労働人口の現状
こんにちは。沿路楽器です。久野勝也の「労務の未来」の先生、よろしくお願いいたします。
お願いいたします。
さあ、ということで、今日はですね、ちょっと久々に、久々っていうのもおかしいんですが、
労務の話をね、していこうかなというふうに思っておりますけれども、
あの、今回テーマでいうとどういう感じですかね?
対応…
そうですね、あの、あまりに人が取れないっていう相談が多いので、
あ、そうですか。
はい。なぜ取れないかというか、もうここは、要は労働条件とか、
みんなそういうとこに、なんか視点が行き過ぎなんですけど、
そうじゃないところをちょっと話したいなと思ってます。
労働条件ではない、そして問題としては採用、人が取れないというテーマで、
どういうふうに考えていくかということですね。
はい。
いきましょう。
あの、そもそも、去年ですよね。
労働人口って今、日本始まって以来一番多かったって聞いたことあります?
労働人口が最も多かったのが?
去年なんですよ。
24年?
24年。
ほうほうほう。
で、これは女性の労働参加とか、
後、高齢者の方が長く働いているからっていうのは、
今まで引退していた世代の方が、労働市場に留まっているっていうところから、
実は労働人口って去年一番多かったんですね。
人不足と言いつつも労働人口は一番多かったんですね?
一番多かったんですね。
多かった。だから今取れなければもう二度と再び取れないんですよ。
こっからどんどん下がっていくと?
そうです。まあ下がって、これ上がってかもしれないんですけど、
今一番いい状態なのに人が取れないっていうのが中小企業なんですよね。
じゃあある意味売り手市場ではないか。
みんな欲しいけども、人がどんどん労働市場に出てきているのに取れないっておかしいよねと。
採用のコストと投資
そうです。なぜ取れないかというようなところは、
単的に言うと、中小企業は採用にお金をかけなさすぎだというようなところです。
要はそこの採用に対する投資が低いと。
低いと。
これはデータに基づき的な話に行きますか?訂正的な話ですか?
データにちょっと基づいてるんですけど、
データですね。
かなりローカルなデータですけど、
ローカルデータ。
私、競運人事ローム塾ってちょっと怪しげな。
競運人事ローム塾。
人事ローム塾。なんかやってなさそうなタイトルですね。珍しいですね。
2ヶ月に1回名古屋で集合研修してるんですよ。
経営者の人が25人くらい集まってやってる塾があるんです。
講師、くの先生。
講師、私とSMCの曽根先生という方がいまして、
2人でやってるんですけど、すごいのが、
向井先生に顧問してもらってて。
塾を?
塾の。
塾を顧問してもらって。
塾の監修してもらってるんですよ。
半年に1回向井先生の講義もあるっていう塾なんで。
めちゃくちゃ面白いんですけど、
その時に毎回宿題出すんですね。
そこで宿題で、
社員の平均年収とか、
有給の取得率とか、
そういうの出してですね、
全員フルオープンにしなきゃいけないという塾なんですけど。
結構さらっと言いましたけど、
なかなか参加に勇気のいる塾ですね。
もう辛いですね、参加。
情報公開、もう全部。
完全公開して、
自分たちが足りてるか足りないかっていうのもいるんですけど。
決算書までは出さない?
決算書までは出さないけど、
まあでも、いつか出させられるかもしれないですね。
怖っ。
なるほど。
そういったかなりの窓越し塾ですね。
その時に採用にいくらかけてるんだというようなデータを
フル公開してくださいと。
決算書のネースとかでも、
普通仕分けの中で採用広告費とかってあると思うんですけど、
そういったのにいくら使ってるかっていうところのデータを出したんですけど、
ほとんどの会社があんまり使ってないなっていうのが僕の実感で。
いわゆる25社が全員、
あれですか、少し時間軸も取って、
何年か分のこれまで採用に投下した採用費、
広告費等々をグロスで全部出してって、
で、比較表を作ったということですね。
そうですね。
怖っ。
採用っておそらく最も重要だと思うんですけど、
一人多分正社員取るのに、
120万から100万ぐらいは最低かけなきゃいけないと思ってるんです。
で、パート一人取るのに50万ぐらいはかけないと取れない時代からだし、
それぐらいかけていい人取りに行かないといけないかなと思ってるんですけど、
ほとんどの会社がだいたい一人取るのに、
正社員ですよ、2、30万しか使ってないと頑張ってるんです。
ひたすらハローワーク使って、
なるべく安く取ろうとか、
そういう人が本当に多いなっていうのが今感じてるところです。
なるほど。
だからほとんどの会社は人不足の前に、
まず採用費不足というか、
そこがありますというようなところです。
これはローカルなそういったデータからするとどういう感じなんですか?
採用費をかけないようにけじっちゃってるというか、
採用費にコスト等価するっていう概念が意外とないみたいな話なのか、
どういった感じなんですか?
そうですね。採用にコスト等価する概念がなさすぎるので。
やっぱりそっちなんですね。
なので、要はそこに意識がいってないということは、
労働条件を上げようという意識も働いてないということにも近しいと思うので。
とにかく採用のためにどう労働条件を良くしていくかという視点も足りてないし、
そもそもでも自分たちを知ってもらおうというところの採用広告とか、
そういったところも足りてないなと思ってまして。
なるほど。
一番顕著に出るのが、紹介会社とかって皆さん結構使いたくないって言うんですよね。
高いからですかね。今年収の30%ぐらい。
40%とか30%とか。
でもこれ本当に高いのって話したときにですね、
良い人が来てくれれば別に40%ぐらい簡単に取り返せるわけじゃないですか。
まあ確かに。
そういったところで、良い人が本当に取りたいのって思ってるのっていうところですよね。
そこは高いっていう概念を捨てなきゃいけないし、
あとそういったところでとにかくお金を思い切って投資できてないから、
結局良い人が来なくてっていうのが負のサイクルにめちゃくちゃいってるなと思うんで、
とにかくお金をつかなきゃダメだということを伝えたいです。
戦略的な採用の重要性
ちなみにデータ的に言うと、
だいたい広告費、採用にかけるグロスの金額いっても微妙ですよね。
1人当たりにいくら投下してるっていう指標の方がいいんですか?
どういった切り口が紹介できますか?
一生懸命やってる会社は、正社員とかで5、60万で取れてるんじゃないかなと思うんですよ。
けどそれは、多く使ってだんだん1人当たりの単価が下がっていくだけで、
年に1回しか取らないとかっていう話になると、
100万以上かけてる会社しか票取れてないっていう感じがします。
なるほど。
じゃあ、かなり戦略的にずっと時間使って投下してるところが、
1人当たりの採用コストは下がっている傾向はあるけれども、
時間軸で見たら相当な投下をしてき続けてるっていう傾向があるわけですね。
そうですね。
当たり前っちゃ当たり前ですよね。
なのでそういったところをもう1回見直すのが大事で、
うちも結構人応募来るんですけど、
採用広告以外のところでもいくと、
20人くらいのところから採用専門のメンバーとかも雇ったりしてるんですね。
社内に?
社内に。
今、採用専属メンバーいるんですか?
います。
マジですか?
労働市場の現状
今、人事務2人います。
採用担当?
採用担当1人いるんですよ。採用だけしかやってないと。
えー。すごいですね。
それを20人くらいのところで雇ってるんですけど、
そういうメンバーもいる会社といない会社とどっちが取れるのかって言ったら、
採用担当いる方が取れると思うんで。
なるほど。
何かちょっとお伝えしたいかって言うと、
とにかく人が取れないっていう相談がめちゃくちゃ多いんですけど、
そんな増えてますか?
取れるに足る努力が足りないんじゃないかと。
いうちょっと厳しめの?
いや、もうちょっと、はい。
塾講師としての?
厳しいというか、意外とやっとかないと、
これから大変なことになっちゃうので、
お伝えしたい。
要は採用担当者を雇う、採用広告をかけておく。
足りなくなってから頑張り始めると、
失敗を打つこと多いんですよね。
またいい人取れるわけもないし、
紹介会社も一番分かりやすいと思うんですけど、
たまに依頼してくる会社に、いい人紹介しないじゃないですか。
はいはいはい。
なので、常に日頃からちゃんとコミュニケーション取れてるような会社さんに、
紹介会社の人もいい人渡していこうと思うわけなんで、
そういう関係性作るところにもパワーがかかるはずなんで。
確かにね、お金だけで買える話ではないですもんね。
時間軸も必要で。
そうなんですよ。
中小企業だけで本当に人が大事と、
採用が大事だと思っている経営者の方は、
もう一度お金のかけ方を見直したほうがいいんじゃないかなと思ってて、
お給料上げるとか、休日増やすというところも、
単純に人件費だと考えるとコストに感じると思うんですけど、
でもそれももう採用の投資だと思うことだと思うんですよ。
なるほど。
っていうようなところが伝えておきたいなというふうに思っています。
そのぐらい今現実のテーマとして多く相談があるということですね。
企業の採用戦略の重要性
先生、ちなみに1個質問なんですけども、
人が取れないっていう相談がすごく多いというのは、
例えばですけど、地下衛生士さんとかの業界とかだと、
本当に人さえいればどうにかっていう業界とかもあるじゃないですか。
介護とかも人手不足とか分かりやすかったり、
運送業とかもそうですよね。
人さえ確保できたらもういかで伸ばせるみたいな。
ではなく、いろんなところが今、
売上は立ち、人が欲しい状況にはあるってことですか?
どこの会社も、特に雇用の流動化が進んでいるので、やめるのも…
やめてる方が多いのか。
補充するのにすら間に合ってないという感じです。
なるほど。流動化の方の流れなんですね。
考えなきゃいけないのは、必ず人の質って悪くなってくるんですね。
一昔は人が待ってたので、やめたらいい人入ってくる可能性があるんですけど、
努力しないと、大企業が今いい人材取りに行ってるので、
同じ努力だとどんどんどんどん人材が悪い人しか入ってこなくなってくるわけです。
なるほど。
だから同じ質を担保するだけでも、
努力しない限りは、絶対にうまくいかなくなってくるということですよね。
すごく重要なポイントですね。
なので人が足りないっていうのは、
人が取れたらどうにかというよりも、
人を確保しないとまずいっていう局面にあるところが多い中で、
さらに取れないっていう感じで、どんどん苦しんでいってるっていう意味で取れないんですね。
そうなんですよ。
で、これ今インフレ来てるので、
現状の売上維持…
売上維持じゃもうまずいわけですよね。
売上を上げていかなきゃいけないというベースの中で、
人がいないとか人の質が下がってるとか、
あとなんか事業変革しようと思うにも、
いい人材いるじゃないですか。
で、いい人が欲しいって言ってる人ほどまたお金かけてないんで、
この負のサイクルに入る前に、
どっかで資金投下しないと。
そうですね。
値上げをしていかなきゃいけない、
つまり付加価値を上げていかなきゃいけないとなった時に、
優秀な人材を確保しなきゃいけないし、
定着させなきゃいけないけど、
ここの競争に勝てるのかっていうところで、
切り口としては採用費ちゃんとかけられてない企業が、
ちょっと多すぎますよという話ですね。
そうですね。
全体像整いましたのでね、
今日のところ終わりたいと思いますが、
非常に大事なテーマですね。
ぜひまた何か質問がありましたら、
この辺りの切り口でいただけたらとお待ちしております。
ということで終わりましょう。
久野先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか。
この番組では、久野正弥の質問を受け付けております。
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たくさんのご質問お待ちしております。