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2025-10-22 13:05

《1371》OLL2712乳酸菌でHbA1cが下がる⁉️

Nutrients. 2020 Jan 31;12(2):374.

doi: 10.3390/nu12020374

Effects of 12-Week Ingestion of Yogurt Containing Lactobacillus plantarum OLL2712 on Glucose Metabolism and Chronic Inflammation in Prediabetic Adults: A Randomized Placebo-Controlled Trial

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7071174/


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■AI要約(誤字はご勘弁ください)

内科医たけお氏が、最近話題になっている「ヘモグロビンA1c(HbA1c)が下がるヨーグルト」について、その科学的根拠とされる論文を詳しく解説しました。


### 論文の概要と信頼性

紹介された論文は、栄養学系の学術誌「Nutrients」に掲載されたものです。この研究は「ランダム化プラセボ対照二重盲検試験」という、医薬品の効果を検証する際にも用いられる非常に信頼性の高い手法で実施されました。たけお氏は、論文の質自体は非常に高く、厳格なデザインであると評価しています。

研究は、糖尿病予備群(HbA1c 5.6~6.4%)の成人130名を対象に行われました。被験者を2つのグループにランダムに分け、一方には特定の乳酸菌「Lactobacillus plantarum OLL2712」を含むヨーグルトを、もう一方にはこの乳酸菌を含まない見た目も味も同じプラセボ(偽薬)のヨーグルトを12週間毎日摂取してもらいました。研究者も被験者もどちらを摂取しているか分からない「二重盲検」という方法で、思い込みによる影響(プラセボ効果)を厳密に排除しています。


### 研究の結果

12週間後、事前に設定した主要な評価項目であるHbA1cの変化を比較したところ、プラセボ群が平均で0.07%低下したのに対し、乳酸菌入りヨーグルトを摂取した群は平均で0.12%低下しました。両群の差である0.05%は、統計学的に「偶然とは考えにくい意味のある差(有意差あり)」という結果でした(p=0.047)。

しかし、もう一つの主要評価項目である空腹時血糖値や、インスリン抵抗性を示す指標(HOMA-IR)については、両グループ間に有意な差は見られませんでした。


### 話者の考察と注意点

たけお氏は、この研究デザインの質の高さを認めつつも、結果の解釈には注意が必要だと指摘します。最大のポイントは、「統計学的な有意差」が必ずしも「臨床的に意味のある差」とは限らないという点です。

HbA1cの0.05%という低下量は、日常の食事内容の少しの変化でも起こりうる非常にわずかな変動です。糖尿病の治療薬であれば、0.5%や1%以上の大きな低下を目指すことが一般的であり、それと比較すると臨床的なインパクトは小さいと言わざるを得ません。

また、統計的な有意差を示すp値も0.047と、基準である0.05をギリギリクリアした値であり、この点からも結果を過大評価すべきではないと述べています。


### 結論

このヨーグルトに含まれる乳酸菌が、HbA1cをわずかに下げる可能性は科学的に示されました。しかし、その効果は限定的であり、このヨーグルトを食べるだけで血糖コントロールが劇的に改善するわけではありません。あくまで食事療法や運動療法といった基本的な生活習慣改善の補助的なものとして捉えるのが適切でしょう。

サマリー

今回のエピソードでは、OLL2712という乳酸菌を含むヨーグルトがHbA1cを下げる効果に関する研究結果が紹介されています。この研究は糖尿病予備群の成人130名を対象に行われ、厳密なプラセボコントロール試験によってその効果が検証されています。乳酸菌OL2712がHemoglobin A1cの低下に与える影響についての研究結果が報告されています。研究では、P値が0.047という有意差が見られており、臨床的な意味やサンプルサイズについての考察が求められています。

オープニングと質問の紹介
内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまづわるみなさんからのご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースの解説などもしています。
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あなたのご質問、お待ちしております。
ということで、今日はですね、論文紹介、興味・心身論文をさせていただこうと思うんですけれども、
数日前からですね、TKO48メンバーシップのオープンチャットの方で、
このHbA1cが下がるヨーグルトの話題がですね、ちょっと話題になっておりまして、
僕全然これ知らなかったんですけれども、ただ先日ですね、スーパーに行ったら確かに売ってるんですよね。
これは本当なのか、あの例の睡眠に効く、みたいなのとかあったじゃないですか。
今回も明らかにこのHbA1cって明記してるんで、そのパッケージのところにですね、これは本当なのかと思って、
そのサイト、ちなみに今日、利益相反は全くございませんので、利益相反はございませんけれども、そのサイトを見てですね。
サイトを見ると、確かにそれらしい研究結果が書いてあって、
しかもその論文の引用元、この雑誌に載ってます、みたいなのが書いてあったんで、それにたどり着けたので、
しかもオープンアクセスって言って、誰でも入手できるような論文だったので、これをゲットしましたんで、
これを皆さんと一緒に読み解いていきたいなというふうに思います。
雑誌がですね、Nutrientsっていうので、これね、長高先生が先日苦労して出したのもこれ同じNutrientsだったような気がするんですよ。
ちょっと間違ってたらすいません。
っていう雑誌で、多分栄養系では比較的名の通った雑誌なんですかね。
僕ちょっと栄養系の雑誌が全然知らないんですけれども。
というものの中の、12週のインジェクション・オブ・ヨーグルト・コンテイニング・ラクトバチュース・プランタルム、
OLL2712っていうやつですね。
オブ・コース・メタボリズム・アンド・クロニック・インファメーション・インプレ・ダイアビティック・アダルツということで、
要は糖尿病のいわゆる予備軍の方ですね。
に対してのこの糖尿病の、糖代謝ですね、とか慢性炎症のこのOLL2712を含むヨーグルトの効果、
12週の効果っていうような、そんな研究になっていて、
これ、ランダムアナリシス・プラセボ・コントロール・トライアルなんですね。
普通の、要はお薬でやるような、かなり厳格な臨床試験ということになっております。
これですね、結論ですね。
結論ね、論文の質としては非常に高いですね。
これは非常に突っ込みどころが少なくて、
特にX界隈ではまたヨーグルトが、みたいなのとかあったんですけれども、
ちょっとお見かけしたんですけれどもとか、
いくつかつぶやいている方がいましたけれども、
これは論文の質としては非常に高いと思います。
ただ、最後に突っ込みどころがいますけれども、
というのはありますけれども、
ただ、論文としては非常によくできた論文かなというふうに思いました。
ちょっと研究の概要から言っていこうと思うんですけれども、
このLactobacillus Plantarum OL2712っていうのはですね、
動物実験とか専攻研究で、
その炎症に対する効果とかっていうのが知られていたみたいなんですね。
それを今回、プラセボ対象の二重模型比較試験っていうのでやったっていうような、
そんな形になっております。
なので、研究デザインっていうふうに言うんですけれども、
一つの施設でランダム化して、
二重模型、要は研究してる人もそうですし、
食べてる人、片方がこのOL2712なんですけれども、
入りのヨーグルトを食べて、
もう片方はそういうの全然入っていない普通のヨーグルトを食べたっていうことなんですけれども、
そういうのが二重模型っていうことです。
それがどっちに当たっているか自分では分からないっていうことですね。
っていうので、プラセボ対象の比較試験をやったっていうことになっております。
対象者ですね。
対象者、これがポイントで、
糖尿病の方ではないっていうですね。
糖尿病のいわゆる予備群、
具体的にはヘムロビーA1cが5.6から6.4%、
かつ、空腹時血糖が100から125の成人の20から64歳の130名が組み入れられて、
12週間、だから3ヶ月ですね。
ランダムに割り付けられて、
だから自分がどっちの方に入っているかも分からないし、
みたいなので、12週間、
50億個かな、50億個のこのOL2712株のヨーグルトを食べる群と、
そうではない群ですね。
112グラムって書いてますけども、
それを2群に割り付けて研究したっていうことになっていて、
こういう時にですね、
この主要評価項目っていうのは非常に大事なんですけれども、
要は何を調べるかっていうのを、
初めに宣言しておくっていうことですね。
これよくあるのが、
初めに宣言したものではないもので有意差が出たから、
それで効果がありますよ、
みたいな感じで言うんですけれども、
これ最後にも言いますけれども、
この主要評価項目の結果っていうのは非常に大事なんで、
副次評価項目ですね。
研究結果の考察
いくら有意差が出ていても、
それは本当に正しいのみたいなツッコミは必ず入るんですけれども、
今回に関しては主要評価項目で結果が出ているっていうのは、
非常にすごいなというふうに思いました。
副次評価項目ですね。
それ以外の項目と、
ちょっと主要評価項目言い忘れましたかね。
主要評価項目が、
ヘマのBA1Cっていう、
血糖の2ヶ月ぐらいの平均を表す数字なんですけれども、
これは糖尿病のコントロール、糖尿病のマネジメントを見るときに、
必ず使う指標なんですけれども、
あとは空腹値血糖ですね。
これの変化を見ているっていうことですね。
副次評価項目としてグリコアルブビンですね。
これも比較的短い、2、3週ぐらいの血糖の推移を見るやつなんですけれども、
それとか、あとはIARっていう、
因子に抵抗性を示す指標があるんですけど、
それとか、あと交換のCRPですね。
これ炎症を表すものなんですけれども、
あとは炎症性のサイト管理として、
インターロイキン6、インターロイキン8とかですね。
それを調べたということになっております。
最終的には130名入れたんですけど、
126名、中に4名脱落してっていうことで、
解析対象になっているということでです。
結論なんですけれども、
そのプライマリーアウトカムっていう主要評価項目のところで、
Hemoglobin A1cはプラスボ群も下がってるんですね。
プラスボ群もベースラインが5.85プラスマイナス0.21から
5.78プラスマイナス0.24で、
マイナス0.07プラスマイナス0.14っていうことで、
実はプラスボ普通のヨーグルトを食べた方も
多少下がってるんですけれども、
それを上回ってこのORL2712入りのヨーグルト、
OL2712の効果
その50億個以上を毎日1個ずつ食べた方は、
マイナス0.12プラスマイナス0.14ということで、
これがあったから0.05ぐらいそのORL2712を食べた方のほうが、
Hemoglobin A1cの低下があったということですね。
これが有意差を持ってるということで、
P値0.07という非常に際どいP値ですけれども、
でも一応有意差はあるという。
有意差は基本的には0.05をカットオフとして、
それより小さければ有意差があるということになって、
有意差があるというのは、
要はたまたま偶然出た結果ではないということなんですけれども、
0.047ということで有意差があるということになっております。
ただ、これ空腹死期等とホームIR、
先ほどのインスリンの抵抗性を示す指標ですけれども、
これに関しては両軍ともに差がなかったということになっているんですね。
これがどういう結果かというのは、
ちょっと考察のところも甘いかなという気はするんですけれども、
という感じでした。
研究の考察
あとは炎症の数字ですね。
先ほど言ったIL6ですね。
インターロイキン6とか交換のCRP、
あとMCP1っていうやつですね。
これに関しては、
これ何でか書いてないんですけどね。
プラスの部分ではちょっと上がってるんですよね。
この12周ペースラインに比較して、
12周上がってるのに対して、
そのOL2712は変化がなかったということで、
ただこれをもってOL2712が高炎症細胞があるのかどうかというのは、
ちょっと微妙かなと思うんですけれども、
ただというのと、
あとプラス部分が何で上がってるのかというのは、
ちょっと研究されてないんで、
季節の問題みたいなことを言われてましたけれども、
それなのかという感じはちょっとしましたね。
という感じでした。
あとは、
そんな感じですかね。
炎症試験としては、
本当にお薬の炎症試験レベルにかなり厳格にしているものでした。
ただ、これ研究したのが、
今回発売している企業さんの研究者がされているということで、
そこで何だか作為的なものが入ったんじゃないかみたいな、
うがった見方もできるかもしれないんですけれども、
ただ試験系としては非常に厳格にされているかなというふうに思いました。
ただ、ちょっとここはツッコミなんですけれども、
ツッコミとしては、やっぱり最大のツッコミは、
統計学的な優位しさがあるのが、
臨床的に意味があるのかというのが非常に重要で、
これ、FME1Cの0.01ぐらいで変化って、
もう普通に食事とかで起こり得るんですよね。
なのでプラス部分でも、
0.07下がってるというのはそういうことで、
なので、これが普通に薬剤とかだったら、
0.何歩とか1とかですね、
それぐらい下がるのが、この0.05の変化がどうかというところが、
これが非常に大事で、
ただこういうのは非常によくあるんですけれども、
統計のマジックを使っているわけではないんですけれども、
それが本当に臨床的に意味があるのかということでいくと、
この0.05の変化とかって、
もう全然臨床的には意味がないよなっていう、
薬の臨床試験とかで比べたら、
全然違うよなっていうことになってきますし、
あとはこのサンプルサイズっていうふうに言うんですけど、
今回、両軍65名を割り付けるっていうことで、
合計130名の臨床試験になってるんですけれども、
このサンプルサイズの計算、
要は何人を対象に試験するかっていうのによって、
だいぶ変わってくるんですよね。
時間がだいぶ落ちてきてますけれども、
当然ですけどね、
数を多くすれば優位さって出せるんですよね。
1万人とかだったら確実に優位さ出てくると思うんですけれども、
確実にはちょっと言い過ぎかな。
優位さが出やすくなるんですよね。
なんですけれども、
この130人の試験で、
しかもP値が0.047っていう、
もう本当に非常にギリギリ優位さがあるみたいなところを
どう解釈するかっていうのは、
すごい難しいなというふうに思いました。
ただ、これサンプルサイズの計算も、
ちゃんとやってたぶん両軍65人の計130人で
割り付けしてると思うんです。
この辺も比較的ちゃんとしてる試験だなというふうに
思いましたね。
という感じでした。
ということで、最後しんしんじゃんけんいきたいと思います。
いきますよ。
しんしんじゃんけん。
じゃんけん。
パー。
ということで、今日も幸せな一日でありますように。
お会いいただきありがとうございました。
きょうみしんしん。
13:05

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