#45 PMIとテセウスの舟
◆PMIにおける「同一性」と「変化」◆買収後のPMI(Post Merger Integration)では、ルールやガバナンスを導入するだけではなく、対象企業の文化やコア価値を尊重する姿勢が重要になる。哲学的な「同一性」の問いを参照し、企業文化もまた変化しながら連続性を保てると考えるべきだと説く。テセウスの船や鰻屋のタレの例を用い、同一性は「許し」と「約束」によって維持されるという見解を紹介した。◆変わる部分と守るべきコアの線引き◆PMI成功の鍵は、相手企業が大切にしてきた価値観や仕事観を肌感覚で理解し、守るべきコアと変えるべき周辺領域を明確に伝えることにある。コアに対する敬意を示しながら、変化を伴う統合を進めることで、不安や反発を最小限に抑え、協働を促す土台を築くことができると述べた。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Note:https://note.com/logicalkobo
#44 中小ベンチャーでの立ち回り
◆中小ベンチャーでの経営企画のリアル◆中小ベンチャーでは経営企画という役割が明確に定義されておらず、戦略よりも現場の「Do」に関わる実務が重視される。ガバナンスや管理体制が未整備なことが多く、まずは経理体制の整備やフロー構築、実績管理の早期化が求められる。請求や経費処理の遅れ、無駄なコストやモラルの低下などの課題に対し、問題解決部的な姿勢で臨むことが重要となる。◆肩書きより姿勢、管理より価値創出◆肩書きにとらわれず「何でもやる」スタンスで信頼を築くことが第一歩。最低限のガバナンス構築の後は、管理の人間で終わらず、事業面への貢献も示すべき。営業同行やKPI設計など、売上・利益向上への関与を通じて企業価値を高める動きが必要であり、経営企画としての価値はそこにこそある。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Note:https://note.com/logicalkobo
#43 権威に負けないためのミルグラム実験
◆エージェントとしての危うさ◆ミルグラム実験を紹介しながら、「上からの命令」に従うだけの姿勢が人間をいかに容易に非人道的な行動へと導くかを解説。命令に服従し、自らの意思を手放すと、善良な人でも異常な行動を取ってしまう。これは経営企画の仕事にも通じる深い問題である。◆経営企画に求められる主体性◆経営企画が本社の意向をそのまま子会社や現場に押し付けていないか、自問する必要がある。現場に適さない施策であれば、情報を持つ当事者として調整・翻訳し直すことが求められる。単なる命令の伝達者=エージェントではなく、意思を持った橋渡し役となるべきである。◆「言われた通りにやる」からの脱却◆マニュアル通りにしか対応しない店員のように、無批判な姿勢は信頼を失う。現場と本社の意見を受け止め、双方の納得解を模索することが経営企画の本質。エージェントではなく、状況に応じて考え、行動する個としての在り方が重要である。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Note:https://note.com/logicalkobo
#42 スライドを書かなくなった話
◆スライドをやめた理由◆資料作成はスライドではなくWordベースを基本とする。装飾や図解に時間をかけるより、本質的な情報を正確に伝えることが重要。スライドによる「仕事をしている感」に流されず、丁寧な文章で構成された報告こそが、伝える力を最大化する。◆「伝える」とは何かを見直す◆資料は手段であり目的ではない。相手に内容が届いていれば、スライドである必要はない。ビジネスも家庭も同じで、言葉で伝わることは言葉で伝えるべき。報告だからスライドが要る、という思い込みは捨て、最適な手段を選ぶ視点が求められる。◆相手の特性に合わせる伝達術◆視覚優位か聴覚優位かで伝え方を変える。文章で理解できる相手には文書を、会話を重視する相手には言葉で熱量を示す。目を見て話すだけで伝わる場面もある。資料の形式にとらわれず、相手の受け取り方に最も適した方法を選ぶことが効果を生む。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Note:https://note.com/logicalkobo
#41 報告と連絡は何が違うのか
◆報告は義務、連絡は戦略◆報告は「任務の結果を上長に告げ知らせる義務」であり、意味があるかないかに関わらず行うべき行動である。経営企画の仕事は自律性が高くとも、その動きが企業価値の向上にどう寄与しているかを定期的に報告することで、信頼や評価の前提が築かれる。◆連絡は相談のハードルを下げる◆連絡はミッションのない相手への情報共有であり、特に横や斜めの関係において有効。事前の連絡があることで、いざ相談が必要になったときにスムーズに会話が始まり、相手の思考負荷も下がる。相談は連絡の延長線上にあるという前提を持つことが重要。◆報連相の本質を捉え直す◆報告・連絡・相談の違いは「任務の有無」によって整理できる。報告は義務、連絡は布石、相談は意思決定への関与。経営企画として多くの関係者と関わる中で、この3つを正しく使い分けることが業務を円滑に進める鍵となる。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Note:https://note.com/logicalkobo
(雑談回 #8)配信頻度を変更します
◆番組概要経営企画の「きりん」が経営企画としての悲哀や悦びを語ります。たばこ部屋だからこそ聞ける、なんとなく盗み聞き程度でちょうど良い、でも聞き流すにはもったいない、そんな番組を目指します。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Voicy:https://voicy.jp/channel/2732※Season1は、2022年頃にVoicy独占配信をしていましたが、Season2よりマルチプラットフォームでの配信を行っております。※BGM:MusMus
#40 人を責めずに仕組みを責めるの具体例
◆番組概要経営企画の「きりん」が経営企画としての悲哀や悦びを語ります。たばこ部屋だからこそ聞ける、なんとなく盗み聞き程度でちょうど良い、でも聞き流すにはもったいない、そんな番組を目指します。◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。◆Twitter:https://x.com/kirin_fpa◆Voicy:https://voicy.jp/channel/2732※Season1は、2022年頃にVoicy独占配信をしていましたが、Season2よりマルチプラットフォームでの配信を行っております。※BGM:MusMus
#39 孤立するExcelマスター
◆Excelスキルが生む孤立と業務の危機◆Excelに精通すること自体は悪くないが、属人化が進むと組織にとって大きなリスクとなる。経営企画では特に、月次業務や現場支援など、他者との連携が前提であり、引き継ぎ不能なExcelは支援ではなく依存の温床になる。マネジメント視点でも、複雑なExcelはブラックボックス化し、業務の持続可能性を脅かす。難解な設計は評価されず、むしろ疎まれ、結果的に業務自体の消滅や逆流を招く。◆親切な設計こそが真のExcelマスター◆複雑な関数やVBAの多用は避け、誰でも読み解けるように設計することが重要。簡素な関数、明快なシート構成、一貫した表記ルール、可読性重視の色分けなど、引き継ぎやすさを最優先する。引き継ぎはExcelそのものではなく業務目的の共有から始め、可能であれば後任がゼロから設計し直す形が望ましい。真のExcel力とは、簡単に使えるものを設計できる力であり、チームで使える形に落とし込む配慮が必須である。
#38 稟議の遅い会社は崩壊する
◆同期処理と形式主義が稟議を腐らせる◆稟議が遅い会社では、定例会などの同期的な場でしか承認が進まず、差し戻しによって1〜2週間単位で簡単に遅延が発生する。また、文面のわずかな不備により形式主義的に差し戻す文化も、合理的判断より様式を優先する非効率な体質を露呈する。さらに、通知機能のない稟議運用では、承認の事実が現場に即時伝わらず、確認作業の無駄が重なる。◆稟議の遅延が組織崩壊を引き起こす構造◆稟議の遅延は、唯一の武器であるスピードを自ら手放す行為に等しく、競争力の喪失を招く。現場からの提案は差し戻され、意思決定はトップの一存で進むようになるため、社員は思考停止し、指示待ちの作業者と化す。改善提案も評価されず、やがて誰も声を上げなくなる。稟議の遅さは現場のやる気を奪い、組織の活力を削ぎ落とす。◆市場感覚の欠如と稟議がもたらす衰退◆稟議プロセスの形式化は、社長の市場感覚の欠如を表している。価値創出に寄与しない書類作業に時間を費やし、外部のフィードバックも拒む体制では、プロダクトの進化も採用の成功も望めない。人材は定着せず、ノウハウも蓄積されない。稟議の遅さという単一の問題が、会社の根幹を蝕む深刻なリスクを孕んでいる。
#37 経営企画の唯一絶対のミッションとは
◆ミッション思考が経営企画の軸をつくる◆経営企画の本質的なミッションは企業価値の最大化であり、単なる数値報告やオペレーション整備ではない。この視点を持つことで、自分の仕事が貧乏くじに見える状況を脱し、業務の意義を再認識できる。経営企画に限らず、人事なら「人の価値の最大化」、営業なら「顧客満足の最大化」、エンジニアなら「思想の実現」といった具合に、それぞれが自職務を広いミッションで捉えることで行動の質が変わってくる。◆組織間連携と働き方の再設計◆職務をミッションで捉えると、隣接部署との協働が自然に生まれ、部門を超えたシナジーが創出される。経営企画と経理や人事の間でも、ミッションに基づいた資料提供や共同検討がなされるなど、関係性の質が向上する。また「なんでもやれ」の要求に対しても、ミッションに資する業務とそうでない業務の取捨選択が可能となり、やらない業務の定義ができるようになる。足元の作業にとらわれず、遠くの旗を見て真っ直ぐに線を引くように、ブレずに働くための指針がミッション思考である。