整理解雇の概要
こんにちは、遠藤克樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、ということでね、今日も行きたいと思いますけど、前回覚えてますかね、ソニーの
商用を給与化するっていうね、話が、ご紹介いただきまして、あの、雑誌とかに、あれですか、取材を受けたんですよね。
そうなんですよね、あの、弁護士JPという、そういう雑誌がありまして。
そこで取材を受けて、Yahooニュースに載りまして。
あ、そうだったんだ。
せっかくなんでね、URLも貼っておきましょうかね。
そうですね、まだ残ってると思いますけども、ぜひ読んでいただければと思います。
そんな感じなんですけれども、今日はですね、またね、ここ最近ちょっと時事ネタがあるということですので、また色合い変わってやりたいと思いますが。
はい、三菱UFJ銀行事件というものを取り上げたいと思います。
三菱UFJ事件、なんかありましたっけ?全然案件が立ってないんですけど。
最近です。
あ、最近。
はい、去年かな、去年。
あ、とは言ってももう1年ぐらい前の話ですか?
1年ぐらい前ですね、はい。
もう業界じゃ有名な?
えっと、先週か先々週、私も知ったので。
あ、じゃあそんなことなさそうですね。
まだ話題になってないかもしんないけど。
へえ。
おそらくこれから結構、なんだろう、業界を揺るがす。
あ、そんな感じの事件なんですか?
判決になるかなと思いましたね。
へえ。
じゃあちょっとゆっくりいきたいと思います。
今ちなみに、公債どこまでですか?この時期に。
いや、公債に行ってるかは分かんない。
あ、まだ地債止まりでいっぱい余ってるんですか。
はい、分かんないです。
ほうほうほう、そういう話なんですね。
はい。
じゃあちょっと中身を。
えっと、銀行のですね、普通の公員の人じゃなく特別職宅っていう専門職で採用されて、
ジャパンストラテジストっていう名前で雇用されて。
ほう、そんなのあるんだ。
あるんです。
日本円の、円の金利のストラテジスト。
戦略家。
戦略家ってことか。
それをやっている方ですね。
ほうほう、そんな特殊職種があって。
はい。
年収は、最後ボーナスもらって、ボーナス込みですけど、年収3000万を超えてまして。
そんな職種あるんですか。
あるんですね。
UFJの中に。
はい。
へへへ、その時点で知らないですね。
総合職、総合職のアナリストだと最高で年収1500から1600万円。
あ、じゃあその倍額もらってる人がいるってこと?
そうなんですよ。
へえ、そんなのあるんだ。
で、この人はこの仕事しかやってなくて、裁判所としては職務限定契約という、それ以外の仕事はしなくていいという契約。
ほう。
で、一応雇用契約なんですか。
そうなんです。
うーん。
それで、最終的に整理解雇して有効になったんですけど。
整理解雇が?
はい。
ほう。
三菱UFJグループの中に証券会社があって、その証券会社も円の金利のリサーチしてる方がいて、同じことグループ内でやっても非効率だよねってなりまして。
三菱UFJ銀行側ではもう辞めちゃったんですね。円の金利のリサーチを。
ほう。
それと、あとは3,000万給料払ってるんですけども。
はいはい。
3,000万分の収益が上がってるかっていうとちょっと微妙な内容だったんで。
判断。
はい。
だから、もうその証券会社に仕事は移して、辞めていただこうということになった。
そういう意味ですか。
グループ内で同じようなことやってるところがあるんで、もう証券の方にお願いして。
はい。
で、そうすると、社内としては、銀行の方にはそういった人材がちょっと必要なくなって、正規だという流れで、
はい。
解雇が有効になったと。
そう。
これは、すみません、どっちなんですか。どこがポイントで驚きなんですか。
いやいや、仕事がなくなっても雇えっていうのが日本の判決で。
なるほどね。やっぱそこなんですね。
職種限定契約であっても、他の仕事を見つけろとかいうことが多かったんですよ。
その場合って年収は維持のまま、職種変わって雇用維持ってことですか。配置転換的な。
判決の意義と今後の展望
それがですね、それも今回私勉強になりまして、別に年収は維持しなくていいと。
ほう。
別の為替セールスとか他の仕事も提示したんですよね。
そうなんですね。
2000万の仕事と1500万の仕事かな。
でも下がってはしまうんだ。
下がっちゃうんですよね。
なるほど。
はい。で、この2つを提示したんですけど、拒否したんですね。
この年収3000万円もらってる方は。
そうですね。お金が気に入らなかったのがはっきり書いてないんですけど、
為替セールスと一般のリサーチ職は拒否もしくは見込みが乏しかったと。
なんかリサーチ職もどうですかって言ったらなんかいまいち反応がいまいちだったって書いてましたね。
あと年収の1.5倍の4602万円を提示したんですよ。再就職の支援金として。
そんなにですか。結構普通の感覚で言ったら巨額な退職金並みな金額ですよね。
でもこの人はですね、拒否したんですね。
え、ということは残りたかったってことですか。
わかんないんですけど、残りたかったずっと3000万4000万もらいたかったんでしょうね。2000万3000万か。
それで、生理会講の時は話し合い手続きの相当性っていう要件があって、話し合いをしたかどうか問われるんですけど、
これ労働1人しかいないんで対象者が。こういう1人だけの会講の時って何をすればいいかって今まで謎だったんですよ。
この仕事でこの人だけなんですか。
この人だけです。
そんなにスペシャリストの仕事なんですね。
そうですね。だけどこの三菱UFJ銀行は書類は用意して丁寧に説明してると思うんですけど、
3回しか面談やってないんですよ。
例えばJALの生理会講ってもうだいぶ昔で皆さん覚えてないと思うんだけど、
稲森さんやった時の。
稲森さんやった時、あれはね団体交渉だけで何十回やってるんですよ。
へー。
何十回やってんの。3回だからねこれ。
プロ野球の最後の。
そうそう。まさにそうですよ。プロ野球の年報向上みたいな感じ。
おっしゃる通り。さすがですね。ピッタリきますよね。
確かに交渉して説明してるけど、僕らの感覚でいくと、3回でいいのって感じですね。
まあそっか。そうですね。
なるほど。でも面白いですねこれ。
やってることはもういつ首切られるかわかんない個人事業主的なプロ野球選手みたいな契約のようにも感じるけれども、
雇用契約でこれをやってると。
そう。
がゆえにも起きやすいということですよね。
そう。それで、3回説明したっていうのでいいよって書いてあるんですよ。判決。
これは何?やっぱり今まで労働法やってきた人間からすると、そんなこと有効でありえんのって驚きってことですか?
いやびっくりしました。
そうなんですね。
いやー。
最近の裁判官は本当にドラになってきてて、これから実は日本の解雇規制緩和されるかもしれないですね。
解雇しやすくなる方向。
特に大企業のお金をたくさんもらってる人、専門職の人なんかは、結構解雇有効になる可能性ありますね。
そうですか。
整理解雇の有効性
いやいやいや、でもすごい、これはね。なので今回の事例は中小企業ではあんまり年収3000万の人なんかいないから、参考にならないと思うけど、
例えばこういうのがあるんですよ。これは大企業も中小企業も同じなんですけど、新規事業のため、例えば株式公開IPOのために新しい責任者を年収1000万、1500万で雇用した。
これはあり得ます?
あり得ますね。全然あり得ますね。
まして今転職がどんどん大企業同士でも増えてますから、ライバル企業もしくは関連業界のAさんをちょっとヘッドアウトしたと。
で3年でこの事業はめどをつけてくれみたいな。あるじゃないですか。
ところが、うんともすんともどうにもならない。もう泣かず飛ばずみたいな。
全然見合ってないと。
どんどん人が辞めていくし、赤字は増えるだけみたいな、ありますよね。
で、もうこれ辞めると、この事業辞めると。IPOももう辞めるみたいな。
なるほどね、戦略を変えて。
その時に今までの裁判所は解雇有効になるか分からなかったんですよ。
今みたいなケースでも?
分からなかったんで、お金をいっぱい積んで何とか辞めてもらってたんですよ。
なるほどね。
普通はそれで辞めるんだけど、こういう人がたまにいんのね。
もっと、自分はあと10年この仕事で人生設計考えてたんで、10年分払いとかいんのよ。
10年分払いとかいんのよ。
あるんですね、そんなの。
5億円払いとかいたな、そういう人。
根拠は?
俺の障害年収とかいってましたね。
障害年収を超えてそうな金額ですけどね。
もうね、500円とか5億円もあんま変わんないみたいな、そんな感じで。
どういうことですか。
よくコントであるじゃないですか、お釣り、違うな、スナックとか言って、スナックかな、分かんないけど、お釣り合い500万円みたいなのがありますよね。
そのコント見たことないですよ。
そんなコントないな。
あるんだ。
お釣り100みたいな言う人いません?
そういうことね。
お釣り100万円って言って笑い取ろう。
昔ね、僕の田舎の駄菓子屋だと、
おばあちゃんとか言いますね。
はい、お釣り100万円みたいなね、100円なんだけど。
ありましたけど。
そんな感じ?
そんな、なんかもうね、俺は絶対やめないよってことで、何億円とか言う人はいますね。
なるほど。
そういう人いんのよ。
それで参っちゃうのがこれまでだったけど、これはすごく常識的でバランスが取れてて、3回で解雇っていうのは本当にびっくりした。
嘘だろって思いましたね。
金額がこれだけ高い年報だとしても。
しても、働いてる人の雇用は守るべきっていうのは日本の裁判官だったから。
このドライさがいいね。
変わってきてるんですね。
変わってますね。
使用期間の解雇有効の話もありましたけど、なんとなく地盤が地価変動を起こしてるんじゃないかみたいな回やりましたけど。
そうですね。
徐々に経営サイド側に少し今までものすごい労働者に振りまくってたのがしばらく続いてた感じがしたんですけど。
一方でドラスティックというかドライナーっていうのも動き出してる印象ですか?
どうですか?
だからやっぱり世代が変わってきて裁判官も何が何でも労働者全員保護しろじゃなくて、
やっぱりそれは会社の規模とか年収とかやってる仕事によっては解雇もしょうがないよねってなってるんだと思いますよ。
この辺って本当に時代とか裁判官とかその世代の価値観みたいなものが大きく左右されるんですね。
左右されますよね。
社会通念ってやつなんですね。
三菱UFJ銀行としても誠意は示してますよね。
4600万の退職金。
すごいですよね。
常識的なんだけどそういう常識が通用しなかったんで、我が国の裁判所は。
これはね歴史的な判決だなーって勝手に思ってるんですか。
なるほどここからいろんなものがまた変わってくる可能性があるような一つの大きなエポックメイキング事件であるという可能性があるということですね。
おっしゃる通りです。
ということでねぜひ注目、特にね専門家の方々は注目していただいてこの波及というものをね、また何か出てきたらそういった話もぜひ教えていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
裁判所の影響
はい。
ということで終わりましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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