内科医たけおの心身健康ラジオ、皆さんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわる皆さんからのご質問やリクエストにお答えしております。
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またのご質問をお待ちしております。
ということで、今日は定番になりました。
大好評シリーズ、大好評なのか分からないです。
大好評シリーズ第4弾かな。
ああいうことで、日曜劇場19番目のカルテの第4話の振り返り回をやっていきたいと思います。
この回はですね、今までもいろいろ言いたいことありましたけれども、
もう非常に言いたいことがいっぱいありまくり、クリスティーでして、なんですけれども、
ただ、これを聞いていただいている方の中にはですね、
ドラマをご覧になられていない方もいらっしゃるかなと思うので、
ざっと簡単にあらすじだけご紹介して本編に行きたいと思うんですけれども、
ちょっとホームページの方からあらすじがありますので、
そこをちょっと呼び上げさせていただきたいと思います。
健康診断で糖尿病が発覚した安城幸太は、
妻、幸につき添われて内科に通院中、食事管理を徹底し、
毎回病院にもつき添うなど夫をサポートしてきた幸だったが、
青子さんですね。半年たっても幸太の検査結果は一向に良くならない。
しかも糖の本人である幸太は、どこか一言のようで治療に消極的だ。
イライラが募る幸は、ついに主治医の香山のシルバが悪いと、
病院にクレームを入れる。一方、面倒ごとが大気のイラ、
香山はこんなことで自分の評価を下げられたらたまらないと、
安城夫婦の診察を総合診療課に丸投げすることに。
しかし依頼を受けた徳重松潤は、予想だにしないことを言い出す。
それは夫の幸太を香山が見て、妻の幸を他期の若い従事さんが
見るという提案。しかし滝野は、どこか総合診療医を見下している。
香山とそれが合わず、いい争いに。一方、安城夫婦の間の溝も深まるばかりで。
ドラマをご覧になれた方は、この後の結話の話もご存知だと思うんですけれども、
結果的には各々が診療をして、離婚するかみたいな話にもなるんですけれども、
その後頑張ろうねみたいな、そんな感じのハッピーエンドな感じで、
総合診療が絡んでうまくいったよねみたいな、そんな感じのお話だったかなというふうに思います。
いつもちょっとダメ出しからしてしまうので、まず良かったことをいくつか述べていこうかなというふうに思うんですけれども、
まずはこの糖尿病の香山先生は、一人で抱えずに相談しに行ったのは良かったかなというふうに思います。
ただ相談しに行った先が、総合診療が良かったのかというのはありますけれども、
ただこれ多分、医者3年目の設定だと思うんで、
医者3年目で外来に出て、うまいこといかないことなんて多々あるんですよね。
そんな時に、自分だけで抱えずに、誰かに相談するっていうのは非常に素晴らしいなというふうに思いましたし、
あとは2点目ですね。
2点目ですね。
これは徳信先生が言われていて、木も見て森を見るみたいなですね、そういう視点っていうのは非常に総合診療的で、
これBPSモデルって以前もお話しましたけれども、生物心理社会モデルの中で、
疾患ではなく病を見るっていうですね、これも非常に有名な話で、
疾患っていうと、この場合だったら糖尿病ですね、これ疾患、ディジーズっていうふうに言うんですけれども、
糖尿病ではなくて病ですね、イルネスを見るっていう、もうちょっと言うとpatient with illnessですね、
その糖尿病という病を持った人を見るっていうのは非常に重要で、
それは総合診療の本質というか、根幹に関わるところなんで、
それは非常に徳信先生、さすが白いというふうに思いましたね、という感じです。
あとは夫婦で、この場合もともと夫婦で受診されているんでっていうふうな設定だったんですけれども、
やっぱり糖尿病ってご本人さんだけではうまいこといかないことも多々あってですね、
夫婦各々に何らかの治療への関わりを持っていただく必要性があることって非常に多々あってですね、
それが初めから奥さんが協力的だったっていうのはあるとはいえですね、
そういうのが治療の中でうまいこといかせていたっていうのは良かったかなというふうに思います。
ということで、いくつか褒めたので、ここから私の本音、トークをしていきたいと思うんですけれども、
まずはですね、まずは、そもそもこれはですね、糖尿病新診症ということを認識できているのかっていうのはね、
診療外会としては非常に気になりましたね。
これはですね、ドラマを見ていただいた方はよくご存知だと思うんですけども、
明らかに新診症病態ですよね。新型の糖尿病であることは間違いないんですけど、
新型の糖尿病は新診症なんですね。
なので、それをちゃんとこの香山先生とか徳信先生は認識していると思うんですけども、
っていうのをが、まず医療者が認識するっていうことが非常に重要かなというふうに思います。
その中でですね、患者さんの病態図みたいなのを書き出すんですよね。
香山先生がいろいろ悩んでいて、異曲で落書きみたいな、落書きっていうか、
どういうふうに考えたらいいかみたいな図し出すんですけれども、徳信先生がそれいいねみたいな感じで言って、
お互いの問診、話を聞いてですね、
滝野先生、奥さんの話2時間聞いたとかって言っていて、2時間とか聞いてたら病院系的にやばいよって思うんですけれども、
ちょっと話も出したまま、そういう感じでお互いのヒアリングをしてですね、
それを突き合わせて病態仮説図みたいなのを形成するんですけども、
これまさに診療内科の、今ちょっと言ってしまいましたけど、病態仮説図そのものなんですよね。
なので、これも非常に診療内科的という気がしました。
ただですね、これ病態仮説図に関しては、診療内科としてはいろいろ言いたいことがあってですね、
まず、本人と奥さん、各々の病態仮説図を各々の先生が作ったっていうところまでは良かったと思うんですけれども、
それをどういうふうに統合して、どういうふうに患者さん、
この場合、奥さんもいらっしゃるんであれですけれども、奥さんも一緒にだと思うんですけれども、
それにどういうふうに返していくか、要は病態仮説の形成と共有っていうフェーズなんですけれども、
そこがですね、これも多分尺の問題とかですね、いろいろ、総合診療と診療内科と負け目っていうのは違うんで、
そこが違うからっていう問題もあると思うんですけれども、
もうちょっと丁寧に描いていただきたいなというふうに思いましたね。
というのが2点目ですね。
3点目としてはですね、こういうケースって非常に心理療法の出番ですっていう感じで、
僕だったらですね、同期付き面接とシステムズアプローチを用いた家族療法、
両方を使いながら見ていくっていう感じになるかなというふうに思うんですけれども、
なかなかね、茅山先生3年目なんで仕方ないんですけれども、
僕自身も3年目そういう時期あったなというふうに思いながら見てたんですけれども、
正論で言ってもうまいことはいかないみたいなことは多々あるんで、
その部分は心理療法のちょっとエッセンスだけでも出してもらったらいいかなというふうに思いましたね。
最終的な最後の場面はシステムズアプローチを用いた家族療法っぽくなってた。
ちょっと違いますかね。
家族カウンセリングの場ではありませんみたいな感じで言っていて、
ちょっとそこら辺も誤解を生むかなという気がしましたね。
4点目はですね、4点目は何でしたかね。
そうそう、茅山先生は一人で抱えずに頼ったところは良かったんですけれども、
これですね、今回総合診療のドラマなんでいたしかたない部分あると思うんですけれども、
もっとコメディカルを頼るべきと個人的には思いますね。
具体的には管理医療師さん、今回のドラマに全然出てこないですけれども、
これは管理医療師さんプラス看護師さんと相談しながら、
この茅山先生の成長を促すっていうのが、僕が指導医だったらそうするかなという気がしますね。
別に総合診療から頼ってはいけないというわけではないんですけれども、
医者だけで解決していくストーリーになっているのは、ちょっと違和感があったかなという気がしますね。
あとは、5点目としては、
今回の病、これがですね、良かったかどうかちょっと正直よく分からないんですけど、
これね、当事者の方の意見もまた聞いてみたいなというふうに思ったんですよね。
というのは、この番組の中で何回かね、糖尿病は怖い病気っていうのを言われていて、
いや、確かに怖い病気ではあるんですけれども、
それをね、ことさらに言ったりとかですね、
あと、医者が言っていくことの意味ってあるんだろうかって、
果たしてあるんだろうかっていうふうに思ってですね。
なんかこれ、スティグマを助長しかねないんじゃないかなっていう気がちょっとしましたね、
その全体像として糖尿病の、はい、っていうのが5点目。
で、あと最後ですね、6点目はですね、
そもそも、この方の糖尿病のマネージメントは別にこれで良かったんじゃないかっていう、
要は香山先生、これちょっとね、糖尿病のデータを見れていないんで分からないんですけれども、
香山先生がこの悪い循環を助長して加担しているモデルになっているんじゃないかっていうのはね、
すごい思いましたね。
で、これがですね、例えば、ヘモノビンA1Cっていうですね、
糖尿病を見ていく上での一番大事な指標があるんです。
血糖の平均値みたいなのを見る指標があるんですけれども、
ヘモノビンA1Cがね、例えば12とかだったらね、
それはね、全然問題、論外っていうか、非常に問題で、
それこそ入院して治療しないといけないぐらいな感じなんですけれども、
例えばですね、ヘモノビンA1Cがね、何でもいいですけど、6.7とかですね、
そんな感じのデータだったら、
データだったら、これを治療うまくいってないということで、
全体が悪い方向に向かっているっていう風になっているので、
6.7とかだったら全然いいと思うんですよね。
っていう感じで、
これのどういう状況の糖尿病かによってもだいぶ話違うかなという風に思いました。
あとは、もし仮にですね、これが7.5とかですね、微妙にコントロールが悪い、
コントロールというか、マネジメントですね。
血糖マネジメントが悪いっていう場合にはですね、
これ僕だったらですね、
シンプルに薬物療法の調整できる部分もあるんじゃないかということで、
これちょっと薬を使いたくないみたいなものもあったと思うんですけど、
薬使いたくないのは何でなのかっていう、そっちの方を明らかにして、
薬の調整、それが例えば5回だったら薬の調整するだけで、
血糖マネジメントが良くなって、夫婦円満にもなるっていう、
奥さんの弁当も食べられるしみたいな感じになるんで、
それでも全然いいんじゃないかなっていう気もしましたね。
そういうシンプルな解決を目指すべきだなというふうに思って、
全部が全部ね、深い介入っていうか複雑な介入しなくてもいいっていうケースとかもあったりするので、
はい、という感じでございました。
ということで、いろいろ言いましたけれども、
まだまだ突っ込みどころはありますので、
この後はアフタートークでお話ししたいと思います。
では、しんしんじゃんけんいきたいと思います。
いきますよ。
しんしんじゃんけんじゃんけん、
パン!
ということで、きょうも幸せな一日でありますように、
おわりとはないかいのたけでした。
きょうみしんしん。