【本日のご質問】
1276回目の放送(7月3日木曜日)の、日本老年医学会が声明を出した「全ての人が終末期に最善の緩和ケアを」ということですが、特定の病気や手術などがなくて、普通に老衰で寿命がきた時、どのような緩和ケアになるのですか?緩和ケア病院は、がんだけと先生は仰ってましたが。夫婦ともに高齢でどうやって在宅療養するのか、どんな感じなのか、現場を見ていてさまざまな状況があると思いますが、教えていただけますか?😊
◆参考放送
《1276》透析医学会講演、フェンタニル、老年医学会『立場表明』ほか
https://spotifycreators-web.app.link/e/fny4RjFFdVb
《1280》日本老年医学会が立場表明2025‼️
https://spotifycreators-web.app.link/e/LQDYWgFFdVb
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《AI要約》誤字はご容赦!
以下に、動画の内容を箇条書きで要約します。
### **テーマ:緩和ケア、特に老衰や高齢者の在宅療養について**
リスナーからの「老衰で寿命が来た場合の緩和ケアはどのようなものか」「高齢夫婦の在宅療養は可能か」といった質問に、内科医たけお氏が回答しています。
#### **1. 緩和ケアに対する誤解と本質**
* **特別な医療ではない**:緩和ケアは、がん患者や終末期だけの特別な医療ではなく、病気や状態にかかわらず、身体的・精神的な「つらさ」を和らげるための「医療の基本」である。
* **早期からの開始が重要**:がん治療が終わってから始めるものではなく、病気の診断時から治療と並行して行われるべきケアである(診断時からの緩和ケア)。
* **「緩和ケア」という言葉を使わないケア**:頭痛で鎮痛薬を飲むように、日常の診療でつらい症状を和らげる行為も広い意味での緩和ケア。多くの医療現場では、あえて「緩和ケア」という言葉を使わずに、自然な形でケアが提供されている。
#### **2. 緩和ケアの2つのレベル(2階建てモデル)**
* **1階:基本的緩和ケア**
* すべての医療者が提供するべき基本的なケア。痛み止めや吐き気止めの処方、不安を聞くことなどが含まれる。
* がん診療に携わる医師は、このための研修(PEACE研修)を受けることが義務付けられている。
* **2階:専門的緩和ケア**
* 基本的緩和ケアで対応が難しい複雑な問題を扱う。
* 緩和ケアチーム、緩和ケア外来、緩和ケア病棟、精神腫瘍科(サイコオンコロジー)などが担当する。
#### **3. 老衰と緩和ケア**
* **老衰も緩和ケアの対象**:老衰であっても、つらい症状(痛み、息苦しさ、不眠など)があれば、当然緩和ケアの対象となる。
* **病の軌跡(Illness Trajectory)**:病気によって終末期に至る経過は大きく異なる。
* **がん**:亡くなる直前まで日常生活動作(ADL)が保たれ、比較的経過が予測しやすい。
* **老衰や慢性疾患(心不全など)**:経過の予測が非常に難しく、数ヶ月にわたって寝たきり状態が続くこともある。その時々の状態に応じた対応が必要になる。
#### **4. 高齢者の在宅療養について**
* **多くのケースで可能**:高齢の夫婦や独居の方でも、在宅で療養しているケースは非常に多い。
* **社会資源の活用**:訪問診療や訪問看護、介護サービスなどをうまく利用することで、在宅での生活を支える体制が整ってきている。
* **認知機能が鍵**:認知機能がしっかりしていれば、一人暮らしでも在宅で過ごせる可能性は十分にある。
* **「人生会議」の重要性**:最も大切なのは、本人が「どのように過ごしたいか」。元気なうちから家族や医療者と話し合っておくこと(アドバンス・ケア・プランニング)が、希望に沿った療養生活につながる。
サマリー
このエピソードでは、一般的な緩和ケアの重要性とその提供方法について詳しく説明されています。特に、がんに限らずすべての病気における緩和ケアの必要性が強調され、高齢者の在宅療養に関する現状や支援策についても触れられています。