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2025-05-07 19:42

#28 『たぶん、忘れたふり』から始まる物語 – 本ができるまでの記憶と記録

📣新刊『たぶん、忘れたふり』がついに完成。執筆に参加した池田祐子さんと、瀬々いをりさんとともに、本のタイトルが生まれた背景や、書き方の癖、記憶と風景をめぐる内省をじっくり語ります。浮かび上がるのは、それぞれが紡いだ「なくなってしまう場所」しかし、そこに喪失を不思議と感じないのは?文学フリマ出展に向けた告知とともに、静かに火を灯すような対話をお楽しみください。📍index本ができました/タイトル案の裏側/副題との違い/言葉の癖/初期の打ち合わせを振り返る/流れ着いた島という比喩/執筆場所とタイミング/書き方の順序と感情・風景の優先順位/表現の個性について/きっかけになった記憶/明るい記憶を書くという選択/「読めばわかる」/最後のお知らせ📖event info【文学フリマ東京40】開催日:2025年5月11日(日)〜会場:東京ビッグサイト 南3・4ホールブース番号:し-74(カシミアノート)詳細:⁠https://bunfree.net/event/tokyo40/⁠📚new release新刊『たぶん、忘れたふり』– 「行けなくなった場所」をキーワードにした私たちの小さな本。– 書き手は朗読会の仲間たち。言葉でたどる、もうひとつの旅。✉️ご感想、エピソードの感想も募集中!https://forms.gle/hfw4NxAVR6DXPdVw8

サマリー

このエピソードでは、『たぶん、忘れたふり』という本の完成とその制作過程についての裏話が語られています。特に、タイトルの選定や執筆スタイルに関する体験が共有され、作り手たちの感情や記憶が強調されています。また、記憶と記録をテーマにした物語の創作プロセスについても触れられており、様々な出来事や風景が作家たちの心に与える影響と、それをどのように作品に昇華しているのかが描かれています。

本の完成とタイトル
こんばんは、カシミアノートです。今回は後半パートになりますので、まだ前半お聞きになっていない方は、ぜひそちらからお願いいたします。
後半も引き続き、ゆう子さんとゆおりさんにお越しいただいております。よろしくお願いします。 お願いします。お願いします。
というわけで、後半はちょっとダラダラしていきたいなと思うんですけれども、
本ができました。見えますかね?見えます。見えます。こんな感じです。ちゃんと無事に印刷できました。
かわいい。良かったですね。これちなみにタイトルはゆうりさんが提案していただいたんですけれども、すごくいいタイトルです。
すごくいい。選んでいただいて嬉しいです。
これね、まだ公開、フォトキャスト上では公開してないんですけども、多分忘れたふりというタイトルが付けられました。
これってどんな時に思いついたんですか?
そうですね。やり方としては、この本って何を言葉にしたいんだっけみたいなことを、なんかストーリーみたいにして、
一回組み立ててみるんですよね。ゆうすけさんにもお送りしたと思うんですけど。
で、その中に言葉が入っていることが結構多くて、
皆さんのストーリー書きながら、皆さんの原稿を何度も読んで、
なんか、亡くなってしまう場所のことを話しているのに、思いが熱烈すぎて、
この人たち多分忘れないんだろうなと思って。
だから、亡くなるとかって多分私たちには関係がなくて、
忘れてしまいそうとかっていうのは当て前で、多分忘れたふりなんだろうなみたいな、
そういう感じで何度も考えていく中で一つ出てきて、その一つを選んでいただいたっていう感じでしたね、今回は。
執筆プロセスの裏話
すごい裏話。
なんかね、4つかな?
4つか、複数提案していただいて、そこから僕がもうこれですっていう感じで選ばせていただきました、これは。
で、実を言うと、僕もちゃんと考えてたんですけど、
いや、もうやっぱ全然違いますねっていうなんか感じがしてて。
この副題でついてる、この透明な街、片思いの地層を歩くっていうのが、僕が一応サブタイトルで入れさせていただいてるんですけれども、
でもすごくこう同じものをね、見たり、始まりはね、一緒なのに名前をつけるとかになってくると、
全然違うものにね、たどり、お互いがたどり着いていくっていうのも、またこれは不思議な感じだなって。
不思議ですよね。
結構丁寧にどういうことを今回テーマにしていこうかって、打ち合わせもしたりして、
みんな鮮明にこういうことだっていうのを一つ共通認識持ってたはずですけど、
ね、たどり着くところとか、やっぱり言葉の作り方の癖とかが、やっぱ人それぞれあるんだなぁみたいな、
思いましたね。
ユステさんのタイトルも見させていただいて。
本当にそう思った、なんか。
方向性としてはね、同じというか、そんな遠くなかったですけど。
そうそう、最終的なね、やっぱ言葉として並べられると、だいぶ違うんだなってのは、
毎回こうやってて、なんか楽しい発見でもあるなとは思いますね。
ゆう子さんは、あの一番初めのこの本のね、なんか雑談したときとかも、
渋谷のね、のやぎさんがね、そうセッティングしてくれたお店で、
ちょっといよりさんとかマーチンさんはちょっと予定が変わらずだったんですけれども、
あそこからね、ここにたどり着くっていうのを、なんか不思議な感じですよね。
不思議です。なんかあんなにふんわりとしたね、ものっていうか、
そもそもテーマがあるべきなのかどうなのかとかね、そういうところからすごい現れてきましたよね。
現れてきましたね。
ぼわーんって。
なんかでもね、俺実はのその打ち合わせ、まあ打ち合わせっていう名前のちょっと食事会というか終わった後、
その駅にね、向かおう最中で池田さんが言った言葉がね、ちょっと僕ね、残ってるんですよ。
その、なんかみんなで何かを持ち寄るときに、企画を持ち寄るよりも、まず雑談というか、
本当に些細なことからちょっと話し始めましょうみたいな、いうふうな話をして、
で、本当にふんわり決まって帰ったじゃないですか、あの夜。
で、そこから池田さんがね、言ったね言葉がね、
あーこれちゃんと出したい、どうしよう。
ちゃんと出したいんだけど、日にちがあんまり覚えてないな。
6とか7とか8とかじゃないですか。
3月末までに、末になんか、全部原稿手揃わせてとかって。
すごい早い。
話してた。
ですよね。
そうそう、あのね、そう池田さんが言ったのはね、
あの僕が、そのふんわりした、本当なんかテーマ決めをさせてもらったときに、
なんか漂って流れ着いた島を行きましょうっていう言い方をしたんですよ。
えー。
で、そのみんなが5人今回いて、5人いるから、
あの、あっちに進みましょうって僕が言うんじゃなくて、
って言い方を多分しなかったと思うんですよ、今回。
本当になんかふんわりみんながこう、なんかさざ波立てるように、
小さい波をこう徐々に起こしてって、
そこに、なんか流れ着いた島に行ったらいいんじゃないですか、みたいな、
っていうニュアンスで言ったんですけど、
池田さんがね、そのときにね、
じゃあ今回は泳いで行く島ではないんですね、っていうふうにおっしゃったんですよ。
そうだっけ?
そう、これね、覚えてる、ちゃんとメモってるんですよ、俺。
執筆スタイルの多様性
日記毎日つけてるんで、僕は。
で、なるほどーって思ったんですよね、なんかそのときにも、でも。
でも確かに今までは、少なくとも年末は、
泳いだなーって感覚があったんですよ、僕の中で。
多分僕がこう、いろんなことをやって、
みんなからもちろんエッセイ寄せていただいて、
でも僕もこう、いろいろこう、お客さん代表として、
一番初めのお客さんとしていろんなことを言わせていただいた中で、
いやこっちじゃなくて、こっち側に行きましょうっていうことを結構明確に言ったからこそ、
池田さんはそういうふうに今回はしないんだなっていうふうに受け取ってもらえたんだなっていうので、
ちょっと僕は感動してたんです、実は言うと。
そうだったんだ。
実は言うとね、そしらぬ顔してなんかこう、ポーカーフェイスのふりして、俺実は。
あ、池田さんはちゃんと伝わってるなって思いながら。
あったです。
でも覚えてらっしゃらないですね。
覚えてはなかったです。
でも意図が伝わってたってことですね。
あー良かったーってそうそう思ってて、
その時はね。
これなんかどこで書いたとかあります?お家で書きました?みなさん。
ですね、大半自宅の仕事机で書きました。
でもいろんなところで書いてみて、一番没頭してそれだけを見てるなって感じるのが電車の中で。
電車。
やっぱり自宅にいるといろんなものが目に入るので、普通に。
なのでやっぱりいろんなところに意識が向くと思うんですけど、電車に座ってハイピングして書いてれば、もうそれだけ、それだけが目の前にあるものなので、たぶん一番進むなって思いましたね、今回やってみて。
そうなんや。
え、ゆう子さんはお家ですか?場所を選ばず。
お家かカフェとか行くか、なんかこう仕事でやらなきゃいけないことの合間に息抜きとして書くみたいな。
あーでもすごくいい付き合い方。
いいですね。
本当ですか?
息抜きになっていらっしゃるのがすごい素敵。
すごいよね。
なんか相手を割れて書くので、素晴らしいって思いました。
理想。
そうか、それはそうだよな、仕事ってそうです。
なんか今回のどこから書いたとかって覚えてます?
もう初めの一文から順番に書いていくタイプですか?
はい。
ゆう子さんきっとそうですよね。
え、なんで?
なんか一本の映像みたいなので、たぶん要所要所書いていくのがあれ難しいだろうなって思うんですよ。
すごいなんか一本の線になってるっていうと、ちょっとあれなんですけど。
ワンカット映画みたいな感じなのね。
すごい鮮明じゃないですか、書いてるその風景が。
思い起こして、たぶん今回の記憶っていうテーマでも、過去のことを遡って書かれてると思うんですけど、なんか昨日あったことみたいに書かれてるのがすごくて、どうやって言葉が出てくるのかなって。
なんか断片なんですよね、断片なんですけど。
なんかその絵は覚えてるみたいな、なんとなく覚えてるみたいな。
風景選考って感じなんですかね。
あ、そうかも。
私感情しかないんですよ、概念とか。なのでなんか風景で言葉って出てこなくて、たぶん興味ないんですよね、あんまり。
興味ないっていうのは、なんかその意図してじゃないんですけど、覚えてないので興味ない。
そこにあんまり関心がないんだろうなって。
ゆうすけさんどっちですか?
でも感情選考なんだけど、なんて言うんだろう、誰にも見せない日記みたいな文章になってっちゃうんですよ。
たとえが合ってるかわかんないけど、これは。
だから、いったん翻訳し直してるみたいな、なんか風景に戻していくみたいな、なんかかな。
感情から選考して、そこに風景も後から乗っかけていくんですか?
そうそうそうそう。
なんかそうバランスいいなって感じてました。どっちもなんか、どっちの視点もあるなじゃないですけど。
あら、もう終わりますか、じゃあっていう、もう褒めてもらったんで。
覚えたことなかった。
でも、いよりさんの言ってる、今話してもらったので、全部繋がった感じがしました、俺の中で。
読んだ感情、漢字?いわば感想とかで、それに対してなんか感情選考だったりとか風景から書き始めるっていうので、
言われてすごくぴったりくるみたいな、なんか今。
感情で見てるんだって、そういうことですか?
うんうんうん、そう。
なんて言ったらいいんだろう、いよりワールドに引き込まれてる感じが僕は強いんですよ、とっても。
わかる。私の書いてるもの。
そう。
ゆうすけさんの話かと思いました。
あ、俺の話。俺の話でも、むしろあれなんですけれども、それを今ご本人の口から聞いて俺は、あ、宝かっていう感じはとってもしたかも。
記憶の再構築
なんか名前がついてないものに輪郭をつけようとするみたいな、そういう感覚なんですよね。
わかりにくいものに近づいていこうみたいな、そういうつもりで書いている気がします。
いやでも、すごくそれを丁寧に、なんかね、本当にお料理でお皿にこう盛り付けられてる感じで、
一個一個こう、目の前に出されてる気分なんです、僕は、よりさんの読んだりとかしてると。
で、ゆう子さんのさっき言った、こう風景がこう、1から最後までつながるって感じも、で、なんでこういう文章を書けるんだろうって思ってるっていうか、なんかすごくもう、すって、なんかもうすごく語彙力ないね、今俺がね。
今の俺の語彙力がないね。
すって。
わかりますけどね。
すって入ってくるんですよ、なんかもう言葉そのまま、もう景色が私の目にも映るみたいな、再現度がすごいですよね。
それぞれ全然違うんですね。
違うね。
違うって、まあ読めば違うのはわかるんだけど、なんか今仕組みがちょっと見えたというか、面白い。
これちなみに、ゆう子さんは、この出来事を書こうと思ったきっかけみたいなのはあったりしたんですか?
なんか、ふと思い出したっていうか。
へー、そうなんだ。
なんかそう、2回目に行った時の感動というかを、1回目のことを本当に忘れてて、2回目に偶然行った時の感動を思い出したっていうか。
たまたまその2回目行った時、ここはあそこじゃん、みたいな感じになって、で、もうその時点でもうここなくなるって書いてあったから、
えーって思ってたら、なんかすごい大きな建物ができてて、なんかその一連の動きが、なんかすごい、自分の中でこれかなって思った。
へー。
じゃあ、なんとなくキーワードがあった時から、こうアンテナがちょっと張ってたのかしら?
なんか、一番最初渋谷で話してた時に、その例えば、東横線のホームにあったドトールとか、という話が例として出たんですよね。
で、私それすごい覚えてて、で、自分の中でもそこのドトール結構思い出あったから、これだってその時は思ったんですけど。
そうなんだ。
そう、これだって思ったんですけど。
副都心とね、東急東横線が一緒になる時にね。
そうそう、なって、なくなって、で、その時はもうこれにしようって思ったんですけど、あれって思って、もっと近くにあるじゃんって思った。
あーそうなんだ。なんかでもそれは素敵な発見というかね。
そう、だから気づけてよかったというか、書こうとしてよかったなって思ってます。
だから、読んでいただく皆さんにもね、気づいていただきたいんですけど、その気づいた瞬間のなんか気出しみたいなのが、それもドラマっぽかったなと思って。
つながる瞬間があるじゃないですか、そのゆうかさんの中で記憶が。
その話がすごい好きでした。
嬉しいです。
創作のインスピレーション
ちょっともう、いい空間だわ。
なんかその場を知ってる人がいてくれたら嬉しいなって思いました。
確かに、きっと嬉しいですよね。
いよりさんは書こうと思ったきっかけとかどういうふうに過ごしてたとかあったんですか?
そうですね、なんかやっぱなくなっていく場所っていうテーマなので、悲しいとか寂しい思い出と紐づいちゃうものが思い浮かんできて、
せっかく書くなら、そういうものよりも明るい気持ちになるものが書きたいなと思ってた時に、一番なくなって困るものがあるじゃないかと思って、
今回題材にしたのが、私12年ぐらい好きな自分がファンの立場にさせる人たちがいるんですけど、
そのグループというかがなくなってしまう。
その人たちと、その人たちが生活にあった日々っていうのをちょっと今回書いてみたんですけど、そんな感じでしたね。
これなら明るい気持ちで書けるなみたいな。
そういう感じで選びました。
そうそう、もう打ち合わせの段階で日和さんからポジティブなものが書きたいって言われた時に、俺はちょっとハッとしてるんですよ。
で、確かに一見するとそのキーワードからはネガなものがこぼれ落ちちゃいそうな感じもするんですけど、
でも僕は結果的に絶対ポジティブになりますっていう、なんか多分打ち合わせの時はねそういうふうに言って、
それは後書きに書かせていただいてるんですけれども、なんかそれに実はあの一言なんかすごく助けられたなっていうのは実はあったんですよね。
で、読めばわかりますよね。
これは僕は、
ね、わかりますよね。
読めばわかる。
なくなってしまうものを書いてるはずなのに、喪失よりもなんて言うんですかね、あったかい気持ちというか、寂しさがないのが不思議で。
だからね、決してね、これを説明するのって本当に難しいなって常々思ってるんですけどね、すごく簡単に思い出話っていう感じではないんだけども、みたいななんかそういう。
そうね、言葉にできないのを取り上げたのもなんかいいですよね。
良かったなと思ってます。
なんでね、ぜひね、ちょっとこれね、読んでいただきたいなっていうね、本当に思い出がいっぱいなので、ぜひ手に取ってほしいなと思っています。
最後にお知らせなんですけれども、5月11日日曜日東京ビッグサイトで開催される文学フリーマンに出展することになりました。
新作のジンですね、ご用意しておりますので、ぜひ会いに来てください。
当日はですね、野柳さんとマーチンさんと私はブースにいるんですけれども、ちょっと池田さんがお仕事の都合でいらっしゃらないっていうことなんですけれども、なんか池田さんお伝えしたいことありますか?
思いを、思いが、思いそのものなので、はい、あの、大丈夫です。私はそこにいます。
天の風になってみたいな。
私はそこにいます。
私の陣の前で泣かないでくださいみたいな。
いやでもね、本当に今、本当に池田さんのおっしゃる通りだと思います。
はい、ありがとうございます。
で、野柳さんは実は別のブースにも出展していらっしゃることなんですけれども、そちらちょっと教えていただいてもいいですか?
はい、私は、「野柳三丁目」というブース名で新作の陣を販売します。
同じくエッセイを書く友人のスイさんと一緒に、「情脈開花」というタイトルで販売します。
ブースの場所は佐野51です。
よろしければこちらもぜひお立ち寄りいただけますと嬉しいです。よろしくお願いします。
はい、ありがとうございます。
それでは、カシメヤノートお相手は、ゆうすけと、ゆうこと、ゼゼイヨリでした。
19:42

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