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2025-05-30 14:01

#241 【金曜日の金次郎】江戸時代の金融システム「五常講」ってなんだろう?

▼お悩み相談・リクエストボックス
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▼第1回:二宮金次郎ってどんな人?
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▼第2回:あなたの財布と未来が変わる?
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▼第3回:勤労って、本当はどういう意味?
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▼第4回:心に響く二宮金次郎の教え「至誠」ってなんだろう?
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▼第5回:「桜町仕法」から学ぶ、くじけない心の育て方
https://stand.fm/episodes/68301a541b1c741f77780e24

「金曜日の金次郎」第6回配信です!

今回は、薪を背負う姿でおなじみの二宮金次郎が江戸時代に作り上げた、驚くほど画期的な金融システム「五常講(ごじょうこう)」について詳しくお話しします。

「五常講」とは、儒教の「仁・義・礼・智・信」を基盤とし、村人同士が支え合う相互扶助の精神から生まれた温かい仕組みです。 高い利息に苦しむ人々を救い、地域全体を元気にしようとした金次郎の熱い思いが込められています。専門家からは「世界初の協同組合ではないか」とも言われるこのシステムは、現代のマイクロファイナンスやクラウドファンディングにも通じる先見性に満ちています。

「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という金次郎の言葉が、まさに形となった「五常講」。その仕組みや背景、そして現代社会にも通じる学びのポイントを分かりやすく解説します。

放送を聞いて感じたことや金次郎さんに関する疑問、リクエストなど、ぜひコメントでお寄せください。
そして、金次郎さんのお墓がある栃木県真岡市の蓮城院へも、いつかお参りにいらしてくださいね。

次回は、さつまいもが村を救ったユニークな制度『芋こじ』のお話です。お楽しみに!

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サマリー

江戸時代の二宮金次郎によって生み出された「五常講」は、相互扶助の精神に基づいた画期的な金融システムです。このシステムは、地域の人々が協力して困難に直面している人を支えることを目的としており、現代の金融に多くの示唆を与えています。

金次郎の紹介
どうも、コウブンです。 栃木県の片田舎にある蓮城院というお寺で副住職をしております。
今日は金曜日ですので、金曜日の金次郎をお送りしたいと思います。
この金曜日の金次郎というのは、二宮金次郎さん。 薪を背負っていることで有名な二宮金次郎さんのことを
分かりやすくお伝えしようというコーナーです。 薪を背負っているのは有名ですけれども、薪を背負って勉強している。
勤勉であるというのは、きっと伝わっていると思うんですけれども、実は勤勉だけではないんですよね。
そういった素晴らしいところをたくさん持っている金次郎さんのことをちょっとでもお伝えして、そして私のお寺、蓮城院に金次郎さんのお墓がありますから、
そのお墓に、いつか皆さんがこれを聞いてお墓参りに来ましたというような人がいれば、現れたらいいなという、そんな風な
企みを持ちつつお送りしているというわけでございます。 というわけで、今日は
第6回目ですね。前回は 二宮金次郎さん、金次郎さんの凄すぎる村起こし術
桜町地方のお話をしたんですよね。 絶望的な状況からどうやって
村を建て直したのか、その知恵と行動力というものに本当に驚かされました。 そしてその根底には金次郎さんの教え、法徳思想というのがあったんですよね。
さて、金次郎さんの凄さはその村起こしだけではないんです。 今日はお金の話です。
金次郎さんは実はお金も大得意。 江戸時代に作られたとは思えないような画期的な金融システムというものを作ったんですね。
その名も五条項というものなんですけれども、 これはですね、今日は皆さんと一緒に見ていきたいというふうに思っております。
どうぞ最後までお付き合いくださいますようよろしくお願い致します。
では、五条項について。 まずそもそも五条項って何かという部分なんですけれども、
漢字で書くと五つの五。 常という字ですね。それは常。
項はね、 公義とかの公ですね。公辞。
これはね、どういう意味かというとですね、 儒教の五条道というね、
仁・義・礼・智・信というのを基盤にした、 そういったものなんですね。そこから取ったものですね。
儒教の思想というのをベースのもので作られたものということですね。
すごくね、堅いお名前なんですけれども、 その中身というものは今の私たちの生活。
もしかしたら今の社会が一番必要としているかもしれないような、 そんな温かい仕組みなんですよね。
で、なんで金次郎さんはこの五条項を作ろうと思ったのか。
江戸時代の農村、
農業をやっている方々は私たちが想像する以上に、 経済的に厳しい状況に置かれていることが多かったらしいんですよね。
作物がちゃんと育つかどうかというのは、お天気次第だったし、 そして年号も必ず収めなきゃならない。
もし病気になったり、あとは不作が続いたりしたら、 あっという間にお金というのはなくなっちゃうんですよね。
そんな時、頼れる場所が、 頼れる場所がなかったら、
どうでしょうか。高い利息でお金を借りて、 ますます生活が苦しくなってしまうというような、そんな人もね、
多かったと思うんですよね。そういう人たちを何とか救いたい。 そしてお金のことで困っている人が
いる一方で、少し余裕がある人もいるので、そういった方々みんなで 力を合わせれば
もっと良い仕組みが生まれるんじゃないかという、 そういう金次郎さんの
熱い思い。 そしてね、相互扶助の精神から生まれたのが、この五条湖というわけなんですよね。
五常講の特徴
単にお金を貸すんじゃなくて、村のみんなで支え合って、 地域全体を元気にしていこうという、
まさに一石二鳥みたいなことを願った、 そういった画期的なシステムだったんですよね。
この五条湖、実は専門家の方々が言うには、 世界初の共同組合なんじゃないかということをね、言われたりするんですよ。
すごいですよね。 江戸時代にそんな先進的な仕組みを作ってしまった金次郎さん。
素晴らしいですよね。
具体的にどんな仕組みだったのかというところなんですけれども、 まず、お金はどうやって集めたのか。
これはね、法得金と呼ばれる基金を設立したんですよね。 村の人たちがそれぞれの経済状況に応じて、無理のない範囲でお金を出し合う。
みんなで少しずつお金を出し合って、村全体のための大きな助け合いの 助金箱を作る、そういうイメージなんですよね。
そしてお金に困っている人がいたのであれば、 この法得金からお金を借りることができる。
しかも、その驚くのは貸し付け条件なんですよ。
なんとね、ものすごい低金利、場合によっては無利子という形で有償を受けることができたということなんですよね。
現代だとね、無利子、低金利も無利子というのもなかなか難しいですよね。
それぐらい良い良心的な条件だったということなんですよね。
返済も無理なくできるように考えられていたということなんです。
借りた人はそのお金を元手にして一生懸命働いて生活を立て直す。
そして少し余裕ができたら借りたお金を返していくということなんですけれども、
その時にお礼として借りた元金に少しだけ上乗せをして返すこともあったということなんです。
このお礼の部分がまた次の誰かを助けるための資金となって、基金を豊かにしていく。
そういった素晴らしい循環ができていたということなんですよね。
まさにお金は天下のまわりものということわざを打ちでいくようなシステムなんですよ。
しかもこの五条項の運営というのはメンバーの総意に基づいて民主的に行われていたというんですよね。
これは現代でいうところのマイクロファイナンス、例えば有名なところで言うとバングラディッシュでのグラミン金庫みたいにね。
貧しい人たちを支える小額融資の仕組み、あるいはみんなでプロジェクトを支援するクラウドファンディング、
あとは地域で使われる地域通貨なんかの考え方にもすごく通じるものがあるというふうに私は思います。
金次郎さんは本当に先見の銘があったということなんですよね。
さて、この五条項という名前は先ほども申し上げたとおり、儒教の教えのところから来ております。
人が守るべき5つの大切な特目、仁、義、礼、智、信のこの5つですよね。
金次郎さんはこの道徳的な教えを、なんとお金の貸し借りという経済活動の中心に据えたというところがすごいんですよね。
これはすごく斬新かなというふうに私は思いました。
それぞれの特目が五条項の中でどんな役割を果たしたのかというと、
まず、仁。最初の仁。これは人便に値筋の2と書いた仁ですね。これは思いやりの心です。
お金を貸す側は、相手を助けたいという仁の心で貸し出す。
次に義。これは正しい道筋なんですよね。
借りる側は、借りたお金は必ず返すという義の心を持つ。
そして礼。これは感謝と敬意。
借りた側は、助けてもらったことへの感謝の気持ちを礼として示す。
そして智。これは知恵です。
借りたお金はただ使うんじゃなくて、ちゃんと生活を良くするため、事業を成長するために賢く使う。
最後に信。これは信頼ですね。
貸す側も借りる側もお互いの約束をきちんと守って、信頼関係を築くということなんですよね。
この5つの特目がしっかりと機能することで、お金の貸し借りという、
ともすればトラブルも起きやすいような行為が、お互いを思い合って、そして高め合うための素晴らしい仕組みになるという、
そういうふうに金次郎さんは考えたわけなんですよね。
まさに以前お話しした金次郎さんの言葉、
道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。
この精神が五条項という具体的なシステムとして花開いたという言葉なんですよね。
お金を儲けるだけでもダメだし、理想論だけでもダメ。
その2つががっちり手を組んでこそ本当に世の中は良くなるという金次郎さんの強い信念というものを感じるんですよね。
さて今日の金曜日の金次郎、いかがだったでしょうか。
当時代にこんなにも進んだ、心温まる金融システムがあったというのは本当に驚きです。
今日の学びポイントをまとめますと、1つ目は金融リテラシーの大切さ。
お金の仕組みを知って賢く使うことの重要性を金次郎さんは教えてくれているんですよね。
2つ目は相互扶助の現代的意義。
困った時はお互い様、みんなで支え合う社会というのはやっぱり素敵ですよね。
そして3つ目は新しい経済システムへのヒント。
道徳と経済が手を取り合うことでもっと持続可能で、もっと温かい仕組みが作れるかもしれない。
そういう可能性を感じさせてくれるというところですよね。
金次郎さんのこの御上校のアイデアというのは、今の格差が少しずつ広がっている時代だからこそ、もっともっと見直されて、新しい形で生かされていくべきなのかもしれませんよね。
さて次回ですが、もっとさらにびっくりすることかもしれない、金次郎さんの生活再建術というのが登場するんですよね。
なんと、さつま芋が村を救ったというようなユニークな制度、芋こじのお話なんですよね。どうぞこちらもお楽しみにしてください。
今日の放送を聞いて皆さんが感じたこと、考えたこと、あるいは金次郎さんに関する素朴な疑問など、こんな話がもっと聞きたいといったリクエストなどありましたら、ぜひともコメントをお寄せください。
コメント欄とか、あとは番組関与欄にあるメッセージフォームからお気軽にメッセージを送っていただけるととても嬉しいです。
そして繰り返しになりますけれども、私、公文が副住職を務めさせていただいておる 栃木県毛川市の蓮城院というお寺には
三宮金次郎さんのお墓があるんです。この放送を聞いて少しでも金次郎さんに興味を持っていただけたら、ぜひ一度お墓参りにいらしてくださいませ。
金次郎さんもきっと喜んでくれると思うんですよね。はい、というわけで蓮城院副住職の公文でした。
ではでは、またね!
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