1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
  2. 第89回 特別ゲスト・瀬戸賀司..
2017-04-20 20:44

第89回 特別ゲスト・瀬戸賀司氏「15年前では考えれない労働分野の現状とは?」

第89回 特別ゲスト・瀬戸賀司氏「15年前では考えれない労働分野の現状とは?」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えば、 弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、 ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、縁の岡月です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、 向井さん、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、今日もですね、前回に続きまして、 向井先生の事務所の瀬戸先生にお越しいただいております。
瀬戸先生、よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
前回は、なんか不思議なお話を、向井先生が。
あ、ちょっと、ぐだぐだみたいな。
そんなことはないじゃないです。
児童中学校の話をされてね、 褒めちぎるみたいな回でしたけど。
今日、早速テーマの方にいきたいなと思います。
せっかく瀬戸弁護士が来ていただいていますので、
私と話をしてですね、変わりつつある労働紛争と。
ちょっと硬いですけど。
いいですね、たまにはね。
そういう話を、瀬戸弁護士は最前線でやってますから。
その点についてお伝え、面白いんじゃないかなと。
興味深い内容を。
お、楽しみですね。
はい。
じゃあちょっと、昔の話からすると。
僕は2003年、弁護士登録をして。
うちの事務所、当時弁護士4人だったんですが。
見払い残業代問題っていうのが、年にね。
1回か2回、1件か2件しかなかったです。
これはどうなんですか?
今じゃ考えられないですね。
今、1週間に1件、2件がきます。
年間1件だったのか?
うん。
1週間に1件だったのか?
はい。
2件だったのか?
はい。
ほうほうほう。
3日連続とかね。
3日連続とかね。
全て受任するわけではないんですけれども、相談ですとか、
相談ベースですとか、かなり件数が来ますね。
へえ。
見払い残業代だけでも、そのぐらい増えまして。
あとは、弁護士さんも、僕が2003年弁護士登録した頃は、
労働専門の先生って、労働者側と使用者側があって、
このポッドキャストでも話してますが、
労働者側の先生も結構固定されてまして、
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この事務所のこの先生かと、また当たったとかですね。
そんな感じで、お互いも顔見知りで、やり方も知ってるわけですね。
ですから、この案件はこういう案件なんで、こういうやり方で、
こういう結論になるなっていうのは予想が、
私も3年目、4年目になるとできたんですが、
もう最近は、明らかに変わってまして、
ちょっとその点、瀬戸弁護士が説明しますけど、
最近は、昔は私の場合は、交渉がなかったんですよ。
弁護士同士の交渉、話し合い。
何でかというと、一つは、交渉になると、
値引きをせざるを得なくなりますよね。残業代とか。
和解するんだったら値引きしてくれよっていうのはしたくない。
あともう一つは、払わないんじゃないか、会社が。
交渉で約束しても。
そういう場合、改めて裁判やり直さないといけないので、
最初から裁判持ち込んで、そこで判決とかを得ないまでも、
強制執行が可能な状態で和解する。
交渉があって、交渉でわけがないと訴訟の方に持っていく?
いや、交渉がほとんどないんです。
内容証明来て、もう訴えます。問答無用。
あ、交渉がなかった?
ないない。もう訴えます。
要は、もうすぐ労働問題に関しては訴訟を起こす?
はい。残業代なんかも圧倒的に訴訟が多かったですね。
同じような先生と同じようなやり方で裁判所で和解する。最終的には。
法廷で顔なじみの弁護士の先生たちがやりやがったわけですね。
ところが、近年は比較的交渉で終わることも多くて、
かなり厳格してくれるケースもありますので、
むしろ向こうから最初請求が来て、
その後、これで飲まなければ訴訟しますよとか、
そういう話があっても一度ちょっと交渉しませんかということで水を向けてですね、
それでちょっと話し合いをして、
そうすると向こうもかなり厳格してくる場合がありますので、
そういったような場合にはもうそこで和解してしまうと。
交渉の段階で終わらせてしまうというケースもどんどん増えてきているかなという風には感じています。
どっち側の変化なんですか?
労働者側ですよ。
労働者側の、要は弁護士の先生の変化?
働いている方が、今までだったら弁護士さんに依頼するというのはすごく大変な、
心理的なハードルが高かったんですけど、
今はスマホで検索して、その場で電話して、
無料相談、電話でもできるし、
最終的にはお会いしていると思いますが、
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初期費用無料の場合が多いんですよ、東京は。
無料で弁護士さんに依頼できる。
弁護士の先生と言ったら、会っただけでチャージされるというイメージが。
今は完全成功報酬型のところが増えてきています。
成功報酬も、そんなものすごいお金とも限らない。
ホームページを見る限り。
任意交渉で10、任意交渉でまとまった場合は、
例えば18%ですか、訴訟までいったら20何パー、25パー、4パー、
そのぐらいとかが多いです。
そういう報酬体系を取ると、何が起きるかというと、
早く回収した方が得なわけですよ。
件数をこなして早く回収した方が得なわけです。
値引きしても。
それは弁護士サイドですよね。
要は労働者側に就く弁護士の先生が、
要は大きな残業代請求の金額を訴訟してやるよりも、
小さいお金だけど数いっぱい単価下げてかけるような。
露骨に言うとそういうことですね。
こちらとしてはなかなか言いづらいことがあるので、
言っていただいて下さい。
普通はですよ、働いてもらえるはずの賃金ですから。
申請のものなんで。
7掛け8掛け、デパートの特売じゃあるまいし。
確かにそうですね。
そういう話してるんですもんね。
争ってる話は。
ところが瀬戸弁護士が話してる感じでは、
いいっすよと。
軽い。
7掛けでみたいな。
そこまで軽くはないですけど、私もそうです。
すみません、それは僕の妄想でした。
間違えました。
イメージ。
イメージね。
そこまで下げんの?ってくらい下げます。
その向井先生が当時、ありえない。
ありえないありえない。
嘘、本当瀬戸君と言うと本当ですと。
これどうしますと。
それでも裁判やった方がいいって言えないねと、
お客さんに。
そのぐらい大幅に割引くんですよ。
じゃあ例えば何ですか、産業大請求。
ちょっとイメージわかんないですけど、
500万ぐらいできるのが平気で、
100万とか200万とか。
100万は少ないかなと思うけど、
200、300は十分あり。
であれば十分に可能な。
これイメージで言うと訴訟をちゃんとすると
どのぐらいになるものなんですか。
例えば内容証明で500で、
こちらの経験からいくと300から400の間。
そういう事案でも、
そういう先生方は100万台まで落とす。
なるほど、そういうことか。
そういう場合もある。
場合もある。
そうじゃない場合もありますね。
ちょっと語弊がありますね。
昔じゃそういうことが起きなかった。
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まず話をしてくれないから、昔は。
そんな話、今でもそうですけど、
労働者側でなさっている先生は、
まずそういう話はやっても、
そんなものすごい割引率は適用しない。
だからそもそも交渉のテーブルに上がらず
訴訟が入っちゃうわけですね、昔だと。
もうすぐ打ち切り。
ところがこっちも悩むような内容を提示してくるから、
どうするかこれと。
というように、
労働者側の依頼者の方も意識が変わったし、
弁護士さんもちょっと変わったので、
僕なんかはちょっとびっくり。
この位置にしてますね。
件数がすごい増えました。
瀬戸先生からしたら、
もはや今の労働分野においては普通な状態の。
私の認識としては普通なんですけど、
今回弁護士の話を聞いていると、
だいぶ時代が変わってきたんだなと。
労働審判の件数って頭打ちだよね、統計上。
頭打ちのはずなんですよ。
あれは労働分数を減ってんじゃなくて、
避けられてるんですよ。
めんどくさい。
誰にとってですか?
国民にとって、労働者の方にとって、
弁護士、労働者の方にとって。
使いづらい。
労働審判。
通常訴訟ね。
もう話し合いで、電話で。
会ったこともない先生も多いでしょ。
会わずに終了する案件も結構ありますね。
軽いんですよ。
昔だったら法廷で顔を合わせて、
弁護士同士でやってたのが。
しかもあれか。
法廷じゃないから、弁護士間で終わっちゃうんですね。
弁護士間で終わっちゃう。
だからご本人にもお会いしない。
すごい時代。
昔は残業代請求っていうと、
本当に会社に報復。
会社とこじれて退職して。
私はそういうイメージありました。
でしょ?
今は軽い人多いよね。
そうですね。
よく2年ごとに辞めて、
時効で2年分請求できますので、
2年ごとに退職して、
退職金代わりみたいなね。
っていうのもいらっしゃいます。
その噂でね、前の職場でも。
ご自身が言ってたりしますからね。
前の会社でいくらぐらい取ったんだ、
みたいなことを言ってたと。
自慢する人いるんですよ。
開いた口が伝わらないんですけど。
そうですか。
でも別に労働法上認められてる権利だから、
僕らだからそれが悪いとはちょっと言えないんですけど。
一応会社に不備があるからこそ訴えられるもので。
それで別にそれが悪いとは言い難い部分があるんですけど。
でもそういう方がいるっていう事実の話ですもんね。
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昔は眠ってた需要が、
今起き始めてるんですよ。
その結果、
交渉案件がやたらと増えているのが今。
やたら増えてるね。
しかも特定の残業代請求専門の事務所だけじゃなく、
普通の離婚とか相続とか、
いろいろ扱ってるんだろうなと思われる先生が
なさることも多いね。
これ理解してるのかな?
労働法っていうのもあるよね。
ちょっと話してても、
書面見ててもですね、
危なっかしい。
もっと責めるところあるだろうっていう方。
そんな言葉選ばれる。
そうなると、
これだって分からないうちに終わらせた方がいいですから。
ちょっと話し合いになっちゃうよね。
お客さんには本当はこことここ弱いんですけど、
気づいてないですと。
だから僕らはやっぱりどうしても、
他の従業員が同じようにですね、
扱いする可能性もあるとは思うんですけど、
このぐらいまで金額も下がって、
重要なこの点を指摘されてないから、
やむを得ないんじゃないかというふうに、
説得する場合が増えましたよね。
この話って聞けば聞くほど、
企業側経営者サイドが、
それこそ向井先生たち、瀬戸先生たちの、
みたいなそういった労働分野に精通してる経営者サイドの
弁護士の先生をつけた方がいいって話に聞こえるんですけど、
要は労働者側の方の弁護士たちの方々が、
知識があまりなかったりとか、
精通してない方が、
結構安易な形で反対できてしまってるんで、
やはり企業側の方をちゃんと守れる、
お二方というような方がいてくれれば、
経営者サイドとしては非常に安心ですよね。
こんなの来ちゃった、
そんなのこうしとけばいいですよって話ができるわけですよね。
やっぱり、
労務に強い弁護士を紹介してくれと、
そういうきっかけが多いよね。
知ってる先生紹介してくれって紹介じゃなくて、
労務に強い弁護士を紹介してくださいと、
言ってきた。
そういう方が最近多いよね。
公文弁護士いるんだけれども、
労務詳しくないので、
うちに相談来たですとか、
っていうのも増えてきてます。
でしょうね、今の話ですと。
若干労働者サイドの法的な労働分野のところが、
マーケット的に言うなら荒れてるじゃないですか。
荒れちゃってるんで、
変な案件が出てきたりすると、
逆にお二人のような強い方の方が、
重要はありますよね。
経営者サイドにとっては。
どうかね。
違うんですか?
わからないですよ、全体像が。
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結局交渉案件って統計に出ないから。
そうか。
裸の話ですもんね、事務所における。
あれ全然統計に出ないので、
表向きの件数、行政の相談件数とか訴訟の件数、
それは出ますけど、
もっと動いてる感じするよね。
意識も変わってて、
本当にこんなことで、
こんなことで依頼するのかっていう案件が、
労働者側の方がね、
弁護士さん的口です、
次からみたいなのは、
こんなのもかっていうぐらい多いですよ。
さすがに具体的にはあれですね。
具体的にちょっと言えないですね。
びっくりするようなことですね。
びっくりするようなのありますよ。
そのあたりはきっとお二人の講演とかに行くと、
ちょっと聞けるんでしょうか。
一度聞いてみたいところではありますか。
ちょっとどう分析されます?
遠藤さんから。
今の話はさっき言ったように、
私から見ると、
労働者サイドの感覚が変わってきてて、
訴えるとか会社側と対して交渉するとか、
何かを言うってことに対して、
多分、資金的抵抗がなくなってるってことで、
そこがなくなってるところを、
うっかり支援するような、
弁護士の先生たちもいっぱいいるおかげで、
ここの労働者側のマーケットがでかくなってる。
でかくなってる。
でかくなってる。
っていうところまで、
話聞いてると目に見えるじゃないですか。
でかくなってんだろうね。
ただそこをちゃんと担保できるような、
経営者サイドのほうは間に合ってないのかなと。
労働者サイドがどんどんマーケットがでかくなって、
経営者サイドの弁護士がマーケット広がってないので、
お二人のようなところにニーズがあるのかな、
というように聞こえました。
特に中小企業の会社側の労働事件、
やりますと積極的に、
うちみたいに宣言してる事務所は、
もう数えるぐらいしかない日本で。
これは逆に今のお話をお二人された上で、
あえてお二人は経営者サイド、会社サイドじゃないですか。
はい。
その方々にはどういうメッセージというか、
何に気をつけたほうがいいとか、
なんかそういうのあるんですかね。
聞いてないですからね、おそらくこのポッドキャストは。
そういう方は。
聞いてる方は自分で予防策を教えるから、
僕らに依頼する方は全く関心がない、
興味がない方はほとんどですね、
中小企業の案件は。
いきなり後ろから飛んできたみたいな。
で、ことが起きたのでどうしよう。
っていう感じなんで、
本当はそこからでは遅いんですけど、
まあ難しいですよね。
興味持っていただく方法がなかなかないっていうか。
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でもこの番組を聞いてるような方って、
結構法的なものとか、
労働分野にマニアックに耳を傾けてる方じゃないですか。
この放送を聞いていただいてる方はね、
当然いろんなことはお分かりだと思うんですけどね。
ここ聞いてない方にどうやって届けるかっていうか。
こっちですね。
聞いてる方は問題ないですよ。問題ないはず。
これが経営者サイドが追いついてないんです。
意識の変化がですね。
労働者サイドの方は変化が早いですね。
なるほどね。
面白いですね。
変わってますね。
2方から聞かないと、
我々普通にいろんな形で働いてる人間だったりすると、
何の世界ですかって話ですよね。
そんなことが見えないところで行われて、
労働者サイドがやたら頑張って、
うたいわんとしてる人たちが出てるってことじゃないですか。
これは弁護士としてはどう考えてる?
どんな感じなんですか?
あんまりマイナスのことに社会のエネルギー使うのは良くないですね。
我々にとってはもちろん仕事が増えるけども、
あんまり日本全体としては良い方向に向いてないんだなと。
縮小していくから、
お互いいがみ合って、だんだん余裕がなくなってきてるんだなと。
より加速するんじゃないですか、これから。
そう思ってますね。
一つの我々普通には見れない側面を見せていただいた回答。
これをどう生かすかどう考えるか、リスナーの方に考えていただくしかないですね。
見ていただきたいですね。
瀬戸先生、第2回で終了ですかね。
同じ事務所の先生ですので、定期的にお越しいただければと思います。
ありがとうございました。
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