国立がん研究センター
人生の最終段階の医療および療養生活の質に関する調査結果報告(令和5年度調査)
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0703_2/index.html
https://www.ncc.go.jp/jp/icc/policy-evaluation/project/030/202402/index.html
https://www.ncc.go.jp/jp/icc/policy-evaluation/project/030/202402/digibook2023mfs/index.html#page=1
https://www.ncc.go.jp/jp/icc/policy-evaluation/project/030/202402/2023mfs.pdf
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《AI要約》誤字はご容赦!
以下は、動画の内容を約1000文字で要約したものです。
### 国立がん研究センター発表「人生の最終段階における調査」解説
**話者:** 内科医たけお
#### はじめに
* 国立がん研究センターが発表した「2021年に死亡したがん患者遺族を対象とした調査結果から見える実態と課題 — 人生の最終段階の医療及び療養生活の質に関する調査結果報告」のプレスリリース内容を解説。
* この調査は、2021年に亡くなった患者の遺族を対象にアンケートを実施し、終末期医療の実態を明らかにするもの。
#### 調査の概要
* **調査対象:** 2021年に特定の疾患で亡くなった患者の遺族。
* **対象疾患:** がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、腎不全、認知症(血管性・アルツハイマー病)、COPD、誤嚥性肺炎、老衰の10疾患。
* **比較:** 2018年にも同様の調査が行われており、経時的な変化を比較できる点が特徴。
#### 【調査結果①】死亡場所で受けたケアの質
* **つらい症状への対応:** 「つらい症状に速やかに対応してもらえたか」という質問に対し、全体で65%~81%が肯定的に回答。
* **一部疾患での評価低下:** 意外なことに、がん、心疾患、脳血管疾患では、2018年の前回調査よりも評価が2~3%低下。ケアの質に新たな課題が生じている可能性が示唆される。
* **誤嚥性肺炎の課題:** 誤嚥性肺炎に対する評価は64.6%と10疾患の中で最も低く、症状緩和ケアの質向上が急務であることがわかる。
* **身体的苦痛:** 「体の苦痛が少なく過ごせた割合」も、がんでは前回調査から4ポイント低下しており、苦痛緩和が十分でなかった可能性を示している。
#### 【調査結果②】医療に関する希望の話し合い(ACP)
* **ACP実施率の向上:** 事前に医療やケアに関する希望を話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の実施率は、前回調査と比較して大幅に向上。
* **疾患による大きな差:**
* **がん:** 前回調査の35%から今回は52%へと大きく増加。しかし、それでも半数程度にとどまる。
* **がん以外の疾患:** 心不全(28%)や脳血管疾患など、がん以外の疾患では実施率が依然として低い。
* **誤嚥性肺炎:** 実施率は25%と極めて低く、ACPの取り組みが特に遅れている領域であることが浮き彫りになった。
#### 【調査結果③】新型コロナウイルス感染症の影響
* 調査時期がコロナ禍(2021年)であったため、その影響が色濃く反映されている。
* 多くの遺族が「思うように面会できなかった」と回答しており、面会制限が患者や家族の終末期における精神的な側面に大きな影響を与えたことがわかる。
#### 【調査結果④】療養生活の質
* **療養場所:** 「望んだ場所で過ごせた割合」は37%から60%へと増加しており、在宅医療の推進など、患者の希望を尊重する体制が改善されていることを示す良い傾向。
#### まとめと話者の考察
* ACPの実施率は向上しているものの、特にがん以外の疾患や誤嚥性肺炎では普及が進んでおらず、さらなる取り組みが求められる。
* ケアの質について、一部の主要な疾患で評価が低下している点は深刻に受け止めるべき課題。
* 特に誤嚥性肺炎患者へのケアは、症状緩和とACPの両面で改善の余地が大きい。
* この調査の元データは260ページに及ぶ詳細な報告書として公開されており、より深く知りたい場合は参照することが推奨される。
サマリー
国立がん研究センターの調査結果を基にしたポッドキャストでは、2021年に亡くなった患者の遺族を対象に、医療と療養生活に関する実態を探っています。特に、新型コロナウイルスの影響や死亡場所でのケアの質、医療に関する希望の話し合いの重要性に言及されています。