1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
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2017-05-18 13:40

第93回「長澤運輸事件高裁判決~「同一労働同一賃金」は比較対象によって変わる!?~」

第93回「長澤運輸事件高裁判決~「同一労働同一賃金」は比較対象によって変わる!?~」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、
ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説します。
こんにちは。遠藤和樹です。向井蘭の社長は労働法をこう使え。 向井さん、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、今日も前回に続きまして、向井先生の持ち込み企画ということでやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今までのポッドキャストの毎回のテーマをちょっと過去を眺めていたら、
有名な判決を喋るのを忘れていたと思いまして、ぜひ今のうちに最高裁判決が出るかもしれないので話しておこうかなと。
長沢運輸事件といって、定年を迎えた方が再雇用された運送会社の運転手さんが、給料を減らされたのがおかしいと同じ仕事で訴えた事案で、
一審が勝っちゃったんですよね。
再雇用を同じ仕事してて、再雇用で金が安くなっちゃってるのは違法だと。
勝っちゃって、これでも世の中の常識がひっくり返っちゃって、再雇用って給料安くなるもんだみたいな暗黙の了解が崩れちゃって、
いろんなところで報道されて、セミナーとかも、僕も1回、2回、2、3回やったのかな?
それについての?
運が当たりとか、長沢運輸バブルみたいなのが起きたんですよ。
執筆してくれと。
ところが公裁判決が出まして、結構思ったより早く出ましてですね。
逆転焦燥なんです、会社側の。
会社側の逆転焦燥、労働者側の逆転焦燥。
そうすると、再雇用になって、同じ仕事してても、賃金が下がることは、それ自体は違法ではないと。
ということになってしまって。
そうすると、よく言う、同一労働、同一賃金があれ、という感じがしますよね。
労働契約法20条は、もともと同一労働、同一賃金の条文ではないので、ありませんので。
ですから、同一労働、同一賃金の判決ではないんですよ。
ないんだけど、判決文が、同一労働、同一賃金みたいな判決文だったんですよ。
一新が。
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同じ仕事してたら同じ給料払えよ、という判決文だったんですよ、原則として。
前回、確か、向井先生の事務所の星野先生が、一緒にゲストでられた時に、確かそういう話で、一新だったんで、当時。
その話ありましたよね。
ありましたよね。
私は、特に運送業の場合、職種も変わらないし、仕事と給料が、すごく密接に絡まってるわけですよ。
運賃から逆算して、給料決まってるから。
場合によっては、おそらく国によっては、請負契約、雇用じゃなくて、やってると思うんですよ。
馴染みやすいんですね。同一労働というか、同一サービス、同一賃金に馴染みやすい。
だから僕は、これ二新も維持されるんじゃないかなと思いましたが、
二新は非常に、保守的というか無難な判決になって、逆転配送になってしまったんですね。
長沢運輸バブルも沈みました。
ただただ、どういう論点で、結局会社側が勝訴ですよね。
簡単に言うと、最高要請度の追い立ちから判決は説明してるわけですよ。
歴史的背景ってあるわけですよね。
歴史的背景って大事なんですよね。
法律ってある目的を持って作るから、こういうことを実現したいために作るから、
揉みごとが起きたときに、争いがなったときに、
なんでこの法律作ったんだとから始まるわけですよ、解釈って。
それで裁判所がどう言ったかというと、これは年金財政から始まるんです。
年金財政がいよいよこのままでは持たないということで、支給年齢を段階的に上げますと。
60歳でみんなもらえたのはちょっともう無理だと。
どんどん日本は高齢化して、最終的には65歳まで上げますよと。
そうすると今まで定年が60で年金が60だったから、ぴったり一致してたわけですよ。
そうするとこれから65になっちゃうから、年金ももらえない、仕事もない期間っていうのができちゃうわけですよ。
これどうしようかというときに、いろんな施策があって、定年を65まで延長してくださいっていう選択肢か、
もしくはもう定年なしの会社にしてください、もしくは再雇用、また新しく定年を雇ってください、これどれか選んでくださいと。
こういう法律ができたんですよ。
多くの会社は定年をちょっと伸ばすのはリスクがあるから、また新しく雇うっていうのを選んだんですよね。
それが再雇用。
再雇用制度。
要するにこれは会社にお願いして新しく契約し直したわけだから、普通の有機雇用とはちょっと違うんだよ、そういうニュアンスで始まってるんですよ。
会社にお願いしてっていうのは、国が自分たちの財政状況に応じて、ちょっと苦しいので会社がそれを受けて、ちょっと別の定年、普通に生まれた契約制度ではない。
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会社が年金のために。
彼らが負担してくれてるということですよね。
と、判決文はそういう書き方なんですよ。
そういう判決だな。
ところが、働く方からしたら大きなお世話だと。
勝手に年金あげて、再雇用だって別に望んでもいないのにそうなっちゃって、っていう話なんですけど。
まさに労働者から。
公債判決は、要するに国の年金財政の問題から再雇用制度が生まれたって。
要するに再雇用制度って特別な制度なんですよと。
普通の有機雇用とはちょっと違うんですよと。
現実にですね、同一労働同一賃金ガイドラインでできましたよね。
去年、年末かな。
紹介もお説明しましたよね。
あれ、再雇用抜けてるんですよ、わざと。
書いてないの。
書いてないんです。
書き忘れてるなんてありえない。
書きたくない。
書きたくない。
だからすごい微妙な制度なんですよ。
なるほど。国の負担の分を若干企業側が受け取ってくれてる。
そうなんですよ。
あんまりこう、ドイツ労働の人に持ってくと、それは会社にやりすぎだ、みたいな。
絶妙なとこなんですね。
そう、絶妙な制度なんですよ。
で、判決文は何て言ったかっていうと、
だから、同じ仕事をしていたからって、同じ給料を要求できない会社に。
はあ。
それは再雇用だからしょうがないんだと。
再雇用の追い立ちからして。
ただ、例えばですよ、現役時代の10%下がりました。
90%下がりました。
80%下がりました。
70%下がりました。
それは生活できないですよね。
そういうやりすぎはいけないと。
じゃあ、この長沢運輸さんの給油はどういう水準にありますかっていうのを、
全国のデータで、どこの統計から出したのかな、忘れましたけども、
おそらく政府系の調査、統計データから、
要するに従業員何人から何人で、運送業で、
こういうこのぐらいの売上の会社のデータがあるわけですよ。
業界同士での比較をするためのデータを使ったわけですね。
データを使うと、結構むしろいいんじゃないかと。
比較ですよ、さっき言った差別の話。
前回のお話の、メトロコマースの。
比較をどこに置くかで、ガラッと風景って変わるから。
そうすると、いや、これはむしろいいよと。
同じ業界の同じ規模ぐらいの再雇用社員とかと比べると、
長沢さん払ってるじゃないと。
はー。
ってなっちゃったんですよ。
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ほうほうほうほう。
で、そんな裏絵はしょうがないでしょって言って買っちゃったんですよ。
なるほど、納得しにくい論点ですけど、そうなるんですね。
国側の立場、会社側の立場からすると、普通だよなーって感じですけど、
働いてる方からすれば、そんなの俺関係ねーよと。
いや、確かにおっしゃる通り。
勝手に引き上げて、勝手に再雇用制度使って、勝手に給料下げる。
で、何も俺悪いことしてないのに。
そういう意味で言うと、国の財政状況の主にが、
もろにその再雇用というか、彼らに、労働者側に来ちゃってるわけですよ。
労働者側に来ちゃってる。
うーん。
なんですよね。
それが公債判決なんですね。
はい。
なので、次また再公債が待ってるってことですよね。
待ってる。
僕はね、再公債判決出すと思いますね。
結構速やかに出すんじゃないかと。
結局もう、今後超高齢化社会になるから、
この問題ってもう、誰かが結論出さないといけないわけですよ。
ところが、政治が出せないわけですよ。
こういう問題って怪我するから、政治が。
うーん。
でしょ?
本当は本音では、やっぱり長沢ウィンの肩を持ちたいわけじゃないですか。
でもそしたら批判されるんですよね。
だから現状維持なんてガイドライン、給料維持しろみたいなの出したら、
もうすごい困っちゃう会社も出てくるわけですよ。
だからこういう時はね、再公債って便利なわけですよ。
はあ。
選挙で選ばれてないから。
なるほど。責任の所在がこう。
まあ、責任の所在がないとは言わない。
無責任とは言わないですよ。
無責任とは言うなら、民主的には批判は弱いですよね。
憲法上でよく使いますけど。
民主的な基盤は弱いですよね。
選挙で直接、国民審査で再公債の丸抜くじゃないですか。
あれ何年?10年に1回かな?
ちょっと待って、その辺。
でもあんなのはつけないじゃないですか。別に分かんないじゃないですか。
名前も分かんないから、いっぱい並んでますもんね。
ですよ。分かんないんで、ほとんど機能してないんですけど、
だからそういう時はね、再公債が結論出すと一気に政策も動くんですよ。
再公債と裁判所が労働政策の一部を作ってるんですよ、日本は。
政治が動かないから。
そうなんですね。
じゃあ今回の長沢事件は、再公債の判決が相当注目になるかなと。
相当注目ですね。
ありそうな気もしますけど。
これもしまた労働者側が勝訴になってたら、またバブルですよね。
もう大変なことになりますよね。
もう一気に再雇用の賃金が上昇しますし、紛争も起きますよ。
そして世の中にはセミナーやら書籍が増えるんでしょうね。
増えるでしょうね。相当揉める事案が増えると思いますね。
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それだけ今後の再雇用に関する重要な事件なわけですね。
重要ですね。
本当に長沢ウィンバブルみたいなの半年ぐらい続きましたよね。
実際にやっぱり公演終われたりとか。
ありました。
原稿執筆もね、ある公演もありましたね。
珍しいですよね。一つの判決出て、こんな話題になるなんて。
そういう事件だったんですね。
そうなんですよ。
これは興味深いですね。
とは言っても、現時点では最高裁が出ていないので、
どうこうというのはまだちょっと時期尚早ですか?
時期尚早ですね。
ちょっとしばらく静観しつつ、また最高裁が出た時には。
そうですね。また最高裁が出たら番組で取り上げたいと思います。
非常に貴重なお話ありがとうございました。
ありがとうございました。
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