裁判官の不足問題
こんにちは、遠藤正樹です。向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
さあ、ということでね、今日は行きたいと思いますが、今日は業界のテーマについてお話をしようというふうになっているんですが、
裁判官が足りないっていう、そういう記事がどんどん増えてきてはいるんですね。
恥ずかしながら、全然ちゃんと押さえてなかったんですよね、これ。
少し内容を教えていただけますかね。
はい、あのですね、10年未満の裁判官を判事法って言うんですけど、
判事法の数が10年前は800人を超えてたんですが、
今700人を切ってまして、どんどん右肩下がりで600何十名まで下がってるんですね。
これは別に人員を減らしてるんではなく、辞めちゃってるんですね。
司法試験の合格者は、ずっと横ばいですので、そんなに増えてはいないですけども、減ってはいないので、
弁護士の数は増えてるんですよ。
じゃあ裁判官になる人がとにかく減ってる。
減っちゃってるときは、若手裁判官が減っちゃってるんですね。
全然知らなかったんですけど、裁判官って司法試験を受けた人たちがなるもんですよね。
合格した人、司法試験を受からないとなれない。
実はですね、簡易裁判所の裁判官は司法試験に受かってなくてもなれるんですよ。
裁判所の初期官出身の方も多いんですけど、
地方裁判所はほとんどが司法試験を受かっている人ですね。
そういう中でもしかも相当絞られた人しか、そう簡単になれないんですよね。
なれないです。
例えば、司法試験を受かった後、司法研修所に行くんですけど、
僕もびっくりしたんですけど、
上位3分の1に最低入らないと、研修所の成績が3分の1以上に入らないとなれないよって言われました。
司法試験に受かっている連中の中で3分の1?
結構レベル高いですよね。
しかも、暗黙の了解で若い人優先なんですよ。
新卒をターゲットにしているイメージですか?
昔から、若ければ若い方がいいなんて言わないけど、
面白いですね。
言わないけど、もう暗黙の了解ですね。
若い子を優先的に、かつ司法試験を受けた中のトップ3分の1でチャレンジする人たちがなれるってことですか?
そうですね。
試験はあるんですか?
裁判官になる試験はないんですけど、
司法研修所の卒業試験というのがあって、
その卒業試験の成績で何十年にわたる出世のルートも変わるんです。
聞いただけで、頭クラクラしそうな恐ろしい戦いですね。
とても私なんて、なりたいとも恐れ多くて思いませんでしたし、
全く端にも棒にもかからなかったですね。
司法試験をクリアした中のエリートの戦いの人たちが裁判官。
ここの人たちが今、なりたいって人が減っている。
日本型雇用の影響
かつ、なってもやめちゃうってどういうことですか?
これはですね、今日のテーマに関わるんですけど、
日本型雇用と関係してるんですね。
と言いますと、
優秀な人は裁判官にならないでどこに行ってるかというと、
大手法律事務所に行ってるんですよ。
ビッグフォー。
ビッグフォー、ビッグファイブとも言いますけど。
給料が一千何百万、初任給ですね。
で、都心のオフィスでお客さんは一流上場企業、大企業ですね。
国際紛争とか、世の中に注目を集めるようなアンケートが多いんですね。
なので、転勤ももちろんありません。
そうなんですか?
ありません。
え、そうなの?
ないです。もちろんないですよ。
そんな感じ?もちろんないんですか?
ないないですよ。
世界をまたぐように転勤させられるんじゃないんですか?
あの、遠藤さん。
転勤があるっていう国は、日本と韓国ぐらいだと思う。
それ以外の国はないんですよ。
そうなの?
共同県があるのよ。
日本にいるとおかしくなるんですけど、転勤ってないのが世界的には普通なんですよ。
え、でも世界で股にかけてグローバルに飛び交っているあの人たちは、それを前提にやりたいですって言ってるだけの話なんですか?
うん、それはグローバル枠ってあるんです。
グローバルに動くことを前提に雇われてるんです。
あ、じゃあ基本はないんですね?
基本ないんです。
アメリカもイギリスも裁判官は転勤がないし、フランスは本人の同意が必要だし、ドイツは手を挙げないと別の地域で裁判官やらやることができない。
応募制なんですね。
で、韓国と日本だけ転勤なんですよ。
裁判官の?
実は韓国と日本ってすごく似てるんです。
文化も。
なので、転勤があるってだけでも不人気だし、本来大手事務所に行ったら一千何百万円もらえるのに、
初任給からね。
初任給からね。
僕らの時は一千五百とか二百万ぐらいだったかな?
大先生の時もそんなあったんですか?
そんなぐらいありましたね。一千二百入ってたと思います。
なので、日本の裁判官だとだいたい初任給五百万ぐらいなんですよ。
3分の1みたいな感じ?
3分の1弱ぐらいですよね。
でもエリート中のエリートであえてそっち行くのにそうなっちゃうってことですか?
そうなんです。
それは確かに損得でまず選ばなくなっちゃいますね。
お金は実はそこまで大きくないと思うんですよ。
僕が裁判官の同期とか、やっぱり仕事に魅力を感じてるから。
問題は転勤なんですよ。
そっちなんですか?
社会問題としての裁判の開廷
そうなんです。今の若い裁判官。
大手弁護士事務所は転勤ある?
ないですよ。
やっぱないんですか?
何で?そうなんですね。
大手って言ったらビッグフォー、ビッグファイブはないですよ。
確かにみんな年にいますもんね。
要は他の拠点もあるにはあるんですけど、希望制です。
拒否しても構わないはずです。
そんなに違うんですね。働くルール、雇用ルールが。
ないですよ。それが普通だから。
裁判官が相当古い状態のままになっている。
今日何を言いたいかというと、日本型雇用をそのまま持ってきてるわけですよね。日本の裁判官も。
それはもう無理で、今もう何だろうな。
刑事裁判を開けないぐらい人が足りなくなりつつあるんですよ。
開けないの。
社会問題じゃないですか?
だから新聞に載ってるわけ。
そんな状況なの?裁判開けません?
開けなくて困ってるわけ。その人がいないから。
それって国の仕組みとしてありえないことじゃないですか。裁判開けないって。
社会システムが動いてないとも言えるじゃないですか。
ですよね。
もう本当に、弁護士から裁判官になる道あるんですけど、めちゃくちゃハードル高いんですよ。
どういうハードルなの?
やっぱり研修所の時の成績。
そこが引っ張られるんですか?
もちろんもちろん。成績と弁護士会での評判。
アンケート取られるんですよ。
向井乱はどうでしたか?みたいな。
敗因、弁護士。
だからもう本当に年間何人だろうな。
裁判官不足の現状
10人、20人いないかもしれないですね。年間弁護士から裁判官になる人が10人。
まさか向井先生はそっちの道に発表するんですか?
いや全然。成績悪すぎて成れないです。
そんなことないでしょ。
ありますあります。自分でわかります。
向井先生何?こんだけ活躍されててもあれなんですか?
今裁判官のこの事態を解決しに手を挙げようとしてもダメ?
問前払いです。
本当に?
今日の会は結構衝撃がいろんな角度から走りますけど。
そうなんですか?
はい。かなりの成績は求められる。
上位3分の1に入っていればいいと思うんですけど、
3分の1は僕入ってないです。
ああそうですか。
はい。もう全然。
いずれにしろそんな状態なのに、
仕組みのハードルが高すぎて増えないし、
古すぎても増えないし、
結構改革難しいぐらいややこしそうなテーマですね。
日経新聞とか新聞社はこうやって報じてくれてるんだけど、
あんまり身近じゃないじゃないですか。
そうですね。
だからあんまり政治家の人も動かないし、
ずっと放置されてるんですよね。
でもこんなの、何となく数字見てきたら、
ずっと分かってたことですよね。明らかに。
めちゃくちゃ問題になってて、
例えば僕が同期の裁判官から聞いたのは、
同年代の裁判官からも何人かも聞いたのは、
お風呂がレバーを回して、
昭和の団地にあったレバーを回して風呂を沸かすっていう、
バランスがまっていう、そういう物件でビビった。
あと虫が出たとか、昭和の物件で。
当時ってことですか?
当時ね。平成15年とか14年とか。
虫が出た。
そういうところに、福利厚生的な側面も相当。
場所は悪くないんですけど、裁判官の感謝って。
昔作ったのをずっとそのまんま扱ってる。
安いんですけど、住みたくないっていう裁判官が、
当時からいましたね。
自分で自腹切って、ワンルームマンション借りるとか。
日本の戦いの中で戦ってきたエリートの方は、
そんな優遇なんですね。
そうすると、やめようかなって言っちゃいますし。
やめようかなになっちゃう。
こんな転勤に応じてこんな扱いを受けるんだったら、
もう意味ないなって。
今時の若者になります。
なっちゃうよね。
それ以上にこの裁判官のお願いがあって、
言う話でつまらないんだよってなりますよね。
だからやっぱり弁護士からハードル下げて、
裁判官ならせるようにしつつ、
かつて転勤も希望制にして、
そうすると地方に行く人いないじゃないかって言うかもしれないけど、
やめちゃうからね、今。
地方に行ってくれって言うと。
だからもうそれは仕方がないので、
地方の地域の弁護士さんから応募してもらって、
10年間やってもらうとか、
そういう仕組みを作らないと、
司法制度維持できないんですよね。
もう既に維持できなくなってきてる。
そう。
新卒、年功、賃金、全国転勤って日本型雇用じゃないですか。
あれが裁判官でも成り立たないっていう衝撃の事実ですね。
なるほど。
日本型雇用が完全に制度披露して出ちゃってる問題が、
実は裁判官の放送界に思いっきり出てたんだと。
そうなんです。
制度の変化と学び
ことから、やっぱり雇用について我々は学ばなきゃいけないという回だったわけですね。
そうです。世の中が変わってきてて、
新卒中、転勤、うちも新卒取ってますけど、
全国転勤型、年功型はちょっともう無理なんだなって思いましたね。
いやー、ちょっとなんかあれですね。
日本雇用についてしっかりと学ぶということと、
同時に社会問題としてしっかりと認識しておくということの両方を今回学ぶ機会になりましたのでね。
そうですね。
関係ありませんっていうわけにはいけませんので、
引き続きいろいろと一緒に教えていただいて、
発信いただけたらと思いますので。
いやいや、大変勉強になるくらいになりました。
ありがとうございます。
ということで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
お待ちしております。