということで、今日も幸せな一日でありますように、
お会いではないかいなだけでした。今日もみにしんしん。
07:31

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