1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
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2025-09-05 14:58

第526回 厳しさこそが優しさ──日本のマネジメントに足りないもの

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▼番組の概要

「職務限定契約」のリスクと可能性/異動拒否でも解雇可能?/厳しさは優しさか/IT職→営業職/成長を妨げる曖昧な雇用/プロとして扱う/問題社員を“裸の王様”にしないために/戦力外通告の誠実さ

サマリー

このエピソードでは、職務限定契約のメリットとリスクについて詳しく議論されており、特に専門職の雇用形態の変化が日本のマネジメントの問題点を浮き彫りにしています。また、職務限定契約によって労働者の移動が難しくなり、その影響について考察されています。さらに、日本のマネジメントにおける厳しさと優しさの相互関係が述べられ、曖昧な雇用環境が専門的成長を妨げていることが示されています。職務限定契約の重要性と経営者の責任についても触れられています。

職務限定契約の基本
こんにちは、遠藤克樹です。向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、ということで、今日もね、いきたいと思いますけれども、前回はね、最新のアップね、行われることによる社会どう動いていくのかっていうね、ちょっと全体感の話もね、いただきました。
今日はですね。
質問いきたいなと思いますけど。
はい。
いっそ言っちゃって。
はい、どうぞ。
ということで、早速いきましょう。
今回はですね、向井先生の番組を聞きまして、ある専門職の人材を採用するにあたり、この職種しかやりませんという前提での契約をしようと考えております。
職務限定契約にすることで、その職務が不要になった場合は、解雇がしやすくなるという理解をしておりますが、ただ逆に一方で移動などはさせにくくなるということも考えられるのでしょうか。
職務限定社員にはどんなリスクがあるのか、また会社側が途中で業務変更したくなった場合にはどう対応することができるのかなど、お話しいただけないでしょうか。
はい。
これはあれですね、523回の職務限定が解雇の常識を変えるという回を受けてですね。
そうですね。
はい、ありがとうございます。
確かに気になります。
これはですね、専門職の方ということなので、特定の仕事を限定して契約をできないかなと考えているということなんですけども、
ご懸念の通りですね、移動は本人が同意しない限り無理ですよね。
そんなにバッサリ。
リスクとメリットの分析
そりゃそうです。
そりゃそうですか。
はい、そりゃそうなんですけど、じゃあ会社にいいことないじゃんって思うかもしれないですけど、
まだ採用でメリットがあると思います。まず採用面で。
この仕事しかしなくていいよという、こういう求人の差別化というかできると思いますね。
なるほどね。
はい。今の時代にあっている。
何さらやらされるかまるでわからないじゃないですかね。
わからない。そうですよね。
どんなリスクが、職種限定契約にはどんなリスクがありますかっていうことなんですけど、
実は私は会社側にリスクはあんまりないと思っています。
というのは、例えば2つちょっと心配事があると思うんですね。
1つは思ったほど仕事ができない場合。
2つ目はその仕事がなくなった場合ですね。
この方がおっしゃっているんですかね。
この2つ心配だと思うんですよ。
だから曖昧にして雇ってるっていうのは今までだと思うんですけど、
私は今回の三菱銀行とかフィデリティ証券の裁判例、
前回、何回前かの放送で話しましたけど、
逆に言うとですね、
例えばIT技術者の人が1000万で雇用したときに、
全然ちょっと技術者として足りないと。
素養がちょっと足りないと。知識不足、経験不足で足りないと。
でも人柄はいいと。
うちの会社に社風として合うと。
で、人当たりもいいんで。
営業どうかな。
営業サース、うちはサース企業で、
仕事はたくさんあると営業の。
だけど部合が中心で基本給は500万円になっちゃうと。
プラス部合給で、
稼げる人は稼げるけど、稼げない人は稼げないと。
こういう給料体系になると。
この人からしたら1000万固定給から500万固定給になっちゃうわけですよね。
それで提案していいんですかっていう話なんですけど、
それはオッケーなんですよ。
オッケーって何?提案をしてるのはオッケー?職務限定?
ちょっとすいませんと。
うちはこれとこれとこういうことやってもらうことだったんですけど、
ちょっとできてないですよねと今。
やっぱり他の同僚の人からもこういう声が上がってて、
一緒に仕事しづらいと。
あなたの人間性を否定するわけじゃないんですけど、
技術者としてはうちにあてないと。
チームリーダーとしては難しいと。
判断せざる得ない状況ですと。
今まで面談してきて何度も言ってますけども、
そういう現状にありますみたいな。
よくありますよね。
その時に職務限定契約の場合は、
じゃあちょっと営業どうですかと。
500万で用意できますよと固定給。
プラス部合給で払いますと。
場合によっては1000万を超える時もあるけども、
本当に成果ゼロだと、
ゼロ円、500万プラスゼロ円しか払えない可能性もありますと。
どうしますかと。
普通断りますわね。
いやいやですと。
営業のために入ったんじゃないですと。
日本のマネジメントの課題
じゃあ年収1000万なんで、
うち半年分払いますと退職のために。
うちとしてはベンチャーなんで、
出せるお金ってこのぐらいが限度で、
これでも過去の退職勧奨の中で一番高額なんですよと。
どうですかと。
いやもう私も50歳なんで、
転職すぐできるかわかんないんで、
辞めたくありませんと。
リアルですね。
1000万で頑張りますと。
いや頑張ると言っても何度もこの1年間面談して、
あなたの人間性否定してないんだけど、
うちの商品開発の結果が出てないですよねと。
むしろ若手の人が引っ張って、
やっとバージョン3までこぎつけたっていうのは現実ですよねと。
今日そんなにリアリティー持ってしゃべれます?
あなた何かやりましたかと。
この数ヶ月でっていうと、
これとこれやりましたって言っても、
いやそれって若手の人もできますよねと。
これとこれやってほしいのにできなかったですよねみたいな、
そういう会話がやっぱりできるんですよね。
大勢に切羽詰まってる会社さんは。
なので退職勧奨応じるか営業やるか、
万が一どっちも嫌だって場合は解雇になりますと。
これが言えるわけですよ。
この解雇になりますって言えなかったんですよね今まで。
場所を変えてでも与えなきゃいけないし。
だし年収も維持しないといけなかったです。
これがねやっぱり日本の会社の問題点で、
何をさせるかわかんないってことは、
今ある給料はもう何をさせても維持しないといけないってことになったんですよ。
要するにあなたは何でもできる人なんで、
あなたの人間に対して1000万払ってるってなるから、
総務営業やってもみんな1000万プレイヤーになっちゃう。
そこが根拠になるんですね。
だけどあなたはITで1000万の人なんで、
次に移動する場合は値付けをしますよお互い。
合意ができたときに移動になるじゃないですかと。
うちは営業で500万、営業の未経験者なので500万なんですよと。
それでも結構高い方なんですよみたいな。
そういう会話して。
ジョブ型のこういう話ができるんですよ。
なるほど。
ジョブ型っていうか、仕事とお金が紐づいた会話ができるわけですよ。
感情論的な曖昧なやりとりの人間性がとかそういう話じゃなくて。
ムヤムヤっとしてあるじゃないですか。
日本の会社ってこれやってるからあなたはいくらだよねみたいなないじゃないですか。
フリーランスの人って露骨じゃないですか。
この仕事やってるからいくらみたいな。
何件やったからいくらとか決まるじゃないですか。
ジョブ型雇用って言われてるものはまさにこういう話で。
これプロの話なんですよね。
なるほどね職務限定。
あれもう一つの移動をさせられる。
どうかも話してください。
話して下げれるわけですよ半分に。
何でかというとその会社の市場価値、営業の初任給の市場価値500万というのは
その会社として決まってるから。
厳しさと優しさの相互関係
だから全然問題ないわけですよ。どうですか。
なんかすごいドライに聞こえそうな聞こえ方もするかもしれませんけど
逆に一人一人のちゃんと成長を考えてきちんと会社としても向き合っていく上では
逆に曖昧じゃなくしっかりと話ができる雇用とも聞こえますね。
そうなんですよ。すごいなんか冷たいようで温かいっていうか
要は
しっかりプロとして見てますよね。
そうなんですよ。厳しいこと言われるっていうのは実は悪いことじゃなくて
僕は問題者引退をいろいろやってるんですよね。
そうすると50代の僕よりちょっと年上の方がいらっしゃるわけですよ問題社員と言われてね
気の毒だけどそうするとそういう方の特徴っていうのは
いろんなパターンだけど一つは大企業にずっといて
あなた問題ですよって言われてきてない人がいるんですよ。
でトレーニングの機会もなくてたらい回しされてるんですよずっと。
そういう方って本人はどういう自覚をされてるんですか。
全然自分で分かってない。
本当に裸の王様状態ってことですか。
自分はずっと会社にいるといじめられてきたって思ってるんですよ。
でもやっぱそういう被害者意識みたいな。
被害者意識はあるの。
でもおかしいですよねなんかそれ。
あのむしろ戦力外通告する方が厳しいけど優しくて
ここがダメなんだよって言われて
その辛いとこから這い上がるっていうのが大事じゃないですか。
それがないと本当の意味での実力つかないですもんね。
確かにそれはそうですね。
日本の会社ってそういうところから逃げ回ってきてるわけですね。
ずっとそういう戦力外通告って嫌じゃないですか。
誰だってやりたくもないし。
でもそういう厳しい厳しさを厳しいことしないというのに
優しさと履き違えてぬるま湯できてるわけですよね。
なるほどね厳しさの伴わない優しさという間違った形での
マネジメントしてきてしまったという結末が先ほどのような事例で
被害者意識を持って主張してくる。
そして誰も本当のことを言ってもらえないという感じを作っているのは
会社の責任でもありますもんね。
職務限定契約の重要性
むしろ若い20代30代の頃からこういう文化で働いてきてたら
もっと伸びると思うんですよ。
日本人に限らず外国人の人も。
僕はもう本当これから職務限定契約のおすすめみたいな
そういう本を書くかわかんないけど
すごくねすごくいいなと思いましたね。
あれでもちょっと今の話聞くと
リスクってあったのか?
そうなんですよ。
厳しくすることがリスクだと思っている方にとっては
しっかりと分け合っていかなきゃいけないリスクかもしれませんね。
要するに上司経営者が問われるわけですよ。
逃げ場がないから。
嫌だって言われるからね。
転勤とかこの仕事別の仕事やれって言っても嫌だって言われて
そうすると辞めてもらう開講の話し合いしないといけないわけですよ。
嫌なんだよそういう話。
なるほどねそういうことですね。
でもプロだからそれはアマチュアの世界なんですよ。
日本の会社っていうか
雇用という制度がアマチュアを作ってしまう構造の問題があるんじゃないか。
特に日本の雇用はアマチュアを作りやすいですよね。
ダメでもいいやみたいな。
まあいいやみたいなそんな風になって
それってお互い不幸になるだけじゃないのっていうのがこの戦後
50年ぐらい
30年ぐらいかな。
30年ぐらいこの付けが回ってきてる気がしますよね。
なるほどね。
でもそういう意味で言うときちんとしたプロとして立ち上がっていくためにも
ある意味国力のためにも職務限定社員いいんじゃないかって感じが契約しましたが
ちなみにこの話を先ほどすいません私がすぐに思い出せませんでしたけど
523回で
言えないんですよ。フィデリティ証券事件のほうね。
518回のほうで三菱UFJ銀行事件のほうを取り上げて
この辺りの話が背景にありますのでもし聞いてない方いらっしゃいましたら
今日の話と合わせて聞いていただくと
いろんな反例と合わさって今の話が染み込んでくると思いますので
ぜひぜひ聞いていただければということでよろしいですかね。
終わりたいと思います。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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