1. 心と学びの共育ラジオ
  2. 【AI読み上げ】自分がポンコツ..
2024-05-29 08:24

【AI読み上げ】自分がポンコツだと気づいた日

※この放送はstand.fmのAIテキスト読み上げ機能で作成されています。
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/636afda6b4418c968d1edad8
00:01
お前はうちの部署にいらない。移動先の上司から最初に言われた言葉だった。
ショックを受ける一方で、そうだよねと納得している自分がいた。
2回目の転職活動を経て、ベンチャーの人材会社に営業職として採用された。
自分がこの会社を変えてやるんだと意気込んで入社したが、結果は何一つうまくいかなかった。
新規開拓をメインにしていたが、受注はおろか、企業とのアポイントすら取れない日々を送った。
インターン生に月間の受注数で敗北し、その彼から、しっかりしてくださいと言われる始末。
入社当初、周囲から寄せられていた期待に何一つ応えられず、申し訳なさを感じていた。
入社して半年が経とうとした頃にコロナ禍になり、より厳しい状況に置かれた。
これまで以上にアポも受注も取れない日々が続き、上司に詰められる毎日。
そんな自分に呆れつつも、寛大な会社は新規一転を図るため、新たな部署への配属を命じた。
そこは対面での商談ではなく、オンラインでの商談をメインとする部署であり、リモートワークになった。
コロナ禍で多くの企業が外部の人間と直接会うのを避けるようになったため、会社もそれに合わせて動いた。
その部署には自分を含め3人が配属された。
当初は試行錯誤の日々を比較的楽しく送っていたが、会社から卸された目標には到底届かない状況が続き、早くも安運が立ち込めた。
自分なりに必死に取り組んでいたつもりだったが、それでも売上を飛躍させることができなかった。
そのうち、一人が退職し、もう一人も前の部署に戻ることになった。
親しく接していたメンバーの退職は、素直に悲しかった。
自分だけになり、しかも売上目標は変わらず、当初は3人に課せられた目標を一人で達成するよう動かなければならなかった。
絶望した。こんなえげつない目標達成するの絶対無理だ。
コロナ禍で人を採用したい企業は少ないし、募集をしたらすぐに集まるという状況で契約なんて取れるかと思考は多責に陥った。
こんな思考でうまくいくはずもなく、目標達成率は一桁台に。
悪い意味であり得ない状態だった。
不甲斐なさすぎる自分に痺れを切らした上司は、リモートワークから毎日出社に切り替えるよう命じた。
そりゃあ当たり前だよなと思った。
そこから地獄の日々が始まった。
毎日150件以上、営業先リストをもとに電話をかけた。
アポが取れたら、その都度商談をして何とか受注までこぎつけるために必死だった。
商談がない日はひたすら電話。
03:02
電話と電話の間が少しでも空いていると、横にいる上司から、今何してんの?と突っ込まれた。
勘が開く頻度が増えると、椅子を蹴られることもあった。
人によってはパワハラ?と受け取るかもしれないが、自分はそう思っていない。
これくらいやられないと奮起しないくらいクソ社員だったからだ。
結果は出ず、居場所がないと追い込まれた。
受注は愚かアポも取れない日々が続き、精神的にダウンした自分は禁断の手を使ってしまった。
そう、空アポだ。
アポが取れていないにもかかわらず、取れたと嘘をつき、オンラインでの面談を設定した。
しかし、これが想定外の事態を引き起こす。
優秀な営業マンである同僚がその商談に同席すると言ったのだ。
彼は自分と同い年であり、社歴も自分より長い。
何より営業マンとして素晴らしい結果を出している方だった。
自分は、やばいと思いつつも、それが嘘だと言えずに当日を迎えた。
定刻になっても顧客が参加しないので彼は私に問いただした。
さすがの私も迫上した。
普段は温厚で接しやすい彼だったが、この時ばかりはさすがにキレていた。
そりゃ当たり前だが、それから数ヶ月がたち、相変わらず成果が振るわない自分は再び移動を命じられた。
コロナをきっかけに始めた事業をしている部署の人員が不足しているという建前で、本音は営業クビになり、その部署で働くこととなった。
営業職として採用され、活躍を期待されていたが、大きな裏切りをし、大赤字社員となり、赤字を垂れ流した。
その結果、事務がメインの仕事をすることとなった。
その移動が決まった後、直続の上司と話をすることになり、最初に言われたのが冒頭の、お前はうちの部署にいらないだった。
その前には採用担当から、お前を取ったのは失敗だったと言われていた。
ショックは受けたものの、苛立ちや悔しさは一切なく、そりゃそうだ、という感情しかわかなかった。
この立て続けの出来事により、いやでも自分自身と向き合わざるを得なかった。
そうか、俺はポンコツだったのか。
わかっていたけど、認めたくなかった。
自分は有能で仕事が出来る男だと思いたかった。
しかし、営業として全く成果を出せず、姉妹にはカラーポまでしてしまう。
採用担当に、取ったのは失敗と言われ、移動先の上司に、お前はうちの部署にいらないと言われる。
どう考えてもポンコツだ。
おまけに多色思考の塊。
もはやポンコツの極み。
06:00
ありがたいことに、移動先の上司は寛大な方で、こんなポンコツな自分にも仕事をくれた。
社内には優秀な人が大勢いたので、他の方がやった方が上手くいく仕事が大半だったが、自分なりには一生懸命に仕事をした。
その甲斐もあり、この事業が一段落した最後の方には、上司から、お前、ちょっとずつ良くなってきているよ、と褒めの言葉をいただいた。
事業が一段落して人員に余剰が生じたこともあり、自分は再び営業へ戻された。
会社からは、あと二ヶ月で成果を出さなければお前の居場所はないと明言された。
成果を出せるイメージが一ミリメートルも湧かなかった。
故に二ヶ月を待つことなく、次の転職先を決めることなく退職を申し出た。
この先どうなるか不安だったが、続けられる気がしなかった。
一旦はゆっくりしようと思った。しかし自分には妻と幼い娘がいる。そうもしていられないが、行動に起こせなかった。
そんな時、妻が一件の求人情報を紹介してくれた。
それが今も勤めている学習塾の求人だった。
ノリで受けた採用試験だったが、専攻が進む頃にはここで働きたいという思いが強くなった。
結果は無事採用。本当に良かった。学習塾では、生徒に、特に成績がふるわない生徒に指導をしている。
言い訳せずに、ちゃんとやるべきことをやれ、他席だね。
それじゃ何もかもうまくいかないよなどという度に、もう一人の自分が、お前もな、と突っ込んでくる。
自分はポンコツで、人様に意見やアドバイスをする立場ではないと思いつつも、立場上しなければならない。
成績がふるわない子を見ていると、過去の自分を見ているような感覚になる。
だから彼ら彼女らに指導をする時は、過去の自分にも言っている感覚になり、今の自分に跳ね返ってくる気分になる。
生徒に指導をしつつ、もう一人の自分が、お前はどうなの、と突っ込みを入れてくる。
今はそんな毎日を送っている。これが割と楽しいのである。
08:24

コメント

スクロール