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2025-07-25 11:43

第520回 専門型裁量労働制で在宅禁止は違法?合法?

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▼番組の概要

専門型裁量労働制/大学教授の打刻義務/自宅で授業準備・研究が認められていない/労働時間の”状況”把握義務/労基署への通報の難しさ/法的グレーゾーン/労働法と現実の乖離/制度と感情のねじれ

サマリー

このエピソードでは、専門型裁量労働制における在宅勤務の禁止が違法か合法かを議論します。大学教授が直面している問題を取り上げ、法律の解釈と実務の現状について考察しています。

専門型裁量労働制の背景
こんにちは、遠藤克貴です。向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
さあ、ということでね、今日も行きたいと思いますが、今日は質問に行きたいなと思うんですけど、よろしいですかね。
はい。
じゃあ、早速紹介させてください。
今日、50代の男性の方ですね、いただきました。
はい。
大学教授をしている者ですと、ありますよ。
びっくりですね。
大学教授の先生かな。が、労働法のご質問ですかね。
じゃあ、いきたいと思います。
現在、私の大学では専門型裁量労働制を採用しており、私はその制度に同意しています。
しかし、いくつかの点について相談をさせていただきたいです。ということで、3ついただきます。
はい。
1つ目、専門型裁量労働制を採用しているにも関わらず、大学では必ず勤務日はキャンパスに出勤し、ICカードで打刻しなければならないと学部部長から言われています。
自宅で授業準備や研究を行うことが認められていないのですが、これが専門型裁量労働制に反するのではないかと考えております。
専門型裁量労働制の下で、在宅勤務を一切認めず、必ず大学のキャンパスに来て打刻をしなければならないのでしょうか。
なるほどね。
1つ目ですね。
順番に行きますか。一気に行っちゃいましょうか。
じゃあ、順番で。
順番で行きますか。
行きますかね。はい。
いや、これはね、難しい問題で。
難しいですね。
難しいですよ。
この方の発言を聞くと、いや、そうですねって思いたくなりますけど。
専門業務型裁量労働制イコール在宅勤務ではないので、じゃあ大学がやってるのが必ず違法とはちょっと言いづらいんですけど。
在宅勤務と出勤義務
ただ、大学がやってて適法だなと思うのは、労働時間を記録させてるじゃないですか。
それはですね、実はご存知かもしれないんですけど、労働安全衛生法が改正されまして、労働時間の状況の把握義務っていうのが裁量労働制対象者も管理監督者とかもみんなに課せられることになったんですね。
労働時間の把握義務じゃなく、労働時間の状況把握義務っていう不思議な概念なんですけど。
労働時間の状況把握義務と労働時間の違いは何なんですか。
労働時間というのは文字通り労働時間なんですけど、労働時間の状況っていうのは労働時間そのものじゃなくてもいいんだけど、例えば建物に入った時間とか、パソコンを切った時間とか、労働時間と関連するような。
ややこしい概念だな。
そういうものは裁量労働制であってもちゃんと会社なり法人は把握しないといけないっていう条文ができたんですよ。
なんか知的業務である大学教授の方が自分の家で椅子、机に座ってた、もしくはソファーに座って上を眺めてても労働時間の状況になりそうですけど。
そうなんですよ。そこで問題になるのは、労働時間の状況把握義務はいいんだけど、一律に在宅勤務を禁止するっていうのは、果たして適法なのかって答えがないんですよ。
なるほど。
通達もないんですけど、一律にも禁止して厳しく制限してる場合は、違法になる可能性がある。ただ、それはどこにも書いてなくて。
なるほど。
ただ、出勤の義務はあるんじゃないかなっていう気はしてますね。
だから、労働局とか労基所に相談行っても、違法だと言わないんじゃないかなって気はしますね。
そのぐらいすごく判断ができないところなんですね、これは。
要は、そこまで法律作ったときに、インターネットもなかったし、何も考えないで、裁量労働制ってここまで考えないでできちゃったから、
じゃあ、家でやりたいんだったらやらせないといけないんじゃないのって言うのは何の答えもないんですよ。
だから、僕はギリギリ適法じゃないかなって個人的には思いますね。
なるほど、そうなんですね。
ただ、この方がね、そういった大学教授という職で、打国をマストにして裁量労働制と言われたときに、何か腑に落ちないというのは感情論として。
分かりますが、おそらく行政に相談しても、ああって言って、違法とまで言えないですねって言うんじゃないかなって。
でも、なかなか大学としても厳しめのルールを敷いているという感じは。
厳しいですね。
むしろそれをもとに、なんで大学がそうしているのかっていうようなところとかをちょっと変えていくような話をしていかないと、
違法適法の話でなかなか判断できないというのがここってことですね。
おっしゃる通りですね。
違法だからおかしいっていうのは、ちょっとおそらく行き詰まっちゃうと思う。
なるほど、なるほど。
じゃあちょっと2つ目をご紹介させてください。
大学では携帯アプリによる打刻システムを導入しているものの、システム利用料が発生するため、絶対にキャンパスに来て打刻しなさいと指示をされています。
このようにコストの利用を上げてキャンパスへの出勤を強制することは、専門型裁量労働制において違法ではないのでしょうか。
それも違法とまでは言えなくて、専門業務型裁量労働制もやっぱり出勤の義務を課している会社が多いんですよね。
そうなんですね。
そうなんですよ。みんな出社している会社も多くて。
じゃあそれが違法かっていうと、私はそうは思わない。
理由は確かにコストがどうのっていうのは、もう今時無料の打刻システムもあるぐらい、アプリもあるぐらいですから。
それは理由にはならないと思うんだけど、学生の交流とか、教員同士の繋がりとか、学校との連絡とか、やっぱりフェイスとフェイスでやり取りできるようにするために出勤をお願いしているんですって言われたら、違法とまでは言えないんじゃないかなと。
僕の個人的な見解ですね。
あーそうなんですね。
適応違法で責めると行き詰まるかなと思いますね。
ちょっとその先も進めて、1、2を合わせた上でのご質問なんですが、もしこの1と2の点が労働関係法規に反している可能性がある場合は、どのように労働基準監督署に通報すべきか、その方法についてもご助言くださいとありますが、なかなか厳しいかもってことですか?
僕は厳しいと思いますけど、もし通報したいんだったら、この学部長からの指示のメールとか文書とか、それは用意した方がいいです。
なるほどですね。
あとは雇用契約書と労使協定ですかね、専門業務型の。あと就業規則かな。それを用意して、労基署に直接行って、特命で相談したいとかっていうか、自分の名前を名乗るけど大学には明かさないようにしてくださいって言ってお願いする方だけど、
監督署はね、相当悩むと思います。
まあ、違法とまでは言えないんじゃないかっていう結論になるかなと。要は通達とかの根拠がないんですよ。
在宅勤務を認めないといけないみたいな。そこまではないので。
なるほど。
だから、ちょっと厳しいかなと思いますね。
なるほど。よりどころの法的なものがないので、判断できないので、チューブラリーになってしまうちょうどグレーゾーンの質問だったわけですね。
労働基準監督署への通報
そうです。
ちなみに、特命でとか、個人の名前を明かすけど大学には言わないでねというような形で言った場合には、そこはちゃんと守ってもらえて。
守ってもらいますね。守ってもらいます。
あとは全然違った法律を超えたところで、学校組織としてそのテーマをどうやって変えていくのかという別の話と、この辺どうお考えですか?
やっぱりどうなんですかね。僕はそこで争うよりはやっぱり仕方がないんで、大学に行って充実した時間を過ごせるように工夫するかなという気はしますね。
与えられた環境の中でという話ですね。
ここを争って時間を使うのはちょっと得策じゃないかなっていう気がしますね。
この方がどういった専門なのかもちょっとわからないので。
そうですね。
それによってもこういうふうに思ってしまう気持ちがあるんでしょうね、背景として。
毎日必要もないのに毎日おかしいじゃないかというのはわかりますけどね。
専門職なのにね。
ご自宅の場所とかね、そういう遠かったりしたら大変なんだけど、なかなかこれが違法とはちょっと言いづらいかなって気がします。
本当に絶妙な何とも解釈が難しいところのご質問いただきましたね。
また今日の話を受けて、具体的な話とかも専門言えないだろうなと思いますけど、状況とかもありましたらまたお連絡いただけたらと思います。
ということで今日のところ終わりましょう。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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